新入社員の緊張・疲れの状況と会社が期待すること
◆約1割の新入社員は「仕事を辞めたい」
長期化する不況の影響を受けた就職氷河期の中、今年の大学卒業予定者の内定率は過去最低水準となっています。
そんな中、マーケティングリサーチなどを行う株式会社メディアインタラクティブでは、今年4月に入社した人を対象に「若手社会人の5月病に関する意識調査」(20代の272人が回答)を行い、その結果を発表しています。
◆新入社員の心境・体調の変化は?
この調査は今年5月11日~18日に行われましたが、「入社して1カ月ほど経って心境・体調に変化はありますか?」との質問に対しては、「疲れがたまってきた」(47.1%)、「まだ緊張している」(40.1%)、「社会人としての自覚ができてきた」(31.6%)との回答が上位を占めました。
そして約1割(9.9%)の人は「正直、仕事を辞めたいと思う」と回答しています。
◆5月病を感じる新入社員は3割近く
次に、「5月病と感じることはありますか?」との質問に対しては、49.7%の人が「感じない・どちらかといえば感じない」と回答し、28.7%の人が「感じる・どちらかといえば感じる」と回答しており、約3割の人が何かしらの疲れや不調を感じているようです。
◆会社が新入社員に期待することは?
会社側は今年の新入社員をどのように見ているのでしょうか。
ライフネット生命保険株式会社では、「今年の新人に関する調査」(20歳~49歳の有職者1,002名が回答)を行いましたが、「今年の新人に期待すること」との問いに対して、次のような回答結果となりました。
(1)「素直」(38.2%)
(2)「明るさ」(37.6%)
(3)「協調性」(32.5%)
(4)「努力」(29.7%)
(5)「謙虚」(29.5%)
会社側では、素直で明るく、職場に溶け込む柔軟性・協調性のある社員を求めているようですが、皆様の会社ではいかがでしょうか?
正社員はパート・アルバイトよりモチベーションが低い!?
◆社会人のモチベーションは高いのか?
働くうえで「モチベーション」(日本語では「動機づけ」と訳される)は非常に大きな要素ですが、株式会社JTBモチベーションズでは、「2010年モチベーション白書」を発表しています。
これを読むと現代の社会人がどのような意識・モチベーションを持って仕事をしているのかがある程度見えてきます。
◆100点満点中「69.7点」
モチベーションの高さを100点満点として数値化してみると69.7点であることがわかり、2004年の結果(69.0点)からは微増となっています。
モチベーションが「80点以上」(高領域)に属する人は28.1%、「50~80点未満」(標準領域)に属する人は61.8%、「30~50点未満」(低領域)に属する人は8.4%、「30点未満」(危険領域)に属する人は1.7%となっています。
◆雇用形態別に見るとどうか
雇用形態別に見てみると、「正社員」が69.3点で最も低く、「契約社員」は73.1点、「派遣スタッフ・パート・アルバイト」が77.3点で最も高くなっています。
自分に合った仕事を行い、家族などにも理解され、私生活が充実し、個性を発揮し、環境に適応しているという気持ちが、派遣スタッフ・パート・アルバイトのモチベーションの高さにつながっていると分析されています。
◆職種別・業種別に見るとどうか
職種別では、上位から「営業・販売系」が73.1点、「管理・企画系」が67.8点、「開発・製造系」が66.8点となっています。
この結果については、自分に合った仕事を行い、課題や目標を達成しているという気持ちが、営業・販売系のモチベーションを他よりも高いものにしていると分析されています。
業種別では、「小売・流通業界」が73.7点、「人材派遣業界」が72.4点と高い結果となっています。
労使トラブルに「合同労組」が関与するケースが増加
◆「合同労組」関与の事件割合が過去最高
近年、労使トラブルに「合同労組」「ユニオン」などと呼ばれる団体が関与するケースが増えていると言われていますが、そのことがデータ上からも明らかになりました。
先日、中央労働員会から、「平成22年 全国の労使紛争取扱件数まとめ」が発表されましたが、「合同労組」が関与した集団的労使紛争事件の割合が69.8%(前年比3.1%増)となり、過去最高となったことがわかりました。
◆「合同労組」の特徴
この「合同労組」には、“柔軟路線”をとる組合、イデオロギー性の強い“労使対立路線”をとる組合など、その性格は様々です。また、“労使対立路線”の組合の中にあっても、冷静に落としどころを考える組合、逆にあまり考えない組合もあるようです。
さらに、組合の交渉担当者によって会社への対応が変わってくるケースもあります。また最近では、小規模な「地域労組」(コミュニティ・ユニオン)と言われる団体も増加しており、組合としての統制が本当にとれているのか、疑問の生じるケースもあるようです。
◆駆け込み訴え事件の増加
労働者が、労使トラブルの解決のため合同労組に加入し、その合同労組が使用者に団体交渉を申し入れてくる例も多くあります。
先ほどの中央労働委員会のまとめでは、懲戒や解雇などの処分を受けた後に労働者が加入した組合から調整の申請があった「駆け込み訴え事件」の占める割合は36.8%(前年比横ばい)で、過去最高となっています。
◆対応として重要なことは?
これら「合同労組」「ユニオン」などから団体交渉の申入れがなされた場合、初めにとるべき対応が重要となります。安易に団体交渉の申入れに応じてはいけませんし、組合側が求めてくる「労働協約」の締結要求にも注意が必要です。
団体交渉の申入れがあった場合には、専門家に相談する等しながら、しっかりと事前準備を行うことが重要です。
若手社員は喫煙する上司をどうみているか
◆「喫煙に関する意識調査」の結果
5月31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」でしたが、禁煙補助剤等を販売しているジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社では、今年2月に、就職を控えている20~25歳の男女(516名)を対象に「喫煙に関する意識調査」を実施しました。
これから社会人になろうとする若者は、「タバコ」や「喫煙」に対してどのような意識を持っているのでしょうか。
◆喫煙者はわずか7%
調査対象者のうち、「現在習慣的に喫煙している」と回答した人は7.0%、「習慣ではないが喫煙する時もある」と回答した人は4.7%でした。
また、喫煙者のうち80.0%の人は「禁煙しようと思っている」と回答しています。
◆タバコを吸わない上司が好かれる!?
次に、「上司は喫煙者と非喫煙者のどちらがいいか」について質問したところ、「ノンスモーカー」と回答した人が67.0%、「どちらでも良い」と回答した人が29.7%、「スモーカー」と回答した人が3.3%となっています。
特に女性では73.6%が「ノンスモーカー」と回答しており、喫煙者にとっては厳しい結果となっています。
◆職場での喫煙環境について
職場における喫煙環境についての希望に関する質問では、次の通りの結果となりました。
(1)「喫煙所を設けてそこでのみ喫煙可能」(55.6%)
(2)「職場全面で禁煙」(30.6%)
(3)「勤務時間中はどこにいても禁煙」(8.7%)
(4)「職場内で分煙」(4.7%)
(5)「職場全面で喫煙可能」(0.4%)
受動喫煙に対する意識の高まりからか、「職場内分煙」だけでなく、「全面禁煙」までを希望する人が増えているようです。
「主婦年金問題」で救済案が明らかに
◆3年間の時限措置
新聞報道によると、年金資格の変更を届け出ずに保険料が未納になっていた主婦についての救済案がまとまったようです。
保険料の未納分について過去10年分の追加納付を認めて将来もらう年金を増やせるようにし、また、年金が過払いになっている受給者には過去5年分の返還を求めることとし、公平性に配慮した内容となっています。
なお、この案は3年間の時限措置として実施されるようです。
◆「主婦年金問題」とは?
会社員などを夫に持つ専業主婦は、国民年金保険料を納める必要がありません。しかし、夫が退職したり、主婦が働いたりした場合、保険料の納付義務が生じるにもかかわらず、その手続きを行っていなかった主婦が約97万人いるとされています。これが「主婦年金問題」です。
厚生労働省では昨年12月に未納期間を納付済みにするとの特例(いわゆる「運用3号通知」)を出しましたが、批判が噴出し、厚生労働大臣がこの特例を撤回しました。
◆救済策の基本方針は?
救済策の基本方針は、「保険料の追納を認める」、「未納期間をカラ期間(年金受給資格が得られる加入期間)として算入する」です。
未納分については過去10年分に限って保険料を追加納付することが認められますが、現役世代では直近10年間、すでに年金を受給している高齢者については50~60歳の10年間で生じた未納期間分を追納の対象としています。
◆今後必要な対策とは?
年金の被保険者資格の変更は本人の届出によるため、どうしても漏れがちになります。不整合期間の再発防止のため、救済案では第3号被保険者の種別変更を進めるための対策を講じる必要があるとの指摘もされており、今後の動きが注目されます。
社会保障改革案の「安心3本柱」とは?
◆「安心3本柱」の内容
政府から、「安心3本柱」を中心とした社会保障改革案の内容が発表されました。
この「安心3本柱」とは、(1)パートなどの非正規労働者への社会保険の適用拡大、(2)幼稚園や保育園の垣根をなくす「幼保一体化」の推進等による子育て基盤の強化、(3)医療・介護などを中心に自己負担の合計額に上限を設定する「合算上限制度」の導入です。
以下では、主な年金制度改革案について見ていきます。
◆年金制度の改革案
年金制度改革案の具体策は、パートなどの非正規労働者の厚生年金の加入条件を、現在の「週30時間以上勤務」から「週20時間以上勤務」に緩和すること、また、現在は育児休業中だけとしている厚生年金保険料の免除期間について産前・産後の休業期間まで広げるということです。
一方、高所得の会社員については保険料の負担増を求める方向です。厚生年金保険料は報酬に応じて決まる仕組みになっていますが、改革案では上限額を引き上げる考えです。
◆60歳代前半の就労促進
この他、60~64歳で働きながら厚生年金を受け取る場合、年金と給与の合計額が月額28万円を超えると、28万円を超えた分の半分だけ受け取る年金が減り、46万円超では給与の増加分だけ年金がカットされます。
現在、この仕組みで約120万人が総額1兆円程度を減額されていますが、厚生労働省では、給与と年金の合計額が46万円を超えるまで年金を減額しない制度に変更し、年金の減額幅を縮小することにより高齢者の就労を促す考えです。
◆しかし問題は山積…
いろいろと改革案が出されていますが、非正規労働者への厚生年金加入拡大は保険料の半分を負担する企業の反発が必至な状況であるなど、問題は山積しています。
自転車で楽しみながらメタボを改善
◆中高年のメタボ対策として
中高年になるとおなかがポッコリと出てきて、「メタボリック症候群」と診断される人も増えてきます。ダイエットはなかなか難しいものですが、体にあまり負担をかけずに楽しみながら減量できる方法として注目を集めているのが「自転車」です。
メタボ改善やストレス解消に繋がる自転車ですが、通勤で利用する場合には事故のリスクも高いため、注意が必要です。
◆体重・腹囲が減少、血圧にも好影響
大阪にある「自転車博物館サイクルセンター」が行ったモニタリング調査では、心拍数を測るサイクルメーターという小型計測器を自転車に装着し、参加者は内臓脂肪を効率よく燃焼させる有酸素運動の心拍数をモニタリングしながら走り、体重・腹囲・走行距離・走行時間・食事内容を記録しました。
各自週3日以上、1日合計30分以上を目標に走ったところ、3カ月後には全員の体重が減少し、腹囲は9人中8人が減少し、血圧にも改善が見られました。
◆1kg痩せるには…
では、体重を1kg落とすには、どの程度自転車に乗ればよいのでしょうか。
1kgの脂肪を燃焼させるのに必要な消費カロリーは7,200キロカロリーだそうです。体重70㎏の人が時速15kmで1時間走ったときの消費カロリーは350キロカロリーとなるため、通勤で1日15kmを往復していれば、10日程度で体重が1㎏減る計算になります。
◆自転車通勤にはルールが必要
自転車通勤は、風を切って走る爽快感から、長く続けられるメリットがあります。しかし、公共交通機関を使うよりも事故のリスクが高まるため、会社としては一定のルール作りが必要です。
会社としては、自転車通勤を許可制として、対人・対物の賠償保険加入を義務付けるなどの対策をとり、また、乗る側の社員も、十分に安全点検を行ったうえで交通ルールを守り、安全運転を心掛ける必要があるでしょう。
社員による「ソーシャルメディア」利用への対応
◆トラブルの未然防止が必要
ネット上で気軽に情報を共有できるソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用が急増するなか、社員の個人的な書込みについて、企業が具体的なガイドラインを策定する動きが広がっています。
書込みをめぐって職場がギクシャクしたり、企業の重要情報が漏洩したりして、トラブルに発展するケースも出てきており、未然に防ぐための対策が必要です。
◆急増するソーシャルメディアの利用
ツイッターやフェイスブックなどは「ソーシャルメディア」と呼ばれ、手軽に多くの人と情報をやり取りすることができるため、利用者が急増しています。
しかし、不特定多数の人が見ることを意識せず、不用意に仕事関連の情報を書き込むと問題が生じることも多くなります。しかし、会社として、社員の個人的なソーシャルメディア利用を禁止することは難しいでしょう。
◆ガイドライン等の整備でリスクを回避
利用自体を禁止できないとしても、不用意な書込みにより「情報漏洩」や「名誉棄損」などで社員や企業が訴えられる危険性もあるため、企業では、ガイドラインや社内規定を整備することが有効です。
この場合、「自社にとっての営業秘密は何か」などの基準を明確に示し、役員・正社員からパート・アルバイトまでに徹底することが求められます。
◆具体的に企業はどう対応しているか
例えば、ソーシャルメディアの「利用マニュアル」を用意し、書いてはいけない文例を数多く提示している企業や、従来の法令遵守の行動規範に加え「会社の公式見解のように書いてはいけない」といった事項を明記し、「会社にダメージを与えた場合は懲戒対象となることもある」と定める企業もあるようです。
障害者に関する就職・雇用の状況は
◆就職件数は過去最高に
厚生労働省は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)に基づき、同省による再三にわたる指導にもかかわらず障害者の雇用状況改善が見込まれない6社について、企業名の公表を行いました。
しかし、改善が見られず公表される企業がある一方で、平成22年度におけるハローワークを通じた障害者の就職件数は5万件を超えて過去最高となっています。
◆「法定雇用率」とは?
