2010/11/01

11月の事務所便り

 休日が取りやすい「業種」「地域」は?

 ◆「年間休日」に関する調査結果から
人材紹介大手の株式会社インテリジェンスが行った「年間休日調査」の結果が9月中旬に発表されました。この調査は法人企業5,000社を対象とした大規模なものです。
企業における年間休日数については「120日以上」(76.2%)としているところが最多であり、以下、「100~119日」(21.4%)、「99日以下」(2.4%)と続いています。

 ◆業種別に見るとどうなっているか
業種別では、年間休日数が「120日以上」の企業の割合は「金融」(95.5%)、「IT」(95.4%)、「メディア」(82.1%)の順に多くなっています。逆に「120日以上」と回答した割合が少ない業種は、「小売・外食」(24.2%)、「建築・土木」(53.3%)、「サービス」(71.2%)となっています。
年間休日数が多い業種では、法人向けの事業を展開している会社が多く、年間休日数が少ない業種では、年中無休で店舗営業などしているケースが多く、また、土日祝日がかき入れ時となるため週休1日といったケースも多く、全体として休日が少なくなっています。

 ◆地域別に見るとどうなっているか
地域別では、年間休日が「120日以上」の地域の割合は「関東」(83.9%)が最多でした。以下、「東北」(70.2%)、「関西」(68.7%)、「北海道」(58.8%)、「九州・沖縄」(56.6%)、「中国・四国」(55.6%)と続いています。
この結果には、地域の産業構造が影響していると分析されています。「関東」や「関西」には比較的休日の多い業種(金融やITなど)が集まっているため、年間休日数が多くなっています。
逆に、「中国・四国」や「九州・沖縄」などは、大手メーカーの下請工場や365日稼動しているコールセンターなどが比較的多い地域です。このような企業では、従業員がシフト制で勤務している場合が多く、長期の休暇が取得しづらい傾向にあります。


 相次ぐ「未払い残業代」をめぐる紛争事例

 ◆「未払い残業」に関するトラブル
このところ、「未払い残業代」をめぐるトラブル事例がマスコミを賑わせています。9月下旬には、大手旅行会社の子会社、流通業界大手のグループ会社の問題が相次いで取り沙汰されました。
今後、様々な要因から「残業代請求訴訟」等が増加するとも言われており、企業にとっては非常に気になる問題です。

 ◆みなし労働の適用をめぐって
阪急交通社の子会社である「阪急トラベルサポート」の派遣添乗員6名は、「みなし労働時間制」が適用されているのは不当であるとして、未払い残業代の支払いを求め、東京地裁に提訴していました。
先日その判決があり、同地裁の裁判官は「みなし労働時間制」の適用を認めたうえで、1人当たり84万円~271万円の支払いを同社に求めました。
判決では、携帯電話による報告や添乗報告書などによる労働時間の把握は困難であったと認定して「みなし労働時間制」の適用は認めました。しかし、ツアーごとに「みなし労働時間」を決定すべきであると判断したのです。

 ◆労基署の是正勧告を受けて
イオングループの「マックスバリュ東北」では、秋田県内の2店舗において未払い残業があるとして、今年の3月に労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
その後、同社では、青森・岩手・秋田・山形の全90店舗における未払い残業についての調査を行い、過去2年間で従業員1,009人(8,687人中)が未払い残業を行っていたと認めました。従業員1人当たりの月間の未払い残業時間は平均7.1時間であり、今年の11月末までに未払い総額約2億2,000万円を支払うと発表しました。

 ◆「労務リスク」に備える!
多くの企業は「未払い残業」に関して、非常に大きな労務リスクを抱えています。過去の未払い残業代について、いつ従業員(または退職者)から請求がなされるか、労働基準監督署からの指摘を受けるかわからない時代となっています。
今後は、無駄な残業を発生させない仕組みづくり,労務管理上の工夫、就業規則・社内規定の整備等が、より一層求められるでしょう。


 新しい高齢者医療制度の行方

 ◆2013年度に廃止予定
何かと話題となった「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)ですが、民主党による新政権発足後、見直しの論議が活発化しています。
厚生労働省は2013年度の同制度廃止と新制度導入を目指していますが、今後の高齢者医療に大きな影響を与える制度改革の動向に注目が集まっています。

 ◆現在の制度の仕組み
後期高齢者医療制度は、2008年4月に導入されました。都道府県単位で保険料が決定される仕組みで、75歳以上の人(約1,400万人)が対象となっています。
保険料の徴収は市町村が行い、医療給付などは「後期高齢者医療広域連合」(都道府県ごとに全市町村が参加・設立)が運営を行っています。

 ◆新制度が導入されると?
厚生労働省では、この後期高齢者医療制度を廃止して2013年度から新しい高齢者医療制度を導入するとしています。新制度では、75歳以上の高齢者のうち、現役サラリーマンと扶養家族(約200万人)は「健康保険組合」や「協会けんぽ」などの被用者保険に加入し、その他の人(約1,200万人)は国民健康保険に移ることとなります。
なお、国民健康保険については、運営主体を「市町村」単位から「都道府県」単位に広域化する方針が厚生労働省から示されています。

 ◆新制度におけるポイント
なお、新しい高齢者医療制度のポイントは、次の通りとなっています。今後の動きに注目しておきましょう。
(1)年齢によって保険証を変える必要がない
(2)世帯主以外は保険料の負担がない
(3)医療費が高額になっても世帯合算で負担減となる可能性がある


 「働きやすい会社」の条件とは?

 ◆上位10社のうち6社が電機業界
日本経済新聞が行った2010年の「働きやすい会社」ランキングが発表されました。
上位から「ソニー」「東芝」「パナソニック」「日立製作所」「凸版印刷」「富士通」「ダイキン工業」「日本IBM」「富士フイルム」「パナソニック電工」と名だたる企業が続いていますが、社員にとっての「働きやすさ」とは、どんなことなのでしょうか?

 ◆企業の人事・労務制度の充実度を点数化
この調査では、働きやすさの条件として、(1)社員の意欲を向上させる制度、(2)人材の採用・育成と評価、(3)働く側に配慮した職場づくり、(4)子育てに配慮した職場づくりの4項目が挙げられています。
上記の項目はいずれも人事・労務の充実度に関するものであり、これらを点数化し、働く人が何を重視するかを加味して配点が決定され、その結果がランキングに反映されています。

 ◆いかに働きやすい職場をつくるか
働く人が重視する項目に関するアンケートでは、「年次有給休暇の取りやすさ」(48.5%)、「実労働時間の適正さ」(35.6%)などが上位を占めています。
しかし現実的には、多くの社員が「年次有給休暇を取りにくい」、「長時間労働が慢性化している」などと考えている企業は、特に中小企業などでは多いと思われます。

 ◆会社と社員が一体となった取組みを
適正な人員配置を行い、業務の効率化を図り、労働時間の短縮を図ることは、企業経営にとって永遠のテーマであると言えるでしょう。そのためには、会社が作った制度を一方的に社員に押し付けるだけでなく、会社と社員が一体となって業務の効率化について真剣に考え、働きやすい職場としていくための取組みを行うことが必要なのではないでしょうか。


 IT業界エンジニアの自己啓発費用

 ◆1人月1万5,000円以上
IT業界においては、常に最先端で活躍するエンジニアとなるために、書籍を購入して勉強したり、セミナーに参加して最新技術に触れたりということが欠かせません。
そのための自己啓発費用は1人あたり月1万5,000円に上ることが、Tech総研(株式会社リクルート提供)がITエンジニア300名を対象に実施したアンケートでわかりました。

 ◆書籍・雑誌よりもネットで
自己啓発費用の内訳は、「技術関連の書籍代」2,841円、「通信費」9,346円、「セミナー参加費」1,402円で、「その他の費用」を含めると合計1万5,536円となりました。
ただ、各項目における「0円」回答を含めずに算出すると、その平均は「書籍代」5,074円、「通信費」1万159円、「セミナー参加費」9,779円などと大幅に増加します。「0円」回答の中には、その費用を会社が負担しているというケースが含まれているようです。
書籍代(雑誌も含む)と通信費の比較では、圧倒的に通信費が多くなっていますが、ネットで集められる情報が豊富になったことにより、書籍や雑誌を買う必要もなくなったということが考えられます。
 
 ◆「会社の支援なし」が36%
エンジニアたちの勉強意欲は旺盛で、「今年取得したいと思っている技術スキルや資格は?」との質問には、国家資格のほか、ベンダー資格やTOEIC、ビジネス系の専門資格を挙げる人もいました。
キャリアアップのために会社が設けている制度についての質問には、「セミナー参加費補助」と「資格取得支援」という回答が多くみられました。しかし、会社からの支援は「特にない」という回答も全体の約36%あり、会社にとって自己啓発支援のための余裕が以前に比べてなくなっているようです。

 ◆お金がかからない方法も
最近ではお金をかけない自己啓発も増えています。例えば、IT系企業や技術者団体が無料で開催するセミナーがあります。また、技術系のメルマガ購読などの手段も有効だと言えるでしょう。


 創業100年以上「長寿企業」の秘訣は?

 ◆創業500年超の企業は39社
帝国データバンクが行った「長寿企業」(創業100年以上)に関する実態調査によれば、創業100年以上の企業(個人経営、各種法人を含む)は2010年8月時点で2万2,219社あるそうです。
創業時期別にみると、「100年~150年前」が2万56社で、全体の9割が江戸時代末期から明治後期にかけて創業しています。創業300年超は605社、創業500年超は39社という結果でした。

 ◆最も古い企業は?
創業が確認できた企業のうちもっとも古かったのは、寺社仏閣建築を行っている「金剛組」(大阪市)の西暦578年(敏達天皇6年)で、聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた工匠が始祖とされ、業歴は1400年以上に及びます。

 ◆業種別では「小売業」が最多
業種別に見ると、「小売業」(6,279社)がトップで、製造業(5,447社)、卸売業(5,216社)が続いています。小売業での業歴トップは、山梨県にある仏具小売の「朱宮神仏具店」で、創業は1024年(万寿元年)でした。製造業の業歴トップは京都市にある仏具製造の「田中伊雅佛具店」で、創業は885年頃(仁和年間)です。
都道府県別にみると、「東京都」(2,058社)がトップで、1349年(貞和5年)に創業した和菓子製造の「塩瀬総本家」が最も古い企業です。2位は「愛知県」(1,211社)、3位は「大阪府」(1,080社)となっています。

 ◆長寿企業の秘訣は「変化への対応力」
これら「長寿企業」永続の秘訣は、「変化への対応力」に尽きると言えるでしょう。
戦争・災害、産業構造の変化など、幾多の困難を乗り越えてきた原動力は、過去の成功体験にとらわれず、変化を恐れない姿勢に集約されています。
景気の先行きが不透明な今日において、長寿企業に学ぶべきことは多いのではないでしょうか。


 中小企業における「人材確保・育成」10カ条

 ◆東京商工会議所が発表
東京商工会議所では、中小企業の経営者が人材確保・育成などに取り組むうえで重要と思われるポイントをまとめた「中小企業の人材確保・育成10カ条~企業成長の源泉は人材にあり」という小冊子(http://www.tokyo-cci.or.jp/chusho/10kajou/index.html)を発表しました。
日本の中小企業は、雇用の7割近くを担っていると言われていますが、労働条件などの平均値を見た場合に大企業と比べて見劣りすることが多いため、採用などの労働市場で苦戦を強いられているケースが多くあります。

 ◆10カ条の内容は?
発表されたこの冊子では、「人材の確保・育成は経営の存続とともに最大の経営課題」と位置付け、人材の確保・育成、評価・処遇や企業風土や組織構造といった観点から、経営者が取り組むうえで重要と思われるポイントがまとめています。
10カ条の内容は次の通りです。
(1)「働くことが楽しくなるような事業分野で勝負」
(2)「明確な方針をわかりやすく伝えよ」
(3)「トップが先頭に立って必死で育てる」
(4)「採用ミスは致命傷」
(5)「人が育てば企業も育つ」
(6)「部下の育成は仕事の一部」
(7)「制度や仕組みだけでは動かない」
(8)「中小企業らしさに誇りを持つ」
(9)「真似ずに学べ」
(10)「経営者は教育者」

 ◆業績向上の事例も掲載
この冊子には、会社独自の取組みによって不利な条件を克服し、自社の業績向上に結び付けた事例なども掲載されており、人材育成に悩んでいる企業の担当者にとって大きなヒントとなるのではないでしょうか。


 介護労働者の離職率が減少傾向

 ◆前年度比1.7ポイント減で17%に
介護労働者の離職率が前年度比1.7ポイント減の「17.0%」となったことが、財団法人介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」で明らかになりました。どのような要因があるのでしょうか?

 ◆採用率25.2%、離職率17.0%
この調査では、訪問介護員および介護職員の1年間(平成20年10月1日~平成21年9月30日)の採用率と離職率を調べた結果、採用率が25.2%、離職率が17.0%となりました。
1年未満の離職率は43.1%、1年以上3年未満の離職率は32.5%と高く、事業所側では、早期の離職防止や定着促進のため、「職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている」(56.5%)、「労働時間の希望を聞いている」(53.8%)、「賃金・労働時間等の労働条件の改善を行っている」(50.7%)などの方策をとっているようです。

 ◆教育や研修の状況
訪問介護員および介護職員に対する教育や研修の状況については、人材育成のため「教育・研修計画を立てている」が50.4%、「教育・研修に積極的に参加させる」が43.7%、「採用時の教育・研修の充実」が36.5%でした。
過去1年間の教育・研修内容では、「介護技術・知識」が73.2%、「安全対策」が60.5%、「接遇・マナー」が54.9%でした。

 ◆運営上の課題は?
介護サービスを運営していくうえでの問題点については、「今の介護報酬では、人材確保等に十分な賃金を払えない」(52.7%)がトップでした。
介護事業所にとっては、賃金や労働環境の改善にいかに取り組んでいくかが、定着率を上げるための鍵を握っていると言えるでしょう。


 社会保障協定の発効済みが12カ国に拡大

 ◆新たにスペイン、アイルランド
日本との社会保障協定が発効済みの国の数が、これまでのドイツ、イギリス、韓国、アメリカ等10カ国に加え、今年の12月からはスペイン、アイルランドが加わり、12カ国となります。

 ◆「社会保障協定」の目的
社会保障協定の目的は、例えば、日本人が海外で働く場合に、働いている国の社会保障制度と日本の社会保障制度において二重の保険料負担が発生してしまうことの解消にあります。また、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があり、保険料の掛捨てになってしまうことの解消です。
このように社会保障協定は、(1)「保険料の二重負担」の防止、(2)「保険料の掛捨て」の防止を目的として、各国と締結されているのです。

 ◆各国との社会保障協定の発効状況
現在の社会保障協定の発効状況ですが、「発効済」がドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ、「署名済(準備中)」がスペイン・アイルランド、イタリア、「交渉中」がスイス・ハンガリー、「交渉準備中」がスウェーデン・ルクセンブルク・ブラジル・フィリピンとなっています。

 ◆改正等についての注意が必要
社会保障協定の内容は、協定を締結する相手国の制度内容に応じてその取扱いが異なる場合があり、また、各国とも年金制度には特例があることも多く、将来的には年金制度の改正が行われる可能性もあるため、注意が必要です。


 ものづくり分野の人材育成事業に補助金

 ◆課題は「中小企業の人材育成」
日本における「ものづくり」を支える中小企業では、熟練技能者の持つ技術・ノウハウ・職人技を次世代に継承するため、人材育成が大きな課題となっています。また、失業者の雇用確保が大きな社会問題となっており、これらの人のための技術研修も併せて実施していくことが必要です。
このような現状に対応するため、全国中小企業団体中央会では、「ものづくり分野の人材育成・確保事業」(ものづくり担い手育成事業)についての申請(第2次募集)を、今年の11月5日まで受け付けています。

 ◆補助の対象となる事業
補助の対象は、地域の産業団体や業種別団体等との連携により、中小企業のものづくりの担い手や担い手になりうる者を対象とした教育・研修等(以下、「研修等」という。)を実施する大学や高等専門学校、高校等の教育機関、中小企業団体、民間企業等が実施する研修等です。

◆補助を受けるには
この事業の対象者として申請を行い補助を受けるためには、「応募資格」と「応募要件」を満たすことが必要となります。
応募資格は、(1)認可法人(中小企業団体中央会、商工会、商工会議所等)、(2)大学、専門学校、(3)株式会社、特例有限会社、合資会社、合名会社、合同会社等で、応募要件は、「常勤役職員が原則として3名以上いるなど、事業および組織運営が適切に行われ、かつ、管理運営体制が整備されており、本事業の円滑な実施に支障をきたすおそれがないこと」、「事業実施機関が中心となり、地域の教育機関、産業関係機関、民間企業、自治体等と協力して取り組むことができること」、「直近2年間で研修等の実績があること」等です。

 ◆対象となる経費
対象となる経費は、教育・研修等を実施する機関の人件費をはじめ、施設使用料や教材費等も含まれ、1件当たりの補助金額は、1,000万円以下となっています。
中長期的な人材育成を考える場合には、このような制度の活用も一度検討されてみてはいかがでしょうか。

2010/10/04

10月の事務所便り

 女性の結婚・出産後の仕事に対する考え方

◆3,000名以上を対象としたインターネット調査
株式会社ユーキャンと株式会社アイシェアは、「女性の結婚・出産後の仕事に関する意識調査」(男性2,217名、女性1,243名が対象)をインターネット上で実施し、先日、その結果が発表されました。

◆女性と男性の考え方には大きなギャップ
結婚・出産後も働き続けたいと考えている女性は全体の46.1%との結果となりました。その理由としては、「結婚後も家庭だけでなく社会との関わりを持ち続けたいから」(25.2%)、「仕事が好きでずっと続けていきたいから」(21.0%)などが多く、経済的な理由である「夫の収入だけでは経済的に厳しいから」を挙げた人は4.6%とわずかでした。
男性では、結婚・出産後も妻に働いてほしいと考えている人が63.0%おり、「自分の収入だけでは経済的に厳しいから」(41.9%)との理由がトップで、女性と男性の考え方には大きなギャップがあることがわかりました。

◆再就職には資格取得が必要?
未婚の女性で、もし夫から「専業主婦になってほしい」と言われても結婚・出産後も働きたいと考えている人のうち、65.0%の人が「資格取得などの準備が必要」と考えていました。そして、そのうち73.7%の人がすでに資格取得に向けた学習を始めているとの結果が明らかになっています。
そして、結婚・出産後も働きたいと考えている女性の興味・あこがれのある資格のうち、上位6つは以下の通りでした。
(1)簿記(28.0%)
(2)行政書士(20. 8%)
(3)社会保険労務士(18.4%)
(3)医療事務(18.4%)
(3)マイクロソフト認定資格(18.4%)
(6)カラーコーディネーター(16.8%)


厳しさが続く就職活動は「苦」?「楽」?

◆就職活動を漢字1文字で表すと?
株式会社毎日コミュニケーションズでは、卒業予定の学生を対象とした「マイコミ学生就職モニター調査」の一環として行っている「あなたの就職活動を漢字1文字で表すと?」の2010年調査の結果を発表しました。この調査は2000年(2001年卒業予定者対象)から毎年実施されており、今年で11回目となっています。

◆「苦」が2年連続で1位
上記の質問について、1位から10位までの結果は以下の通りとなっています。
・1位「苦」(前年1位)
・2位「楽」(前年3位)
・3位「迷」(前年2位)
・4位「進」(前年ランク外)
・4位「動」(前年6位)
・6位「耐」(前年8位)
・7位「難」(前年4位)
・8位「縁」(前年5位)
・9位「疲」(前年9位)
・10位「知」(前年ランク外)

◆結果から何が見える?
厳しい雇用状況の影響を大きく受け、「苦」が2年連続で1位となりましたが、「楽」が前年の3位から2位に浮上しました。これについては、就職活動が「楽(らく)だった」ということではなく、幅広い就職活動を通して多くの企業や人に出会えたことが「楽しかった」と回答している学生が目立ったそうです。
なお、過去に一度も10位以内に入っていなかった「進」が4位に入り、学生の前向きで積極的な姿勢も見受けられます。

◆来年の採用状況は?
厚生労働省の「労働経済動向調査」では、2011年新規学卒者の採用予定者数の前年との増減比較について、「増加」とする事業所の割合が、高校卒13%、大学卒(文科系)13%、大学卒(理科系)14%と、いずれも前年を上回ったとの結果が出ています。
厳しい雇用環境であることには変わりありませんが、学生たちにとってはやや明るい兆しが見えつつあるようです。


今後のメンタルヘルス対策の方向性が明らかに

◆政府の検討会が「報告書」を発表
政府の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」では、今後のメンタルヘルス対策に関する「報告書」を取りまとめ、発表しました。同検討会は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今年5月にまとめた報告の中で「職場におけるメンタルヘルス対策」が重点の1つとされたことを受けて設けられたものです。
今回発表された「報告書」の内容が、今後の国によるメンタルヘルス対策、ひいては企業のメンタルヘルス対策にどのような影響を与えるのか、非常に注目されます。

◆検討会「報告書」のポイント
検討会「報告書」が示した内容のポイントは、次の通りです。
(1)労働者のストレスチェックの実施
一般定期健康診断の際に、「ストレスに関連する労働者の症状・不調」について医師が確認すること。
(2)産業医等との面接の実施、労働者のプライバシー保護
面接が必要とされた労働者については産業医等と面接を行う。その際、ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者には知らせないこと。
(3)労働者の同意を得たうえでの産業医等の意見陳述
産業医等は、労働者との面接の結果、必要と判断した場合には、労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べること。
(4)産業医等の意見の明示、了解を得るための話合いの実施
事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行うこと。

◆今後のメンタルヘルス対策に活かされるか
メンタルヘルス不調者対策が企業の労務管理上の重要な課題となっていますが、これまでの対策が期待した効果をあげているとは言い難いのが現状です。
厚生労働省では、今後、制度改正に向けた議論を始める予定です。今回の「報告書」の内容が、今後のメンタルヘルス対策に活かされることが大いに期待されます。


企業における「ツイッター」活用の実態

◆活用の状況が明らかに
NTTレゾナント株式会社と株式会社ループス・コミュニケーションズでは、「企業におけるツイッター活用状況」に関する調査(通常業務でツイッターを運用する立場にある企業の担当者が対象。有効回答者数315名)の結果を発表しました。
近頃大きな話題となっている「ツイッター」について、企業による活用の実態が明らかになりました。

◆企業が「ツイッター」を始めた理由は?
ツイッターにおける企業アカウントの運用期間は、「6カ月未満」が64.2%、「1年以上」が12.1%でした。2010年に入ってから運用をスタートした企業が6割超となっており、多くの企業がまだ導入の初期段階にあります。
運用開始の理由としては、「顧客接点を増やしたかったから」(48.9%)、「無料で始められるから」(46.3%)、「担当製品やサービスのブランディングに効果があると考えたため」(41.0%)などとなっています。

◆「ツイッター」でどんな施策を行っているか?
企業アカウントで行っている施策としては、「担当者のキャラクターを工夫して好感を持ってもらうように努めている」(33.7%)が最多で、次に「自社製品・サービスに関するつぶやきに積極的にコメントしている」(33.3%)が続いており、顧客との対話交流に主眼を置く傾向にあるようです。
一方、「自社に関するつぶやきをモニターしている」は14.9%と少なく、「ツイッター上での顧客の声を製品・サービスに積極的に反映させている」(8.9%)や「ツイッターで、アンケートを行ったり、新商品のための意見を顧客から募集したりしている」(7.0%)なども少ない結果となっています。

◆「ツイッター」の効果は?
ツイッター活用による具体的な効果については、「公式ブログへのアクセス数が増加した」(65.5%)や「ソーシャルメディア上での問い合わせ件数が増加した」(56.5%)が多く、それ以外にも、「新規顧客数が増加した」(47.6%)、「既存顧客のリピート率が向上した」(46.9%)、「顧客単価が増加した」(40.0%)など、売上につながる効果も得られているようです。
はじめは個人利用が多かったツイッターですが、今後は企業による活用もますます増えていくでしょう。


重くなる厚生年金の「支え手」の負担

◆「年金扶養比率」とは?
日本の年金制度は、現役世代が支払った保険料で高齢者が受給する年金を支える仕組みですが、現役世代の負担割合を表す数値に「年金扶養比率」があります。
これは、年金受給者である高齢者を何人の現役世代で支えているかを示す数値であり、年金財政の状況を表す指標として使われます。比率が小さくなればなるほど、現役世代の負担が重いことを意味します。
2009年度末時点の厚生年金の年金扶養比率は、高齢者1人あたり「2.47」であり、2008年度末と比べて0.13ポイント低下しています。

◆重くなる現役世代の負担
まとまった厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)の数は、2009年度末時点で1,385万人となり、2008年度末に比べて約62万人増加している一方、厚生年金の加入者は、採用抑制やリストラ、非正規社員の増加の影響などにより約20万人減っています。
今後も現役世代の負担は重くなる一方だと考えられており、公的年金の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率は、2030年度には高齢者1人あたり「2.09」にまで低下するとのことです。
国民年金の財政状況はさらに厳しく、年金扶養比率は2015年度には「約2」になる見通しです。

◆年金財政はさらに厳しく?
2009年度の厚生年金の給付費は、23兆7,500億円(前年度比約1兆1,500億円増)でした。加入者の減少などで、保険料収入は約22兆2,400億円(前年度比約4,500億円減)となりました。
保険料収入減は、当面、厚生年金の積立金(2009年度末時点で約120兆円)で賄える計算ですが、これにも限界があり、加入者の減少がさらに進めば、負担と給付の見直しが必要となります。
今後も高齢者が増え続けて給付が膨らんでいけば、年金の「支え手」である現役世代の負担はさらに増していくことになります。また、加入者の減少が進めば、年金財政は今以上に厳しさを増すこととなります。
年金制度の抜本的見直しも含め、長期的な対策が求められています。

企業が期待する法人実効税率の引下げ

◆7割以上が「引き下げるべき」
現在、法人税率の引下げが世界各国で行われている中、政府は「新成長戦略」において、法人実効税率(約40%)を主要国並みに引き下げていくことを掲げています。
帝国データバンクの調査によると、法人実効税率について「引き下げるべき」と回答した企業は1万1,446社中8,171社(構成比71.4%)で、7割以上の企業が引下げを求めていることがわかりました。
引下げを望んでいる企業を規模別にみると、「大企業」が67.1%だったのに対し、「中小企業」では72.7%となっており、中小企業で引下げを求める割合が高いことがわかります。

◆企業は利益の押上げに期待
法人実効税率が引き下げられた場合に、どのようなことに期待するかという質問に対しては、「企業利益の押上げ」と回答した企業が64.6%で最多でした。そして、「企業の国際競争力の向上」(43.9%)、「国内景気の上昇」(41.9%)、「国内雇用の確保」(37.2%)、「企業の海外移転の抑制」(31.3%)と続いています。
また、実効税率が引き下げられた場合に、引き下げられた分を何に充当するか、現段階において最も可能性が高い項目を尋ねた項目では、25.6%の企業が「内部留保」と回答しています。この他、「人員の増強」「社員に還元」などの人的投資、「設備投資の増強」「研究開発投資の拡大」などの資本投資を合わせると、約4割の企業が積極的な投資に充当すると考えていることが明らかになりました。

◆税体系の再構築を
法人課税のうち、最も優先的に見直してほしい税項目に関する質問では、「法人税」が58.8%で最多でした。多くの企業において、法人税の見直しを求めていることがわかります。
法人課税は種類が多く、「事業計画などを複雑にしている」という声も多く聞かれ、企業が納得して税を納めるためにも、税体系をわかりやすく再構築することが必要とされているのではないでしょうか。


製造業における人件費の動向は?