障害者雇用促進法では、身体障害者や知的障害者の雇用を促進するため、事業主に対し、常時雇用している従業員の一定割合(法定雇用率、民間企業の場合は1.8%)以上の障害者を雇うよう義務付けています。
◆法定雇用率を達成しないと…
法定雇用率を達成していない企業には、厚生労働大臣が「障害者雇入れ計画」を作成するよう命令し、計画を適正に実施するよう勧告できます。勧告に従わない場合は、企業名を公表できるようになっています。
今回、企業名を公表された会社は法定雇用率が未達成で、同省が雇用率の達成に向けた指導や計画の適正実施の勧告を行ってきたにもかかわらず、改善が遅れている90社のうちの6社です。
◆対前年比17%増の就職件数
企業名を公表される企業がある一方で、平成22年度のハローワークを通じた障害者の就職件数は5万件を突破し、全体的にみれば障害者の雇用状況は改善されているようです。
厳しい雇用情勢の中、障害者の就職件数が平成21年度(45,257件)から対前年度比17%増と大きく伸びたのは、精神障害者の就職や、医療・福祉分野での就職が増加したためのようです。
使用電力削減・節電に対応した働き方を考える
◆厚生労働省による対応
今夏、東日本を中心に、平日の9時から20時までの間に電力が不足するおそれが指摘されています。
そこで、厚生労働省では、夏場の電力不足への対策として「労働時間の短縮」や「始業・終業時刻の変更」などを実施する企業(東京電力・東北電力の管内)の相談に対応するための窓口を、労働基準監督署などに設置する方針を発表しました。
また、新聞報道によれば、「変形労働時間制」の導入企業が年度途中でもスケジュールを変更できるよう、同省が特例を認める考えも示しています。
◆使用電力削減・節電の具体策
帝国データバンクが発表した「夏季の企業活動に関する意識調査」の結果によれば、71.4%の企業が今夏に「節電を実施する」としています。「節電は実施しない予定」の企業は9.6%でした。
企業の使用電力削減・節電への取組みの例として、「労働時間の短縮」「始業・終業時刻の変更」の他、「所定休日の変更」、「連続休業・休暇の活用」などが考えられます。
これらのことを実施する際には、就業規則の変更・届出が必要となってくる場合がありますので注意が必要です。
◆社員への配慮も必要
制度変更を行う際には、家庭で育児・介護等が必要な社員など、始業・終業時刻や所定休日の変更への対応が困難な事情を抱える社員についての配慮が必要です。
業務や家庭の事情などを勘案したうえで、「フレックスタイム制」や「在宅勤務制度」などを活用することも考えられます。
◆日々の意識が大切
使用電力削減・節電への取組みについては、普段からの心がけも大切です。
個人と会社で行うことのできる対策には異なる点はありますが、使用しない家電製品のコンセントを抜いておく、天候に合わせて照明を点ける時間を調整するなど、改めて普段の生活を見直してみることもよいのではないでしょうか。
畑中社労士事務所では顧問先の企業様を対象に 毎月事務所便りを発行しています。 内容は法改正情報や人事労務に関する時事ニュース等を中心に会社を 経営する上で欠かせない情報をお伝えしています。 このページでは今までに発行した事務所便りの 概要をご紹介させて頂きます。
2011/06/29
2011/06/01
6月の事務所便り
震災発生後に外国人労働者の不足が深刻に
◆幅広い分野で影響が
新聞報道によると、東日本大震災発生の影響を受け、外食産業や農業など幅広い分野で人手不足が問題になっているようです。これは、原発事故等を不安視するなどした外国人の帰国が増えているためです。
状況が多少落ち着き、再び日本に戻ってくるケースも出ているようですが、外国人労働者に依存していた企業では、対策が求められています。
◆原発事故を不安視して帰国する外国人
法務省によれば、日本における外国人登録者数は約218万人(2009年末)です。中でも約68万人で最も多い中国人は重要な労働力として役割が高まっています。
原発事故発生後、帰国者が増加し、中国政府は航空便を増やすなどして約9,300人を自国に戻したとされます。
この影響をまともに受けたのは、接客スタッフなど多くの外国人を雇う外食産業です。外食産業では営業時間が深夜に及ぶなど、労働条件の厳しさが目立つため、慢性的な人手不足に悩まされていますが、それ支えていたのが外国人の労働力なのです。
◆農業分野でも人手不足が問題に
外国人の帰国問題は農業分野でも影響が出ています。外食産業と同様、重要な労働の担い手であった外国人が帰国してしまったために、「出荷間近で人手がほしい」などの声があがっているそうです。
残された日本人が長時間働くしかないのが現状ですが、被災して生産を続けることができない生産者たちを募集して受け入れる仕組み作りなども政府に期待されています。
◆暮らしやすく働きやすい日本に
余震と原発の不安がおさまらない中、外国人が戻ってくることはあまり期待できず、企業には何らかの対応策が迫られます。
今後、外国人が暮らしやすく、働きやすい日本に戻ることを願わずにはいられません。
政府が打ち出した「震災税制特例法」の内容
◆阪神・淡路大震災以上の内容に
東日本大震災の被災者や被災企業を支援するための、いわゆる「震災税制特例法」が可決・成立しました。国・地方税を合わせて41項目の特例措置が設けられ、税金の減免や過去に納めた税金の還付などが実施されます。
1995年に発生した阪神・淡路大震災に比べて支援内容が拡充されており、地方法人税の減免や被災した自動車にかかる税金の免税・還付など、新たな特例措置は16項目に上ります。
◆企業向けの支援税制
企業向けでは、過去に納めた法人税額から、大震災による損失額に相当する額が2年間までさかのぼって還付されます。震災が発生した日から1年の間に終了する事業年度中に発生した損失が還付の対象となります。
最終的には地方自治体の条例の定めによることとなりますが、阪神・淡路大震災の際には支援税制に盛り込まれなかった地方法人税(法人事業税・法人住民税)にも減免措置が設けられます。
◆個人向けの支援税制
個人向けでは、居住が条件である住宅ローン減税を、大震災で損壊して住めなくなった住宅について適用が継続されるようになります。
所得税については阪神・淡路大震災でも同様の措置がとられましたが、今回は住民税にも広げ軽減措置がとられます。
その他、自宅を建て替える際に親から資金の贈与を受けた場合の贈与税の減免、津波で大きな被害を受けた土地や家屋の固定資産税や都市計画税の免除などがあります。
さらに、住宅や家財の損害額を「雑損控除」として所得から差し引くことができる所得税の減税措置が前倒しで適用されます。
◆その他の内容
この他、津波などで被害を受けた自動車の買替えを支援する税負担の軽減、大震災関連の寄付を促すための優遇税制も盛り込まれています。
今後は被災者や被災企業に対する税金の減免や還付以外にも、被災地の復興を支援する税制の検討などが期待されています。
原発事故の風評被害を受ける輸出企業への支援策
◆輸出企業への支援策
政府は、福島第一原子力発電所の事故をめぐる風評被害を踏まえ、輸出企業への支援策を発表しました。輸入を拒否された際に「貿易保険」から保険金を支払うほか、輸出品が放射線量の検査を受ける際に必要な費用についても補助金を支給します。
また、企業の支援とともに、海外への正確な情報提供にも力を入れるようです。
◆「貿易保険」とは
企業の輸出入や海外投資などの対外取引に伴うリスクを軽減するための保険で、1950年に創設されています。保険でカバーする内容は、戦争・内乱、テロ行為、相手方による輸入制限・禁止などの「非常危険」と、相手方の破産や輸出契約の一方的破棄などの「信用危険」に大別されます。
◆損害のほぼ全額を補償の方針
原発事故を受け、放射能汚染とは直接関係のない地域の商品や工業品までもが輸入を拒否されるケースも出ているようです。そこで、風評による輸入拒否で損害を受けた企業に対し、保険金で損害額のほぼ全額を補償することとしました。
今後は、輸出先が原発事故後に検査を強化するなどして商品が売れなくなった場合にも保険金を支払う方向だそうです。また、中小企業に対しては放射線量の検査費用を補助することも検討されています。
◆誇張報道の訂正を要求
政府は、原発事故に関する誤った情報や誇張された情報が海外に広がっていることが、風評被害の拡大につながっているとして、海外のメディアに対して報道の訂正などを求めています。
また、放射線量の状況などについて、各国の大使館を通じて外国政府や企業に正確な情報を積極的に伝えることにより、風評被害を食い止めようとしています。
「ねんきんネット」で年金加入記録を確認しよう
◆2月末に運用スタート
日本年金機構では、公的年金記録を確認できるインターネットサービス「ねんきんネット」(以下、「ネット」)の運用を2月末から始めました。
従来の「ねんきん定期便」(以下、「定期便」)よりも情報が新しく、かつ情報量も多いため、わかりやすく簡単に自分の記録を確認することができます。
◆ネットの特徴
特徴は、加入開始時から直近(原則として約1カ月前)までの自分の加入記録のすべてをいつでも確認できることです。
定期便では、毎年の誕生日前に送付されるだけで、記録も2010年度分からで、35歳、45歳、58歳以外の加入者については、誕生月の直近1年間分に限定されていました。
制度ごとの加入記録や加入期間の合計についても、ネットのほうが情報は豊富です。国民年金保険料の納付状況のほか、厚生年金では勤務先名称や標準報酬月額などが月単位で表示されます。
◆ID・パスワードをすぐに取得可能
ネットは、2011年度分の定期便に記載された固有のアクセスキーを入力すれば、即時にID・パスワードを取得でき、自分の年金記録に随時アクセスできます。
今年度の定期便が届いていない人であっても、インターネットを通じて登録すれば5日程度でID・パスワードを取得できるそうです。
◆上手に活用して年金制度を理解
年金制度はとても複雑な仕組みですが、このネットをうまく活用することで、年金制度への理解が進むことが期待されています。
みなさんも一度ご自分の記録を確認してみてはいかがでしょうか。
「自律訓練法」の活用でストレス解消
◆メンタルケアの手法の1つ
ストレスが原因とされる心身の不調を改善するために効果があると言われるのが、「自律訓練法」と呼ばれる心理療法です。
職場や学校で、メンタルケアの手法の1つとして使われることも多く、1人で習得することも可能だそうです。
◆「自律訓練法」とは?
この自律訓練法は、ドイツの精神科医が開発した心身の自己調整法で、古くから日本にも紹介され、オリンピック選手のメンタルトレーニングに使われたこともあるそうです。
心療内科や精神科などにおいても使われる一種の自己催眠法であり、全身をリラックスさせることができ、心身の疲れがとれるとされ、簡単に言えばリラクゼーション法の1つです。
◆「自律訓練法」の効果
実施による主な効果は、次の通りです。
(1)蓄積された疲労を回復できる。
(2)イライラせずに穏やかな気持ちになれる。
(3)自己統制力が増して衝動的な行動が少なくなる。
(4)仕事や勉強の効率がアップする。
(5)身体的痛み・精神的苦痛が緩和される。
(6)内省力がついて自己向上性が増す。
◆実施の手順
静かな落ち着けるところで行います。ゆったりした服装で、椅子やソファに深く腰掛けるか仰向けに寝て、両腕・両脚を少し開いた状態で目を閉じ、気持ちを静めるため「気持ちが落ち着いている」(基礎公式)と心の中で唱えます。
次に、腕や脚に「重み」を感じることを練習します。「第1公式」と呼ばれる言葉(右手が重たい・左手が重たい・右脚が重たい・左脚が重たい、の順)を唱え、腕や脚に「重み」を感じることを練習し、続く「第2公式」では、血液循環が良くなり手足の腕や脚に「温かさ」を感じる練習をします。
以下、「心臓が静かに規則正しく打っている」(第3公式)、「楽に呼吸をしている」(第4公式)、「おなかが温かい」(第5公式)、「額が心地よく涼しい」(第6公式)と続きます。
パート社員から正社員への登用の現状と今後
◆パート社員として仕事に復帰
結婚・出産などを理由に仕事を辞めて一旦家庭に入ったものの、パート社員として仕事に復帰し、その後正社員に登用されて活躍する女性が増えています。
労働力人口が減っていく中、柔軟な働き方の実現は企業の人材確保には欠かせません。
◆優秀な人材確保の一手段
パート社員の正社員登用により、優秀な人材を確保できます。その半面、正社員になると雇用調整が難しく、一般的に人件費も高まります。
そのため、登用制度を有する企業では、パート社員を正社員に登用する選考過程において能力を厳しく見極める傾向にあります。
その結果、パート社員から登用された正社員は即戦力と評価されることが多く、新卒採用と中途採用に加えて、新たな採用ルートとして確立しつつあります。
◆正社員への登用の現状
昨今は、パート社員が正社員並みに企業内で基幹的な役割を担うケースも増え、仕事内容と雇用条件との間にギャップも見られます。
2008年に「改正パートタイム労働法」が施行され、正社員と均衡のとれた待遇の確保や正社員への転換推進措置などが企業に義務付けられました。
しかし、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の「短時間労働者実態調査」(2010年)によると、正社員への転換推進措置をとっている企業は約5割にとどまっています。
◆結婚・子育て後のやる気を活用
パート社員のさらなる待遇改善に向けて、厚生労働省は今年2月に「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」を立ち上げ、今夏に報告書をまとめる予定です。
すべてのパート社員が正社員への登用を望んでいるわけではありませんが、やる気と能力のあるパート社員を正社員に登用し、活躍の場を提供することは、企業にとっても様々な利点があるのではないでしょうか。
「ボランティア休暇」導入企業が増加中
◆企業CSRの要請と従業員からの要望
東日本大震災の発生をきっかけとして、企業が、従業員のボランティア活動を目的とした特別休暇(ボランティア休暇)を認め、制度として導入するケースが大手を中心に増えているようです。
これは、「企業は社会的責任(CSR)を果たすべき」という要請と同時に、従業員からの要望も増えていることが背景にあるようです。
◆具体的な導入事例
制度を導入したと報道された企業は、SMBC日興証券(最大3日間。有給休暇との組合せで最大16日間)、さわやか信用金庫(最大5日間)、トリンプ・インターナショナル・ジャパン(9月末までに最大14日間)、ワコール(8月末までに最大連続20日間)などです。
なお、厚生労働省の調査(2007年実施)によれば、ボランティア休暇制度を導入している企業(従業員1,000人以上)の割合は、17.7%だそうです。
◆法的な問題点も
企業が「ボランティア休暇」を制度化することは可能です。しかし、様々な法的な問題も考えられます。
例えば、会社が認めたボランティア休暇中に従業員が怪我をした場合、労災と認められるのでしょうか。「業務起因性」が認められるかどうかは微妙な問題です。また、企業の安全配慮義務が問われるケースも過去にあったようです。
◆導入には慎重な判断が必要
上記のことから、特別休暇である「ボランティア休暇」の導入には、慎重な判断が求められると言えるでしょう。
夏場の「電力不足・節電」に向けた企業の対応
◆政府要請への対応
政府による、福島第一原発での事故に伴う最大使用電力の削減要請、浜岡原発の運転停止などを受け、企業では、電力が不足するとされる夏場において、いかに「電力不足・節電」に対応するかが課題となっています。
◆夏季休暇の取り方などに工夫
大手企業では、「電力不足・節電」への対応として、すでに夏季休暇の取り方などについての方針を発表しているところもあります。主な内容は以下の通りです。
(1)期間の延長・拡大(ニコン、ゼリア新薬工業など)
(2)まとめての取得(NTT、文化シャッターなど)
(3)取得時期の分散(NEC、東芝など)
(4)在宅勤務制度の導入(KDDI、帝人など)
(5)サマータイム制の導入(ソニー、東京証券取引所など)
◆節電の具体策
企業ができる節電のための具体策としては、次のようなことが考えられます。
(1)照明関係…看板・ショーウインドーの消灯、LED電球への切替え
(2)設備関係…エレベーターの運転削減、パソコンの小まめな電源停止
(3)エアコン・空調…冷房温度の引上げ、クールビズの強化
(4)その他…自家発電機の導入など
◆中小企業へ「節電サポーター」派遣
また、経済産業省では、東京電力・東北電力管内の中小企業やビルなど約20万カ所に、節電方法の助言などを行う「節電サポーター」を派遣すると発表しています。
5~6月にかけて、中小・零細企業を中心に、電気主任技術者などの専門家を2,000~3,000人程度派遣するとのことです。
今年の新入社員は何を重視? 理想の上司像は?
◆「良好な人間関係」を最も重視
株式会社毎日コミュニケーションズから、今年4月入社の新入社員を対象に実施した「2011年マイコミ新入社員意識調査」(984名が回答)の結果が発表されました。
この中で、「社会人として仕事をしていく上で重要だと思うこと」(複数回答)について聞いたところ、回答の上位ベスト3は次の通りでした。
(1)良好な人間関係(69.8%)
(2)挑戦(46.2%)
(3)楽しさ(43.8%)
◆理想の上司は「指示・指導が的確」
上記と同じ意識調査の「理想の上司像」(複数回答)に関する質問では、次の通りの結果となりました。
(1)指示・指導が的確である(67.8%)
(2)よくアドバイスをくれる(47.8%)
(3)相談に乗ってくれる(45.4%)
◆新社会人の多くは「上司に本音を語れない」
また、レジェンダ・コーポレーション株式会社では、今年4月に新社会人となった入社1年目と入社2年目の社員を対象に行った意識調査(665名が回答)の結果を発表しました。
その中で、「目上の人に対して仕事上の本音の話ができるか」を尋ねたところ、入社1年目の人のうち63.8%が「本音を語れない」(「ためらう」が57.9%、「できない」が5.9%)と回答しました。これが入社2年目の人になると57.2%に下がります。
◆20代の若者は「伝える力」が低い!?
逆に、先輩社員は20代の後輩社員をどのように見ているのでしょうか。株式会社電通では、首都圏の会社員800名を対象に「伝える力」に関するアンケート調査を行いました。
その結果によれば、30~50代の会社員のうち、52.5%の人が「新入社員をはじめ20代前半の若者の『伝える力』は低くなっている」(「低くなっていると思う」および「どちらかと言えば低くなっていると思う」の合計)と回答したそうです。
就職活動に「ツイッター」「フェイスブック」を活用
◆約4割が「就活に活用」
就職活動において「ツイッター」や「フェイスブック」などのソーシャルメディアを活用する学生が増えているようです。
株式会社マクロミルが実施した調査(関東圏で就職活動中の大学3年生・大学院1年生300人が対象)の結果によると、37.7%の人が「活用している」、19.0%の人が「今後活用したい」と回答しています。
◆「ソーシャルメディア」とは?