◆10年ぶりの低水準に
2009年度における上場製造業の従業員1人当たりの人件費が10年ぶりの低水準となったことが、日本経済新聞社の調査(新興市場を除く国内の上場製造業1,002社の単独決算が対象)で明らかになりました。
収益の急激な落ち込みに対応するため、人件費の圧縮を進めたことが大きな要因のようです。

◆人件費・労務費とは?
2009年度の従業員1人あたりの「人件費・労務費」は842万円(前期比5%減)となり、1999年度以来の低水準となったそうです。
人件費・労務費とは、損益計算書に記載された「販売費・一般管理費」に含まれる役員報酬・賞与、人件費・福利厚生費と、「製造原価」に含まれる労務費、福利厚生費などを合計したものです。

◆業績の大幅悪化が影響
2009年度における人件費低下には、2008年度の業績の大幅な悪化が影響しています。
2008年度(2009年3月期)は世界的な金融危機のあおりを受け、上場企業全体で7年ぶりの減収・経常減益となり、輸出企業を中心とする製造業では、最終赤字となりました。
そして、業績が大幅に悪化したために、多くの企業では翌年度に報酬削減や賃上げ抑制、賞与の減額などが実施されたのです。

◆明るい兆しも?
日本経団連の調査によれば、大企業の夏季賞与の最終集計結果は、組合員1人あたりの平均妥結額が75万7,638円(前年同期比0.55%増)と3年ぶりに増加し、非製造業では80万4,706円(同0.77%減)と減少したものの、製造業では74万1,395円(同1.02%増)と増加しました。
このように製造業にもわずかながら明るい兆しが見えてはいますが、景気の動向については、まだまだ予断を許さない状況にあると言えるでしょう。


2010年度の最低賃金が決定 全国平均730円に

◆全国平均17円の引上げ
厚生労働省の中央最低賃金審議会では、2010年度の地域別最低賃金(時間額)の引上げの目安を全国平均で15円にすると答申していました(現在の713円からから728円へ引上げ)。
その後、各地方最低賃金審議会による調査・審議が行われ、9月9日までにすべての地方最低賃金審議会で答申があり、引上げの目安は全国平均で17円となり、最終的な全国加重平均額は730円となりました。
答申された最低賃金額は、今後、都道府県労働局において、関係労使からの異議申出に関する手続きを経たうえで正式に決定され、10月から発効の予定です。

◆「最低賃金」とは?
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金額の最下限値です。
中央最低賃金審議会が定めた目安を基に47都道府県ごとに定められ、最低賃金に違反した使用者には罰金が科せられるとされています。

◆「全国最低800円」の確保はなるか?
政府は、2020年までの目標として「できる限り早期に全国最低800円を確保」と合意しています。今回も大幅な引上げについて議論されましたが、使用者側は最後まで慎重な姿勢を崩しませんでした。
政府目標は「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長」が前提となっており、中小企業の生産性向上の取組みや、中小企業に対する支援などが課題となっています。
これらの前提条件が実現せず、施策の実効性がないまま最低賃金のみが大幅に引き上げられれば、企業の経営に影響し、雇用の喪失につながるとの懸念があります。

国民年金保険料の悪質滞納を国税庁が強制徴収へ

◆対象は「悪質な滞納者」
厚生労働省は、国民年金保険料の悪質な滞納者について、財産の差押さえを含む強制徴収を実施することを、国税庁に委任する方針を明らかにしました。
対象は、所得が1,000万円以上あるにもかかわらず保険料を2年以上滞納し、財産を隠している加入者などを想定しているとのことです。

◆財産の差押えも視野に
国税庁への委任は、日本年金機構(旧社会保険庁)の発足に伴って改正された国民年金法に基づく措置であり、主な対象者は、保険料を自分で納めている自営業者や農家などの国民年金の第1号被保険者です。
厚生労働省が納付を督促しても応じないなど、「支払う意思がない」とみなされれば、同省は国税庁に委任し、同庁の職員が滞納分の財産を差し押さえるなどの処分を行うとのことです。
すでに、全国の年金事務所が各市町村に所得情報の提供など協力を求めており、滞納者情報との照合を進めているそうです。

◆当面の対象者は400人程度
国民年金保険料の未納者は300万人以上と言われていますが、学生や低所得者が多いとみられています。厚生労働省が国税庁に徴収を委任する対象は、前年度の所得が1,000万円以上で、財産を隠すなど特に悪質な滞納者に限られるため、当面の対象者は400人程度にとどまる見込みです。
強制徴収の権限は、日本年金機構からの申出により、厚生労働大臣が財務大臣を通じて国税庁長官に委任する形になり、実際の差押えには、国税庁の徴収課や各地方国税局の特別整理部門の職員などが当たるそうです。

◆わかりやすい年金制度改革を
未納者からの保険料徴収ということで、一定の効果はありそうですが、保険料未納の背景には、年金制度そのものへの不信感があると言われています。
現政権には、わかりやすい年金制度改革の方向性を打ち出してもらいたいものです。


今後の「有期労働契約」はどうなるのか?

◆8月下旬に「報告書」原案を公表
厚生労働省の「有期労働契約研究会」では、8月下旬に会合を開き、今後の有期労働契約に関する施策の方向性を示す、「報告書」原案を公表しました。
有期労働契約者の範囲、通常の労働者との処遇の均衡、契約の更新・雇止めなど、今後の「有期労働契約」のあり方に大きな影響を与えるものと見られます。

◆有期労働契約者に関する現状分析と課題
上記の「報告書」原案では、有期契約労働者は、労使の多様なニーズにより増加しており、労働者本人の希望や意見を含めて眺めれば多様な集団になっていると、現状を分析しています。
そして、4つの職務タイプである「正社員同様職務型」(36.4%)、「高度技能活用型」(4.4%)、「別職務・同水準型」(17.0%)、「軽易職務型」(39.0%))」に分類し、就業形態、年齢などの多様な実態を踏まえたうえでの対応が必要であると指摘しています。

◆今後検討される内容
上記内容を踏まえたうえで、今後は、下記の項目を検討するとしています。
(1)契約締結事由の規制
有期労働契約の締結の時点で利用可能な事由を限定することを検討する。
(2)更新回数や利用可能期間に係るルール
一定年限等の「区切り」を超える場合の無期労働契約との公平、紛争防止、雇用の安定や職業能力形成の促進等の観点から、更新回数や利用可能期間の上限の設定を検討する。
(3)雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化
定着した判例法理の法律によるルール化を検討する。

◆法改正を含めた制度整備が必要
今後、中長期的に労働力が減少していくと予測される中、有期契約労働者を公正に処遇し、労働者が仕事と家庭生活との調和を図りつつ、生きがい・働きがいのある充実した生活を送ることができるよう、法改正を含めた制度整備がなされることが望まれます。

2010/09/06

9月の事務所便り

外国人留学生の日本企業への就職状況

 ◆やや減少傾向
法務省入国管理局が発表した、平成21年度における「留学」および「就学」の在留資格を有する外国人(「留学生等」)の日本企業等への就職状況によれば、平成21年度に日本企業等への就職を目的として「在留資格変更許可申請」を行った件数は10,230件で、このうち9,584件が許可されており、前年の許可数である11,040件より1,456件(13.2%)減少したそうです。

 ◆在留資格、国籍・出身地の内訳
日本企業等への就職を目的として在留資格の変更が許可された9,584人について、在留資格、国籍・出身地の内訳は次の通りとなっています。
在留資格については、「人文知識・国際業務」が6,677人(69.7%)、「技術」が2,154人(22.5%)で、これら2つの在留資格で全体の92.1%を占めています。
国籍・出身地については、中国(台湾、香港およびマカオを除く)が6,333人(66.1%)で最も多く、韓国、中国(台湾)、ネパール、ベトナムと続いています。
 
 ◆業種、職務内容、報酬について
(1)就職先の業種
非製造業が7,096人(74.0%)、製造業が2,488人(26.0%)で、非製造業は前年比973人、製造業は前年比483人、それぞれ減少しています。
なお、非製造業では、商業・貿易分野、コンピュータ関連分野、教育分野がそれぞれ2,248人(23.5%)、1,252人(13.1%)、705人(7.4%)と上位を占めており、製造業では、機械分野、電機分野がそれぞれ427人(4.5%)、419人(4.4%)と上位を占めています。
(2)就職先での職務内容
翻訳・通訳が2,731人(28.5%)で最も多いものの、前年比986人減少しました。次いで、販売・営業(1,631人)、情報処理(1,010人)、海外業務(576人)の順となっています。
(3)月額報酬
月額報酬20万円以上25万円未満が4,945人(51.6%)と最も多く、次いで20万円未満2,697人(28.1%)、25万円以上30万円未満1,116人(11.6%)の順となっています。

 ◆留学生が企業にとって大きな存在に
日本企業等への就職を目的とした「在留資格変更許可申請」は減少傾向にありますが、国籍・出身地別ではアジア諸国出身者からの申請が90%以上も占めています。
グローバル化が進み、アジア諸国への進出を図りたい日本企業にとっては、留学生の存在はますます大きなものになっていくのではないでしょうか。


「ポスドク(博士研究員)」に対する就職支援

 ◆政府の「1万人支援計画」
博士号取得者らが増加するきっかけとなった政府の「ポストドクター等1万人支援計画」は、最先端の研究を支える人材を育成する目的で1996年度に始まりました。先日の新聞報道によると、当時4,000人程度だった博士号取得者は、1999年度に10,000人を超え、2008年度は17,945人となったそうです。

 ◆「ポスドク」経験者の就職難
ポストドクター制度(ポスドク制度)は、1950年代に米国で国立衛生研究所(NIH)が最初に導入し、生命科学研究をけん引したことで、科学技術の原動力と認知されました。また、短期間のプロジェクトに関して任期付きで雇用すれば、研究者間の競争を促しやすいという面も強調されていました。
ところが、日本では、ポスドク経験者の企業採用が進まず、就職難が問題となり、担当教授からは単に「プロジェクトの労働力」とみなされ、大学などを転々とする「フリーター博士」なる言葉も生まれています。
そして、2009年に始まった「事業仕分け」もさらに追い打ちをかけています。ポスドクや博士課程の人件費などに充てられていた競争的資金の大幅な削減を求めたのです。

 ◆民間企業による就職支援
そんな中、民間企業による支援が増えてきているそうです。ポスドク等の就職支援を専門に扱っているある企業では、毎年約150人の就職あっせんに成功しているそうです。
この企業では、常時約100社の求人企業があり、登録者と企業を引き合わせます。そして、その実績を聞いて登録する人も増加しているそうです。

 ◆上手な活用が求められる
しかし、ポスドク問題に詳しいある大学教授は、「開発リーダーなど即戦力としてポスドクへの期待が強いが、いざ使うと期待外れという過去の経験から、採用には消極的な企業が多い」と分析しています。
今後、日本の科学技術力のけん引役である人材を、企業がうまく活用する仕組みが求められていくでしょう。


どうなる? 新しい高齢者医療制度

 ◆約1,400万人が加入する後期高齢者医療制度
厚生労働省は、75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」に代わる、新たな高齢者医療制度の骨格を固めたそうです。
現在、約1,400万人が加入している後期高齢者医療制度は、2012年度末に廃止とし、そのうち自営業者や無職の人など8割程度の人は、原則として市町村が運営する国民健康保険(国保)に、残りの2割程度を占める会社員やその扶養家族らは、勤務先の健康保険組合や協会けんぽなどに移行させるとしています。

 ◆後期高齢者医療制度への批判
後期高齢者医療制度がスタートしたのは2008年度で、75歳以上をひとくくりとする仕組みのため、「年齢差別」との批判が強く、厚生労働省がこれに代わる新制度を検討してきました。
新制度の導入により75歳以上の人が国保に移る際にも、現行の保険料の負担割合を維持するとしていますが、高齢者が集中する国保の財政悪化が予想され、支援策が検討されています。

 ◆新制度の基本的な骨格
新制度では、地域保険は国保に一本化するとしています。加入する制度を年齢で区分することなく、高齢のサラリーマンや被扶養者は被用者保険に、それ以外の人は国保に加入となります。国保に加入する高齢者については、都道府県ごとに標準保険料を定めるとしています。
これにより、世帯主以外の高齢者は保険料の納付義務がなくなることとなり、たとえ保険料負担が増えたとしても世帯全体で軽減判定が行われるので、負担増が解消されます。働いている高齢者については保険料を事業主と折半することになるので、扶養家族の保険料負担はなくなります。

 ◆今後の制度設計に注目
なお、2年ごとに保険料が上がる現行制度の仕組みは廃止とし、75歳以上が支払う保険料負担の増加率が現役世代を上回らないよう、都道府県ごとに設置する「財政安定化基金」を活用するとしています。
今後も増加が見込まれる医療費問題について、現行制度の反省を活かした制度設計ができるのかが注目されます。


政府による「失業者・求職者」支援対策

 ◆2011年度から恒久措置に
政府・厚生労働省は、職業訓練に取り組む失業者に対して生活費を支給する「緊急人材育成・就職支援基金」(2010年度までの時限措置)を昨年7月から実施していますが、2011年度から恒久措置とし、支給する生活費を10万5,000円(現在は原則10万円)とする方針を示しました。
失業者の訓練対策費を手厚くして雇用の安全網を強化することが狙いで、予算は約2,000億円を見込んでいますが、政府全体で歳出を抑制する中、調整が難航する可能性も指摘されています。

 ◆基金事業の概要
この基金事業は、民主党が衆院選マニフェストで掲げた政策の1つであり、失業手当の切れた失業者や雇用保険の対象外である非正規労働者、自営業を廃業した人などを対象に、職業訓練を受けることを条件として月額10万円の生活費を支給するというものです。利用者は今年7月までに10万人を超えています。
現在の事業は2010年度末までの時限措置とされていますが、前述の通り、2011年度から恒久措置にする方針が打ち出されました。
職業訓練を通じて介護やITなどに関する専門知識を身につけてもらい、また、給付費の上乗せによって、利用者を増やしていきたい考えです。

 ◆新たな失業者支援対策の検討
また、政府は7月下旬に、失業者の生活再建や就職を個別に支援する「パーソナル・サポート・サービス」検討委員会の初会合を開きました。ここでは、住まいや仕事を失った人に対して専任担当者が相談に応じていく制度の創設を検討しており、2012年度からの本格実施を目指すとしています。
不況が長引き、失業者への一層の支援が必要となる中、政府は今後も様々な施策を検討していくものと思われます。


「年金型生命保険」二重課税は違法

 ◆政府が所得税還付の方針を発表
死亡保険金を年金で受け取る生命保険について、「相続税と所得税の両方を課税するのは違法である」との最高裁判所の判決を受け、政府は、同種契約の生命保険で徴収しすぎた所得税を還付する方針を発表しました。
二重課税として税金が還付される対象商品や手続きについて関心が集まっているようです。

 ◆還付の対象商品、還付の手続き
今回問題となったのは、「年金払い特約付き生命保険」という、契約者と被保険者でもある夫が亡くなり、死亡保険金の受取人に指定されていた妻が死亡保険金を一時金や年金で受け取ることができるタイプの保険ですが、「こども保険」や「個人年金保険」と呼ばれるものと同様のタイプのため、税金が還付される対象となる可能性があります。
実際に還付を受けるためには、自分が年金形式で受け取った保険金が還付の対象になるかの確認をする必要がありますが、税務署の他、実際に年金から所得税を天引きした生命保険会社で確認することができます。
還付対象に該当すれば、税務署に対して課税の誤りの訂正を求める手続き(更正の請求)を行う必要があります。ただし、税務署に出向いて手続きをしなければ税務署から還付されることはないので、注意が必要です。
ただ、国税庁は具体的にどの商品が還付の対象になるのかの判断基準をまだ公表していないため、確定的な回答は得にくい状況となっています。遅くとも年末までには具体的な還付の対象や手続きが国税庁のホームページ上で周知されるようです。

 ◆住民税や国民健康保険料などにも影響
所得税が変わると、住民税も還付される可能性が高くなります。住民税などの地方税は「所得税法で認定した所得に対して課税する」のが原則となっているため、年金で受け取った保険金が所得税の課税対象外となれば、住民税も課税対象外となります。
また、住民税額が変更になると、国民健康保険料や介護保険料、介護サービス利用料など広範囲に影響が及びます。
還付の対象や手続きなどに関する今後の具体的な情報に注意が必要です。


ご存知ですか? 厚生労働省の業務改善事例

 ◆ホームページ上で公表
厚生労働省では、国民から寄せられた意見や職員からの提案などに基づいて、同省において実施した「業務改善事例」を取りまとめて、ホームページ上で公表しています。
また、政策の企画立案にあたって重要となる、現場の実態把握のための取組み(現場訪問や意見交換)についても公表しています。
ここでは、最近公表された主な改善事例をご紹介します。

 ◆国民年金保険料の還付金の支払いまでの期間の短縮化(8/9発表)
国民年金保険料の還付金について、「還付の請求書を送付してから実際に支払われるまでの期間が長すぎる」との国民の声を踏まえ、事務処理の流れについて見直しを行い、日本年金機構から国の会計システムへの登録を直接行うことができるようにしました。
これにより、都道府県事務センターにおいて7月5日に処理した分から、国民年金保険料の還付金が支払われるまでの期間は、従来と比べて1週間程度短縮されています。

 ◆新卒者の就職支援のためのわかりやすい説明資料の作成・配布(8/2発表)
現在、全国のハローワークに高卒・大卒就職ジョブサポーターを配置し、高校、大学等と連携して新卒者の就職支援を進めていますが、このジョブサポーターが学校等を訪問した際に、新卒者の就職環境やフリーターになった場合のデメリット等を、説得力をもってわかりやすく説明できるよう、各種データーを取りまとめた「ジョブサポーター用資料」を作成し、配布しました。

 ◆高額療養費制度に関するわかりやすい説明資料の作成(8/2発表)
従来から、「高額療養費制度の内容や支給を受けるための手続きについて詳しく知りたい」との意見が寄せられていたことを踏まえ、患者などの意見も聞きながら、高額療養費制度に関するわかりやすい説明資料を作成し、ホームページに掲載しました。
【参考】高額療養費制度を利用される皆様へ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/100714.html


労使トラブル増加で「労働審判」申立件数が過去最高に

 ◆申立件数が過去最高に
最高裁判所が2009年における労働審判の申立件数を公表し、3,468件で過去最高となったことがわかりました。労働審判制度は2006年4月にスタートしましたが、4年で約4倍の伸びとなっています。
内容別の内訳では、「解雇等の地位確認」に関する申立てが1,701件、「賃金・手当」に関する申立てが1,059件、「退職金」に関する申立てが205件などとなっています。

 ◆背景に労使トラブルの増加
申立ての多くは労働者や退職者からのものですが、その背景には、不況下における雇用調整の実施、賃金の引下げなどに伴う労使トラブルの増加が挙げられます。
上場企業のうち、2008年秋以降に何らかの「雇用調整」を実施した企業は何と76.7%にのぼるという調査結果も出ています(労働政策研究・研修機構の発表)。雇用調整の具体的内容については、「新規採用の抑制」(53.2%)、「契約社員・パート労働者らの契約不更新」(52.0%)、「不採算部門の縮小、事務所の閉鎖」(45.6%)となっています。

 ◆労働審判制度の特徴
労働審判制度は、使用者と個々の労働者間の権利義務に関する紛争(個別労働関係紛争)について調停または審判を行う手続きで、裁判官1名と審判員2名からなる労働審判委員会が、3回以内の期日で審理を行います。
労使双方が合意すれば「裁判上の和解」と同様の効力が生じ、異議申立てがなされれば民事訴訟の手続きへと移行します。
そして、「民事訴訟」や「あっせん」と比較した場合、労働審判には労働者にとって時間的・費用的なメリットが多いと言えます。

 ◆日頃の労務管理が大事
労使トラブルの増加傾向が続けば、今後も労働審判の申立件数は増えていくものと思われます。企業側としては、トラブルが発生しないように、また、トラブルが労働審判に持ち込まれないように、常日頃からしっかりとした労務管理を行っておくことが必要なのは言うまでもないことです。


メンタルヘルス不調者増加への対応

 ◆約6割の企業で「メンタル不調者が増加」
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、従業員300名以上の企業・団体の経営者・人事部長を対象とした「安心して働ける環境を創るための人材戦略に関するアンケート」の結果を発表しました。
この中で、「メンタル不調者が増加している」との回答は58.7%に上りました。また、「メンタルヘルス対策の効果は不十分である」との回答は61.2%、「今後メンタルヘルス対策を見直す必要がある」との回答は74.4%でした。

 ◆労災請求件数も増加
6月には厚生労働省から「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況」が発表されていますが、2009年度における精神障害等事案の労災補償状況については、請求件数1,136件(前年度比22.5%増)、支給決定件数234件(同13.0%減)となっています。
業種別では、請求件数については「医療,福祉」に分類される「社会保険・社会福祉・介護事業」が最も多く、支給決定件数については「建設業」に分類される「総合工事業」が最も多くありました。
年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに「30~39歳」が最も多くなっています。

 ◆メンタル不調者増加の要因は?
東京都産業労働局が発表した「中小規模事業所におけるメンタルヘルス対策に関する実態調査」(調査対象は従業員10人以上300人未満の事業所)によれば、事業所が考えるメンタル不調理由は、以下の通りとなっています。
(1)職場の人間関係(46.2%)
(2)職場外の個人的な問題(39.1%)
(3)仕事への不適応(39.1%)
(4)仕事の質の高さ(20.3%)
(5)仕事の量の多さ(19.3%)
(6)長時間労働(12.2%)

 ◆職場としてメンタル不調者をどう考えるか
企業によって事情は様々でしょうが、上記の結果からもわかる通り、メンタルヘルス不調者を出さないために、企業には、「職場の人間関係をいかに良好にするか」「従業員それぞれに対していかに上手に仕事を割り振るか」「長時間労働をいかになくすか」などの配慮・努力が求められると言えます。


企業に求められる「受動喫煙防止」の取組み

 ◆労衛法の改正を視野に
厚生労働省は、労働安全衛生法を改正して、職場における受動喫煙対策を義務付ける方針を明らかにしました。
法律を改正してまで受動喫煙対策に取り組もうとする強い意欲が伺えますが、改正法が成立すれば、飲食店や商業施設等には大きな影響を与えることになりそうです。

 ◆健康増進法に基づく「努力義務」
現在、健康増進法では、役所・病院・商業施設など多くの利用者が集まる施設の管理者に対しては、受動喫煙を防止する「努力義務」を課しています。
健康増進法は、国民の健康の増進の重要性が増し、健康づくりや疾病予防を積極的に推進するための環境整備が要請される中、厚生労働省が開始した「健康日本21」プロジェクトを中核とする国民の健康づくり・疾病予防をさらに積極的に推進するため、医療制度改革の一環として2002年に可決・成立した法律です。
厚生労働省は、この法律の規定に基づき、飲食店などを全面的に禁煙とするように、今年の2月に通知を出しました。

 ◆従業員の受動喫煙防止
そして、現在、労働安全衛生法改正についての議論が進められています。
主な内容としては、事務所・工場等は原則として禁煙とすること、喫煙室の設置は認めること、飲食店・商業施設等で接客を行う従業員の受動喫煙を防止するために、室内のたばこの煙に含まれる有害物質の空気中濃度を一定基準以下に抑えるように義務付けることなどです。

 ◆企業には大きな影響と負担
この濃度規制が導入された場合、全面禁煙とするか、喫煙室を設けるか、強力な換気施設を設けるか等の選択を迫られることになります。
改正案は、来年の通常国会に提出される模様ですが、多くの企業に影響を与え、負担を強いることになるため、今後の動向が気になるところです。


ハローワークを利用する求職者の満足度は?

 ◆初めて出口調査を実施
厚生労働省では、全国99のハローワークの窓口を利用した求職者に対し、ハローワークのサービスに関する要望・意見を聞く出口調査を初めて実施し、その結果を発表しました。
サービスについて「満足である」「まあ満足である」との回答は83.8%でした、「待ち時間が長い」「求人票と実際の労働条件が違う場合がある」などの意見が寄せられました。

 ◆8割以上の利用者が「満足」
この調査は7月8日~7月13日に行われ、窓口利用者5,977人のうち5,053人から回答が得られました(回答率84.5%)。
全体的な満足度は、5段階評価のうち「満足である」「まあ満足である」の合計が83.8%で、「不満である」「どちらかと言えば不満である」の合計が4.8%でした。

 ◆利用者からの意見
サービスの改善要望として利用者から寄せられた意見は、次の通りです。
(1)待ち時間の解消に関する意見(95所)
・待ち時間が長い(現状では待ち時間が1時間以上となることがあるが、せめて30分~1時間位にしてほしい)。
・利用者が増加しており、ハローワークの窓口職員を増やすことが必要。
(2)就職支援に関する意見(82所)
・年齢不問求人となっているが、企業に面接に行くと年齢で差別される。企業に対する指導をしてほしい。
・求人票の条件と実際の労働条件が違う場合もある。
・自分に合う求人を提示してほしいが、雇用失業情勢の悪化のため求人が少ない。
(3)施設の拡充に関する意見(78所)
・駐車場が少ない。もう少し駐車スペースを増やしてほしい。
・庁舎が狭い。待合スペースの椅子を増やしてほしい。
(4)職員の接遇に関する意見(44所)
・職業相談窓口のスタッフによって対応の丁寧さに濃淡がある。
・一般の利用者がわかるような用語の説明をしてほしい。
(5)窓口サービスの周知・説明に関する意見(32所)
・受付付近の張り紙が多くてわかりにくい。
・初めてハローワークを利用する時に、どのようなサービスがあるかがわかりづらいので、総合受付サービスは特に丁寧に対応してほしい。

2010/08/04

8月の事務所便り

低い日本における女性の就業率

◆日本は30カ国中29位
政府は、2010年版「男女共同参画白書」を公表しました。この白書によれば、高校以上で教育を受けた女性が仕事に就いている割合が、日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国の30カ国中29位だったそうです。
日本は66.1%で1999年に比べて4.7ポイント上昇しましたが、OECD全体の平均値である79.5%を大きく下回っており、学歴・能力があっても社会の中で活かす機会が少なく、受け皿が不十分である実態が指摘されています。
なお、上位からノルウェー(88.8%)、スウェーデン(88.0%)、イギリス(85.8%)と続いており、最下位は韓国(61.2%)でした。
 
◆十分活かされない女性の能力
白書では、「高等教育によって形成された女性の能力が、日本では就業の形で十分に生かされていない」と指摘されており、仕事に就いていたとしても、結婚・出産などを機に退職する女性が非常に多いとみています。
この他、男女の給与に格差があることも女性の就労を妨げている一因だと指摘しています。「女性全体の賃金総額が男性の4割弱と試算されること」、「賃金単価や就業時間、就業者数のいずれも男性の7割程度にとどまっていること」は、先進国では最低レベルと言われており、勤続年数や役職を男性と同じレベルにまで高める必要性があるとしています。
 
◆潜在力を活かす取組みが必要
今後の対策としては、「女性の能力を高め、それを発揮できる環境整備を進めていく必要がある」としており、仕事と子育てが両立できる就業環境の整備、理工系の分野における女性の活躍の機会を増やしていく必要性が指摘されています。
また、結婚や子育てに伴う退職が減少すれば、最大で445万人の労働力の増加につながるとの試算もされています。

◆「M字カーブ」の状態
就業者と求職活動をしている人の割合を示す「労働力率」については、女性は20代と40代に比べて30代の女性の労働人口の割合が落ち込む「M字カーブ」の状態が続いており、こうした女性たちや、潜在的な就業希望者も働けるようにすれば、女性の労働人口を現在の「2,770万人」から「3,215万人」に増やすことができるとされています。
ワークライフバランスの推進など、女性の潜在力を生かす取組みが、ますます求められます。






障害者「雇用納付金制度」「雇用率制度」の改正

◆「障害者雇用納付金制度」とは?
障害者雇用促進法では「障害者雇用率制度」が設けられており、常用雇用労働者数が56人以上の一般事業主は、その常用雇用労働者数の1.8%以上の身体障害者または知的障害者を雇用しなければなりません。
これを下回っている場合には、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて、1人につき月額5万円の「障害者雇用納付金」を納付しなければなりません。
一方、常用雇用労働者数が300人を超える事業主で法定の障害者雇用率(1.8%)を超えて障害者を雇用している場合には、その超えて雇用している障害者の人数に応じて、1人につき月額2万7,000円の「障害者雇用調整金」が支給されます。

◆改正点について
改正障害者雇用促進法が平成21年4月から段階的に施行されていますが、平成22年7月からは、以下の内容が施行されています。
(1)「障害者雇用納付金制度」の対象事業主の拡大
従来は、常用雇用労働者数が「301人以上」の事業主が対象(昭和52年以降)でしたが、「201人以上」に拡大されました。なお、平成27年4月からは「101人以上」に拡大されます。
(2)「障害者雇用率制度」の対象労働者の拡大
短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)が、障害者雇用率制度の対象となりました。これにより、常用雇用労働者の総数や実雇用障害者数の計算の際に、短時間労働者を「0.5カウント」としてカウントします。

◆改正の目的
上記(1)の改正の目的は、近年、障害者雇用が進展する中で、中小企業における障害者雇用状況の改善が遅れているため、障害者の身近な雇用の場である中小企業における障害者雇用の促進を図ることです。
また、上記(2)については、障害者によっては、障害の特性や程度、加齢に伴う体力の低下等により長時間労働が難しい場合があるほか、障害者が福祉的就労から一般雇用へ移行していくための段階的な就労形態として有効であるなどの理由から、改正がなされました。

◆改正の影響
今回の改正により、障害者雇用の促進が期待される一方で、初めて障害者を雇用する企業にとっては、作業施設・設備の改善、特別の雇用管理等が必要になるなど、一定の経済的負担を伴うこともあり、ハードとソフト両面での環境整備が必要となります。




離婚時のトラブルを上手に回避するには

◆「養育費不払い」が増加傾向
厚生労働省の「全国母子世帯等調査」(2006年度)によれば、離婚の際に養育費の取決めをしている母子家庭は39%であり、養育費の支払いを「現在も受けている」という家庭はその約半分の19%にすぎないそうです。最近では、養育費の不払いが増加傾向にあるようで、社団法人家庭問題情報センターの「養育費相談支援センター」(http://www1.odn.ne.jp/fpic/youikuhi/)によれば、2009年度における不払いの相談が前年度比で約5割増えたそうです。

◆強制執行をするには何が必要か?
口約束や念書などの取決めだけでは「強制執行」ができないため、「公正証書」を作成するか、家庭裁判所での離婚調停の際に「調停調書」の内容としてきちんと決めておくことが重要になってくるそうです。
養育費の請求は、子供が未成年の間はいつでも行うことができ、離婚時に決めていなくても、その後の申立ても可能です。調停などで決めたにもかかわらず支払いがない場合には、裁判所が履行を勧告してくれます。これに相手が従わなければ、強制執行が可能となります。

◆金額の変更は可能か?
離婚後に養育費の金額変更などを望む場合は、まずは話し合うことが大切です。合意ができない場合は、家庭裁判所で新たに調停を求めれば、公正証書などで決めた内容であっても変更が認められる場合があります。ただし、状況に変化がなければ、その後の増減は認められにくいのが現状のようです。

◆トラブルになりやすい「住宅」「生命保険」
離婚後の大きな問題の1つとして「住宅」があります。第三者に売られる可能性を低くするため、夫婦共有名義であったマンションについて妻単独名義への変更を希望しても、ローンの債務者が元夫になっているため、銀行が承諾しないという相談が増えているそうです。
妻に経済力がない場合などは、ローンの切替えが認められないケースも多いようですが、妻の実父に連帯保証人になってもらうなどして、妻の収入と合算することによりローンの切替えが認められる場合もあるそうです。
この他トラブルになりやすいのは「生命保険」です。元夫が生命保険の受取人名義を元妻の名前にしたまま変更していなかった場合などは、離婚の原因が妻の側にあったとしても、男性が死亡すれば保険金は別れた妻のものとなります。
離婚時にトラブルはつきものですが、あらかじめ「予防策」と「解決策」を知っておくことが、一番の有効手段となるのではないでしょうか。




国民健康保険組合への補助金を削減へ

◆2011年度予算での検討
政府は、2011年度予算において国民健康保険組合(国保組合)向けの補助金を減らす検討に入ったそうです。これにはどのような理由があるのでしょうか?

◆国保組合とは?
国保組合とは、自営業者などが同業者でつくる健康保険のことで、医師、薬剤師、土木建築、弁護士などの団体が都道府県ごとに設置しており、現在、165の組合があるようです。
業種別に組織された国保組合は政治力が非常に強く、改革がされにくかったのですが、今般、財務省と厚生労働省が予算の無駄遣いを洗い出す中で、議案に上がってきたようです。

◆「高福祉」の傾向
健康保険には、主に中小企業のサラリーマンが加入する「協会けんぽ」や、大企業のサラリーマンが中心の「健康保険組合」、自営業者などが加入する「市町村国民健康保険」などがありますが、いずれも医療費の3割の自己負担が原則となっています。
しかし、国保組合の多くは、手厚いサービスで「高福祉」となっているようです。

◆低い保険料負担
一方、保険料負担は、所得の多少にかかわらず定額負担にしている国保組合が約9割だそうです。
これを他の健康保険と同様に所得に応じた保険料負担にすると、かなりの保険料収入が見込まれますが、この場合、医師や歯科医師、土木建築における国保組合においては、自己の保険料収入で医療費支出が賄えるため、国からの補助金をなくしても単独で運営できることとなるようです。
その他の国保組合でも、補助金は不要とまでは言えないとしても、過大なものであると考えられています。

◆改革が実行されるか
政府の考えによれば、特定の人だけが少ない負担で手厚いサービスを受けられる仕組みを改め、補助金削減を図っていくようです。
昨今、消費税率引上げの議論が活発化しつつありますが、その前に、特定業種の既得権益にどこまで手をつけることができるのか、政府の改革姿勢が問われてくるのではないでしょうか。




「長期安定志向」の新入社員

◆約500人の新入社員が回答
産業能率大学では、新入社員の意識や将来の目標などに関するアンケートを実施し、「2010年度 新入社員の会社生活調査」として発表しました。
この調査は、1990年から実施されているもので、今年度は151社515人を対象に実施し、505人(男性360人、女性145人)から有効回答を得て集計されています。

◆将来の展望について
今年度の新入社員については、将来の進路として「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」という「管理職志向」の人が44.3%となり、「役職には就かず、担当業務エキスパートとして成果を上げる」という「専門職志向」の人の44.0%を初めて上回ったそうです。一方、「独立志向」は不人気で、過去最低の8.7%にとどまったそうです。
また、「終身雇用制度を望むか」という質問では、「望む」人が71.1%で、過去最高だった前年度より2.4ポイント減少しました。「転職は挫折」と考える傾向が高いようです。

◆「理想の年収」と「現実予想の年収」
35歳時点での理想の年収については、過去最低となった前年度の731万円をさらに下回り、723万円となりました。この質問は2000年度の調査から続いていますが、その年と比較すると「1,000万円以上」の回答が大幅に減り、「600万円」という回答が大幅に増加しています。
また、現実を予想した年収も586万円で過去最低となっています。

◆企業側としてどう考えるか
この調査結果を見てみると、今年度の新入社員は、勤め人として「ふつうの道」から外れることを不安視する傾向にあるようです。独立は考えず、同じ会社に長期勤務して、管理職を目指し、年収についても無難な金額を望んでいます。
会社側として考えると、長期安定志向の社員というのは、中長期的な視点で見れば「人材育成ができる」という利点もあるのではないでしょうか。






新しい年金制度はどうなっていくのか?

◆不安・不信は払拭されるか?
政府内に設置されている「新年金制度に関する検討会」では、6月下旬に新しい年金制度に関する7項目の基本原則を発表しました。
年金制度に対する国民の不安感・不信感が増す中、どのような制度を作り上げていくのでしょうか。

◆示された7つの原則
上記の検討会が示した7つの原則は、次の通りです。政府は、2013年に関連法案を国会に提出し、2014年度以降の導入を目指すとしています。
(1)「年金制度の一元化」
(2)「最低保障年金の導入」
(3)「負担と給付の関係の明確化」
(4)「持続可能な制度の構築」
(5)「年金記録の確実な管理・チェック」
(6)「未納・未加入ゼロ」
(7)「国民的議論による制度の設計」

◆「年金制度の一元化」と「最低保障年金の導入」
新制度の大きな柱は、「年金制度の一元化」と「最低保障年金の導入」です。これらは昨年8月に行われた衆議院選挙における民主党のマニフェストにも示されていました。
このときのマニフェストによれば、「年金制度の一元化」とは、すべての人が同じ年金制度に加入し、職業が変わっても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化することであり、「最低保障年金の導入」とは、消費税を財源とし、すべての人が7万円以上(減額の場合あり)の年金を受け取れるようにすることです。

◆国民が納得できる制度を
先頃行われた参議院選挙で民主党が敗れて「国会のねじれ現象」が生じたため、法案作成の先行きは非常に不透明だともいえます。しかし今後、新制度に関する議論が重ねられ、多くの国民が納得できる新しい年金制度が構築されていくことが望まれます。






男性の育児を支援する「イクメンプロジェクト」

◆6月17日にスタート
厚生労働省では、6月17日から「イクメンプロジェクト」をスタートさせました。「イクメン」とは「育児を積極的に行う男性」「子育てを楽しみ自分自身も成長する男性」の略称であり、このプロジェクトでは、男性の子育てへの参加や育児休業取得の促進を目的としています。
改正育児・介護休業法の施行と合わせ、育児支援をさらに進めていこうという政府の強い意向が伺えます。

◆低い男性の育児休業取得率
厚生労働省が平成20年に行った「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査」の結果によれば、男性で「育児休業制度を利用したい」と思う人の割合は31.8%、「育児のための短時間勤務制度を利用したい」と思う人の割合は34.6%だそうです。
しかし、平成20年における男性の育児休業取得率は1.23%と非常に低くなっており、育児休業制度を利用したいと思ってはいるものの、実際には利用できていない男性が多いようです。
また、総務省が平成18年に行った「社会生活基本調査」の結果によれば、夫が育児に関わる時間は、妻の就業状況にかかわらず1日当たり30分程度と非常に短く、世界的にみても非常に低い水準となっています。

◆「イクメン(サポーター)登録」とは?
このような状況の中、「イクメンプロジェクト」には、働く男性でも育児をより積極的に行う社会の気運を高めようというねらいがあります。
専用サイト(http://www.ikumen-project.jp/index.html)が厚生労働省の委託事業として立ち上げられ、「育てる男が、家族を変える。社会が動く。」のキャッチフレーズのもと、個人(独身でも可)が「イクメン登録」をして自分の決意や夢を全国に宣言することができます。
また、企業・団体等は「イクメンサポーター登録」をして、このプロジェクトに対する熱意、イクメンたちへの応援メッセージなどを宣言することができます。






「残業」と「デート」はどちらが大切?

◆平成22年度の新入社員を対象とした調査
公益財団法人日本生産性本部の「就職力センター」と社団法人日本経済青年協議会では、平成22年度の新入社員を対象とした「働くことの意識調査」(55社2,663人が回答)の結果を発表しました。
この調査結果から、今どきの新入社員の考え方をうかがい知ることができます。

◆「お気楽志向」が減少
まず、「第一志望の会社に入れたか」との質問で「はい」と答えた人は55.2%で、昨年の62.3%からに7.1ポイント減少しており、厳しい就職活動だったことが表れています。
そして、「人並み以上に働きたいか」との質問では、「人並み以上」と答えた人が43.0%(前年は41.0%)、「人並みで十分」と答えた人が49.3%(前年は50.3%)との結果となり、「お気楽志向」が退潮したと分析されています。

◆「デート」よりも「残業」?
次に、「仕事中心か生活中心か」との質問では、「仕事と生活の両立」という回答が82.8%を占め、「仕事中心」との回答(9.2%)が「生活中心」との回答(7.9%)を上回っています。
そして「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」との質問では、「デートをやめて仕事をする」と答えた「残業派」の人が85.3%、「仕事をことわってデートをする」と答えた「デート派」の人が14.2%でした。この「85.3%」と「14.2%」の差は、昭和44年度の調査開始以来、過去最高の開きだそうです。
男女別に見ると、「残業派」の男性81.9%、女性88.8%で、女性のほうが仕事を優先する傾向が強いようです。

◆詳しい調査結果について
その他、詳しい調査結果(6月28日発表)については、公益財団法人日本生産性本部のホームページ(http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000985.html)でご覧いただくことができます。






今年も注意! 職場における「熱中症」予防対策

◆平成21年の発生状況
 厚生労働省の発表によれば、平成21年の職場における熱中症による死亡者数は8人(根全年は17人)だったそうです。昨年は少なかったといえますが、例年は20名前後で推移しています。業種別では、建設業(5人)が多くなっています。
 作業開始からの日数別にみると、88%が7日以内に発生し、発生月別にみると、すべて7月か8月に発生しています。

◆そもそも「熱中症」とは?
熱中症は、高温多湿な環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れることにより、体内の調整機能が破綻して発症する障害の総称であり、以下のような様々な症状が現れます。
・めまい・失神
・筋肉痛・筋肉の硬直
・大量の発汗
・頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感
・意識障害・痙攣・手足の運動障害
・高体温

◆厚生労働省の取組み
厚生労働省では、「職場における熱中症の予防」について、平成21年6月に発出した通達に基づく以下の対策を図ることとしており、都道府県労働局や労働基準監督署による事業場への指導などにより、取組みを推進しています。
(1)職場の暑熱の状況を把握し、必要な作業環境管理、作業管理、健康管理等を行うこと
(2)計画的な熱への順化期間(熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定
(3)自覚症状の有無にかかわらない水分・塩分の摂取
(4)熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理など
詳細につきましては、厚生労働省ホームページ「職場における熱中症の予防について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006xcz-att/2r98520000006xjw.pdf)をご確認ください。






男女の金銭感覚と最近のお小遣い事情

◆男女の金銭感覚の違いは?
東京スター銀行では、株式会社アイシェアと共同で今年4月行った「男女の金銭感覚調査」の結果を発表しました。調査対象はネットユーザー男女1,275名で、非常に興味深い内容となっています。

◆夫が妻にしてほしくない節約術
既婚男性に聞いた「奥様にしてほしくない節約術・やりくり」という質問(複数回答)では、上位1~3位は以下の結果となっています。
(1)「スーパーのビニール袋を大量に持って帰る」(53.8%)
(2)「よほど汚れてない限り、風呂の水は2回使う」(44.1%)
(3)「1円でも安いものを探してスーパーをハシゴする」(39.3%)

◆家計管理はどちらが行う?
また、未婚者に聞いた「将来結婚したら自分で家計を管理したいと思うか」という質問では、「自分で管理したい」「どちらかというと自分で管理したい」を合わせた「管理したい」派の人は、男性61.2%、女性84.6%でした。
未婚の男性が家計を自分で管理したい理由(複数回答)のトップは、「自分で家計をコントロールしたいから」(50.2%)」。未婚の女性が自分で管理したい理由のトップは「相手に任せっきりにしてしまうと不安だから」(65.0%)という結果でした。

◆最近のお小遣い事情は?
新生フィナンシャルが運営するカードローンのブランド「レイク」からは、「2010年サラリーマンの小遣い調査」の結果が発表されています。調査はインターネット上で行われ、20~50代のサラリーマン約1,000名が回答しています。

◆毎月4万6,000円
「毎月の小遣い額」は4万6,000円でした。不況の影響か、前年よりも5,000円もダウンし、ダウンは3年連続です。なお、「理想の小遣い額」は6万1,300円となっています。
毎月の小遣い額が最多だったのは1990年で、このときは7万6,000円でした。

◆サラリーマンはワンコインランチ
 昼食代に関する調査では、1食当たり500円で、まさに「ワンコインランチ」となっています。これは過去10年間の調査で最低の金額です。

2010/07/01

7月の事務所便り

 「新卒者体験雇用事業」の拡充について

 ◆6月7日から改正
平成22年6月7日から、「新卒者体験雇用事業」の内容が拡充されています。
この事業は、就職先が決まっていない新規学卒者を対象として、企業が体験的な雇用の機会を設けることにより、就職先の選択肢を広げるとともに、その後の正規雇用に結び付けることを目的としています
この制度を活用する企業には、「新卒者体験雇用奨励金」が支給されます。今回はこの奨励金の「体験雇用期間」と「支給額」が改正されました。

 ◆主な要件と改正点
この制度の対象者は、卒業後も就職活動を継続している大学生や高校生等で、ハローワークへ登録していることが条件となります。
対象者を受け入れる企業は、ハローワークへ体験雇用求人を登録する必要があり、体験雇用の開始日は「卒業日の翌日以降」となっています。
制度改正前の体験雇用期間は「1カ月」でしたが、改正後は「最長3カ月」まで可能となり、奨励金の額は「8万円」から「最大16万円」(1カ月目:8万円、2・3カ月目:各4万円)となりました。

 ◆申請までの流れ
体験雇用の開始にあたっては、企業は対象者との間で有期雇用契約を締結します。体験雇用期間中の労働時間は、通常の労働者の1週間の所定労働時間と同程度(30時間を下回らない)で設定し、契約で定めた賃金を支払います。
そして、体験雇用開始日から2週間以内に「体験雇用実施計画書」を提出し、その後、体験雇用終了日の翌日から起算して1カ月以内に「体験雇用結果報告書兼新卒者体験雇用奨励金支給申請書」を提出することとなります。

 ◆中小企業にとっての大きなチャンス
世界的な不況、それに伴う企業の業績不振の影響で、就職内定率は低下傾向にありますが、これを逆手にとれば、中小企業にとっては良い人材を採用する大きなチャンスだとも言われています。
このような制度をうまく活用して、人材の採用・定着につなげたいものです。


 病院での待ち時間が減少 その要因は?