ソーシャルメディアは、一般に、ユーザーが情報を発信することによって形成されていくメディアのことを言い、個人が発信した情報が不特定多数に広まり、ユーザー同士のつながりが広がっていくことが特徴とされています。
その代表的なものは、「ブログ」や「ツイッター」、「フェイスブック」などです。
◆ソーシャルメディアを活用する理由
上記の調査において、就職活動にソーシャルメディアを活用する理由(複数回答)として、以下の項目が挙げられています。
(1)他人の状況が気になる(54.9%)
(2)最新の情報がある(51.3%)
(3)同業界を志望する学生と知り合える(41.6%)
(4)建前ではない会社の実情がわかる(34.5%)
(5)悩み相談やストレス解消ができる(23.9%)
◆企業が活用するケースも
また、最近では企業の人事担当者が「ツイッター」でつぶやいたり、「フェイスブック」に採用情報を掲載したりするケースもあるようです。
今後、就職活動・採用活動において、これらソーシャルメディアはますます活用されていくことでしょう。
◆幅広い分野で影響が
新聞報道によると、東日本大震災発生の影響を受け、外食産業や農業など幅広い分野で人手不足が問題になっているようです。これは、原発事故等を不安視するなどした外国人の帰国が増えているためです。
状況が多少落ち着き、再び日本に戻ってくるケースも出ているようですが、外国人労働者に依存していた企業では、対策が求められています。
◆原発事故を不安視して帰国する外国人
法務省によれば、日本における外国人登録者数は約218万人(2009年末)です。中でも約68万人で最も多い中国人は重要な労働力として役割が高まっています。
原発事故発生後、帰国者が増加し、中国政府は航空便を増やすなどして約9,300人を自国に戻したとされます。
この影響をまともに受けたのは、接客スタッフなど多くの外国人を雇う外食産業です。外食産業では営業時間が深夜に及ぶなど、労働条件の厳しさが目立つため、慢性的な人手不足に悩まされていますが、それ支えていたのが外国人の労働力なのです。
◆農業分野でも人手不足が問題に
外国人の帰国問題は農業分野でも影響が出ています。外食産業と同様、重要な労働の担い手であった外国人が帰国してしまったために、「出荷間近で人手がほしい」などの声があがっているそうです。
残された日本人が長時間働くしかないのが現状ですが、被災して生産を続けることができない生産者たちを募集して受け入れる仕組み作りなども政府に期待されています。
◆暮らしやすく働きやすい日本に
余震と原発の不安がおさまらない中、外国人が戻ってくることはあまり期待できず、企業には何らかの対応策が迫られます。
今後、外国人が暮らしやすく、働きやすい日本に戻ることを願わずにはいられません。
政府が打ち出した「震災税制特例法」の内容
◆阪神・淡路大震災以上の内容に
東日本大震災の被災者や被災企業を支援するための、いわゆる「震災税制特例法」が可決・成立しました。国・地方税を合わせて41項目の特例措置が設けられ、税金の減免や過去に納めた税金の還付などが実施されます。
1995年に発生した阪神・淡路大震災に比べて支援内容が拡充されており、地方法人税の減免や被災した自動車にかかる税金の免税・還付など、新たな特例措置は16項目に上ります。
◆企業向けの支援税制
企業向けでは、過去に納めた法人税額から、大震災による損失額に相当する額が2年間までさかのぼって還付されます。震災が発生した日から1年の間に終了する事業年度中に発生した損失が還付の対象となります。
最終的には地方自治体の条例の定めによることとなりますが、阪神・淡路大震災の際には支援税制に盛り込まれなかった地方法人税(法人事業税・法人住民税)にも減免措置が設けられます。
◆個人向けの支援税制
個人向けでは、居住が条件である住宅ローン減税を、大震災で損壊して住めなくなった住宅について適用が継続されるようになります。
所得税については阪神・淡路大震災でも同様の措置がとられましたが、今回は住民税にも広げ軽減措置がとられます。
その他、自宅を建て替える際に親から資金の贈与を受けた場合の贈与税の減免、津波で大きな被害を受けた土地や家屋の固定資産税や都市計画税の免除などがあります。
さらに、住宅や家財の損害額を「雑損控除」として所得から差し引くことができる所得税の減税措置が前倒しで適用されます。
◆その他の内容
この他、津波などで被害を受けた自動車の買替えを支援する税負担の軽減、大震災関連の寄付を促すための優遇税制も盛り込まれています。
今後は被災者や被災企業に対する税金の減免や還付以外にも、被災地の復興を支援する税制の検討などが期待されています。
原発事故の風評被害を受ける輸出企業への支援策
◆輸出企業への支援策
政府は、福島第一原子力発電所の事故をめぐる風評被害を踏まえ、輸出企業への支援策を発表しました。輸入を拒否された際に「貿易保険」から保険金を支払うほか、輸出品が放射線量の検査を受ける際に必要な費用についても補助金を支給します。
また、企業の支援とともに、海外への正確な情報提供にも力を入れるようです。
◆「貿易保険」とは
企業の輸出入や海外投資などの対外取引に伴うリスクを軽減するための保険で、1950年に創設されています。保険でカバーする内容は、戦争・内乱、テロ行為、相手方による輸入制限・禁止などの「非常危険」と、相手方の破産や輸出契約の一方的破棄などの「信用危険」に大別されます。
◆損害のほぼ全額を補償の方針
原発事故を受け、放射能汚染とは直接関係のない地域の商品や工業品までもが輸入を拒否されるケースも出ているようです。そこで、風評による輸入拒否で損害を受けた企業に対し、保険金で損害額のほぼ全額を補償することとしました。
今後は、輸出先が原発事故後に検査を強化するなどして商品が売れなくなった場合にも保険金を支払う方向だそうです。また、中小企業に対しては放射線量の検査費用を補助することも検討されています。
◆誇張報道の訂正を要求
政府は、原発事故に関する誤った情報や誇張された情報が海外に広がっていることが、風評被害の拡大につながっているとして、海外のメディアに対して報道の訂正などを求めています。
また、放射線量の状況などについて、各国の大使館を通じて外国政府や企業に正確な情報を積極的に伝えることにより、風評被害を食い止めようとしています。
「ねんきんネット」で年金加入記録を確認しよう
◆2月末に運用スタート
日本年金機構では、公的年金記録を確認できるインターネットサービス「ねんきんネット」(以下、「ネット」)の運用を2月末から始めました。
従来の「ねんきん定期便」(以下、「定期便」)よりも情報が新しく、かつ情報量も多いため、わかりやすく簡単に自分の記録を確認することができます。
◆ネットの特徴
特徴は、加入開始時から直近(原則として約1カ月前)までの自分の加入記録のすべてをいつでも確認できることです。
定期便では、毎年の誕生日前に送付されるだけで、記録も2010年度分からで、35歳、45歳、58歳以外の加入者については、誕生月の直近1年間分に限定されていました。
制度ごとの加入記録や加入期間の合計についても、ネットのほうが情報は豊富です。国民年金保険料の納付状況のほか、厚生年金では勤務先名称や標準報酬月額などが月単位で表示されます。
◆ID・パスワードをすぐに取得可能
ネットは、2011年度分の定期便に記載された固有のアクセスキーを入力すれば、即時にID・パスワードを取得でき、自分の年金記録に随時アクセスできます。
今年度の定期便が届いていない人であっても、インターネットを通じて登録すれば5日程度でID・パスワードを取得できるそうです。
◆上手に活用して年金制度を理解
年金制度はとても複雑な仕組みですが、このネットをうまく活用することで、年金制度への理解が進むことが期待されています。
みなさんも一度ご自分の記録を確認してみてはいかがでしょうか。
「自律訓練法」の活用でストレス解消
◆メンタルケアの手法の1つ
ストレスが原因とされる心身の不調を改善するために効果があると言われるのが、「自律訓練法」と呼ばれる心理療法です。
職場や学校で、メンタルケアの手法の1つとして使われることも多く、1人で習得することも可能だそうです。
◆「自律訓練法」とは?
この自律訓練法は、ドイツの精神科医が開発した心身の自己調整法で、古くから日本にも紹介され、オリンピック選手のメンタルトレーニングに使われたこともあるそうです。
心療内科や精神科などにおいても使われる一種の自己催眠法であり、全身をリラックスさせることができ、心身の疲れがとれるとされ、簡単に言えばリラクゼーション法の1つです。
◆「自律訓練法」の効果
実施による主な効果は、次の通りです。
(1)蓄積された疲労を回復できる。
(2)イライラせずに穏やかな気持ちになれる。
(3)自己統制力が増して衝動的な行動が少なくなる。
(4)仕事や勉強の効率がアップする。
(5)身体的痛み・精神的苦痛が緩和される。
(6)内省力がついて自己向上性が増す。
◆実施の手順
静かな落ち着けるところで行います。ゆったりした服装で、椅子やソファに深く腰掛けるか仰向けに寝て、両腕・両脚を少し開いた状態で目を閉じ、気持ちを静めるため「気持ちが落ち着いている」(基礎公式)と心の中で唱えます。
次に、腕や脚に「重み」を感じることを練習します。「第1公式」と呼ばれる言葉(右手が重たい・左手が重たい・右脚が重たい・左脚が重たい、の順)を唱え、腕や脚に「重み」を感じることを練習し、続く「第2公式」では、血液循環が良くなり手足の腕や脚に「温かさ」を感じる練習をします。
以下、「心臓が静かに規則正しく打っている」(第3公式)、「楽に呼吸をしている」(第4公式)、「おなかが温かい」(第5公式)、「額が心地よく涼しい」(第6公式)と続きます。
パート社員から正社員への登用の現状と今後
◆パート社員として仕事に復帰
結婚・出産などを理由に仕事を辞めて一旦家庭に入ったものの、パート社員として仕事に復帰し、その後正社員に登用されて活躍する女性が増えています。
労働力人口が減っていく中、柔軟な働き方の実現は企業の人材確保には欠かせません。
◆優秀な人材確保の一手段
パート社員の正社員登用により、優秀な人材を確保できます。その半面、正社員になると雇用調整が難しく、一般的に人件費も高まります。
そのため、登用制度を有する企業では、パート社員を正社員に登用する選考過程において能力を厳しく見極める傾向にあります。
その結果、パート社員から登用された正社員は即戦力と評価されることが多く、新卒採用と中途採用に加えて、新たな採用ルートとして確立しつつあります。
◆正社員への登用の現状
昨今は、パート社員が正社員並みに企業内で基幹的な役割を担うケースも増え、仕事内容と雇用条件との間にギャップも見られます。
2008年に「改正パートタイム労働法」が施行され、正社員と均衡のとれた待遇の確保や正社員への転換推進措置などが企業に義務付けられました。
しかし、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の「短時間労働者実態調査」(2010年)によると、正社員への転換推進措置をとっている企業は約5割にとどまっています。
◆結婚・子育て後のやる気を活用
パート社員のさらなる待遇改善に向けて、厚生労働省は今年2月に「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」を立ち上げ、今夏に報告書をまとめる予定です。
すべてのパート社員が正社員への登用を望んでいるわけではありませんが、やる気と能力のあるパート社員を正社員に登用し、活躍の場を提供することは、企業にとっても様々な利点があるのではないでしょうか。
「ボランティア休暇」導入企業が増加中
◆企業CSRの要請と従業員からの要望
東日本大震災の発生をきっかけとして、企業が、従業員のボランティア活動を目的とした特別休暇(ボランティア休暇)を認め、制度として導入するケースが大手を中心に増えているようです。
これは、「企業は社会的責任(CSR)を果たすべき」という要請と同時に、従業員からの要望も増えていることが背景にあるようです。
◆具体的な導入事例
制度を導入したと報道された企業は、SMBC日興証券(最大3日間。有給休暇との組合せで最大16日間)、さわやか信用金庫(最大5日間)、トリンプ・インターナショナル・ジャパン(9月末までに最大14日間)、ワコール(8月末までに最大連続20日間)などです。
なお、厚生労働省の調査(2007年実施)によれば、ボランティア休暇制度を導入している企業(従業員1,000人以上)の割合は、17.7%だそうです。
◆法的な問題点も
企業が「ボランティア休暇」を制度化することは可能です。しかし、様々な法的な問題も考えられます。
例えば、会社が認めたボランティア休暇中に従業員が怪我をした場合、労災と認められるのでしょうか。「業務起因性」が認められるかどうかは微妙な問題です。また、企業の安全配慮義務が問われるケースも過去にあったようです。
◆導入には慎重な判断が必要
上記のことから、特別休暇である「ボランティア休暇」の導入には、慎重な判断が求められると言えるでしょう。
夏場の「電力不足・節電」に向けた企業の対応
◆政府要請への対応
政府による、福島第一原発での事故に伴う最大使用電力の削減要請、浜岡原発の運転停止などを受け、企業では、電力が不足するとされる夏場において、いかに「電力不足・節電」に対応するかが課題となっています。
◆夏季休暇の取り方などに工夫
大手企業では、「電力不足・節電」への対応として、すでに夏季休暇の取り方などについての方針を発表しているところもあります。主な内容は以下の通りです。
(1)期間の延長・拡大(ニコン、ゼリア新薬工業など)
(2)まとめての取得(NTT、文化シャッターなど)
(3)取得時期の分散(NEC、東芝など)
(4)在宅勤務制度の導入(KDDI、帝人など)
(5)サマータイム制の導入(ソニー、東京証券取引所など)
◆節電の具体策
企業ができる節電のための具体策としては、次のようなことが考えられます。
(1)照明関係…看板・ショーウインドーの消灯、LED電球への切替え
(2)設備関係…エレベーターの運転削減、パソコンの小まめな電源停止
(3)エアコン・空調…冷房温度の引上げ、クールビズの強化
(4)その他…自家発電機の導入など
◆中小企業へ「節電サポーター」派遣
また、経済産業省では、東京電力・東北電力管内の中小企業やビルなど約20万カ所に、節電方法の助言などを行う「節電サポーター」を派遣すると発表しています。
5~6月にかけて、中小・零細企業を中心に、電気主任技術者などの専門家を2,000~3,000人程度派遣するとのことです。
今年の新入社員は何を重視? 理想の上司像は?