 ◆厚生労働省の調査より
今年3月に、厚生労働省から2008年の「受療行動調査」が発表されましたが、これにより、「病院での待ち時間」の状況が改善していることがわかりました。
この調査は、全国の医療施設を利用する方を対象に「医療に対する満足度」を調査しているもので、3年に1回行われています。

 ◆「待ち時間」に関する調査
この調査項目の中で注目すべきは、外来患者に対して行った「診察前の待ち時間」(予約を行った場合は予約時間からの待ち時間)についてです。「1時間未満」の割合は68.7%となっており、調査開始の1996年と比較すると8.6ポイント増加しており、「1時間以上」の割合は減少しています。
病院の種類別に見ると、特定機能病院、大病院、中病院では「30分以上1時間未満」の割合が最も多く、それぞれ25%前後となっています。小病院、療養病床を有する病院では「15分以上30分未満」の割合が26%前後と最も多くなっています。

 ◆待ち時間短縮の理由
待ち時間短縮の理由は、「診察時間の予約」や「病院独自の工夫」によるものとみられています。しかし、病院側が一人ひとりの診察に十分な時間を割こうとすると、待ち時間の短縮には限界があり、患者側が望む「30分未満」にはまだまだ課題があるようです。

 ◆病院側の工夫
そこで最近では、待ち時間の短縮ではなく「時間の有効活用」や「イライラ解消」に重点を置き、患者の満足度を高める工夫をする病院が増えているようです。
例えば、インターネット等で事前に院内の混み具合がわかるようにしたり、診察の順番や待ち人数がわかる発券機表示モニターを設置したりする病院もあるようです。
待ち時間に対するイライラを少なくするような取組みを行う病院は、今後も増えていくことが予想されます。


 労災における「障害認定の男女差」見直しへ

 ◆京都地裁の判断
労災で顔や首に大やけどを負った男性が、「女性よりも労災の障害等級が低いのは男女平等を定めた憲法に反する」として、国の等級認定の取消しを求めていた訴訟で、京都地方裁判所は「合理的な理由なく性別による差別的扱いをしており、憲法14条に違反する」として、国に認定の取消しを命じる判決を下しました。

 ◆男女間で障害等級の差
報道によれば、男性は勤務先で作業中、溶けた金属が作業服に燃え移って大やけどを負いました。顔や胸、腹などに跡が残ったため、他の症状を併合して労災認定を申請し、労働基準監督署は男性の障害等級を「11級」と認定しました。
労災保険の障害等級表では、「外貌に著しい醜状を残すもの」として、顔などにけがが残った場合、男性の等級を「12級」、女性の等級を「7級」と規定しています。これは、容姿に著しい傷跡が残った場合、女性のほうが男性より精神的苦痛が大きいなどとしているためです。

 ◆給付金額に大きな差
労働者に後遺症が残った場合に支給される給付について、症状や傷の程度に応じて「1級」から「14級」までの障害等級が定められています。
今回のケースでは、「11級」の認定となるため、223日分を一時金として1回支給されるだけですが、仮に「7級」と認定された場合は、平均賃金の131日分が年金として生涯にわたり支給されることになります。そのため、性別だけで給付金額に大きな格差が生じることは著しく不合理であると判断されたといえます。

 ◆埋まりつつある男女差
障害補償は本来、障害による「逸失利益」を補償する意味合いが強く、交通事故などの損害補償をめぐる裁判でも広く争われており、かつては顔の傷に関して男性の場合はほとんど認められていませんでした。しかし、最近では憲法14条(法の下の平等)に反するとの司法判断が出始めています。
国は、今回の訴訟について控訴を断念したようであり、これに関連して、厚生労働省は、今年度中に労災保険の障害等級表を見直す方針を示しています。


 「協会けんぽ救済」で多くの健保組合が負担増に

 ◆改正法が可決・成立
全国健康保険協会(協会けんぽ)の大幅な保険料上昇を抑制するための「医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」が参議院本会議で可決・成立しました(5月12日)。

 ◆改正の主な内容
改正の主な内容は次の通りです。
(1)後期高齢者支援金で年収比例の仕組みを一部導入
(2)協会けんぽの国庫補助率を引上げ(13%→16.4%)
(3)会社員に扶養されていた高齢者の保険料負担の軽減措置を継続
(4)保険料の滞納世帯でも高校生以下に短期被保険者証を交付

 ◆健保と共済が「肩代わり」
新制度は7月から実施となり、財政が悪化する「協会けんぽ」の再建を支援するため、後期高齢者支援金の負担を軽減するとともに、保険給付の国庫補助率を16.4%(現行は13%)に引き上げます。
また、大企業の会社員らが加入する「健康保険組合」と公務員などが加入する「共済組合」に負担増を求めています。これにより、全国平均で9.9%に上がるはずだった「協会けんぽ」の保険料率(2010年度)は9.34%に抑えられることとなります。

 ◆国庫補助率も引上げへ
国庫補助率の引上げにより、国は協会けんぽへ2010年度に610億円、2011年度に920億円の公費(税金)を投入するとしています。
厚生労働省では、1,478組合ある健保組合のうち、6割強の922組合で負担増になると試算しており、556の組合においては逆に負担が減る見込みとされています。「協会けんぽ」の救済策は2010年度から3年間適用となり、2013年度からは「後期高齢者医療制度」を廃止し、新しい高齢者医療制度に移行する方針です。
改正法による影響は大きく、特に大企業の健保組合においては2010年度に約5億円の負担増となると試算されている組合もあります。2010年度の健保全体の予算は6,600億円の赤字になる見通しで、3期連続赤字となります。
このような厳しい状況の中、高齢化社会に対応した高齢者医療制度を含む医療保険制度の立直しを一刻も早く行う必要がありそうです。


 高い日本企業の税負担率

 ◆海外先進国との比較
新聞報道によれば、国際的に比較した日本企業の税負担の重さが改めて浮き彫りになっているようです。「日経株価指数300」の構成企業(銀行・証券・保険を除く)を対象に、2009年度の連結決算を集計したところ、法人税・事業税・住民税などの企業の税負担額を、税引き前利益で割って会計上の税負担率を計算すると「49.1%」に達するとのことです。
同様の計算方法で先進国の主要企業の比率を求めると、アメリカ「29.9%」、ドイツ「34.4%」、イギリス「36.0%」となっています。
また、国税、地方税を合わせた法定実効税率について、日本は「40.7%」となっていますが、ドイツ「約29%」、イギリス「約28%」で、アメリカの「約40%」を超えて世界最高水準となっています。

 ◆国際競争率の低下
先進諸国に比べて日本だけが突出して法人税が高いということは、日本企業が国際競争力を失ってしまうということです。先進諸国の企業は税率が低い分、資金を設備投資や研究開発費に投じることができます。
一方、日本企業はたとえ同じ利益を上げたとしても、諸外国企業と同様に設備費や開発費を投入することができず、後れをとってしまうこととなります。このままだと、日本の有望企業が、税負担の低い国に流出してしまうおそれがあると言われています。

 ◆法人税の引下げの検討
国家財政が悪化をたどる中、法人税の引下げには反対論もあります。しかし、このままでは、日本の企業は競争力を失い、業績の悪化から税収は低下し、さらなる財政悪化という悪循環に陥ることも予想されます。
世界を見渡すと、台湾が法人税率を25%から17%に引き下げるなど、引下げの流れが加速しています。世界情勢に倣い、まずは企業競争力を強化することが必要だと思われます。

 ◆法人税と消費税
しかし、法人税を引き下げると、企業が活力を取り戻すまでの間、一旦は税収が落ちることとなり、その分をどこかで補填しなければなりません。
そこで考えられるのは、消費税の引上げです。現在、消費税は5%と決して低率ではありませんが、ドイツやイギリスの17%前後と比較すれば引上げの余地はあるのかもしれません。
しかし、消費税引上げは国内の景気に大きく影響することから、十分に慎重な検討が求められます。


 「メンタルヘルス対策」をめぐる動き

 ◆ストレス社会の中で
日本における自殺者数は、近年、3万人を超える数で推移していますが、そのうち約2,500人の原因・動機は「勤務問題」によるものだとされています。また、精神障害等による労災認定件数も増加傾向にあり、仕事や職業生活に強いストレスを感じている労働者は約6割に上るとの調査結果もあるようです。厚生労働省の調査では、うつ病患者を含む「気分障害」の患者は100万人を超えているそうです。
そのような状況の中、厚生労働省に設置された「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」(学者、医師、弁護士などで構成)が、5月下旬に初めての会合を開きました。

 ◆今後検討される内容
この検討会においては、(1)メンタルヘルス不調者を把握する方法(2)不調者の把握後の作業転換・職場復帰などの対応方法を検討するとしています。
このうち(1)については、具体的には、労働安全衛生法に基づく定期健康診断において、労働者が不利益を被らないように配慮をしつつ、効果的にメンタルヘルス不調者を把握する方法について検討していくとしています。
また、(2)については、メンタルヘルス不調者の把握後、会社による労働時間の短縮、作業の転換、休業、職場復帰等の対応が適切に行われるように、外部機関の活用や医師の確保に関する制度等について検討していくとしています。

 ◆企業としての対応が急務
労働基準監督署では、平成22年度においては、「メンタルヘルス対策の具体的な取組みについての事業場への指導・助言」を特に強化する方針を示しています。
企業としても、メンタルヘルス不調者が発生しないための取組み、仮に不調者が発生してしまった場合の対応に関してのルール作り(「休職制度」「職場復帰制度」「リハビリ勤務制度」等の規定化)など、対応が急務となっている状況です。


 「夫は外で仕事、妻は主婦業」の考え方

 ◆出産や子育てに関する調査
国立社会保障・人口問題研究所では、このほど、2008年7月に実施した「全国家庭動向調査(第4回)」(調査票配布数:13,045票、有効回収数:10, 192票、有効回収率:約78.1%)の結果を発表しました。
この調査は、5年周期で実施されており、家庭機能の変化の動向や要因を把握するために、出産や子育ての現状、家族関係の実態を明らかにすることを目的とするものです。

 ◆夫婦の役割に関する妻の意識
この調査の中で、夫婦に関する考え方として、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念」という考え方に賛成する既婚女性の割合は45.0%(前回調査時41.1%)で、前回調査時から3.9ポイント上昇しました。この項目について上昇に転じたのは、1993年の初回調査以降初めてのことだそうです。
また、「夫も家事や育児を平等に分担すべき」と考える既婚女性の割合は82.9%(同82.8%)と前回調査時とほぼ同じでした。「夫は会社の仕事を優先すべきだ」と考える既婚女性も66.6%(同66.9%)とあまり変化は見られませんでした。

 ◆従業員の様々なニーズ
「夫婦の役割」に対する考え方が人それぞれであるのは当然のことであり、企業としては、そのようなことを常に意識しておく必要があるでしょう。
今後、少子化等により労働力が不足していくと予測される中、企業としては、従業員の様々なニーズに対応した労働時間制度・休暇取得制度の導入や、勤務体系の構築を考えなければならないのかもしれません。


 「テレワーク(在宅勤務)」導入企業が増加

 ◆2009年は19%の企業が導入
総務省が4月下旬に「2009年通信利用動向調査」の結果を発表しましたが、それによれば、テレワーク(在宅勤務)を導入している企業は2009年に19.0%となったそうです。2007年は10.8%でしたから、2年でほぼ倍増しているといえます。
増加している要因には、どのようなことがあるのでしょうか。

 ◆「非常時に備えて」の理由が増加
テレワークを導入している企業の導入目的を見てみると、「勤務者の移動時間の短縮」(51.5%)、「定型的業務の効率性(生産性)の向上」(41.8%)が上位を占めています。
そして、「地震や新型インフルエンザ等の非常時の事業継続に備えて」が、前年の19.2%から20.4ポイントも上昇し、39.6%となっています。
その他の理由としては、「顧客満足度の向上」(18.7%)、「勤務者にゆとりと健康的な生活の実現」(13.3%)、「通勤弱者(身体障害者、高齢者、育児中の女性等)」への対応(13.2%)などが挙げられています。

 ◆導入企業の多くは大企業
テレワーク導入企業のうち、96.2%が「導入の効果があった」と回答しており、その効果はとても大きいようです。
現在、テレワーク導入企業の中心は大企業となっているようですが、今後は、非常時への対応(危機管理)、従業員への配慮、顧客先への配慮といった理由から、中小企業でも導入が進んでいくかもしれません。


 育児・介護休業法に関する新しい援助・調停制度

 ◆改正育児・介護休業法の施行
改正育児・介護休業法の主要部分の施行が6月30日に迫っています(一部の規定は、「常時100人以下の労働者を雇用する中小企業」について平成24年7月1日から施行されます)。
この改正により、「短時間勤務制度の義務化」「パパママ育休プラス制度の創設」などが図られ、仕事と子育ての両立支援のための取組みが強化されますが、改正前の法律においても、育児休業取得による不利益取扱いなどは禁止されており、それらに関するトラブルは多いようです。

 ◆相談件数が大幅に増加
厚生労働省の発表によれば、2009年度に全国の労働局に寄せられた「育児・介護休業法に関する相談」は1,657件だったそうです。この件数は、前年度から約3割も増えています。
相談の主な内容は、育児休業取得による解雇、降格、正社員からパートタイマーへの変更の強要などとなっています。

 ◆苦情処理や紛争解決のために
改正育児・介護休業法においては、「苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組み」が創設され、すでに実施されています。具体的には、都道府県労働局長による「援助制度」(2009年9月スタート)、社会保険労務士や弁護士などの専門家で構成される「調停制度」(2010年4月スタート)です。
これらの制度は、企業側・従業員側それぞれの言い分を聞き、紛争に関する結論が出るまでに、「援助制度」は1~2カ月程度、「調停制度」は3カ月程度かかると言われています。
改正法の主要部分の施行により、今後、「援助制度」や「調停制度」の利用件数が増えていくものと思われます。企業としては、まずは、育児休業・介護休業などに関して紛争とならないような制度作り、労務管理等が求められます。


 「勤務間インターバル規制」とは?

 ◆IT企業などで導入
最近、長時間労働が恒常化しているIT関連企業などにおいて、「勤務間インターバル規制」を導入する動きが見られるそうです。このインターバル規制は、1日の仕事が終了してから次に仕事を開始するまでに、一定時間の休息を義務付けるものです。
なぜ今、導入する企業が増えているのでしょうか。

 ◆EU指令では「連続11時間の休息」
上記の規制に関しては、EU(欧州連合)が加盟国の法律に関する基準を定めた「EU労働時間指令」の中で、「最低連続11時間の休息」を規定しています。なぜ、このような規制が定められているかというと、「ワーク・ライフ・バランス」に配慮するためであり、労働者の健康を守るためです。
仮にEUの基準でこの規制を導入した場合、例えば午後11時まで勤務した日の翌日は、午前10時までは勤務が免除されることになります。
日本の情報労連(情報産業労働組合連合会)では、昨年の春闘において、「導入が可能な組合においては、インターバル規制の導入に向けた労使間協議を促進する」という方針を掲げました。

 ◆ワーク・ライフ・バランスに向けて
厚生労働省から発表されている「労働経済白書」によれば、25~44歳の男性のうち週に60時間以上働いている人の割合は20%以上になっており、週5日勤務した場合、1日に12時間も働いている計算になります。
この「働き盛り」世代の健康を守り、「ワーク・ライフ・バランス社会」を実現させるため、今後、日本でもこのインターバル規制についてさらに議論されていくかもしれません。

2010/06/02

6月の事務所便り

 上司と若手社員の考え方のギャップ

 ◆若手社員のモチベーションが低下
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社が、20~50代のサラリーマンを対象に昨夏に「仕事に関する意識調査」を行いました。このアンケートの中に「現在の仕事へのモチベーション」という項目がありましたが、全体的にモチベーションの低下傾向が見られた中、特に20代社員の低下が著しい結果となりました。
「現在の仕事にやる気がある」と答えた社員の割合は、2008年調査と2009年調査を比較すると、20代では57.3%→50.0%(7.3ポイント減)、30代では50.5%→50.3%(0.2ポイント減)、40代では49.2%→54.4%(5.2ポイント増)、50代では55.0%→52.0%(3.0ポイント減)との結果でした。
同社では、20代の若手社員のモチベーションが低下した原因として、「会社の将来性への不安」「人材育成の機会の不十分さ」などを挙げています。40代では会社の将来性への不安を抱きつつも、それがモチベーションの低下には繋がっていない結果となっており、ここに若手社員とのギャップが見られます。

 ◆上司は若手社員の「困難克服力」に期待
また、JTBモチベーションズ(JTBグループの人事コンサルティング会社)では、今年の2月に若手社員の成長などに関する調査の結果を発表しました。約40%の上司は部下の「困難を克服する力」に大きな期待をかけている一方で、このような「困難克服力」を伸ばしたいと考えている若手社員(入社1年目から3年目まで)は約20%しかいないという結果となりました。
ここでも、「上司の求めるもの」と「若手社員の意識」の大きなギャップが見られる結果となりました。

 ◆いかに考え方のギャップを小さくするか
「上司と若手社員の考え方のギャップ」、これはいつの時代においても存在する永遠のテーマなのかもしれません。しかし、初めから「ギャップがあるのはしょうがない」言って諦めてはいけません。
この不景気の時代、会社が一丸となって業務を進めていくためには、上司と部下、年配者と若者のギャップをいかに小さくしていくかを考えなければなりません。世代間ギャップを埋めることを社員個人に頼るのではなく、「ギャップを小さくするために会社として何かできることはないか」を考える必要があるのではないでしょうか。


 健康診断で「うつ病検査」を義務化へ

 ◆うつ病などの労災請求・認定件数
2008年度のうつ病を含む精神障害などの労災請求件数は927件(3年で41.3%増)、認定件数は269件(3年で111.8%増)となっており、増加傾向にあります。
そこで、厚生労働省では、企業が実施している健康診断において、うつ病などの精神疾患に関する検査を義務付ける方針を明らかにしました。
2011年度からの実施を目指すとしており、同省が1月に設置した「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今後まとめる報告書に盛り込まれる予定で、労働安全衛生法の改正(または厚生労働省令の改正)により対応していくものと思われます。

 ◆高い自殺率の背景にうつ病などの精神疾患
日本では、平成10年から12年連続で毎年3万人を超える人が自殺しており、人口10万人当たりの自殺死亡率(自殺による死亡率)は、欧米の先進諸国と比較して突出して高い水準にあります。
また、うつ病の患者数は2008年には100万人を超えています。これらうつ病をはじめとする精神疾患の増加が、高い自殺死亡率の背景にあると言われているため、自殺防止対策とあわせて、うつ病・メンタルヘルス対策への対策が急務とされていました。

 ◆一体となった取組みが必要
健康診断における「うつ病検査」の実施が、うつ病などの精神疾患の減少につながることが期待されていますが、政府・厚生労働省の対策に頼るだけでなく、職場・地域・家庭におけるうつ病・メンタルヘルス対策への一層の取組みが期待されるところです。


 年金記録の回復がより早く!~新たな回復基準~

 ◆年金記録確認第三者委員会の役割
世間を騒がせた「消えた年金」や「宙に浮いた年金」を救済するため、昨年6月に総務省に「年金記録確認第三者委員会」(第三者委員会)が設置されました。
この第三者委員会は、年金記録の確認について、国(厚生労働省)に記録が残っていなく、本人も領収書等の物的な証拠を持っていないといったケースについて、国民の立場に立ち、申立てを十分に汲み取り、様々な関連資料を検討したうえで、記録訂正に関し公正な判断を示すことが任務とされています。

 ◆新たな年金記録救済策
このほど(5月6日)、日本年金機構では、年金記録救済策をさらに手厚くするため、上記の第三者委員会で審議することなしに年金事務所(旧社会保険事務所)の調査だけで年金記録を回復できる基準を示しました。その内容は次の通りです。
(1)厚生年金(標準報酬月額の改ざんの疑い)
・6カ月以上さかのぼって標準報酬月額が大きく引き下げられている記録が事実に反していると疑われるなどの条件を満たす場合
(2)厚生年金(脱退手当金の誤った支給記録)
・昭和49年まで発行されていた厚生年金の被保険者証に、脱退手当金を支給した表示がないなどの条件を満たす場合
・脱退手当金の支給日より前にその計算基礎にされていない厚生年金の期間があるなどの条件を満たす場合
(3)国民年金(2年以下の記録漏れ)
・保険料納付記録が漏れていると思われる期間が2年以下であって、その他の期間は納付済みであるなどの一定の条件を満たす場合

 ◆その他の年金記録回復の基準
上記以外にも、確定申告書の控えが残っている場合や、勤めていた事業所が廃止された後に厚生年金の加入記録がさかのぼって変更されている場合などの回復基準があります。


 起業を目指す若者が減っている!?

 ◆「1万人アンケート」の結果から
野村総合研究所では、昨年末に「生活者1万人アンケートにみる日本人の価値観・消費行動の変化」を発表しました。これは、15~69歳の約1万人を対象に行ったアンケートをまとめたもので、1997年から3年ごとに実施されています。
このアンケートで、「会社を立ち上げて経営者になる」、つまり「起業家を目指す」人が減っていることが明らかになりました。

 ◆減少する「起業家志向」
「一流企業に勤めるよりも、自分で事業をおこしたいか」との質問に対して、肯定的な意見(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人)は「35%」で、1997年の「49%」から14ポイントも低下しています。世代別でみると、30代の起業家志向が39%と最も高く、10代では27%と最も低い結果となりました。

 ◆不景気下でより安定志向へ
景気の低迷により、2009年の新興企業向け市場の東証マザーズの新規上場数は4社でした。ピーク時(2004年)の57社から大幅減少しています。
また、上記のアンケートで、仕事をしている人のうち59%(前回調査から3ポイント増)の人が「転職は考えていない」と答えるなど、不景気の中、より安定的な生活を希望する人が増えている傾向が鮮明に表れる結果となりました。


 「ワークルールチェッカー」の診断結果

 ◆15万アクセス突破
連合は、今年2月に開設した、労働条件簡易診断Webサイトの「ワークルールチェッカー」(http://www.work-check.jp/)のアクセス数が15万件(4月13日時点)に達したと発表しました。診断結果が「ひとまず安心」(チェック項目がゼロ)だったのは全体の約2割で、雇用形態を問わず、法令違反の可能性が示唆される結果が目立っているそうです。

 ◆寄せられた回答の多くに労働法令違反の可能性
この「ワークルールチェッカー」は、Webサイトにパソコンや携帯電話からアクセスし、9つの設問(派遣労働者は14問)の中から該当する項目にチェックを入れることで、職場の法令遵守度合いを点検できる仕組みです。
9つの設問は次の通りです。
(1)労働時間・休日・賃金・業務内容などの労働条件を書面でもらっていない。
(2)給与明細に「厚生年金保険料」「健康保険料」が載っていない。
(3)給与明細に「雇用保険料」が載っていない。
(4)残業したのに、残業代が全部または一部支払われない。
(5)有給休暇がもらえない、あっても取りづらい。
(6)会社で健康診断を受ける機会がないか、自腹で健康診断をしている。
(7)仕事上の病気・ケガをしたら、会社から「自分で治せ」と言われた。
(8)会社の都合で仕事が休みになったのに、賃金補償がない。
(9)仕事中にミスをしたら、罰金をとられる。

 ◆有給休暇や残業、労働条件の書面明示などに問題が
設問ごとにみると、利用者の約半数が「有給休暇がもらえない、あっても取りづらい」にチェックしており、次いで「残業したのに、残業代が全部または一部支払われない」、「労働時間・休日・賃金・業務内容などの労働条件を書面でもらっていない」がともに約35%となっています。
派遣労働者のみの設問では、「『打合せ』、『見学』の名目で派遣先と事前に会ったことがある」をチェックした人の割合が約53%で一番高かったようです。
設問の内容は基本的なものが中心ですが、チェック項目がゼロの「ひとまず安心」が全体の2割ほどしかなかったということを考えると、労使トラブルが発生する可能性がある企業の割合は高く、その対策が急がれます。


 残業時間の削減を進めるには?