◆「良好な人間関係」を最も重視
株式会社毎日コミュニケーションズから、今年4月入社の新入社員を対象に実施した「2011年マイコミ新入社員意識調査」(984名が回答)の結果が発表されました。
この中で、「社会人として仕事をしていく上で重要だと思うこと」(複数回答)について聞いたところ、回答の上位ベスト3は次の通りでした。
(1)良好な人間関係(69.8%)
(2)挑戦(46.2%)
(3)楽しさ(43.8%)
◆理想の上司は「指示・指導が的確」
上記と同じ意識調査の「理想の上司像」(複数回答)に関する質問では、次の通りの結果となりました。
(1)指示・指導が的確である(67.8%)
(2)よくアドバイスをくれる(47.8%)
(3)相談に乗ってくれる(45.4%)
◆新社会人の多くは「上司に本音を語れない」
また、レジェンダ・コーポレーション株式会社では、今年4月に新社会人となった入社1年目と入社2年目の社員を対象に行った意識調査(665名が回答)の結果を発表しました。
その中で、「目上の人に対して仕事上の本音の話ができるか」を尋ねたところ、入社1年目の人のうち63.8%が「本音を語れない」(「ためらう」が57.9%、「できない」が5.9%)と回答しました。これが入社2年目の人になると57.2%に下がります。
◆20代の若者は「伝える力」が低い!?
逆に、先輩社員は20代の後輩社員をどのように見ているのでしょうか。株式会社電通では、首都圏の会社員800名を対象に「伝える力」に関するアンケート調査を行いました。
その結果によれば、30~50代の会社員のうち、52.5%の人が「新入社員をはじめ20代前半の若者の『伝える力』は低くなっている」(「低くなっていると思う」および「どちらかと言えば低くなっていると思う」の合計)と回答したそうです。
就職活動に「ツイッター」「フェイスブック」を活用
◆約4割が「就活に活用」
就職活動において「ツイッター」や「フェイスブック」などのソーシャルメディアを活用する学生が増えているようです。
株式会社マクロミルが実施した調査(関東圏で就職活動中の大学3年生・大学院1年生300人が対象)の結果によると、37.7%の人が「活用している」、19.0%の人が「今後活用したい」と回答しています。
◆「ソーシャルメディア」とは?
ソーシャルメディアは、一般に、ユーザーが情報を発信することによって形成されていくメディアのことを言い、個人が発信した情報が不特定多数に広まり、ユーザー同士のつながりが広がっていくことが特徴とされています。
その代表的なものは、「ブログ」や「ツイッター」、「フェイスブック」などです。
◆ソーシャルメディアを活用する理由
上記の調査において、就職活動にソーシャルメディアを活用する理由(複数回答)として、以下の項目が挙げられています。
(1)他人の状況が気になる(54.9%)
(2)最新の情報がある(51.3%)
(3)同業界を志望する学生と知り合える(41.6%)
(4)建前ではない会社の実情がわかる(34.5%)
(5)悩み相談やストレス解消ができる(23.9%)
◆企業が活用するケースも
また、最近では企業の人事担当者が「ツイッター」でつぶやいたり、「フェイスブック」に採用情報を掲載したりするケースもあるようです。
今後、就職活動・採用活動において、これらソーシャルメディアはますます活用されていくことでしょう。
2011/05/12
5月の事務所便り
企業における「手当」支給の実態
◆厳しい経済状況下における「手当」の扱い
みずほ総合研究所から、「社員の手当」に関するアンケート調査の結果が発表されました。このアンケートでは、厳しい経済状況下において、多くの企業で「社員の手当」にシビアになっている様子がうかがえます。
この調査は、同社の会員企業に所属する役職員24,015 名を対象に実施され、779 人が回答を行いました。
◆多くの企業に「手当」が存在
まずは、各手当の存在についてですが、「自社に制度として存在する」と回答した人の割合は、次の通りでした。
・「通勤手当」…96.8%
・「役付手当」…83.2%
・「出張手当」…82.7%
・「家族手当」…72.1%
◆「厳格化・削減等」の割合は?
次に、最近3年以内における各手当の支給条件について尋ねたところ、「厳格化・削減等」を実施した割合は次の通りでした。
・「出張手当」…14.1%
・「役付手当」…6.6%
・「家族手当」…5.5%
・「通勤手当」…5.1%
削減の理由としては、上位から、「経費削減の一環」「社員の処遇の平等化」「給与への一本化」「賞与への反映」「支給対象者の増加」などとなっています
◆各企業が何を重視していくか
上記4つの手当以外に、ここ3年で廃止・縮小された手当は、上位から「資格手当」「営業手当」「住宅手当」「単身赴任手当」「特殊勤務手当」「皆勤・精勤手当」「地域手当」「国内赴任手当」「灯油手当」「技能手当」「海外赴任手当」「地方手当」などとなっています。
今後も、多くの企業において、仕事・業務とは無関係な手当についてはさらに廃止・削減の方向に向かうかもしれませんが、各企業が何を重視するか良く考え、社員のモチベーションアップにつながるような手当支給の仕方が必要なのではないでしょうか。
最も多い転職理由は「会社の将来性が不安」
◆3年連続で「会社の将来性が不安」が最多
株式会社インテリジェンスから、「転職理由調査(2011年上期版)」(転職希望者16,914人が回答)の結果が3月上旬に発表されました。
転職理由として「会社の将来性が不安」が3年連続で最多となりましたが、業種によって転職理由に特徴があるようです。
◆転職理由のトップ10
全体の転職理由トップ10は、次の通りです。
(1)会社の将来性が不安(12.8%)
(2)他にやりたい仕事がある(11.4%)
(3)給与に不満がある(8.0%)
(4)専門知識・技術を習得したい(5.9%)
(5)残業が多い・休日が少ない(5.0%)
(6)倒産・リストラ・契約期間満了(4.7%)
(7)業界の先行きが不安(4.2%)
(8)幅広い経験・知識を積みたい(4.1%)
(9)市場価値を上げたい(2.9%)
(10)U・Iターンしたい(2.6%)
◆割合が増えている転職理由は?
前述の通り、トップは3年連続で「会社の将来性が不安」でしたが、前回調査に比べ1.9ポイント減少しています。
逆に、「他にやりたい仕事がある」「給与に不満がある」「残業が多い・休日が少ない」「業界の先行きが不安」と回答した人の割合は増えています。
◆業種別に見るとどうか
業種別に見てみると、「IT・通信・インターネット」では、「専門知識・技術を習得したい」が、全体の平均値を2.6ポイント上回る8.5%でした。また、「幅広い経験を積みたい」や「市場価値を上げたい」なども高い割合の回答率です。つまり、他の業種に比べて、スキルアップを志向する社員の方が多いようです。
また、「メーカー」では、「U・Iターンしたい」が他業種に比べ多くありました。これは、「都心から離れた工場勤務の人が多いためではないか」と分析されています。
そして、「メディカル」では、「業界の先行きが不安」、「金融」では「顧客のためになる仕事がしたい」、「メディア」では「残業が多い・休日が少ない」と回答した割合が他業種に比べて多くなっています。
健康寿命を延ばすための
「スマート・ライフ・プロジェクト」とは?
◆今年2月にスタート
厚生労働省は、今年2月に、「Smart Life Project(スマート・ライフ・プロジェクト)」を開始すると発表しました。
このプロジェクトは、「より多くの国民の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばすこと」を目的としているそうです。果たしてどのようなプロジェクトなのでしょうか。
◆プロジェクト開始の背景
厚生労働省によれば、「世界有数の長寿国となったわが国が、今後めざすべき方向は、単なる長寿ではなく『健康寿命(=日常的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間)』を延ばすことにある」とのことです。
そこで、政策の重点を「予防」へと移し、国民の健康寿命を延ばすため、主に生活習慣病の予防を目的とした「すこやか生活習慣国民運動」を平成20年度から実施し、「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」を推進してきました。
◆プロジェクトの概要
上記の「すこやか生活習慣国民運動」をさらに普及、発展させるため、 幅広い企業連携を主体とした取組みとして立ち上げられたのが、この「スマート・ライフ・プロジェクト」なのです。
厚生労働省では、本プロジェクトにおいて「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」の取組みを推進するため、プロジェクトのネーミングとロゴを作成し、今後、企業・団体と連携しながら、統一したメッセージを発信していくとしています。
◆具体的な活動内容は?
具体的な活動としては、公式WEBサイト(http://www.smartlife.go.jp)がすでに開設され、プロジェクトの趣旨に賛同する企業・団体に、その社員や職員の健康意識向上につながる啓発活動を行ってもらい、また、企業活動を通じて、より多くの人々の健康づくりの意識を高め、行動を変えるよう働きかけてもらうそうです。
すでに、100を超える民間企業・団体(社団法人、財団法人、NPO法人、健康保険組合等)・社労士事務所などが登録を行っているようです。積極的に「社員の健康づくり」に取り組みたいという企業の方は、ぜひ登録してみてはいかがでしょうか。
これからどうなる?
年金の「第3号被保険者不整合記録問題」
◆問題発生の経緯
サラリーマン(第2号被保険者)の被扶養配偶者である「第3号被保険者」(専業主婦など)について、本来必要とされる「第1号被保険者」への変更届出を行わなかったために、自分の年金記録と実態との間に“不整合”を生じている方が非常に多く(数十万人、場合によっては数百万人)発生している可能性があると推計されています。
これらの方への対応については、いったんは厚生労働省から「運用3号」と言われる特例通知が出されましたが、マスコミ報道でも大きく取り上げられた通り、「不公平である」「正直者がバカを見る」と批判され、この通知は廃止されました。
◆厚生労働省に特別部会設置
この問題を抜本的に解決するため、厚生労働省に特別部会が設けられ、現在、解決の方策が話し合われています。
果たして、国民が納得するような“抜本的な解決”を図ることができるのか、まだまだ不透明だと言えますが、現在、法律改正(国民年金法の改正)を目指す方向で動いているようです。
◆法改正案の内容は?
現在検討されている法改正案の主な内容は、次の通りです。
(1)受給資格期間の特例創設(いわゆる「カラ期間」の導入)
(2)カラ期間となった期間への特例追納の実施
(3)特例追納における分割納付、追納保険料の設定
◆納得できる制度改正を
ただでさえ「難しい」「複雑すぎる」と言われる年金制度ですが、保険料をきちんと支払った人が納得できるような制度改正が行われることが望まれています。
個人事業主と「労働組合法における労働者」
◆相次いで出された判決
先日、「労働組合法における労働者」に該当するか否かをめぐる注目すべき判決が相次いで出されましたので、以下にご紹介します。
◆業務委託契約・出演契約の性質
1つは、「住宅設備のメンテナンス会社と業務委託契約を結ぶ個人事業主」に関するもの、もう1つは「劇場側と出演契約を結ぶ音楽家」に関するものでしたが、最高裁判所は、個人として働く人の権利を重視して、いずれについても「労働者に該当する」との判断を示しました。
いずれの訴訟でも、一審・二審では、「労働組合法における労働者」とは認められていませんでした。
◆「労働組合法における労働者」とは?