 ◆長時間労働の短縮に向けて
過去に「働きバチ」と揶揄されたこともある日本人の残業時間は、以前よりは短くなっているものの、国際的にみるとまだまだ長いと言われています。
1人あたりの平均年間総実労働時間は減少傾向にあるものの、正社員については、今も2,000時間前後で推移しています。働き盛りの30~40代男性では、フルタイム勤務者のうち週60時間以上働く人が全体の2割を超えています
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を実現させるためにも長時間労働の短縮は必要不可欠ですし、また、この4月からは改正労働基準法が施行され、月60時間を超える残業に支払う賃金割増率が25%から50%以上へと引き上げられており(中小企業は猶予期間あり)、人件費抑制の対策としても労働時間の短縮が急務と言えます。

 ◆残業時間削減への各社の取組み
残業時間削減に向けて、ある企業では、会議で使用するディスプレー上に、社員1秒あたりの平均賃金と会議時間を基に算出した「会議コスト」を秒刻みで表示しているそうです。一人ひとりにコストを意識させ、会議を効率的に進めることが狙いです。この企業では、全スタッフが1日の予定をパソコンに入力し、共有できる仕組みも導入したことにより、月間の平均残業時間が2年前に比べ半分以下となったそうです。
また、他の企業では、1日の予定を管理職に報告させることに加え、全員の時間の使い方を分析することで、長時間労働の原因を分析し、残業削減に取り組んでいるそうです。

 ◆個人でもできる残業削減
残業時間を減らすには、社員の協力も必要不可欠です。仕事を効率的に終わらせるスキルを身につけることができれば、個人でも残業の削減は可能です。
まずは、日常業務を徹底的に見直し、始業から就業までの間にどんな仕事をするのか、スケジュールを書き出すことから始めます。このとき、例えば「13時~17時:資料作成」などと大まかに計画しがちですが、資料作成といっても「データ収集」「情報分析」「入力作業」などいくつもの作業に分かれます。業務を細分化し、事前に準備しておく事項や人に任せられる事項を明確にしておけば、時間を効率的に使えるようになります。
残業時間の削減は労使双方にとって大きなメリットがあります。まずは、会議や打合せ、資料作成などの身近なムダを排除することから始める必要がありそうです。


 「主婦パート」の仕事に対する考え方

 ◆平成22年版を発表
株式会社アイデムの「人と仕事研究所」は、平成22年版の「パートタイマー白書」を発表しました。いわゆる「主婦パート」の実態と労働力としての今後の可能性について書かれていますが、とても興味深い内容となっています。

 ◆「主婦パート」の半数は就労調整せず
主婦パート本人に対して収入について質問したところ、自身の収入に「上限を設けている」と回答した人は約半数(50.5%)で、このうち、いわゆる「103万円の壁」、つまり所得税の非課税限度額や配偶者控除を意識している人は約4割(41.0%)、主婦パート全体の2割に過ぎない結果です。
一方で、一部の企業には「主婦パート=103万円以内で働く人たち」との認識も見受けられ、約半数が収入に上限を設けていないという実態とのギャップが浮き彫りになりました。

 ◆子育てが主婦パートの働き方に影響
主婦パートの多くが「正社員」になりたがっているかといえばそうでもなく、その就労意向は3割程度にとどまっています。ところが、同じ正社員でも勤務時間の短い「短時間正社員」としての就労意向は約6割となっています。
労働時間の長さがネックとなっている背景には、家庭環境、とりわけ「子育て」がありました。例えば「今後の働き方」について、「(税金・社会保険関連の制度が変わり) 収入を制限する必要がなくなった場合」、「子供が成長した場合」、「親の介護・看護の必要がなくなった場合」についてそれぞれ聞くと、特に「子供が成長した場合」に、労働時間を増やして正社員になりたいとの意欲が、強く表れる結果となりました。
主婦の社会進出を阻む要因の大きな1つに税制や社会保険制度があると言われていますが、子育ても、主婦の働き方を決定付ける大きな要因となっているようです。

 ◆労働力としての今後の可能性
上記アンケートでは、企業に「今後、主婦パートが正社員の仕事を担っていくことは可能か」について聞いていますが、「どちらかといえば可能だと思う」も含めれば47.4%の企業が肯定的に考えており、主婦パートが正社員の代替労働力になり得る可能性を示しています。
子育ての問題が解決されれば、主婦パートの一層の活躍が期待でき、仕事の範囲も大きくなってくるはずです。企業も主婦パートの置かれている現状を知ることにより、さらなる活用の道が開けるのではないでしょうか。


 「雇用」や「賃金」に対する企業の考え方

 ◆「企業経営と賃金に関する調査」
独立行政法人労働政策研究・研修機構では、平成20年12月に「今後の企業経営と賃金のあり方に関する調査」として、全国の従業員50人以上を有する企業約15,000社(有効回答2,734社)を対象として大規模な調査を行い、その結果をまとめました。
調査内容としては、賃金の構成要素や賃金制度のあり方、制度見直しの方向で、経営環境や雇用に対する考え方についても含まれています。

 ◆雇用・賃金体系に対する考え方
雇用に対する考え方としては、できるだけ多くの社員について「長期安定雇用」を維持したいと回答した企業は約7割に上り、「従業員の生活を保障するのは企業の務め」と回答した企業は9割近くとなっています。
賃金体系については、過去5年程は年齢・勤続・学歴を重視する「個人属性重視型」が40.5%で最多でしたが、今後は職務遂行能力を重視する「職能重視型」が33.2%と最も多くなっており、成果主義賃金の典型である「短期成果重視型」は8.6%にとどまっています。
賃金制度を見直すにあたって重視する点については、以前・今後のいずれも「個々の職務遂行能力」、「個々の成果」を把握して賃金に反映させることがそれぞれ6割強となっています。

 ◆「職務遂行能力」を重視へ
ここ数年の不景気下で、非正社員だけでなく、正社員でも「雇用の安定」を求めにくい状況となっていますが、企業サイドとしては、以前同様「長期安定雇用」を目指していることがうかがえます。
しかし、その際に重視するのは、以前は「従業員の年齢や学歴」が中心となっていましたが、今後は「職務遂行にあたっての能力」であるということがこの調査により明確になっています。
今後は、職務遂行能力を向上させるための教育制度やその補助に関する充実がより求められるのではないでしょうか。


 職業生活上のピークは何歳?

 ◆30代前半がピーク?
独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「成人キャリア発達に関する調査研究」によれば、現在50代の人は、自らの職業生活を「30代前半がピーク、40代後半が底であった」と振り返っているという結果になりました。
この調査は、2009年1月時点で50~59歳の常勤労働者を対象として行われたものです。

 ◆自分の能力や努力で決まる満足感
「現在の年収」および「勤務先の従業員数」(勤務先全体の従業員数でパート・アルバイトを除くおおよその数)と満足感の関係からみると、年収が高い人ほど、また、勤務先の従業員数が多いほど、これまでの職業生活やキャリアに対する満足感が高い人が多いことがわかりました。
また、「学校での知識が役立っている」と思う人や、「特定の分野で1つの仕事をしてきた」と思う人ほど、仕事への満足感が高くなっています。

 ◆重要だった出来事は何か?
10代から50代の各年代で一番重要だった出来事を質問したところ、10代では「大学への進学」、「正社員として就職」、「学校卒業」、20代では「正社員として就職」、30代では「昇進・昇格」、「転職」、「仕事内容の変更」、40代では「管理職になる」、「昇進・昇格」、「仕事内容の変更」、50代では「仕事内容の変更」、「管理職になる」、「配属先の変更」という結果になりました。
また、学校卒業から現在に至るまでの「職業生活の浮き沈み」を曲線で描いてもらうと、男性は30代前半をピークに40代後半で底を打ち、50代で再び上昇するS字曲線を描く傾向にありました。これに対し、女性は30代~40代では平板な曲線になりますが、50代からの上昇が著しくなっています。

 ◆職業生活上の危機はいつだったか?
過去の自分の職業生活上の危機があった時期は40代が中心となっており、危機の内容としては、会社の仕事面が中心ですが、倒産や転職、上司との人間関係なども挙げられました。
これは、調査対象者のキャリアの大部分について、「雇用情勢悪化期が労働市場参入時期に当たること」や、バブル期を経験後、30代前半~40代前半時以降に経済環境の激変の中で雇用・失業情勢の急激な悪化、40代以降の中期キャリアで経済社会の変革を経験し続けているためと推測されています。


 新規株式上場に関する意向調査

 ◆新規株式上場意向に関する調査結果
帝国データバンクでは、「新規株式上場意向に関するアンケート調査」の結果を発表しました。今年で13回目の調査実施となっています。
調査対象は、調査開始時点で未上場であり、前回までの調査等において新規株式上場の意向を示していた企業4,473社です。この中で回答のあった企業は1,621社で、このうち具体的な上場予定・計画のある「予定企業」および具体化はしていないが上場の希望がある「企業希望」を合わせた631社を「株式上場予備軍企業」と位置付け、具体的な上場計画等のデータを集計しています。

 ◆調査結果の概要
株式上場予備軍企業のうち、上場予定時期は2013年が14.4%(91社)と最も多く、次いで2015年が11.3%(71社)となっています。「未定」と回答した企業は45.5%(287社)で、予備軍企業の約半数を占めています。
上場予定市場としては、複数回答の結果、大証ヘラクレス、JASDAQ、ジャスダックNEOの3市場が今年10月に統合して誕生する予定の「新JASDAQ」が266社と最多で、次いで「東証マザーズ」が245社となっています。
上場に際し希望する株価水準(日経平均)については、「具体的に希望を持たない」あるいは「わからない」と回答した企業が49.6%(313社)でした。具体的な株価水準を回答した企業では「15,000円台」とした企業の12.7%(80社)が最多です。
株式上場を目指す理由(複数回答)としては、「知名度や信用度の向上」が470社、「資金調達力の向上」が365社となっています。

 ◆短期的な予測
景気は「回復の兆し」と言われていますが、株式市況や企業業績の回復には長い時間を要するとみている企業が多いということがわかります。 また、大半の企業では上場の理由として「資金調達力の向上」を挙げていますが、株価低迷で十分な資金調達が望めないことが予想されます。
以上の状況から、上場の希望がありながらも実際に上場する企業は低い数字にとどまるのではないかと予測されます。株式上場傾向が高まるには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。


 国会に提出されている「年金改善法案」の内容

 ◆年金制度全体の改善に向けて
現在、年金に関するいくつかの法案(総称して「年金改善法案」)が国会に提出されています。
高齢期の所得を確保する観点から、国民年金保険料の納付可能期間の延長や、企業型確定拠出年金の加入資格年齢の引上げ・加入者による掛金拠出の認容などが主な内容です。

 ◆国民年金法の一部改正
(1)国民年金保険料の納付可能期間を延長(2年→10年)し、本人の希望により保険料を納付することで、その後の年金受給につなげることができるようにする。
(2)第3号被保険者期間に重複する第2号被保険者期間が新たに判明し年金記録が訂正された場合に、それに引き続く第3号被保険者期間を未届期間とする取扱いを改め、保険料納付済期間のままとして取り扱い、年金を支給することとする。
(3)国民年金の任意加入者(加入期間を増やすため60歳~65歳までの間に任意加入した者)について国民年金基金への加入を可能とし、受給額の充実を図る。

 ◆確定拠出年金法の一部改正
(1)加入資格年齢を引き上げ(60歳→65歳)、企業の雇用状況に応じた柔軟な制度運営を可能とする。
(2)従業員拠出(マッチング拠出)を可能とし所得控除の対象とすること、事業主による従業員に対する継続的投資教育の実施義務を明文化することにより、老後所得の確保に向けた従業員の自主努力を支援する。
(3)企業年金の未請求者対策を推進するため、住基ネットから加入者の住所情報の取得を可能とすることにより、住所不明者の解消を図る。

2010/04/28

5月の事務所便り

アルバイトの時給が上昇傾向にある原因

◆3カ月連続で前年同月比が増
2010年2月におけるアルバイトの全国平均の時給は989円(前年同月比2.1%増)で、3カ月連続で前年同月比が増加しました。不況の影響で正社員の給料が下がりつつある中、なぜアルバイトの時給は上がっているでしょうか?
一般的に、景気回復の局面においては、「正社員の賃金よりも先にパートやアルバイトの時給が上がる傾向がある」と言われています。景気回復の初期には、企業は景気の先行きに自信が持てないため、正社員の賃金を上げたり採用を増やしたりするまでには至らず、まずは時給を上げてパート・アルバイトの採用を増やそうとするためだそうです。

◆要因の1つに「派遣法の改正」
アルバイトの時給アップの1つの要因に、「労働者派遣法の改正」が挙げられています。「登録型派遣」や「製造業務派遣」を原則として禁止する改正法が今国会で成立する可能性が高くなったことを受け、派遣社員を活用していた多くの企業で、改正を前に、派遣社員ではなくアルバイトなどの採用を優先する動きが出ているようです。
しかし、派遣社員経験者はアルバイトよりも正社員を希望する人が多く、安定した仕事を求めている人をアルバイトとして雇おうとすると、時給を上げる必要があり、その結果、時給を押し上げる要因となっているようです。

◆学生の就活優先も一因
最近では、就職難の中、アルバイトよりも就職活動を優先する学生が増え、時給を上げないとアルバイトを集めにくくなっている状況もあります。
例えば、「コンビニエンスストア」は、アルバイトの採用においては「飲食店」と競合しますが、時給は「居酒屋」などに比べて見劣りすることが多いため、時給を上げる必要に迫られているとの見方もあります。
また、アルバイト経験を就職活動に活かそうと考える学生が増えているため、学生が就職に役立つと考える「オフィスワーク」や「営業職」に人気が集まり、「家庭教師」や「引越し」などの分野を敬遠する傾向にあるようです。
学生の就職活動はますます厳しさを増しているため、企業にとっては学生アルバイトの確保が難しい状況は当面続くようです。


定期健康診断で異常が多い事業所は要注意!

◆多くの検査項目で有所見率が上昇
厚生労働省では、定期健康診断で異常が見られた従業員の割合(有所見率)が全国平均より高い事業所(従業員が50人以上で、主な検査項目で全国平均より有所見率やその増加率が大きい事業所、過去3年間で脳・心臓疾患で労災支給決定があった事業所など)に対し、労働基準監督署が重点的に改善を指導するよう求める通知を3月下旬に出しました。
定期健康診断全体の有所見率は、平成11年の「43%」から平成20年の「51%」へと増加しています。平成20年の有所見率については、脳・心臓疾患関係の検査項目の1つである血中脂質検査の「32%」が最も高く、脳・心臓疾患関係の主な検査項目(血中脂質検査、血圧、血糖検査、尿検査、心電図検査)の有所見率は概ね増加傾向にあります。
また、過重労働による脳・心臓疾患による労災支給決定件数は、平成16年度の「294件」から平成20年度の「377件」へと増加しています。

◆働き方の見直しと保健指導が必要
過重労働による脳・心臓疾患を予防するためには、「時間外・休日労働時間の削減」や「年次有給休暇の取得促進」等の働き方の見直しに加えて、脂質異常症、高血圧等の脳・心臓疾患の発症と関係が深い健康診断項目が有所見である労働者に対し、労働時間の短縮等の就業上の措置を行うとともに、保健指導、健康教育等を通じて有所見項目の改善を図り、脳・心臓疾患の発症リスクを引き下げることも有効だと言われています。

◆具体的な改善指導内容
今回の通知では、事業者の具体的な取組内容として、「定期健診実施後の措置」、「定期健診結果の労働者への確実な通知」、「有所見者に対する医師等による食生活等の保健指導」、「有所見者を含む労働者に対して栄養改善や運動等に取り組むように健康教育・健康相談の実施」などが挙げられています。
一方、都道府県労働局等による具体的な周知啓発、要請等の方法としては、「事業場に対する重点的な周知啓発、要請」や「事業主への自主点検の要請」等があります。
労働安全衛生法では、健診で従業員に異常が見られた場合、医師からの意見聴取や労働時間の短縮、医師による保健指導や健康教育などの義務を事業者に課していますが、今回の指導内容は、これら義務の実施徹底や、実施計画作成時に労働衛生コンサルタントの助言を受けることなどが中心となるとされています。


今年の新入社員は「ETC型」?

◆「効率重視」で「コミュニケーション苦手」
公益財団法人日本生産性本部の「職業のあり方研究会」が毎年決定している新入社員のタイプ名について、平成22年度の新入社員のタイプは「ETC型」だと発表されました。 
効率化を重視する一方で、人とのコミュニケーションが苦手な面があることから、高速道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できるシステムの「ETC」になぞらえたとのことです。

◆上手に人材を育成するには
同研究会によると、厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた今年の新入社員は、携帯電話などのIT活用に長け、情報交換についても積極的と言われており、時間の使い方も効率的で物事をスムーズに進める特徴があるそうです。また、CO2排出量削減など環境問題への関心も高い傾向があります。
しかし、ドライバーと徴収員との対話がなくなったように、効率性を重視するあまり人との直接的なコミュニケーションが不足する面もあります。打ち解けて心を開くまで時間が掛かるため、性急に関係を築こうとすると直前まで「心のバー」が開かないため、上司や先輩は「スピード出し過ぎ」に注意する必要があります。
ただし、理解しようとすれば、仕事のスマートさやIT活用の器用さなどのメリットも徐々に見えてくるため、ゆとりを持って接し、長く活躍できるよううまく育てることが重要になるとのことです。

◆今後の就職環境は?
昨年は、世界金融危機以降の先行き不透明感から採用に慎重な企業が目立ち、特に学生に人気の業種では採用を減らす企業が多く、就職活動が難航した学生が多かったと言われています。
最近は、やや景気が持ち直した感もありますが、まだまだ不透明な部分も多く、学生にとってもしばらく厳しい状況が続きそうです。


厚労省策定の「専門26業務派遣適正化プラン」

◆違法派遣に対する指導監督を強化
労働者派遣法は、ソフトウェア開発や通訳など専門性の高い26業務を除いて、派遣可能期間(原則は1年。最長で3年)の制限を超えて継続して同一就業場所ごとの同一業務に派遣をしてはならないと定めています。
しかし、この派遣可能期間の上限を免れるために、契約上は「専門26業務」と称しつつ、実際には専門性のない業務を行わせている違法派遣が横行している状況があります。そこで厚生労働省は、今年2月に「専門26業務派遣適正化プラン」なるものを策定し、集中的に指導監督を実施すると発表しました。

◆プランの具体的内容は?
具体的には、平成22年3月~4月の2カ月間に集中して次の(1)(2)を行い、さらに(3)を行うとのことです。
(1)大手派遣会社を中心に調査を行い、違法派遣の適正化に向けた厳正な指導監督を行うこと
(2)派遣会社や派遣先になりうる団体に出向いて適正な対応を要請すること
(3)集中期間経過後も引き続き厳正な指導監督を行うこと
なかでも、一般事務とは区分されにくい「事務用機器操作(5号業務)」や「ファイリング(8号業務)」については、その解釈について改めて示されていることからも、特に重点的に指導がなされるようです。

◆今後の労働者派遣についての動向
現在国会で審議中の改正労働者派遣法が成立すれば、さらなる規制強化が行われます。仕事があるときだけ働く「登録型派遣」は専門26業務を除いて禁止され、製造業務への派遣も原則として禁止されます。
このため、派遣社員について、期間従業員として直接雇用契約を結ぶなどの対応策を取り始めている企業もあるようですが、派遣社員に比べて柔軟な採用が難しいため、人数は絞られています。また、直接雇用による人件費負担増を見越して海外へ拠点を移転させる動きも見られます。
なお、今回の「専門26業務派遣適正化プラン」や「改正労働者派遣法案」は、派遣元・派遣先にとって厳しいものであることは間違いありませんが、働き手にとっても働く機会を奪われる可能性が大いにあるのではないかと指摘されています。


けがや病気による「就業不能」への備え

◆恐ろしい「就業不能」のリスク
新聞報道によると、生活保護開始の理由として「働き手の死亡など」が4%であるのに対し、「世帯主の傷病」は40%もあるようです。
日本では、死亡保険をかけている人は多くいますが、けがや病気による長期就業不能に備えて民間の保険に加入している人は少ないのが現状です。「長期就業不能保険」への加入率は米国では29%であるのに対し、日本では約0.1%にとどまっています。
世帯主の傷病は、世帯主本人の収入がなくなってしまうだけでなく、その人を看病する家族の収入まで途絶えてしまうおそれがあるということを頭に入れておかなければなりません。

◆民間の医療保険の活用
もちろん、短期の就業不能に備えた医療保険に加入している人は多くいます。しかし、これはあくまで1~2年程度の短期的なものであり、原則として入院だけしか対象ではありません。自宅療養を含めた長期の就業不能には対応していないのです。
また、前述した「長期就業不能保険」も、すべてのけがや病気をカバーしたものではありません。就業不能の定義は「どんな職業にもまったく従事できない状態」とされており、「うつ病」などの精神疾患や、医学的他覚所見のない「むちうち症」や「腰痛」などは保険給付がおりないとされているケースが多いようです。

◆公的保障制度の理解が大切
そこで、まずは公的保障についての理解を深めることが大切です。会社員であれば健康保険の傷病手当金制度(1日あたりの収入相当額の3分の2が最大1年6カ月間受けられるもの)を利用できます。国民年金や厚生年金からは、傷病が障害年金を受けられる程度の障害に認定されれば、その障害に該当するかぎり生涯にわたって障害年金を受給することができます。これらは「うつ病」などの精神疾患であっても症状によっては受給することができます。
ただし、国民年金や厚生年金については、保険料納付に関する条件を満たしている必要があります。また、自営業者が加入する国民健康保険では、健康保険のような傷病手当金制度がありません。
自分がどんな公的保障を受けられるかを理解したうえで、保障を受けることができないリスクに対する備えをしっかり考えておく必要がありそうです。


雇用調整助成金の不正受給防止対策

◆不正受給が約2億円
雇用調整助成金(中小企業の場合は中小企業緊急雇用安定助成金)については、厚生労働省が昨年来、「支給要件の緩和」や「支給の迅速化」に取り組んでいましたが、一部に不正な受給も見られるようです。
同省では、平成21年4月~平成22年1月の間に52事業所(総額約1億9,350万円)について、架空の休業や教育訓練を実施したなどとして処分しています。処分の内容は、「支給した助成金の返還」と「不正後3年間の助成金の不支給」とされています。

◆具体的な不正受給防止対策
このような状況から、同省では、3月下旬に次のような不正受給防止対策を発表しています。
(1)助成金を受給している事業主に対する実地調査を強化するとともに、休業等を実施した労働者の一部に対して、電話によるヒアリングを行うこと
(2)より的確な実地調査を行うため、事業主の事務負担とならない範囲で、教育訓練に係る「計画届」および「変更届」の内容を見直すこと(教育訓練に係る計画届については労働者別に予定日を記載すること、教育訓練に係る計画届に限り休業等が減少する場合も変更届を提出すること)
(3)教育訓練を実施した場合の確認をより確実に行うため、単に教育訓練を実施したことの証明だけでなく、教育訓練を実施した個々の労働者ごとに受講を証明する書類(事業所内訓練の場合の受講者アンケート、事業所外訓練の場合の受講料の領収書等)の提出を求めること

◆実施時期について
上記の不正受給防止対策は、4月1日から実施されていますが、上記(2)(3)については、6月30日までは、従来の取扱いも可能とされています。


採用担当者の「採用・教育」に対する考え方

◆インターネットによる「1,000人調査」
人材サービス会社の株式会社インテリジェンスでは、昨年12月に企業の採用担当者1,000名を対象に、インターネットによる「採用・教育」に関する意識調査を行いました。
現在の不況下においては、採用を控えたり、採用に慎重になったりしている企業が多いと思いますが、このアンケート結果から、採用・教育現場における生の声をうかがい知ることができます。

◆採用担当者の関心事は何か?
まず「採用・教育に関して、今関心があることは何ですか?」(複数回答)という質問に対しては、上位1~6位は以下の結果となりました。
(1)より良い人材を採る方法(57.4%)
(2)人件費について(49.8%)
(3)従業員全体のモチベーションアップ(46.8%)
(4)従業員全体のスキルアップ(39.4%)
(5)リーダー層の育成(39.1%)
(6)従業員の育成方法(38.7%)
第1位の「より良い人材を採る方法」については、約6割の採用担当者が関心事として挙げており、関心の高さがわかります。
第2位の「人件費について」に関しては、「人件費の関係で、質の良い採用を行い少数精鋭での運用を行わないと厳しい」、「人件費の削減を余儀なくされる中、採用の量を抑制しつつ人材を育成する手腕が問われている」などといったコメントが目立ったそうです。
第3位から第6位まではいずれも「従業員の教育」に関するものでした。

◆教育・育成への対応は?
次に、「従業員への教育・育成に関して、2010年は2009年と比較してどういった対応を検討中ですか?」という質問に対しては、「2009年よりも強化したい」(42.5%)、「特に2009年と変わらない」(37.0%)、「2009年よりも抑制したい」(7.6%)、「わからない、その他」(12.9%)との結果でした。
教育・育成に関しては、「従業員の教育を徹底していきたい」、「従業員の効率アップを図りたい」、「採用後も継続して教育研修を行いながら育成したい」といった積極的な意見、「不況ではあるが人材育成・確保のチャンスである」、「いい人材を採用するチャンスである」といった不況を前向きに捉える意見が見られました。


仕事時間の減少で従業員の満足度はどう変化する?

◆「ワーク・ライフ・バランス」の認知度は?
内閣府では、昨年12月、全国の20歳以上60歳未満の男女2,500名を対象として、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」(以下、「WLB」)に関するアンケート調査を実施しました。
それによると、WLBの認知度(WLBについて言葉も内容も知っている人の割合)は、前回調査より増加したものの18.9%にとどまっています。WLBという言葉を聞いたことがある人の割合は全体の54.3%でした。

◆仕事時間の増減について
1年前と比較して仕事の時間が増えた人の割合は27.7%、減った人の割合は22.8%でした。増えた理由としては「採用減・人員整理等による業務のしわ寄せ」(35.0%)、減った理由としては「経済情勢の悪化による業務量の減少」(57.3%)が最も多くありました。
仕事の時間が減った人は、代わりに「家族団らん等の家庭生活」、「家族のために行う家事、育児、介護・看護等」など、家族との時間を増やした人が多くいました。

◆仕事時間の減少による影響
仕事の時間が減った人のうち約6割は、生活全般の満足度が低下しています。この背景には、仕事時間の減少による収入の減少があると指摘されています。
これに対し、仕事の時間が減った人でも、「組織全体として」「自ら努力して」など、主体的な要因(自らの努力)で労働時間の短縮に取り組んだ人については、経済情勢の影響で仕事の時間が減少した人よりも生活満足度が高くなっています。

◆モチベーションの維持が重要
不況下においては、労働時間の削減、いわゆる「ダラダラ残業」の削減などに取り組む企業が増えているものと思われます。
企業としては、従業員個々人の労働時間を上手に調整・管理しつつ、「仕事の減少・収入の減少」がそのまま「従業員のモチベーション低下」に繋がらないような工夫が必要とされます。


未払い残業代請求をめぐる民事訴訟の状況

◆社員・元社員が未払い残業代を請求!
最近、未払い残業代をめぐる民事訴訟に関する報道が相次いでなされています。いずれも社員や元社員が、未払いの残業代があるとして会社に対して請求を行っているものです。

◆「残業代請求権放棄」に関する文書
不動産会社の社員・元社員5人が、会社に対して未払い残業代などの支払いを岡山地裁に求めていた訴訟の弁論で、「会社が社員に残業代請求権を放棄させるように誘導していた」として、その手順などを示した内部文書を証拠として提出したそうです。
この文書は「未払い賃金確定手順」という名称で、会社が未払い残業代を支払うように是正勧告を受けた際、支払額確定のために作成したものだそうです。残業代が成果給に含まれていることを社員に再認識させるよう上司に求め、成果給が多額の社員には「未払い賃金なし」で合意するように誘導し、そうでない場合は低額に抑えるよう指示をしていました。
社員側の弁護団では、「文書は労働基準監督署の是正勧告を愚ろうするものであり、誘導された確認書は無効である」と主張しているそうです。

◆「変形労働時間制」を理由に残業代未払い
飲食店で働いていた元アルバイト社員が、「1カ月単位の変形労働時間制を理由にして残業代が支払われなかったのは違法である」と主張して、働いていた会社を相手取り、未払い残業代などの支払いを東京地裁に求めていた訴訟の判決がありました。
東京地裁は、この男性の主張を認め、同社に対して時効分を除く約12万円の支払いを命じる判決を下しました。
同社では、変形労働時間制の採用を理由に1日8時間を超えた分の残業代を一部しか支払っていなかったにもかかわらず、勤務シフト表は半月分しか作成していなかったそうで、東京地裁は、労働基準法の要件を満たしていないと判断しました。

◆リスクへの対応が必要
未払い残業代をめぐっては、「企業における終身雇用体制の崩壊」や「残業代請求が認められることの認識の広がり」などから、企業が請求されるリスクは増大しているといえます。
企業としては、このような事態が生じないよう、日頃から十分な対策をとっておくことが必要になります。


労働時間等見直しガイドラインの改正

◆4月1日から施行
厚生労働省では、年次有給休暇を取得しやすい環境を整備するため、「労働時間等見直しガイドライン」(労働時間等設定改善指針)の改正を行いました。
改正されたガイドラインは4月1日から施行されています。以下では、このガイドラインの概要、改正内容のポイントをご紹介します。

◆「労働時間等見直しガイドライン」とは?
このガイドラインは、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(労働時間等設定改善法)に基づくもので、労働時間や年次有給休暇等に関する事項について、労働者の生活と健康に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善するために、事業主等が取り組むべき事項を定めたものです。

◆「改正ガイドライン」のポイント
改正されたガイドラインでは、年次有給休暇について、企業に対して次のような制度的な改善を促すこととしています。
(1)労使の話合いの機会において年次有給休暇の取得状況を確認する制度を導入するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を検討すること。
(2)取得率の目標設定を検討すること。
(3)計画的付与制度(年次有給休暇のうち5日を超える分については、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度)の活用を図る際、連続した休暇の取得促進に配慮すること。
(4)2週間程度の連続した休暇の取得促進を図るにあたっては、当該事業場の全労働者が長期休暇を取得できるような制度の導入に向けて検討すること。

◆環境整備が求められている
上記ガイドラインに法的な拘束力はなく、これを守らなかったからといって罰せられることはありませんが、企業としては、働きやすい環境を整えることにより、従業員の健康管理、モチベーション維持・アップに努めたいものです。

2010/03/31

4月の事務所便り

 「中小企業金融円滑化法」施行で資金繰りへの影響は?

 ◆「返済緩和実績」が初めて公表
大手6銀行は、昨年12月に施行された「中小企業金融円滑化法」(2011年3月までの時限措置法)に基づく、中小企業向け融資や住宅ローンの返済条件の緩和実績を初めて発表しました。
これによると、昨年12月末時点での申込件数は中小企業で1万5,429件(3,103億円)、住宅ローンで1,878件(316億円)、このうち返済繰延や月々の返済額減額など条件変更に応じたのは中小企業で3,103件(2,677億円)、住宅ローンで110件(17億円)となり、件数・金額とも、法施行前と比べ大幅に増えました。

 ◆「中小企業金融円滑化法」とは?
中小企業金融円滑化法は、融資や住宅ローンの返済に苦しむ事業主や個人を支援するため、昨年12月に施行された法律であり、金融機関に対し、借り手からの要請があれば返済条件を見直すように努力する義務を課すものです。
金融機関には一定期間ごとに条件変更に応じた件数・金額などの実施状況を開示する義務があり、虚偽の場合は罰金が科されます。
今回、申込件数が大きく膨らんだのは、住宅ローンに関するものです。
銀行側が相談体制を整え、店頭告知などでアピールした影響もあり、法施行前と比べて申込みが4~5倍に増加した大手銀行もあるそうです。

◆中心は借入期間の延長
昨年は、給与や賞与が減って借金返済に悩む個人が増えたとみられ、借入期間を延ばして毎月の返済額を減らすといった対応が中心になっています。
また、中小企業向け融資については、元本部分の返済を一定期間猶予するといったケースが多いということですが、件数自体は法施行前と比べて微増程度となっています。これは、「条件変更を申し込むと追加の融資を断られるのではないか」といった懸念が強く、法施行からしばらくは様子見という傾向があったことが影響しているようです。
金融庁では、法施行と併せて、不良債権の分類基準を緩和しています。経営再建の可能性があれば、返済繰延などを実施しても不良債権として扱わなくて済むため、「財務的な影響は限定的」との見方が強くなっています。
年度末を迎えるにあたって、さらに申込件数の増加が見込まれます。


 所得の地域間格差はどのぐらいある?

 ◆地域間格差は高水準のまま推移
内閣府は、都道府県ごとの所得を示す2007年度の「県民経済計算」を発表しました。各都道府県の1人当たりの所得は平均305万9,000円(前年度比0.7%増)となり、4年連続で前年度を上回りました。47都道府県のうち、29府県で増加、18都道県で減少となっています。
地域別にみると、中国や九州など製造業の拠点が増えた地域では伸びましたが、北海道・東北や四国はマイナスとなりました。
地域間格差を示す指数は前年比ほぼ横ばいでしたが、2000年代前半に差が広がった状態がそのまま続いています。内閣府では、「県民所得のばらつきは高水準にとどまっており、地域間の格差の広がりが統計的に裏付けられた」としています。

 ◆上位5都県の平均所得360万5,000円
1人当たりの所得は、働く人の賃金や企業の利益、配当や利子の収入の合計を人口で割って計算されます。ここでの所得には個人所得のほか、法人所得も含まれているため、個人の所得水準というよりも、地域全体の経済力を示しています。
1人当たりの所得の実額を都道府県別で比較すると、上位1位~5位は、東京都(454万円)、愛知県(359万円)、静岡県(338万円)、神奈川県(328万円)、三重県(323万円)となっており、上位5都県の平均県民所得は約360万5,000円となっています。
下位1位~5位は、沖縄県(205万円)、高知県(211万円)、宮崎県(215万円)、長崎県(219万円)、鹿児島県(235万円)でした。
東京都と沖縄県の格差は約2.22倍となり、前年の約2.23倍からわずかに縮小しましたが、その差は依然として大きいことがわかります。

 ◆公共事業への依存の高さが問題
都道府県間の所得のばらつきを示す「変動係数」は15.30%となり、前年度(15.33%)から横ばいです。2002年度に上昇に転じてからは高い水準で推移しています。
また、1人当たりの所得の伸び率は、自動車、電機、一般機械などの輸出産業を多く抱える地域で所得が増えた一方、公共事業への依存度が高い地方でのマイナスが目立つ結果となりました。
佐賀県は、電気機械産業が大きく伸びたほか、化学や一次金属も好調に推移し、前年度比5.0%増と最も高い伸び率を示し、広島県(4.0%増)、茨城県(3.9%増)がこれに続きました。対して、建設業や卸小売業が不調だった北海道(3.4%減)、滋賀県(3.0%減)の順に減少幅が大きくなりました。


 「改正労働基準法」施行目前 時短への取組みは?

 ◆4月から施行
改正労働基準法の施行を来月に控えていますが、法改正に対応する積極的な動きは、大手企業においてもあまり目立っていないようです。業績不振に苦しむ企業にとっては、長時間労働の解消(時短)に取り組む余裕がないのが現状です。
今回の改正の中心は、(1)労使協定を締結すれば従業員が1時間単位で有給休暇を取得できる、(2)月60時間以上の時間外労働に対する割増賃金率を現行の25%から50%に引き上げる、という2点です(中小企業については当分の間、法定割増賃金率の引上げについては猶予されます)。

 ◆「時間単位有休」「割増賃金率の引上げ」と時短
現在、年次有給休暇は原則として1日単位でしか取得することができませんが、改正後は、労使協定があれば1時間単位で年間最大5日分を取得することが可能となります。
しかし、「生産現場の要員配置やライン稼働に大きな影響が出る」といった理由から、1時間単位の有給休暇制度の導入を見送る企業も少なくないようです。
この制度の導入には労使間の協議が必要ですが、労働者側からの導入の要求自体が出ないケースもあります。
その一方で、時間外労働の割増賃金率の引上げへの対応については、労務コスト削減のために時短を進めることが考えられますが、準備を進めている大手企業はあまり多くはないという調査結果もあるようです。
時短は一般に進んでいるとは言い難く、厚生労働省の調査によると、日本企業の時短は過去10年でほとんど改善していません。1999年と比べ2008年の労働時間は大手・中小企業とも増加しており、有給休暇取得率も下がっていますが、サービス関連企業では法改正を契機に積極的に時短に取り組む傾向がみられます。

 ◆導入される見通しの国際会計基準
2015年までに上場企業に義務付けられるとみられる国際会計基準(IFRS)では、企業は未消化の有給休暇に相当する費用を引当金として負債に計上しなければならない見通しとなっています。負債の増加を嫌う企業は多く、この制度導入が従業員に有給休暇の取得を促す可能性があります。有給休暇関連の引当金の負債計上に伴い、引当金に対応する費用の計上も必要になります。一般的な事務職員の場合は、損益計算書の中で人件費として計上される見通しとなっています。ただ、製造業に従事する労働者や技術者などの場合、この費用は、実際に製品として売買の対象になるまでは棚卸資産として一時的に計上され、製品として売りに出された場合、一般的に製造原価として損益計算書に反映することになりそうです。


 公的年金の運用とポートフォリオ

 ◆利回りに関する中期目標は示されず
厚生労働省は、公的年金積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)に関する2010年度から5年間の次期中期目標案をまとめました。
今回、利回りに関する数値目標の提示は見送られましたが、これは、「今後、年金制度の抜本的見直しを予定していることなどから、今回の運用目標は暫定的である」ためであると説明しています。
中期目標は、運用法人が資産の配分を決めるうえで前提とするものであり、数値を示さないのは異例のことですが、ポートフォリオ(運用資産の構成割合)に大きな変更はない見通しとなっています。

 ◆積立金の運用を行うGPIF
GPIFは、厚生年金と国民年金の積立金(約120兆円)を、国に代わって運用する厚生労働省所管の独立行政法人であり、預かった年金資産を信託銀行や投資顧問会社に委託し、運用を行っています。また、定期的に外部の有識者を集めた委員会を開催し、運用状況の確認を行っています。

 ◆運用方法の流れ
公的年金の運用は、まずは厚生労働大臣が中期目標を提示し、その目標に沿ってGPIFがポートフォリオを盛り込んだ中期計画を策定して行われます。
3月末に期限を迎える現行の中期目標では、賃金上昇分を除いた実質的な運用利回りが1.1%を上回るように求めており、GPIFは賃金上昇率の見込みを含めて3.2%を上回る運用利回りを達成する計画を策定しています。
これを受け、GPIFは、ポートフォリオを国内債券67%、国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%、短期資産5%と規定しました。

◆次期の目標は?
次期目標については、昨年2月に厚生労働省が示した年金財政の見通し結果を踏まえ、実質的な運用利回りの達成目標を1.6%とする方向で調整していましたが、厚生労働大臣が次の中期目標について目標数値を明記しない方針を固めたことを受け、同省では、具体的な数値目標の代わりに「安全・効率的かつ確実な資産構成割合を定め、管理すること」を掲げる方針を明らかにしました。
GPIFは、3月上旬までに中期目標を策定する必要がありますが、具体的な数値目標がないため、新しいポートフォリオは現行の内容を基本とすることを想定しているということです。


 職場における「受動喫煙」防止への取組み

 ◆「受動喫煙」防止対策の基本的な方向性
厚生労働省の有識者検討会では、受動喫煙を防止する対策の基本的な方向性をまとめ、発表しました。
多くの人が利用する公共的な空間については原則「全面禁煙」とし、全面禁煙が困難な場合には適切な受動喫煙防止対策を進め、野外については受動喫煙防止のための配慮が必要であるという報告書骨子に合意しました。
この中には、職場での受動喫煙に関する内容も盛り込まれています。

 ◆受動喫煙とその対策
受動喫煙とは、他人が吸うタバコの煙を吸入することであり、死亡、疾病および障害を引き起こすことが科学的に明らかとなっています。
現在、日本の成人喫煙率は、男女合わせて24.1%となっています。たばこ税の引上げによる喫煙率低下の実現を目指すことで、受動喫煙の被害が軽減されることが考えられますが、たとえ喫煙者が1人であっても、その1人のタバコの煙を多くの非喫煙者が吸入することを考えると、それ以外の対策が必要であると思われます。

 ◆厚労省のガイドライン
厚生労働省でも、職場における受動喫煙対策のガイドラインとして、喫煙室や喫煙スペースを設置するように勧めています。同省が2007年に実施した調査によれば、受動喫煙している労働者は全体の約65%であり、喫煙対策の改善を望む労働者も約92%となっています。
しかし、「全面禁煙化」や「喫煙室設置」などの対策をとっていない事業所は約54%に上るため、換気施設など新たな設備投資ができない中小企業に対しては、取組みを促進させるための資金援助や相談体制の整備の必要性も考えられています。

 ◆快適な職場づくりに向けての事業者の義務
現在、労働安全衛生法では、受動喫煙の防止対策については「快適な職場づくり」の一環という位置付けがなされているだけであり、特に法律上の義務ではありません。しかし、今後は法改正も考えられており、事業者の義務となることも予想されます。
分煙でない職場への就職を避ける求職者も多いことを考えると、早期の対策が求められます。


 「営業秘密」の管理体制は万全ですか?

 ◆不正競争防止法改正による「営業秘密管理指針」の改定
企業活動において、その競争力の維持・強化のための無形資産である技術・ノウハウ・アイデア等の「営業秘密」が、退職者や業務委託先企業によって侵害・漏洩される事件が増加しており、企業も対応に苦慮しています。
このような企業内外の者による不正侵害を防止するために「不正競争防止法」がありますが、昨年の通常国会において同法が改正され、営業秘密の侵害に対する刑事罰の対象範囲が拡大されました。
なお、同法による保護を受けるためには、適切な営業秘密管理が必要です。経済産業省では、秘密管理体制を支援するための「営業秘密管理指針」を策定していますが、法改正を受け、指針の改定案をまとめました。

 ◆指針改定のポイント
改定案の視点は、(1)処罰対象行為の明文化、(2)企業実態を踏まえた合理性のある秘密管理方法の提示、(3)中小企業等における管理体制の導入手順例や参照ツールの提示の3点です。
具体的には、(1)の処罰対象行為として、競争関係の有無にかかわらず、不当な利益を得る目的や、単に保有者に損害を与える目的等で営業秘密を開示した場合について、刑事罰を科すこととしています。
また、(2)の合理性のある秘密管理方法として、企業規模や組織形態、情報の性質等に応じた合理性のある管理手法が実施されていれば、高水準の管理体制でなくても法的保護が受けられるということを明確化しています。
そして(3)では、主に管理体制を整備していない中小企業等を対象として、契約書のひな型や実例集、管理体制を整備するまでの具体的な手順や、どのような情報を営業秘密として管理すべきかの判断ポイントなどを示しています。

 ◆管理体制の再チェックが必要
指針の改定内容については、管理体制を自己評価できるように点数表も作成されています。「秘密保持の対象となる情報を書面などで具体的に示しているか」「情報を扱える人を役職や部署で線引きしているか」などを判断基準としており、今後、一般から意見を募集し、「合格点」の基準を定めるとしています。
今回の改定を契機に、自社における営業秘密の管理体制の再チェックを行ってみてはいかがでしょうか。


 中小企業の経営相談を受ける「ワンストップ・サービス・デイ」

 ◆1つの窓口でまとめて相談が可能
経済産業省では、厚生労働省や金融庁、特許庁などとタッグを組んで、中小企業が「資金繰り」や「新たな販路づくり」、「雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の受給申請」など経営に関することについて1つの窓口で相談を受けることのできる「ワンストップ・サービス・デイ」を、年度末に開催すると発表しています。
業績回復がままならない中小企業が多い中、果たして、この取組みが景気回復の打開策となるのでしょうか?

 ◆全国68都市で開催
この「ワンストップ・サービス・デイ」は、2月の第4週(22~26日)にも開催されましたが、3月の第4週(23~26)にも再び開催されます。開催地は全47都道府県(計68都市)となっており、開催場所は、主に各地の商工会議所、産業支援センター、事業支援センターなどとなっています。
なお、このサービスの開催地と開催予定日、開催場所等については、中小企業庁のホームページ(http://www.chusho.meti.go.jp/soudan/2010/100210OSSD.htm)で確認することができます。

 ◆中小企業の悩みに応えることができるか?
経済産業省では、このサービスを通じて、「運転資金を借りたいのだが融資条件の変更はできないか?」「新商品を開発するための支援制度を教えてくれないか?」「インターネットを活用して販路を拡大したいが何か良いアイディアはないか?」「知的財産を上手に活用したいがどうすれば良いか?」「雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)について詳しく知りたい」といった、中小企業の声(お悩み)に可能な限り応えていきたいとしています。


 新卒者を体験雇用した場合に支給される奨励金

 ◆2月にスタートした「新卒者体験雇用事業」
厚生労働省は、今年2月1日に「新卒者体験雇用事業」をスタートさせました。
この取組みは、就職先が決まっていない新規学卒者を対象として、体験的な雇用の機会を設けることで就職先の選択肢を広げるとともに、企業と求職者間の相互の理解を深め、その後の正規雇用への移行を促進することを目的としています。
以下では、この事業の中心となる「新卒者体験雇用奨励金」の概略についてご紹介します。

 ◆体験雇用の対象となる新規学卒者
この「新卒者体験雇用奨励金」は、就職先未決定の新規学卒者を31日間の体験雇用(有期雇用)として受け入れた企業に対して、対象者1名につき「月額8万円」を支給するものです。
体験雇用(有期雇用)の対象となる新規学卒者は、以下の(1)(2)のいずれにも該当する者のうち、「正規雇用の実現」または「雇用機会の確保」のために、体験雇用を経ることが適当であると公共職業安定所長が認める者です。
(1)平成21年10月から平成22年9月末までに卒業した者で、雇入れ開始日現在の満
年齢が40歳未満の者
(2)ハローワークに求職登録を行い、就職先が未決定の者

 ◆奨励金受給のための要件
この奨励金を受給するための要件は、以下の通りです。
(1)ハローワークに「体験雇用求人」を登録すること
(2)体験雇用は31日間の有期雇用であること
(3)体験雇用開始の日から10日以内に「体験雇用実施計画書」を提出すること(提出にあたっては対象者の同意を得る必要がある)
(4)体験雇用終了日の翌日から起算して1カ月以内に「体験雇用結果報告書兼新卒者体験雇用奨励金支給申請書」を提出すること(提出にあたっては対象者の同意を得る必要がある)

 ◆1人当たり8万円を支給
ハローワークによる審査終了後に、対象者1人当たり8万円の奨励金が支給されることとなっています。
なお、平成23年3月末までに体験雇用を開始した対象者が奨励金の支給対象となりますが、体験雇用終了後の正規雇用への移行に関しては、他の「雇入れ助成金」の支給対象とはなりませんので、注意が必要です。


 新年金制度(最低保障年金・所得比例年金)をめぐる動き

 ◆検討会が初会合
政府は「新年金制度に関する検討会」を立ち上げ、3月8日に初めての会合を開きました。今後、新しい年金制度に関する議論が活発化するものと思われますが、民主党が衆議院選挙のマニフェストで掲げていた「最低保障年金」「所得比例年金」は果たして実現するのでしょうか?