一般に、「労働組合法における労働者」とは、賃金・給料等の収入を得て生活する人のことを言います。
そして、「労働組合法における労働者」であると認められれば、憲法で保障する「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」の3つの権利が認められ、非常に大きな意味を持ちます。
例えば、「団体交渉権」が認められれば、労働組合が使用者と交渉することができ、使用者が正当な理由なく労働組合代表者との交渉を拒んでしまえば、いわゆる「不当労働行為」に該当することとされてしまいます。
◆今後、企業が注意すべき点は?
企業が経費削減等の理由から外注化を進めていることにより、個人事業主が増えている状況において、今回の判決が、上記のような個人事業主と音楽家が「労働組合法における労働者」に該当すると認めたことには、大きな意味を持ちます。
もちろん、裁判となった事件にはそれぞれ異なる背景・経緯がありますが、今後、同様の働き方をしている人、会社と業務委託契約を結んで働いている技術者やドライバーなどが「労働組合法における労働者」と認められる可能性はあると言えます。
今後、企業においては、業務委託契約を結ぶ等する際には、上記の裁判例を参考に、慎重を期する必要があると言えるでしょう。
4月からの社会保険関係の制度改正
◆「協会けんぽの保険料率」の改定
協会けんぽにおける保険料率が、平成23年4月給与天引き分から、全国平均で9.50%(従来は9.34%)に引き上げられています。
保険料率の高い順にならべると次の通りです。最も高いのは、北海道、佐賀県の「9.60%」、最も低いのは「長野県」の9.39%となっています。
・9.60%:北海道、佐賀県
・9.58%:福岡県
・9.57%:香川県、大分県
・9.56%:大阪府、徳島県
・9.55%:岡山県、高知県、熊本県
・9.54%:秋田県、山口県
・9.53%:広島県、長崎県
・9.52%:石川県、兵庫県、奈良県
・9.51%:青森県、和歌山県、島根県、愛媛県、鹿児島県
・9.50%:宮城県、福井県、岐阜県、京都府、宮崎県
・9.49%:神奈川県、沖縄県
・9.48%:東京都、愛知県、三重県、滋賀県、鳥取県
・9.47%:福島県、栃木県、群馬県
・9.46%:山梨県
・9.45%:岩手県、山形県、埼玉県
・9.44%:茨城県、千葉県、富山県
・9.43%:新潟県、静岡県
・9.39%:長野県
◆「出産育児一時金制度」の見直し
出産育児一時金の支給額は、引き続き「原則42万円」となっていますが、直接支払制度を継続したうえで、小規模施設などでは「受取代理」(妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給される)が制度化され、窓口での負担軽減が図られています。
◆在職老齢年金の支給停止基準額の改定
在職老齢年金の支給停止の基準額について、「47万円」が「46万円」に改定されました。
なお、支給停止の基準額は、賃金の変動などに応じて自動的に改定される仕組みとなっており、平成23年度については、平成22年の名目賃金の下落(マイナス2.0%)により、「47万円」が「46万円」に引き下げられました。
大震災発生に伴う人事・労務への影響
◆東京経営者協会による緊急調査
東京経営者協会では、東日本大震災などの発生を受け、3月23日~28日に「東北地方太平洋沖地震による人事・労務への影響に関する緊急アンケート」(同協会の会員企業110社が回答)を実施し、3月31日にその結果が発表しました。
企業の人事・労務においても、多大なる影響が出ています。
◆ほとんどの企業が「影響あり」
まず、今回の大震災で「影響を受けた」と回答した企業は94.5%に上りました。
影響を受けた内容としては、多い順に「直接の被災または間接的な原因のため操業・営業時間の短縮、または操業・営業規模の縮小」(57.7%)、「直接の被災または間接的な原因のため操業・営業停止」(28.8%)、「直接の被災により操業・営業が不能」(19.2%)となりました。
なお、上記の「間接的な原因」とは、取引先・納入先の被災、計画停電等のことを指しています。
◆勤務体制への影響
次に、従業員に対し勤務体制等何らかの措置を「講じた」と回答した企業は93.3%でした。そのうち、77.3%が「時差通勤(遅い出勤、早帰り)を認めた」、75.3%が「自宅待機をさせた」としています。
そして、「自宅待機をさせた」企業のうち80.8%が、「給与を減額せず100パーセント支給した」としています。
◆直接的・間接的な影響
その他、入社式の縮小・延期・中止や、採用活動の延期などのニュースも新聞・テレビ等で報じられています。また、震災の影響は、人事・労務の分野にとどまりません。
被災された地域の企業等においては、「影響を受けた」というレベルで語れる状況でないことは言うまでもありませんが、間接的な影響を受けた企業も非常に多いことが、上記の調査結果からも明らかになったと言えます。
被災者の就労支援・雇用創出と雇用調整助成金
◆プロジェクト第1段階
東日本大震災などの発生を受け、政府が設置した「被災者等 就労支援・雇用創出推進会議」は、被災者の就労支援、雇用創出を促進するため、「『日本はひとつ』しごとプロジェクト」第1段階(フェーズ1)を発表しました。
まずは、復旧事業などによる被災者への就労機会の創出や被災地企業・資財の活用、希望する被災者が被災地以外の地域で就労可能とすることなどを実施する考えです。
◆主な施策内容
(1)ハローワークを活用した被災者向けの求人確保ときめ細かな就職支援
(2)雇用調整助成金制度の拡充
(3)3年以内の既卒者を採用する企業への奨励金(被災地に居住する方を採用した場合120万円を支給(従来は100万円))をはじめとする助成金の拡充
(4)震災被害者への失業手当の特例支給
(5)地域障害者職業センターにおける障害者の雇用継続のための特別相談の実施等
◆雇用調整助成金の拡充
上記(2)の雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員を一時的に休業などさせた場合に、休業手当相当額の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。
震災被害に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合、この雇用調整助成金が利用でき、さらに、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、長野県、新潟県の9県のうち、災害救助法適用地域にある事業所については、次の(A)~(C)の通り、支給要件が緩和されます。
(A)今回の地震に伴う「経済上の理由」により、最近1か月の生産量、売上高などがその直前の1か月、または前年同期と比べ5%以上減少していれば対象となる。
(B)平成23年6月16日までの間については、災害後1か月の生産量、売上高などがその直前の1か月、または前年同期と比べ5%以上減少する見込みである事業所も対象となる。
(C)平成23年6月16日までの間に提出された「計画届」については、事前に届け出たものとして取り扱う。
◆その他の特例適用
なお、「9県の特例対象地域に所在する事業所などと総事業量の3分の1以上の経済的関係(取引関係)がある事業所の事業主」と「計画停電の実施地域に所在し、計画停電により事業活動が縮小した事業主」については、上記の(A)(B)が適用されます。
国民健康保険加入者の高齢者割合が上昇
◆厚生労働省の調査結果
厚生労働省の調査によると、自営業者や退職後の年金生活者などが加入する「国民健康保険」の加入者のうち、高齢者(65~74歳)の割合が2020年度に37%と4割に迫る見通しだそうです。
2009年度は31%でしたが、1947~1949年生まれのいわゆる「団塊の世代」の加入が相次ぎ、高齢者の占める割合が過去最高となるようです。
◆国民健康保険とは?
国民健康保険は、市町村が運営する健康保険制度で、加入者は約3,600万人です。もともとは自営業者や農家のための健康保険でしたが、最近では年金生活者やフリーターなどの無職者の加入割合が4割近くとなっています。
2008年4月に「後期高齢者医療制度」(75歳以上が加入)が導入され、75歳以上の国民健康保険加入者がそちらに移ったため、医療費の支出が減り、国保の財政は一時的に好転しました。
しかし、今後は団塊世代の加入で再び財政悪化が心配されています。
◆約5割の国民健康保険は赤字
健康保険制度には、65~74歳の人の加入が集中することにより国民健康保険の財政が悪化することを防止するため、健康保険組合など他の健康保険と医療費の負担を調整する仕組みがあります。
ただし、所得が少ない高齢者の割合が増えれば、国民健康保険の保険料収入が目減りし、財政は次第に厳しくなる可能性が高まります。
◆苦境に陥る市町村
厚生労働省では、国民健康保険の運営が厳しくなると考え、改善策を検討しています。その1つが2014年3月以降に予定されている、新しい高齢者医療制度の導入です。運営主体を市町村から都道府県に広げることで、財政基盤の安定化を狙っています。
もう1つが70~74歳が病院窓口で支払う医療費の負担割合を、「原則1割」から2013年度以降は段階的に「原則2割」に引き上げるというものです。
財政運営が行き詰る市町村が続出する心配が増える中、政府は早急に抜本的改革に取り組む必要があります。
災害発生時に活用できる公的支援制度
◆生活を支え、暮らしを立て直すために
今回のような大震災・大災害が発生した場合、被災者の生活を支え、少しでも早く暮らしを立て直すために、様々な公的支援制度を活用することが考えられます。
公的支援を受けるためには申請が必要となるため、知らないと活用できないままになってしまいます。被災地以外の方も、いざというときのために頭に入れておきたいものです。
◆「生活資金」と「住宅再建」
被災してまず困ることとして、生活資金の工面が挙げられますが、生活資金を国が無利子で貸してくれる「生活福祉資金(緊急小口資金)」を利用することができます。
本来は低所得者向けの制度ですが、今回の大震災に伴う特例で、被災者は、所得に関係なく原則として10万円以内(世帯内に死亡者や要介護者がいる場合等は20万円)まで融資が受けられるようになりました。
また、災害が起こった際に重要な問題となるのは住宅再建です。阪神・淡路大震災を契機に作られた「被災者生活再建支援制度」では、住宅の被害状況や再建方法に応じて、最大で300万円まで支給されます。
◆社会保険制度の活用も
その他、社会保険制度の活用も重要です。健康保険では、怪我などで働けない場合に最長1年6カ月間、傷病手当金として収入の3分の2が支給されます。地震に伴う怪我なども対象となり、また、要件を満たせば遺族年金や障害年金などの支給対象にもなります。
業務中・通勤中の怪我などが対象の労災保険は、原則として自己負担なしで治療が受け続けられるなど、補償が手厚い制度です。ただし、業務との因果関係が必要なため、「地震が原因であれば対象外」と思われがちですが、仕事中に地震による建物倒壊などで被災した場合も、仕事の環境がもともと危険だったとして労災が適用された事例が過去に多くあります。
◆労災保険に関するQ&A
厚生労働省は、「仕事中に地震や津波に遭い、ケガをされた(死亡された)場合には、通常、業務災害として労災保険給付を受けることができます」などとする労災保険に関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000169r3.html)を発表し、また、労災認定を行う都道府県の労働局に対し「天変地異による災害なら業務起因性がないといった予断をもたないように」といった注意を促しています。
公的支援制度も、被災直後の当事者は考える余地がないことが多いので、周りの方が制度を理解したうえで、アドバイスしてあげることも必要です。
◆厳しい経済状況下における「手当」の扱い
みずほ総合研究所から、「社員の手当」に関するアンケート調査の結果が発表されました。このアンケートでは、厳しい経済状況下において、多くの企業で「社員の手当」にシビアになっている様子がうかがえます。
この調査は、同社の会員企業に所属する役職員24,015 名を対象に実施され、779 人が回答を行いました。
◆多くの企業に「手当」が存在
まずは、各手当の存在についてですが、「自社に制度として存在する」と回答した人の割合は、次の通りでした。
・「通勤手当」…96.8%
・「役付手当」…83.2%
・「出張手当」…82.7%
・「家族手当」…72.1%
◆「厳格化・削減等」の割合は?