 ◆鳩山首相の決意
鳩山首相は、初会合において、「新制度は新政権にとっての最大の課題の1つ。制度設計に全身全霊を傾けてもらいたい」と述べ、また、長妻厚生労働大臣も「まずは原則をきちんと示して国民の合意を得ることが必要」と述べたそうです。
民主党は、昨夏の衆議院選挙で「最低保障年金」「所得比例年金」を2本柱とした年金改革を打ち出しており、国民からの期待も大きいものと思われます。

 ◆「最低保障年金」と「所得比例年金」
2本柱の1つである「最低保障年金」は、消費税を財源として、すべての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする制度です。もう1つの柱の「所得比例年金」は、すべての人が、所得が同じであれば、同じ保険料を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算するという制度です。
なお、「所得比例年金」を一定額以上受給できる人は「最低保障年金」が減額されるとなっています。

 ◆裏付けとなる「財源」が問題
民主党のマニフェストでは、この他にも「年金記録問題の2011年度までの解決」「公的年金の一元化」なども掲げています。
政府では、今年5月までに新しい年金制度の大原則を打ち出し、2013年度までに関連法案の成立を目指すとしていますが、課題となる「財源」などの問題にどのように取り組み、国民的な合意の得られるような制度が出来上がっていくのか、注目したいところです。


 「ツイッター」の利用拡大と採用活動への活用

 ◆鳩山首相も活用
インターネット上で、140文字以内でメッセージをやり取りするコミュニケーション・サービスの「ツイッター」がブームとなっています。
鳩山首相を初めとする政治家やカリスマ経営者など、有名人のユーザー登録・利用も増えるなどの影響により、利用者はますます増えていきそうです。

 ◆140字以内の投稿
この「ツイッター」は、「ミニブログサービス」とも言われており、日常の出来事や自分の身の周りで起きたこと、感想などを、140文字までの短文でインターネットに投稿するものです。投稿のことは「ツイート(つぶやき)」と呼ばれ、「ツイッター」の語源となっています。
特定の人のアドレスを登録することにより継続的な読者となることができるため、「ブログ」と比較すると、より短時間で情報が広まりやすいという特徴を持っています。

 ◆社長によるメッセージ発信
採用活動にこの「ツイッター」を活用する中小企業も出てきているようです。社長が「ツイッター」を活用して直々にメッセージを流したベンチャー企業の就職イベントには、2日間で約40名の参加者が集まったそうです。
別の会社の社長は、「企業のトップと就職活動中の学生とが直接的につながることができ、新しい試みとして非常に有効である」といった感想を述べています。また、「人材を募集しようとお金をかけて広告を出したがなかなか人が集まらず困っていたところ、ツイッターを活用したら30人ほど反応があった」という人事担当者もいるようです。

 ◆新しい募集・採用手段として
また、「ツイッター」を「就職活動中の情報収集手段」として捉える学生も増えているようです。
これからの時代、新しい募集・採用手段として「ツイッター」を活用する企業も増えてくるのではないでしょうか。

2010/02/25

3月の事務所便り

 外国人研修生の受入れ数が減少

 ◆不況を契機に減少傾向
「外国人研修・技能実習制度」を利用した研修生の新規受入れが、2008年秋以降の世界同時不況から1年以上経過してもなお減少傾向にあることが、財団法人国際研修協力機構(JITCO)の調査で明らかになりました。
この調査結果によれば、企業がJITCOを通じて申請を行った昨年1~11月の新規の研修生は4万7,772人であり、前年同期比で27.5%も減少しています。

 ◆「外国人研修・技能実習制度」とは
この制度は、技術の移転により、開発途上国における人材育成に貢献することを目的として、幅広い分野における研修生の受入れを行う制度です。制度が現在の形になる前は、大企業が現地法人や取引先企業の社員を日本に呼び寄せ、企業ごとに独自に研修を行うというものでしかありませんでした。
1990年に研修制度が改正され、中小企業であっても中小企業団体等を通じて研修生の受入れが可能となり、その結果、現在では主要な受入れ先は中小企業となっています。
しかし、その主要な受入れ先である中小製造業の業績不振が長引いていることにより、受入れ減少傾向に歯止めがかからない状況が続いているようです。

 ◆受入れの減少は続く見通し
一部の大企業では景気好転の兆しが出てきたとの観測もあるようですが、中小企業の回復力はまだまだ弱いとの指摘もあり、研修生の受入れ減少は当分続く見通しです。
研修生の受入れ制度は、「安い労働力の活用」というだけでなく、外国との接点が生まれ、中小企業にとっては事業の活性化につながる非常に重要な制度です。今後、以前のような活発な受入れが復活することが望まれます。



 平成22年度における年金額は?

 ◆来年度も据置き
厚生労働省は、1月下旬に平成22年度の年金額を発表しました。年金額は平成22年度も据置きとなり、老齢基礎年金は、満額の場合は1人月額6万6,008円、厚生年金は、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額として月額23万2,592円となっています。
なお、厚生年金については、夫が平均的収入(平均標準報酬が36万円)で40年間就業し、妻がその期間すべてにおいて専業主婦であった世帯の給付水準です。

 ◆「本来水準」と「特例水準」
法律上、本来想定している年金額(本来水準)は、物価や賃金の上昇・下落に応じて増額・減額がなされるというルールです。しかし現在、実際に支給されている年金は、物価下落時に年金額を据え置いた(物価スライド特例措置)経緯から、特例的に、本来よりも高い水準(特例水準)で支払われています。
特例水準の年金額は、物価が上昇しても据え置かれる一方、物価が直近の年金額改定のベースとなる物価水準を下回った場合に、その分だけ引き下げるというルールです。

 ◆物価スライド特例措置
平成22年度の年金額の場合、平成21年の物価水準は対前年比では下落したものの、法律により、これを下回らなければ引き下げない基準としている「平成17年の物価水準」と比較すると、依然として0.3%上回っている状況にあるため、法律の規定に基づいて、平成22年度の年金額は据置きとなったのです。



 雇用保険法等の一部を改正する法律案

 ◆施行は4月1日の予定
改正雇用保険法案(雇用保険法等の一部を改正する法律案)が今国会で成立の見込みとなっています。主な改正点は、「雇用保険の適用範囲の拡大」と「雇用保険二事業の財政基盤の強化」の2つであり、施行日は4月1日の予定です。

 ◆「雇用保険の適用範囲の拡大」
(1)非正規労働者に対する適用範囲の拡大
雇用保険の適用基準である「6カ月以上の雇用見込み」が「31日以上の雇用見込み」に緩和されます。
(2)雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間の改善
事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったために未加入とされていた者のうち、事業主から雇用保険料を控除されていたことが給与明細等の書類により確認された者については、現行の「2年」を超えて遡及適用されます。
この場合において、事業所全体として保険料を納付していないことが確認されたケースについては、保険料の徴収時効である2年経過後も、保険料を納付可能とし、その納付を勧奨します。

 ◆「雇用保険二事業の財政基盤の強化」
(1)失業等給付の積立金からの借入れ
雇用保険二事業(事業主からの保険料負担のみ)の財源不足を補うために、失業等給付の積立金から借り入れる仕組みが暫定的に措置されます。
(2)雇用保険二事業の保険料率に係る弾力条項の発動停止
現行規定では、平成22年度の保険料率は21年度と同じく3.0/1000となりますが、弾力条項の発動を停止することにより、22年度の保険料率は原則通りの3.5/1000となります。

 ◆企業にとっては厳しい改正
改正法の施行日は平成22年4月1日の予定です(「遡及適用期間の改善」ついては公布の日から9月以内)。
雇用保険は、失業者の生活や雇用の安定を図るためのものであるため、今回の改正は当然の措置であるかもしれません。しかし、現下の不況の中、「適用範囲の拡大」等は、企業にとっては厳しい改正といえるでしょう。



 積立不足でも厚生年金基金の解散が可能に

 ◆不足分の穴埋めが条件
厚生労働省は、財政難の厚生年金基金(いわゆる「特定基金」)を対象として、年金資金が積立不足のままであっても解散することができる特例措置を、2011年から導入する方針を明らかにしました。
同省では、厚生年金保険法などの改正案を通常国会に提出する模様ですが、成立すれば、運用低迷などで存続を望まない基金は解散がしやすくなります。

 ◆「特定基金」と「最低責任準備金」
特定基金とは、解散しようとする日において保有資産(純資産額)が最低責任準備金を下回っていると見込まれる厚生年金基金のことをいいます。
また、最低責任準備金とは、厚生年金基金が解散した場合に、代行部分の給付の原資として企業年金連合会に返還する責任準備金(将来の給付に備えて現時点で保有しておかなければならない金額のこと)に相当する額のことをいいます。
この特定基金が解散する場合、平成17年4月1日から起算して3年以内に限り、①厚生労働大臣に対して責任準備金相当額の減額を申し出ること、②最低責任準備金の納付に関する計画(納付計画)を作成し、これを厚生労働大臣に申請してその納付計画が適当である旨の承認を受けることで責任準備金相当額の納付の猶予(不足額の分割納付)を受けること、が認められています。

 ◆積立不足の基金は78.2%
厚生年金基金は約465万人が加入している代表的な企業年金であり、公的年金の「2階部分」である厚生年金の一部の運用を代行しています。ただ、運用環境の悪化に伴って代行部分の年金資産が目減りしているため、積立不足に陥る基金が急増しており、格付け投資情報センター(R&I)の調査によれば、2009年3月末時点で78.2%の基金が積立不足となっているそうです。
現在、代行部分の積立不足を一括払いで解消しなければ基金の解散は認められず、穴埋めの資金がないために解散できず、年を追うごとに資産の劣化が進む悪循環に陥る基金が後を絶ちません。

 ◆基金の解散が増えるか
今回の特例では、基金解散後に、基金の資産を預かる企業年金連合会に、母体企業が積立不足分を分割払いで返済することを認めるものとなっています。返済期間は原則5年とされていますが、10年まで可能となっています。これにより、早期に解散したほうが加入者の利益につながる場合もあり、各基金の選択肢が増えることとなります。
過去には2005年度から2007年度にも同様の特例措置が導入されたことがあります。株価の回復などを受けて2008年度以降は廃止されていましたが、財政が悪化している基金が急増しているため、この措置を復活させる考えです。財政難にあえぐ基金の解散が今後増えることが予想されます。


 新しい「高齢者医療制度」の素案

 ◆65歳以上は原則として国保に加入
厚生労働省は、「65~74歳」と「75歳以上」とを区分している現行制度に代わる、新しい高齢者医療制度の素案をまとめました。
今回の素案については、年末までには最終結論を出し、2013年度から新制度に移行する予定のようですが、今後の制度設計の具体化は難航が予想されています。

 ◆現行制度と新制度
現行制度では、高齢者を65~74歳の「前期高齢者」と75歳以上の「後期高齢者」とに分けており、74歳までは市町村単位で運営する国民健康保険(国保)や企業の健康保険組合などに加入しています。75歳以上は別枠の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に加入し、医療給付費の1割を負担する仕組みとなっています。
新制度の素案では、「65~74歳」、「75歳以上」といった区分をなくし、65歳以上の高齢者は原則として国保に加入する仕組みとしていますが、現役世代とは別勘定とし、医療の実態に合わせた応分の負担を求めることとしています。

 ◆現役世代とは別勘定
また素案では、年齢による差別への批判に対応し、健康保険証の発行や健康診断など、健保事業は現役世代と同じ各市町村の国保が担当することとしています。ただし、財政運営は、65歳以上を現役世代とは別勘定とし、現役と高齢者の負担の線引きをします。これは、病気やケガが多い高齢者が増えると、医療費の増加により国保の財政が悪化し、現役世代の保険料引上げなどを招きかねないためです。
高齢者医療制度の財政運営が市町村単位であると、高齢者が多い自治体の保険料率が過度に上昇して地域差が大きくなる可能性があるので、65歳以上の部分は都道府県単位で一体管理をすることにより、保険料の水準は同じ都道府県であれば同一になるとしています。
65歳以上の勘定には、国保や大企業の健保組合、協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)など、すべての現役世代の保険が支援金を出し、高齢者の保険料負担を緩和する動きがありますが、65歳以上でも企業で働いている人については、例外として企業の健保組合などへの加入を認める方向です。
ただ、公平できめ細かい制度設計ができなければ、支援金を負担する企業や現役世代からの反発も予想されるため、保険料算定の仕組みによっては、65~74歳の世代の負担が増える可能性もあります。




 経営が厳しい老人福祉事業者・医療機関の状況

 ◆いずれも倒産件数が過去最高
民間調査機関の帝国データバンクによる「老人福祉事業者・医療機関の倒産動向調査」で、2009年の老人福祉事業者・医療機関の倒産件数が過去最高となったことがわかりました(老人福祉事業者が32件、医療機関が52件)。
この調査は、「老人福祉事業者」(養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、ケアハウスを含む軽費老人ホーム、老人デイサービスセンター、在宅介護サービスを運営する事業者等)、「医療機関」(病院・診療所・歯科医院)を対象に行っているものです。

 ◆老人福祉事業者の倒産が急増
老人福祉事業者の倒産については、2005年は4件、2006年は7件、2007年は23件、2008年は26件、2009年は32件と推移し、2006年の7件から3年で約4.6倍にも増加しています。医療機関では毎年ある程度の増減があるのに対し、老人福祉事業者は完全に右肩上がりで、特に2007年からの増加が顕著です。
高齢化社会の進行により拡大する老人福祉市場へ新規参入をした、業歴が浅く規模も小さい事業所の倒産が多く、再建型の民事再生法を選択できる条件に適った企業は少ないようです。
一方、医療機関をみると、2005年は28件、2006年は30件、2007年は48件、2008年は35件、2009年は52件と推移しています。

 ◆値下げ競争や介護報酬引下げなどが要因
2001年から2009年における倒産企業の業歴別を見てみると、老人福祉事業者の倒産102件のうち、実に77件(約75.5%)が「10年未満」となっています。
2000年の介護保険法の施行に伴い、多くの企業が老人福祉事業に参入したものの、老人ホームの入居料金等の値下げ合戦が起き、法改正による介護報酬の引下げに加えて施設サービスにおける居住費用・食費が介護保険給付対象から除外されたことなどが要因となり、10年を経ずに倒産している企業が多発しているのが現状です。
高齢化のさらなる進展が予想されるなか、最も優先すべき問題の1つとなっている医療・老人福祉問題に対し、早急な対応が望まれます。




 会社の経費節減と社員のモチベーションとの関係

 ◆インターネットによる調査
NTTレゾナント株式会社は、昨年12月に、インターネットを利用した「コスト削減と働くモチベーションに関する意識調査」を実施し、先頃、その結果を発表しました。
調査の対象は、従業員数10名~299名の中小企業に勤めている20代・30代の社員であり、524件の有効回答があったそうです。ここでは、この調査結果について見ていきましょう。

 ◆どんなコスト削減が行われているか?
2008年秋の世界同時不況以降、様々なコスト削減の取組みが各社で行われていると思いますが、「あなたの会社でどのようなコスト削減が実施されましたか」という問いに対する回答(複数回答)は、次の通りでした。
 (1)コピー費の削減(カラーコピーの禁止、出力自体の抑制等)…58.8%
 (2)残業禁止による残業代削減…41.8%
 (3)交通費の削減(出張の抑制、タクシー代削減等)…41.2%
 (4)交際費の削減(お客様の接待抑制、禁止等)…34.2%
 (5)通信費の削減(会社携帯電話の取りやめ、携帯代金の自己負担等)…27.1%
 (6)オフィス家賃の削減(オフィス移転、オフィス縮小等)…18.9%

 ◆6割以上がモチベーション低下
また、「コスト削減によって業務が非効率になったと感じたことがありますか」という質問に対して「ある」と答えた人は52.1%、「ない」と答えた人は47.9%でした。
そして、「コスト削減によって働くモチベーションは下がると思いますか」という問いに対しては、「大変思う」が22.1%、「思う」が39.1%、「思わない」が31.1%、「全く思わない」が7.6%という結果となり、「大変思う」「思う」を合わせると、6割以上の人が「コスト削減によりモチベーションが下がる」と感じているということになります。

 ◆重要なのは「お金の使い方」
業績が悪いときに「コスト削減・経費節減」を考えるのは会社として当然のことでしょう。しかし、業務を担っている社員のモチベーションが下がり、働く環境が悪くなってしまっては何にもなりません。
コストのかけ方や経費の使い方だけが社員のモチベーションに繋がるものではありませんが、今の厳しい時代、「切り詰めるべきもの」と「お金をかけるべきもの」をきちんと見極め、社員のやる気をアップさせるような「お金の使い方」が求められるのではないでしょうか。



 「若年者の失業率」と「学生の内定取消」の状況

 ◆世界的にも高い若年層の失業率
国際労働機関(ILO)の調査結果によれば、2009年における若年層(25歳未満)の失業率は17.7%(前年比4.6ポイント悪化)となったそうです。全世代平均の失業率は8.4%ですので、これを大幅に上回っています。特にユーロ圏では21.0%、米国では15.6%と非常に高くなっています(日本では8.4%)。
日本でも、企業から内定を受けていない今春卒業予定の大学生が10万人以上いるとも言われ、大きな社会問題となっています。

 ◆内定取消企業名の公表基準
昨年1月、厚生労働省は、会社の都合で一方的に学生の内定を取り消した場合、ハローワークと学校に通知するようにとの規則を定めました。
また、「新卒者の内定取消企業名の公表」の基準について、以下の5項目を示しました。
 (1)2年度以上連続で内定取消を行った。
 (2)同一年度に10人以上の内定取消を行った。
 (3)事業活動の縮小が余儀なくされているものと明らかには認められない。
 (4)学生に内定取消の理由を十分に説明していない。
 (5)内定を取り消した学生の就職先確保の支援を行わなかった。
上記のいずれかに該当するような悪質なケースでは、企業名が公表されることになっています。昨年度の内定取消者の数は2,143人(447事業所)で、企業名が公表されたのは15社でした。

 ◆「内定取消」と「内定辞退」
最近は、「企業による内定取消」なのか「学生による(自主的な)内定辞退」なのかがあいまいで、トラブルになるケースも多いようです。例えば、企業が学生に多額の補償金などを手渡して、なかば強引に「内定辞退」を迫るといったケースです。
内定取消については、解雇に比べると「合理性」や「相当性」が緩やかに認められるといえますが、判例(大日本印刷事件・最高裁昭和54年7月20日判決)では、内定取消が認められるのは、「内定当時知ることができず、また知ることを期待できないような事実があり、それを理由に内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できる場合」に限られるとしていますので、内定取消を行う場合にはこの点に注意しなければなりません。




 失業者向け生活貸付制度の利用者が急増中

 ◆失業者数が14カ月連続で増加
昨年12月時点の完全失業者数は約317万人となり、1年前と比較して約47万人も増加しました。完全失業者数は14カ月連続で増加しています。
そんな中、厚生労働省による生活貸付制度(総合支援資金貸付制度)の利用者が大幅に増えているそうです。

 ◆「総合支援資金貸付制度」とは?
この貸付制度は、失業等により日常生活全般に困難を抱えている人に対して、必要な資金の貸付けと、社会福祉協議会やハローワーク等による継続的な相談支援をセットで行うことにより、生活の立て直しや経済的自立を図ることを目的とした制度です。
原則として、住居のある人が対象となっていますが、住居がない人の場合は、自治体で実施している住宅手当の申請を行い、今後、住居の確保が確実に見込まれていることが条件となります。
制度の実施主体は「都道府県社会福祉協議会」となっていますが、申込みの相談は地域の「市町村社会福祉協議会」で行っています。

 ◆連帯保証人が不要
この制度の大きな特徴は、連帯保証人が不要であり、年利が1.5%の低利だということです。このような手軽さからか、昨年10月の受付開始以来、3カ月で7,324人が利用し、貸付総額は62億円にも上っています。
連帯保証人が必要だった旧制度時代の2008年度の実績と比較すると、利用人数は約4.5倍にもなっているそうです。

 ◆返済がスムーズに進むかが課題
制度の利用者は、貸付から遅くとも1年半後までには返済を開始しなければなりませんが、貸付期間中に就職先を見つけるなどしなければ、実際には返済は難しくなり、貸付金が焦げ付く可能性も指摘されています。
今のような景気の状況が続けば、焦げ付きの可能性は高いものと言わざるを得ません。政府の政策、企業の努力等により、景気が上向くことを期待するばかりです。




 厚生労働省から発表された緊急助成金

 ◆建設業に関連した緊急助成金
厚生労働省は、「建設労働者緊急雇用確保助成金」の創設を2月8日に発表しました。
この助成金には「建設業新分野教育訓練助成金」と「建設業離職者雇用開発助成金」の2種類がありますが、前者は「建設事業主」を対象としたもの、後者は「建設業以外の事業主」を対象としたものとなっています。

 ◆建設事業主を対象とした「建設業新分野教育訓練助成金」
この助成金は、建設労働者の雇用を維持しながら、建設業以外の事業に従事するために必要な教育訓練を実施した中小建設事業主に対して助成金を支給するものであり、支給額は次の通りです。
 (1)教育訓練の実施経費の3分の2(1日当たり20万円。60日分を限度)
 (2)教育訓練を受講した労働者の賃金に対し、1人につき1日7,000円(上限。60日分を限度)
なお、教育訓練を開始する日の2週間前までに、労働局等に訓練計画を届け出る必要があり、支給申請は、教育訓練が終了した日(賃金締切日が定められている場合は直後の賃金締切日)の翌日から1カ月以内に行う必要があります。

 ◆建設業以外の事業主を対象とした「建設業離職者雇用開発助成金」
この助成金は、建設業以外の事業主で、45歳以上60歳未満の建設業離職者を公共職業安定所等の紹介により、継続して雇用する者として雇い入れた事業主に対して助成金を支給するものです。
支給額は次の通りであり、雇入れから6カ月経過後および1年経過後に半額ずつ支給されます。
 (1)中小企業事業主…90万円
 (2)中小企業事業主以外の事業主…50万円
なお、支給申請は、雇入れの日から6カ月経過日の翌日から1カ月以内に行う必要があります。

 ◆支給要件等の詳細
支給要件等の詳細は、下記の厚生労働省ホームページで確認することができます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000045nx-att/2r985200000045po.pdf

2010/01/27

2月の事務所便り

取引先倒産による連鎖倒産防止のための共済制度

◆中小企業の連鎖倒産を回避できるか?
新聞によれば、中小企業庁では、取引先倒産による中小企業の連鎖倒産を防ぐため、共済制度の拡充に関する改正案を国会に提出する予定とのことです。
拡充されるのは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「中小企業倒産防止共済」(通称:経営セーフティ共済)制度です。

◆「経営セーフティ共済」とは?
同制度は、取引先が倒産して売掛金が回収できなくなった加入者に対し、共済金を無利子・無担保・無保証人で貸し付ける制度であり、全国の中小企業の約7パーセントに相当する約29万3,000社が加入しています。
現在の制度では、貸付限度額は「回収困難な売掛金債権等の額」と「掛金総額の10倍の額」のうちいずれか少ない額で、最高で3,200万円となっており、返済期間は5年間、返済方法は54カ月で均等分割による毎月返済となっています。
掛金月額は、5,000円から8万円までの範囲(5,000円刻み)で自由に選ぶことができ、掛金総額が320万円になるまで積み立てられ、払い込んだ掛金は、税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入することができます。

◆今回の改正案の内容
同制度の中で、貸付限度額である「3,200万円」を「8,000万円」まで引き上げるのが、今回の改正案です。
これは、企業の倒産件数が増加し、1件当たりの負債総額も高額になり、回収できなくなった売掛金債権の満額を借りることができなかった企業が、2006年度で加入企業の約13%に達したためです。限度額の引上げにより、この13%という数値が5%程度に抑えることができると試算されています。
2008年には同制度の新規加入者が急増したものの、ここ数年では減少傾向が続き、制度の運営が不安定になると指摘されています。中小企業庁では、さらに加入者を増やして不況の長期化による倒産増に備えたい考えのようです。




日本年金機構の方針および取組みについて

◆今年1月に発足
不祥事が相次ぎ、「年金不信」の代名詞となっていた社会保険庁は解体され、その後継組織として日本年金機構が今年1月に発足しました。同機構は約1,000人の民間採用を含む正職員約1万880人と、有期雇用契約職員約6,950人からなる非公務員型の特殊法人です。
長妻厚生労働大臣は、職員のうち社会保険庁出身者の月給を一律3%減額する方針を示しました。これは、年金記録問題を起こした同庁の責任を明確にするためのもので、問題解決に一定のめどがつくまで継続するようです。役員についても、ポストに応じて報酬を8~16%減額し、これも当面継続させるとのことです。

◆方針や目標は?
社会保険事務所から改称した全国312の「年金事務所」では、「お客様へのお約束10カ条」を掲示し、国民目線のサービスの徹底を目指す方針です。
その内容は「その場でお答えできない場合は2日以内に確認状況をご連絡」、「お客様にプラスとなるもう一言を心がける」、「お待たせ時間を30分以内にすることを目指す」などの具体的な指標です。
さらに、2013年度末までの中期目標として、2002年度から60%程度と低迷している国民年金保険料の納付率の低下傾向に歯止めをかけ、回復させるように努めること、厚生年金保険料については「未適用事業所の適用を進めつつ、収納の確保を図る」とし、徴収体制を強化することを掲げています。しかし、いずれも具体的な数値目標は盛り込まれませんでした。

◆今後の新体制に期待
年金記録問題の発覚により、旧社会保険事務所の窓口対応が相当変わったことは確かです。日本年金機構による新体制・新方針の中で、国民の信頼回復がどこまで図られるかが気になるところです。
なかなか年金事務所等を訪れる機会がない方は、一度、年金事務所等を訪ねられ、ご自身の年金記録などの相談をしつつ新体制を実感されるのも良いのではないのでしょうか。




介護職員の能力・経験等を給与に反映

◆厚労省による新たな対策
厚生労働省は、人手不足が続いている介護職場の魅力を高めるための対策として、現在実施中の月給引上げ策と平行して、能力・経験に応じて職員の給与が増える仕組みを導入するよう、介護事業所に促進していく方針を打ち出したそうです。
介護分野における有効求人倍率は全産業の「0.44倍」を大きく上回る「1.3倍」程度で推移しており、人手不足感が強いにもかかわらず、介護事業所の給与・人事制度は、職員の能力・経験などを評価する仕組みが不十分な場合が多く、労働者が就職・転職に二の足を踏む一因となっています。
このため、厚生労働省では、介護職員の月給を引き上げる事業所向けの交付金制度(介護職員処遇改善交付金)を活用することを考えています。

◆職員のキャリア等を評価
介護職員処遇改善交付金は、介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対して平成21年10月から平成23年度末までの間、計約4,000億円程度を交付するもので、平成24年度以降も引き続き取組みを進めることから、同省では、この交付金を積極的に活用するよう求めています。
今後は、能力・資格・経験年数などに応じて職員の給与を引き上げる仕組みを設けることを交付金支給の条件に加えることも検討されており、職員のキャリアを評価する仕組みを介護業界にも普及させることで、「長く働き続けても賃金が増えない」といった不満の解消を目指しています。

◆ミスマッチ解消も課題
他にも、条件を満たさない事業所については、同交付金を減額する方針と言われており、現在の予定では、2009年度内に具体的な要件を詰め、2010年中に適用するということです。
また、介護分野の雇用のミスマッチ解消も急がれています。平成19年における介護関係職種の離職率は全体(正社員と非正社員)で21.6%、正社員においては20.0%と全産業の12.2%よりも高くなっています。
厚生労働省は、全国約400のハローワークや同省の講堂で「介護職専門の就職面接会」を順次開催し、就職・転職希望者と介護事業者の橋渡しを強力に進めていく方針を取っています。介護資格などに関する相談を受け付け、介護の仕事がわかるビデオ視聴コーナーや体験セミナーも開き、介護職への理解をより一層深めてもらうのがねらいです。
今回の厚労省による制度が人材定着に有効となるのか、非常に注目されるところです。





失業者等による公的な貸付制度・給付制度の利用が増加

◆失業者等を救う様々な貸付・給付制度
失業などにより収入が激減したり、年金だけでは生活が立ち行かなくなったりした人の暮らしを保障するための公的な貸付制度・給付制度の利用が増えているそうです。
主な公的支援制度としては、「雇用保険の失業給付」、「就職安定資金融資」、「訓練・生活支援給付」、「住宅手当緊急特別措置」、「生活福祉資金貸付制度」、「臨時特例つなぎ資金貸付制度」などがあります。
失業給付の基本手当はよく知られていますが、非正規労働者のうち雇用保険に加入していない人が多いことや長期失業者が増えていることから、基本手当を受給しているのは失業者数全体の3割に満たないと言われています。

◆各制度の特徴
「就職安定資金融資」は、解雇や雇止めにあった人に対し「敷金・礼金」、「転居費・家具費」などとして50万円、家賃補助費として36万円を低利で貸し付ける制度です。また、「住宅手当緊急特別措置」は、2年以内に離職し、就職意欲があり、かつ住宅を失いそうな人に対し、最長6カ月間分の家賃を支給するものです。
一方、住む場所はあるが、仕事がなかなか見つからない人には「生活福祉資金貸付制度」が利用しやすくなっています。貸付金の用途が多岐にわたり、対象者も低所得者、障害者、高齢者と幅広く、主に民間の貸付制度を利用できない世帯に、生活費や学費などを無利子または低利で貸し付ける制度です。

◆「生活福祉資金貸付制度」へのニーズ
今後、需要が高まると予想されるのは、この「生活福祉資金貸付制度」です。2009年10月に改正が行われ、従来は連帯保証人が必要とされたものでも、連帯保証人なしで貸付が受けられるようになりました。
連帯保証人がいれば無利子で、いない場合は年1.5%の低利で借りることができます。また、10種類ある融資資金が4つのカテゴリーに整理されたことで、利用者にもわかりやすくなりました。
この改正に伴って利用が増えるとみられるのが「総合支援資金」であり、失業で生計を維持することが難しくなった世帯や、多重債務を抱えて弁護士などに相談するにも費用がないなどの人が利用できます。「敷金・礼金」など、賃貸住宅に入居するための住宅入居費の融資も受けられるほか、次の仕事を見つけて生活を立て直すまでに月15万円(単身の場合)を最長12カ月貸してもらえるなどのメニューもあります。




「労働者派遣法」改正をめぐる最近の動き

◆労政審が厚労相に答申
昨年の政権交代後、労働者派遣法の改正をめぐる動きが活発化しています。
昨年末(12月28日)、厚生労働省の労働政策審議会(労働力需給制度部会)は、「労働者派遣法」(正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」)の改正に向けた報告書を長妻厚生労働大臣に答申しました。
これを受け、今後、厚生労働省が改正法案の作成に着手していくものとみられ、今年の通常国会に法案が提出される見込みです。

◆予定されている改正内容
今回予定されている主要な改正項目は、(1)専門26業務や高齢者派遣などを除く「登録型派遣」の禁止、(2)常用型以外の「製造業派遣」の禁止、(3)2カ月以内の期間を定める「日雇い派遣」の原則禁止などです。いずれも企業にとっては大きな影響を与える内容といえるでしょう。
改正法案が今年の通常国会で順調に成立した場合、(1)(2)の施行日は「公布の日から3年以内」の予定とされており、(1)のうち「問題が少なく労働者のニーズもある業務」についてはさらに2年の適用猶予期間が設けられることとなっています。

◆企業側・労働者側の反応
世界同時不況・経済危機以後、派遣労働をめぐっては、「規制緩和」から「労働者保護」への方向に傾きつつあります。
しかし、今回の改正内容については、企業側から「登録型派遣や製造業派遣の原則禁止は企業にとって極めて甚大な影響がある」「急な発注や季節の変動に対応できない中小企業などは大きなダメージを受けてしまう」などといった反発の声が上がっています。
そして、今回の改正内容について反対があるのは企業側だけではありません。労働者側からも「施行日までの期間が長く、生活が不安定な非正規雇用の労働者を救済する内容になっていない」「登録型派遣や製造業派遣の禁止により職を失う人が増える可能性がある」などといった懸念の声も聞かれます。
今後、このような労使双方の声が改正にどのような影響を与えていくのか、注目しておきたいものです。




仕事・上司・年収に対する正社員の「満足度」

◆民間会社によるインターネット調査
株式会社NTTデータ経営研究所が、インターネットを利用して12月上旬に実施した「ビジネスパーソンの就業意識調査」(企業で正社員として働く1,038人が回答)の結果を発表しました。
ここでは、このアンケート結果のうち、正社員にとっての仕事・上司・年収に対する「満足度」などの項目について見ていきたいと思います。御社の社員の方の「満足度」は以下の結果と比べていかがでしょうか?

◆「現在の仕事にどの程度満足しているか?」
「大いに満足している」(8.3%)、「どちらかといえば満足している」(53.4%)と回答した人を合わせると、約6割(61.7%)の人が、現在の自分の仕事に満足していることがわかりました。

◆「現在の上司にどの程度満足しているか?」
「大いに満足している」(9.7%)、「どちらかといえば満足している」(45.7%)と回答した人を合わせると、5割以上(55.4%)の人が、職場における自分の上司に満足していることがわかりました。なお、「大いに不満がある」と回答した人は15.8%でした。
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◆「現在の収入にどの程度満足しているか?
「大いに満足している」(2.6%)、「どちらかといえば満足している」(33.8%)と回答した人を合わせると4割以下(36.4%)でした。収入面に関しては満足していない人が多いことがわかります。なお、「大いに不満がある」(20.6%)と「どちらかといえば不満がある」(43.0%)と回答した人を合わせると6割以上(63.6%)に上りました。

◆「年収があと最低どのくらいアップして欲しいか?」

全体で最も多かった回答は「50~100万円未満」(32.1%)で、次に「100~200万円未満」(29.7%)が多く、両者を合わせると「50~200万円未満」のアップを希望する人の割合が6割以上(61.8%)を占めました。さらに「50万円未満」、「50~100万円未満」、「100~200万円未満」を合計すると、76.2%の人が「年収の不足額は200万円未満」と感じていることになります。

2009/12/25

2010年 1月の事務所便り

「現代の名工」(卓越した技能者)の表彰制度

◆「現代の名工」とは?
現代の名工とは、厚生労働大臣によって表彰された「卓越した技能者」の通称です。この制度は昭和42年度に設けられたものであり、その道で第一人者と目されている技能者を表彰することで、技能者の地位や技能水準の向上を図るとともに、技能の世界で活躍する職人や技能の世界を目指す若者に目標を示し、夢や希望を与えることを目的としています。
毎年約150名(平成7年度までは毎年100名)が表彰されており、表彰者の総数は平成20年度の第42回の表彰までで4,838名となっています。
著名な受賞者としては、これまで、四川料理家の陳建民さん、服飾評論家の市田ひろみさん、和食料理家の道場六三郎さんなどがいます。

◆表彰の要件とは?
推薦人は都道府県知事や事業団体、また、20歳以上で二親等以内の親族でなければ一般の人でもなることができます。表彰の対象となるのは、大工、植木職人や料理家、衣服の仕立人など、全20の職業部門の技能者です。
技能者として推薦される人は、その道において第一人者と目され、現役の就業者でかつ後進に技能指導を行う人であり、他の技能者の模範的存在と認められる人です。平成16年度までは「35歳以上で15年以上の経験」という条件がありましたが、平成17年度からは経験と年齢は問わないということになったため、門戸が広がりました。
 推薦された人の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いたうえで、厚生労働大臣によって決定されます。表彰された人は、表彰状、卓越技能章(楯と徽章)および褒賞金(10万円)が授与されます。

◆技能継承につながることを期待
昨今、特に製造業における技術者の高齢化が進み、後継者不足に悩む状況です。また、団塊の世代が順次退職していき、ものづくりの技能継承が危ぶまれている中で、この制度により、1人でも多くの若者が「技能工」という存在に関心を持ち、その世界で活躍したいという想いにつながっていくことが期待されます。




職場で食事をとる人が増加傾向に

◆オフィス内での飲食が増えている
最近1年間で、出勤する日の昼食を「オフィス内の自分の席でとる」と答えた人が41%に上ることが、民間企業の調査でわかりました。
この調査は9月下旬にインターネットで実施され、首都圏・中部・近畿圏在住の企業の正社員らのうち20~59歳の男女1,000人を対象としています。

◆「職場で間食や昼食」が増加
この調査では、職場で食事をとる機会が増えたかどうか尋ねたところ、「間食や昼食で増えた」という人が目立ちました。まず、朝食、昼食、夕食、間食、夜食のそれぞれについて、出勤する日の摂取状況を尋ねたうえで、それぞれについて「ほとんど食べない」と答えた人を除き、最近1年間に職場でとる機会が増えたかどうかを尋ねていいます。
この結果、「増えた」が最も多かったのは「間食」の19%で、この割合は「減った」(13%、他の選択肢は「変わらない」「職場ではとらない」)より5ポイント以上高い結果になりました。次いで多かったのは「昼食」の17%で、「減った」(5%)を10ポイント以上も上回りました。

◆昼食は自席で
3食の食事については、出勤する日にどこで食べているかという質問(複数回答)には、朝食や夕食はいずれも「自宅」が最多でしたが、昼食は「オフィス内の自分の席」が最多で、次いで「街中の飲食店」(ファーストフードや喫茶店などを含む)、「社員食堂」、「社員食堂以外の職場のリフレッシュ空間」と続いています。
また、出勤する日の昼食で最も利用が多い場所についての質問については、「オフィス内の自分の席」が31%とトップで、最近1年間で昼食を職場でとる機会が「増えた」人に限ると、「オフィス内の自分の席」と回答した人の割合は複数回答の場合で49%、最も利用が多い場所でも37%といずれも高い割合となっています。

◆不況の影響で「節約志向・効率重視」に
職場で昼食をとる最大の理由で最も多かったのは「外に食べに行くより食事代を節約できるから」(35%)で、「時間を効率的に使えるから」(22%)が続いています。
節約ニーズと効率重視である職場での食事は、昨今の不況が少なからず影響していることから、今後も増加傾向にあると考えられます。




「がん検診」自治体や企業における取組み

◆発見率の向上が大きな課題
国立がんセンターの調査によれば、2007年に全国のがん診療連携拠点病院でがんと診断された患者のうち、「健康診断・がん検診・人間ドック」などで発見された人の割合は16.7%であるという結果が出ました。また、がん検診単独で見ると、その発見率は岩手県の17.7%から奈良県の3.6%と、各都道府県で開きがあることもわかりました。
健常者が受ける検診体制が充実すれば、がんの早期発見・死亡率低下につながることから、検診での発見率向上は大きな課題となっています。
国のがん対策推進基本計画では、がん検診の受診率数値目標として「2012年までに50%」と掲げられましたが、2008年にスタートした特定健診・保健指導(メタボ健診)の事務に忙殺されるなどの理由から、到達は困難な状況です。

◆自治体・企業における取組み
しかし、自治体や企業も単に手をこまねいていたわけではなく、様々な工夫を凝らしています。
自治体の動きとしては、職場検診の普及啓発に補助金を交付したり、休日・夜間検診を実施するなどがん検診に熱心に取り組む市区町村には交付金額を増額したり、一定年齢の女性には無料で乳がん検診が受けられるように整備したりしている所もあるようです。
また、金融機関や保険会社と連携して、受診呼びかけのパンフレットを配布したり、代理店窓口で受診者に記念品を渡したりという活動も広まっているようです。
受診率向上のため、企業においても受診制度の整備が広まってきています。これは、従業員の健康増進は企業にとっても大きな課題の1つであるからです。
検診費用を全額負担したり、事業所に検診車を呼んで勤務の合間に検診できるようにしたりしている企業もあります。また、全額とはいかないまでも検診費の一部を負担する企業も増加しています。

◆早期発見が何より大切
さらに、国立がんセンターでは、がん検診の有効性が示されれば受診率が上がることが予想されるため、がんの種類別の詳細分析やがん患者の生存率調査、がん診療連携拠点病院別のデータ整備などが鍵を握るとして、そのデータ公開も検討しています。
「がん大国」と言われる日本では、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなると言われています。がんは早期発見でればかなりの確率で助かるということを考えると、我々はがん検診にもっと関心を持つ必要がありそうです。




医療・介護、理美容…職探しで重視する点と辞める理由


◆医療・介護、理美容従事者の実態
求人情報サービス会社が、医療・介護系、理美容系の有資格者を対象とした、就業に関する意識調査を行い、その結果を発表しました。
調査対象は、医療・介護系、理美容系の対象となる資格を持っている、関東(1都3県)、関西(2府2県)に住む20~50歳の男女1,500人で、インターネットにより調査が行われました。

◆職探しの際に重視する点
調査結果によると、仕事を探す際に重視する点について聞いた質問では、3職すべてで「やりがいのある仕事であること」が最多となりました。「やりがい」を重視した人は、全職種の平均で4.0%であるのに対し、医療系16.1%、介護系15.7%、理美容系21.5%といずれも高い割合となっています。
また、医療・介護系では、「正社員または正社員に近い雇用形態であること」が介護系13.0%、医療系8.7%と全職種平均(5.2%)を上回っており、正社員志向が強いことがわかりました。
理美容系では、「資格や技術が身に付く仕事であること」が12.8%(全職種平均1.9%)となるなど、スキルアップできるかどうかを重視している一方、医療系・介護系で多かった「正社員または正社員に近い雇用形態であること」はわずか1.3%にとどまっていることが明らかになりました。

◆辞める際の理由
仕事を辞める理由についての質問では、3職種ともに給与や勤務時間といった条件面が上位に入りました。
介護系と理美容系では「業務内容の割に給与が低いから」(介護系30.5%、理美容系23.2%)が最も多く、医療系でも20.8%と高く、「職場や社員の雰囲気が悪いから」(29.0%)に次ぐ多数回答となっています。
また「1日に働く時間が長いから」(医療系18.1%、介護系16.0%)と「もっとよい条件の仕事が見つかったから」(医療系17.0%、介護系17.2%)のいずれもが全職種平均を上回る数値となっていました。
一方、理美容系では、「自分に向いていない仕事だと感じたから」が20.7%と、他の職種に比べ高い特長的な結果となりました。こ強いやりがいを抱いて仕事を始める人が多い職種だけに、壁に当たってしまうとイメージとのギャップが大きいためと考えられます。

◆早期退職予防にはフォロー体制の整備を
これらの職種で起こる早期退職を予防するには、条件面の改善を行うことが有効ですが、職場での密なコミュニケーションなど、日頃からのフォロー体制整備も効果的ではないでしょうか。




相次ぐ里子虐待と里親制度の課題

◆突きつけられた重い課題
最近、新聞などでも取り上げられていますが、「里親による里子への虐待」が後を絶たないようです。恵まれない子どもを自らの意思で引き取って育てる、善意で成り立つはずの里親制度に、重い課題が突きつけられています。

◆里親には何が要求されるか?
そもそも里親制度とは、保護者がいなかったり、児童虐待などを受けたりした子どもの養育を、児童相談所を通じて一般の夫婦に委託する制度です。里親の希望者は、書類審査と面接、研修を経て里親登録を行います。
しかし、深い愛情を持って里子を受け入れたとしても、実際にはその養育は並大抵のものではありません。実の親からの虐待、ネグレクト、施設での長期集団生活などにより十分な愛情を受けてこなかった子どもたちは、愛情不足でうまく対人関係を築けない「愛着障害」のケースが多く、このため、里親の関心を引こうとあらゆる手段を使って困らせようとする傾向があるそうです。
家庭内での暴力行為や万引きといった行動が特に多いのも、そういった理由からです。また、あいさつや食事、歯磨きなどの基本的な習慣も身に付いていないケースが多いようです。
これらのことに腹を立てず、じっくり根気よく教えていくことが里親には要求されますが、躾のために大声で叱ることが、近所からは「虐待しているのでは?」と思われるのではないかと、周囲の目を気にして悩む里親の方もいるようです。

◆里親委託率の向上に向けて
このような難しい問題を抱え、「悩んでいる里親を支援する制度が十分ではない」という指摘がなされています。この背景には、里親同士の交流が進まず、経験者が悩みを共有する場が乏しいことなどがあるようです。
こうした状況の中、厚生労働省は、平成21年度末までに里親の委託率を8.1%から15.0%に上げる数値目標を立てました。それに伴い、今年4月からは「改正児童福祉法」が施行され、「里親認定登録制度の見直し」「里親支援の強化」「養育里親の研修の義務化」「里親手当の増額」など、里親制度の内容が拡充されています。
家庭内で深い愛情をもって養育されることが子どもたちにとって大切ですので、里親支援についてのより充実した対応が望まれます。




「労働審判」の申立件数が増加しています!

◆2年間で約2.3倍に増加
2008年における「労働審判」の申立件数が2,052件となり、制度がスタートした2006年(877件)と比較すると約2.3倍に増えたそうです。今年については9月末時点で2,553件となり、すでに昨年の件数を大幅に上回っています。

◆労働審判の目的・手続き
労働審判は、解雇や賃金の不払いなど、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブル(個別労働紛争)について、その実情に即して「迅速」、「適正」、「実効的」に解決することを目的としています。
労働審判の手続きは、労働審判官(裁判官)1名と、労働に関する専門知識・経験を有する労働審判員2名で組織された労働審判委員会(計3名)が、原則として3回以内の期日で審理を行い、適宜調停を試み、調停による解決に至らない場合には、事案の実情に即した柔軟な解決を図るための労働審判を行う手続きです。
この労働審判に対して当事者から異議の申立てがあった場合には、労働審判はその効力を失い、労働審判事件は通常の訴訟に移行することになります。

◆労働審判のメリット
労働審判のメリットとしては、原則として3回以内の審理で解決が図られるため、通常の訴訟よりも迅速な紛争解決を図ることができる点が挙げられます。制度スタート以降、申立てから審判終了までの平均日数は「約74日」となっています。
また、申立ての際に必要となる印紙代も通常の民事訴訟の半額となっており、費用的なメリットも大きいため、労働者側からの申立てが多いようです。

◆今後も増加傾向か?
昨年来の不況により、解雇、雇止め、派遣切りなどをめぐる労使間のトラブルが増加していることが、労働審判の申立件数の増加につながっていると考えられます。また、不況下において、今年1~6月にサービス残業が急増していたとする民間企業の調査結果などもあり、申立件数の増加傾向はしばらく続くものと考えられます。
企業側としては、労使間のトラブルを生じさせないような取組み(適正な労務管理、就業規則・社内規程の見直しなど)が、今後、より重要になってくるでしょう。




「確定拠出年金」の使い勝手が良くなる?

◆「適年」の受け皿として
厚生労働省は、「確定拠出年金制度」(日本版401k)を拡充するため、関連法の改正案を来年の通常国会に提出する方針を明らかにしています。
同省では、今でも多くの中小企業が採用している「適格退職年金制度」(2012年3月末に廃止予定)の受け皿として、この確定拠出年金が大いに活用されることを期待しているようです。

◆確定拠出年金の特徴と導入の背景
確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をベースに年金給付額が決定される年金制度です。
厚生年金基金や適格退職年金などの企業年金制度は、給付額が約束されるという特徴がありますが、離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されておらず労働移動への対応が困難であることなどが指摘されていました。
そこで、公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として、2001年10月に確定拠出年金制度が導入されました。

◆予定されている主な改正内容
確定拠出年金には、企業のみが掛金を拠出する「企業型」と、個人のみが掛金を拠出する「個人型」がありますが、来年予定されている改正はこのうち「企業型」に関するものであり、主な内容は次のとおりです。
(1)個人による掛金拠出を認める(ただし個人の掛金は企業の拠出額以下とする)
(2)加入年齢を引き上げる(積立期間の上限を「60歳」から「65歳」に変更する)
なお、「企業型」の確定拠出年金の導入件数は、2008年3月末時点で3,043件(加入者数311万人)です。

◆果たして加入件数は増えるか?
確定拠出年金は、運用が悪化すれば個人の年金受給額は当然減ってしまうものの、企業にとっては、追加負担を求められることが基本的にはないというメリットがあります。
上記の改正により、厚生労働省のねらい通りに加入件数が増えていくのか、注目しておきたいところです。




「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更点、「雇用保険法」の改正案

◆民主政権で何が変わった?
民主政権に変わり、雇用関係に関しても様々な動きがあります。ここでは、中小企業にとって影響の大きい「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更点と「雇用保険法」の改正案を取り上げます。

◆「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更内容
「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給要件が次のように緩和されています。
(1)助成金対象の拡大
これまで、出向労働者を出向元に復帰させた後、6カ月を経ずに再度出向させた場合には助成金の対象外であったものが、対象とされました。これは、平成22年11月29日までの時限措置とされています。
(2)生産量要件の緩和
生産量要件(従来は「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値がその直前3カ月または前年同期に比べ5%以上減少していること」)に、「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算等の経常損益が赤字であること」が加えられました。この要件は、対象期間の初日が平成21年12月2日~平成22年12月1日の間にあるものに限られます。

◆「雇用保険法」の改正案
厚生労働省は「雇用保険法」の改正原案をまとめ、その内容を明らかにしました。来年の通常国会に改正案を提出し、来年4月からの施行を目指すとしていますので、今後の動向に要注目です。
(1)加入に必要な雇用見込み期間の短縮
雇用保険への加入の際に必要とされる雇用見込み期間について、現行の「6カ月以上」から「31日以上」に短縮するとしています。この適用拡大により、新たに255万人が雇用保険の加入対象になると試算されています。
(2)雇用保険料率の引上げ
労使折半とされている雇用保険料率について、現行の「0.8%」から「1.2%」に引き上げるとしています。
(3)未加入扱いの遡及期間の延長
保険料を納付したにもかかわらず手続上の問題により未加入扱いとなった人の遡及期間について、現行の「2年まで」から「2年超」とするとしています。




「雇用支援ワンストップサービス」が試行実施

◆77のハローワークで実施
新聞報道やテレビ等でも話題となっていた「雇用支援ワンストップサービス」が、11月30日に17都道府県、77のハローワークにおいて試行実施されました。
当初は15都道府県43地域で実施されると報道されていましたが、最終的には実施箇所が増えたようです。東京都、愛知県、大阪府では、すべてのハローワークにおいて実施されたそうです。

◆実施された「ワンストップサービス」とは?
このワンストップサービスは、政府の緊急雇用対策本部が打ち出したものであり、国・自治体・保健所などが連携してハローワークに総合受付を設け、失業者に対して「職業紹介」「生活費の貸付け」、「住宅手当の支給」「就業支援」「生活保護」「こころの健康」などの情報をハローワークで一元的に提供して、解決してもらおうとするものです。
実施当日の利用者は全国で2,399人だったと発表され、大阪府が511人、東京都が482人などとなっています。

◆今後の動きは?
そもそもこのワンストップサービスの目的は、昨年末に話題となった「派遣村」がなくても失業者に対応できる態勢を作ることにあります。
政府や民主党などは、定期的な開催や年末年始の開催など、このサービスを本格的に実施したいと考えているようです。
しかし、自治体が生活保護の申請急増を警戒するなど、難色を示している向きもあるようで、今後このサービスがどのようになって行われていくのか、気になるところです。