次に、最近3年以内における各手当の支給条件について尋ねたところ、「厳格化・削減等」を実施した割合は次の通りでした。
・「出張手当」…14.1%
・「役付手当」…6.6%
・「家族手当」…5.5%
・「通勤手当」…5.1%
削減の理由としては、上位から、「経費削減の一環」「社員の処遇の平等化」「給与への一本化」「賞与への反映」「支給対象者の増加」などとなっています
◆各企業が何を重視していくか
上記4つの手当以外に、ここ3年で廃止・縮小された手当は、上位から「資格手当」「営業手当」「住宅手当」「単身赴任手当」「特殊勤務手当」「皆勤・精勤手当」「地域手当」「国内赴任手当」「灯油手当」「技能手当」「海外赴任手当」「地方手当」などとなっています。
今後も、多くの企業において、仕事・業務とは無関係な手当についてはさらに廃止・削減の方向に向かうかもしれませんが、各企業が何を重視するか良く考え、社員のモチベーションアップにつながるような手当支給の仕方が必要なのではないでしょうか。
最も多い転職理由は「会社の将来性が不安」
◆3年連続で「会社の将来性が不安」が最多
株式会社インテリジェンスから、「転職理由調査(2011年上期版)」(転職希望者16,914人が回答)の結果が3月上旬に発表されました。
転職理由として「会社の将来性が不安」が3年連続で最多となりましたが、業種によって転職理由に特徴があるようです。
◆転職理由のトップ10
全体の転職理由トップ10は、次の通りです。
(1)会社の将来性が不安(12.8%)
(2)他にやりたい仕事がある(11.4%)
(3)給与に不満がある(8.0%)
(4)専門知識・技術を習得したい(5.9%)
(5)残業が多い・休日が少ない(5.0%)
(6)倒産・リストラ・契約期間満了(4.7%)
(7)業界の先行きが不安(4.2%)
(8)幅広い経験・知識を積みたい(4.1%)
(9)市場価値を上げたい(2.9%)
(10)U・Iターンしたい(2.6%)
◆割合が増えている転職理由は?
前述の通り、トップは3年連続で「会社の将来性が不安」でしたが、前回調査に比べ1.9ポイント減少しています。
逆に、「他にやりたい仕事がある」「給与に不満がある」「残業が多い・休日が少ない」「業界の先行きが不安」と回答した人の割合は増えています。
◆業種別に見るとどうか
業種別に見てみると、「IT・通信・インターネット」では、「専門知識・技術を習得したい」が、全体の平均値を2.6ポイント上回る8.5%でした。また、「幅広い経験を積みたい」や「市場価値を上げたい」なども高い割合の回答率です。つまり、他の業種に比べて、スキルアップを志向する社員の方が多いようです。
また、「メーカー」では、「U・Iターンしたい」が他業種に比べ多くありました。これは、「都心から離れた工場勤務の人が多いためではないか」と分析されています。
そして、「メディカル」では、「業界の先行きが不安」、「金融」では「顧客のためになる仕事がしたい」、「メディア」では「残業が多い・休日が少ない」と回答した割合が他業種に比べて多くなっています。
健康寿命を延ばすための
「スマート・ライフ・プロジェクト」とは?
◆今年2月にスタート
厚生労働省は、今年2月に、「Smart Life Project(スマート・ライフ・プロジェクト)」を開始すると発表しました。
このプロジェクトは、「より多くの国民の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばすこと」を目的としているそうです。果たしてどのようなプロジェクトなのでしょうか。
◆プロジェクト開始の背景
厚生労働省によれば、「世界有数の長寿国となったわが国が、今後めざすべき方向は、単なる長寿ではなく『健康寿命(=日常的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間)』を延ばすことにある」とのことです。
そこで、政策の重点を「予防」へと移し、国民の健康寿命を延ばすため、主に生活習慣病の予防を目的とした「すこやか生活習慣国民運動」を平成20年度から実施し、「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」を推進してきました。
◆プロジェクトの概要
上記の「すこやか生活習慣国民運動」をさらに普及、発展させるため、 幅広い企業連携を主体とした取組みとして立ち上げられたのが、この「スマート・ライフ・プロジェクト」なのです。
厚生労働省では、本プロジェクトにおいて「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」の取組みを推進するため、プロジェクトのネーミングとロゴを作成し、今後、企業・団体と連携しながら、統一したメッセージを発信していくとしています。
◆具体的な活動内容は?
具体的な活動としては、公式WEBサイト(http://www.smartlife.go.jp)がすでに開設され、プロジェクトの趣旨に賛同する企業・団体に、その社員や職員の健康意識向上につながる啓発活動を行ってもらい、また、企業活動を通じて、より多くの人々の健康づくりの意識を高め、行動を変えるよう働きかけてもらうそうです。
すでに、100を超える民間企業・団体(社団法人、財団法人、NPO法人、健康保険組合等)・社労士事務所などが登録を行っているようです。積極的に「社員の健康づくり」に取り組みたいという企業の方は、ぜひ登録してみてはいかがでしょうか。
これからどうなる?
年金の「第3号被保険者不整合記録問題」
◆問題発生の経緯
サラリーマン(第2号被保険者)の被扶養配偶者である「第3号被保険者」(専業主婦など)について、本来必要とされる「第1号被保険者」への変更届出を行わなかったために、自分の年金記録と実態との間に“不整合”を生じている方が非常に多く(数十万人、場合によっては数百万人)発生している可能性があると推計されています。
これらの方への対応については、いったんは厚生労働省から「運用3号」と言われる特例通知が出されましたが、マスコミ報道でも大きく取り上げられた通り、「不公平である」「正直者がバカを見る」と批判され、この通知は廃止されました。
◆厚生労働省に特別部会設置
この問題を抜本的に解決するため、厚生労働省に特別部会が設けられ、現在、解決の方策が話し合われています。
果たして、国民が納得するような“抜本的な解決”を図ることができるのか、まだまだ不透明だと言えますが、現在、法律改正(国民年金法の改正)を目指す方向で動いているようです。
◆法改正案の内容は?
現在検討されている法改正案の主な内容は、次の通りです。
(1)受給資格期間の特例創設(いわゆる「カラ期間」の導入)
(2)カラ期間となった期間への特例追納の実施
(3)特例追納における分割納付、追納保険料の設定
◆納得できる制度改正を
ただでさえ「難しい」「複雑すぎる」と言われる年金制度ですが、保険料をきちんと支払った人が納得できるような制度改正が行われることが望まれています。
個人事業主と「労働組合法における労働者」
◆相次いで出された判決
先日、「労働組合法における労働者」に該当するか否かをめぐる注目すべき判決が相次いで出されましたので、以下にご紹介します。
◆業務委託契約・出演契約の性質
1つは、「住宅設備のメンテナンス会社と業務委託契約を結ぶ個人事業主」に関するもの、もう1つは「劇場側と出演契約を結ぶ音楽家」に関するものでしたが、最高裁判所は、個人として働く人の権利を重視して、いずれについても「労働者に該当する」との判断を示しました。
いずれの訴訟でも、一審・二審では、「労働組合法における労働者」とは認められていませんでした。
◆「労働組合法における労働者」とは?
一般に、「労働組合法における労働者」とは、賃金・給料等の収入を得て生活する人のことを言います。
そして、「労働組合法における労働者」であると認められれば、憲法で保障する「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」の3つの権利が認められ、非常に大きな意味を持ちます。
例えば、「団体交渉権」が認められれば、労働組合が使用者と交渉することができ、使用者が正当な理由なく労働組合代表者との交渉を拒んでしまえば、いわゆる「不当労働行為」に該当することとされてしまいます。
◆今後、企業が注意すべき点は?
企業が経費削減等の理由から外注化を進めていることにより、個人事業主が増えている状況において、今回の判決が、上記のような個人事業主と音楽家が「労働組合法における労働者」に該当すると認めたことには、大きな意味を持ちます。
もちろん、裁判となった事件にはそれぞれ異なる背景・経緯がありますが、今後、同様の働き方をしている人、会社と業務委託契約を結んで働いている技術者やドライバーなどが「労働組合法における労働者」と認められる可能性はあると言えます。
今後、企業においては、業務委託契約を結ぶ等する際には、上記の裁判例を参考に、慎重を期する必要があると言えるでしょう。
4月からの社会保険関係の制度改正
◆「協会けんぽの保険料率」の改定
協会けんぽにおける保険料率が、平成23年4月給与天引き分から、全国平均で9.50%(従来は9.34%)に引き上げられています。
保険料率の高い順にならべると次の通りです。最も高いのは、北海道、佐賀県の「9.60%」、最も低いのは「長野県」の9.39%となっています。
・9.60%:北海道、佐賀県
・9.58%:福岡県
・9.57%:香川県、大分県
・9.56%:大阪府、徳島県
・9.55%:岡山県、高知県、熊本県
・9.54%:秋田県、山口県
・9.53%:広島県、長崎県
・9.52%:石川県、兵庫県、奈良県
・9.51%:青森県、和歌山県、島根県、愛媛県、鹿児島県
・9.50%:宮城県、福井県、岐阜県、京都府、宮崎県
・9.49%:神奈川県、沖縄県
・9.48%:東京都、愛知県、三重県、滋賀県、鳥取県
・9.47%:福島県、栃木県、群馬県
・9.46%:山梨県
・9.45%:岩手県、山形県、埼玉県
・9.44%:茨城県、千葉県、富山県
・9.43%:新潟県、静岡県
・9.39%:長野県
◆「出産育児一時金制度」の見直し
出産育児一時金の支給額は、引き続き「原則42万円」となっていますが、直接支払制度を継続したうえで、小規模施設などでは「受取代理」(妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給される)が制度化され、窓口での負担軽減が図られています。
◆在職老齢年金の支給停止基準額の改定
在職老齢年金の支給停止の基準額について、「47万円」が「46万円」に改定されました。
なお、支給停止の基準額は、賃金の変動などに応じて自動的に改定される仕組みとなっており、平成23年度については、平成22年の名目賃金の下落(マイナス2.0%)により、「47万円」が「46万円」に引き下げられました。
大震災発生に伴う人事・労務への影響
◆東京経営者協会による緊急調査
東京経営者協会では、東日本大震災などの発生を受け、3月23日~28日に「東北地方太平洋沖地震による人事・労務への影響に関する緊急アンケート」(同協会の会員企業110社が回答)を実施し、3月31日にその結果が発表しました。
企業の人事・労務においても、多大なる影響が出ています。
◆ほとんどの企業が「影響あり」
まず、今回の大震災で「影響を受けた」と回答した企業は94.5%に上りました。
影響を受けた内容としては、多い順に「直接の被災または間接的な原因のため操業・営業時間の短縮、または操業・営業規模の縮小」(57.7%)、「直接の被災または間接的な原因のため操業・営業停止」(28.8%)、「直接の被災により操業・営業が不能」(19.2%)となりました。
なお、上記の「間接的な原因」とは、取引先・納入先の被災、計画停電等のことを指しています。
◆勤務体制への影響
次に、従業員に対し勤務体制等何らかの措置を「講じた」と回答した企業は93.3%でした。そのうち、77.3%が「時差通勤(遅い出勤、早帰り)を認めた」、75.3%が「自宅待機をさせた」としています。
そして、「自宅待機をさせた」企業のうち80.8%が、「給与を減額せず100パーセント支給した」としています。
◆直接的・間接的な影響
その他、入社式の縮小・延期・中止や、採用活動の延期などのニュースも新聞・テレビ等で報じられています。また、震災の影響は、人事・労務の分野にとどまりません。
被災された地域の企業等においては、「影響を受けた」というレベルで語れる状況でないことは言うまでもありませんが、間接的な影響を受けた企業も非常に多いことが、上記の調査結果からも明らかになったと言えます。
被災者の就労支援・雇用創出と雇用調整助成金
◆プロジェクト第1段階
東日本大震災などの発生を受け、政府が設置した「被災者等 就労支援・雇用創出推進会議」は、被災者の就労支援、雇用創出を促進するため、「『日本はひとつ』しごとプロジェクト」第1段階(フェーズ1)を発表しました。
まずは、復旧事業などによる被災者への就労機会の創出や被災地企業・資財の活用、希望する被災者が被災地以外の地域で就労可能とすることなどを実施する考えです。
◆主な施策内容
(1)ハローワークを活用した被災者向けの求人確保ときめ細かな就職支援
(2)雇用調整助成金制度の拡充
(3)3年以内の既卒者を採用する企業への奨励金(被災地に居住する方を採用した場合120万円を支給(従来は100万円))をはじめとする助成金の拡充
(4)震災被害者への失業手当の特例支給
(5)地域障害者職業センターにおける障害者の雇用継続のための特別相談の実施等
◆雇用調整助成金の拡充
上記(2)の雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員を一時的に休業などさせた場合に、休業手当相当額の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。
震災被害に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合、この雇用調整助成金が利用でき、さらに、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、長野県、新潟県の9県のうち、災害救助法適用地域にある事業所については、次の(A)~(C)の通り、支給要件が緩和されます。
(A)今回の地震に伴う「経済上の理由」により、最近1か月の生産量、売上高などがその直前の1か月、または前年同期と比べ5%以上減少していれば対象となる。
(B)平成23年6月16日までの間については、災害後1か月の生産量、売上高などがその直前の1か月、または前年同期と比べ5%以上減少する見込みである事業所も対象となる。
(C)平成23年6月16日までの間に提出された「計画届」については、事前に届け出たものとして取り扱う。
◆その他の特例適用
なお、「9県の特例対象地域に所在する事業所などと総事業量の3分の1以上の経済的関係(取引関係)がある事業所の事業主」と「計画停電の実施地域に所在し、計画停電により事業活動が縮小した事業主」については、上記の(A)(B)が適用されます。
国民健康保険加入者の高齢者割合が上昇
◆厚生労働省の調査結果
厚生労働省の調査によると、自営業者や退職後の年金生活者などが加入する「国民健康保険」の加入者のうち、高齢者(65~74歳)の割合が2020年度に37%と4割に迫る見通しだそうです。
2009年度は31%でしたが、1947~1949年生まれのいわゆる「団塊の世代」の加入が相次ぎ、高齢者の占める割合が過去最高となるようです。
◆国民健康保険とは?
国民健康保険は、市町村が運営する健康保険制度で、加入者は約3,600万人です。もともとは自営業者や農家のための健康保険でしたが、最近では年金生活者やフリーターなどの無職者の加入割合が4割近くとなっています。
2008年4月に「後期高齢者医療制度」(75歳以上が加入)が導入され、75歳以上の国民健康保険加入者がそちらに移ったため、医療費の支出が減り、国保の財政は一時的に好転しました。
しかし、今後は団塊世代の加入で再び財政悪化が心配されています。
◆約5割の国民健康保険は赤字
健康保険制度には、65~74歳の人の加入が集中することにより国民健康保険の財政が悪化することを防止するため、健康保険組合など他の健康保険と医療費の負担を調整する仕組みがあります。
ただし、所得が少ない高齢者の割合が増えれば、国民健康保険の保険料収入が目減りし、財政は次第に厳しくなる可能性が高まります。
◆苦境に陥る市町村
厚生労働省では、国民健康保険の運営が厳しくなると考え、改善策を検討しています。その1つが2014年3月以降に予定されている、新しい高齢者医療制度の導入です。運営主体を市町村から都道府県に広げることで、財政基盤の安定化を狙っています。
もう1つが70~74歳が病院窓口で支払う医療費の負担割合を、「原則1割」から2013年度以降は段階的に「原則2割」に引き上げるというものです。
財政運営が行き詰る市町村が続出する心配が増える中、政府は早急に抜本的改革に取り組む必要があります。
災害発生時に活用できる公的支援制度
◆生活を支え、暮らしを立て直すために
今回のような大震災・大災害が発生した場合、被災者の生活を支え、少しでも早く暮らしを立て直すために、様々な公的支援制度を活用することが考えられます。
公的支援を受けるためには申請が必要となるため、知らないと活用できないままになってしまいます。被災地以外の方も、いざというときのために頭に入れておきたいものです。
◆「生活資金」と「住宅再建」
被災してまず困ることとして、生活資金の工面が挙げられますが、生活資金を国が無利子で貸してくれる「生活福祉資金(緊急小口資金)」を利用することができます。
本来は低所得者向けの制度ですが、今回の大震災に伴う特例で、被災者は、所得に関係なく原則として10万円以内(世帯内に死亡者や要介護者がいる場合等は20万円)まで融資が受けられるようになりました。
また、災害が起こった際に重要な問題となるのは住宅再建です。阪神・淡路大震災を契機に作られた「被災者生活再建支援制度」では、住宅の被害状況や再建方法に応じて、最大で300万円まで支給されます。
◆社会保険制度の活用も
その他、社会保険制度の活用も重要です。健康保険では、怪我などで働けない場合に最長1年6カ月間、傷病手当金として収入の3分の2が支給されます。地震に伴う怪我なども対象となり、また、要件を満たせば遺族年金や障害年金などの支給対象にもなります。
業務中・通勤中の怪我などが対象の労災保険は、原則として自己負担なしで治療が受け続けられるなど、補償が手厚い制度です。ただし、業務との因果関係が必要なため、「地震が原因であれば対象外」と思われがちですが、仕事中に地震による建物倒壊などで被災した場合も、仕事の環境がもともと危険だったとして労災が適用された事例が過去に多くあります。
◆労災保険に関するQ&A
厚生労働省は、「仕事中に地震や津波に遭い、ケガをされた(死亡された)場合には、通常、業務災害として労災保険給付を受けることができます」などとする労災保険に関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000169r3.html)を発表し、また、労災認定を行う都道府県の労働局に対し「天変地異による災害なら業務起因性がないといった予断をもたないように」といった注意を促しています。
公的支援制度も、被災直後の当事者は考える余地がないことが多いので、周りの方が制度を理解したうえで、アドバイスしてあげることも必要です。
2011/04/01
4月の事務所便り
会社は女性社員に何を求めているか?
◆女性社員育成推進のための調査結果
日本生産性本部が行った「コア人材としての女性社員育成に関する調査」の結果が2月中旬に発表されました。
この調査の目的は、「女性社員の育成への取り組み状況や効果的な施策を明らかにし、女性社員育成への取り組みを一層推進していくため」とされています。
◆企業が求める「コア人材」としての女性社員の能力
発表された調査結果によれば、企業が女性社員にコア人材として成長していくために高めてほしい能力は、上位から「リーダーシップ力・指導力」(68.0%)、「目標を設定して実現する行動力・変革力」(54.8%)、「組織マネジメントに関する知識」(49.3%)、「内部及び外部に対する交渉力」(48.9%)となっています。
なお、3年前と比較して、課長(相当職)以上の女性が増加した企業の割合は56.0%となっています。
◆女性はどこまでの役職を望んでいるか?
一方の働く女性は、どのようなことを考えているのでしょうか。
人事総合ソリューションのレジェンダ・コーポレーションでは、2010年4月入社の新社会人を対象に実施した意識調査の結果を発表しました。
将来希望する役職について尋ねたところ、課長以上の役職を望むと回答した人は男性が約9割(89.3%)、女性が約4割(41.5%)で、2割以上もの差があることがわかりました。
具体的には、女性では「部長になりたい」が18.9%(男性は34.8%)、「課長になりたい」が17.6%(男性は15.7%)、「部長・課長などへ出社したくない」が39.6%(男性は7.6%)「アシスタントでよい」が18.9%(男性は3.1%)でした。
◆はたらく女性が興味のある資格は?
また、カウネットが発表した「はたらく女性の資格に関する意識調査」の結果によれば、資格への興味が「ある」と答えた女性は約9割(89.3%)でした。
はたらく女性が興味のある資格については、「アロマテラピー検定・アロマコーディネーター」(15.5%)、「野菜ソムリエ」(15.3%)、「パソコン検定」(14.0%)が上位を占めています。
初めて公表された「会社に関する国勢調査」
◆初めての調査結果を公表
総務省では、“会社版の国勢調査”といえる「経済センサス基礎調査」の結果を公表しました。同省がこの調査を行って公表したのは初めてのことです。
今後は、5年に1度、事業所数、従業員数、業種、所在地などに関する調査を継続していくとのことです。
◆事業所数は約604万カ所、従業員数は約6,293万人
この調査によれば、国内の総事業所数は604万4,549カ所、従業員数は6,293万1,350人でした(2009年7月1日現在)。
◆「卸売業・小売業」が事業所・従業員ともに最多
事業所数の産業別割合では、全体の4分の1を占めた「卸売業・小売業」(25.7%)が最多で、「宿泊業・飲食サービス業」(12.9%)、「建設業」(9.7%)の順で続いています。
従業員数の割合では、「卸売業・小売業」(20.2%)が最多で、「製造業」(15.7%)、「医療・福祉」(10.2%)が続きました。
◆女性の割合、正社員の割合が多い業種は?
従業員数を男女別に見てみると、女性の割合が多い業種は「医療・福祉」(74%)、「宿泊業・飲食サービス業」(60%)という結果でした。
社員に占める正社員の割合が多い業種は、上位から「電気・ガス・熱供給・水道業」(91%)、「製造業」(77%)、「建設業」(77%)で、逆に正社員の割合が少ない業種は「宿泊・飲食サービス業」(23%)、「生活関連サービス・娯楽業」(45%)でした。
仕事にも多大な影響を与える花粉症
◆約半数の人が花粉症
現在、非常に猛威を奮っている花粉症ですが、日本経済新聞が調査会社(マイボイスコム)を通じて行った「花粉症」に関する調査(20~60歳代の男女1,000人が対象)の結果によれば、花粉症に「かかったことがある」人は47%、「かかったことがない」人は53%とのことです。
花粉症にかかっている人のうち、約半数の人は「10年以上前から」花粉症の症状があるとのことです。
◆花粉症への対策は?
花粉症について「治療・予防の対策をしているか」という質問では、「している」と回答した人が76%、「していない」と回答した人が24%でした。対策費用としては「1,000円以上5,000円未満」の人が最多(51%)でした。
花粉症の人がこれまでに行ったことのある治療・予防の対策(複数回答)については、上位から多い順に「マスクをする」(74%)、「市販の薬を使う」(57%)、「うがいをする」(54%)、「通院する」(51%)との結果でした。
ただ、30歳代男性で「何も対策をしていない」と回答した人は30%以上もいました。
◆花粉症で何が困るか?
「花粉症にかかって何が困るか」という質問(複数回答)に対しては、以下の回答結果となりました。
(1)仕事に身が入らない(61%)
(2)イライラする(43%)
(3)気分がふさぐ(41%)
(4)疲れやすくなる(33%)
(5)睡眠不足になる(28%)
◆企業の生産活動にも大きな影響
上記の結果から見ると、もはや「たかが花粉症」とは言えず、花粉症患者の仕事のパフォーマンスが落ちることは、企業にとっても大きな損失と言えるでしょう。
長時間労働を防止する「勤務間インターバル制度」
◆どのような制度なのか?
大手企業を中心として、「勤務間インターバル制度」を導入する動きが広がっているそうです。あまり聞きなれない制度ですが、導入するとどのような効果があるのでしょうか。
◆EUが先駆的に導入
この「勤務間インターバル制度」は、「勤務間インターバル規制」とも言われるもので、従業員の方の仕事が終わってから次に仕事を始めるまでに、一定の休息を義務付ける制度のことです。
欧州連合(EU)では、この制度を先駆的に導入しています。具体的には、加盟国が法制化しており、加盟国の法律の基礎を定めた「EU労働時間指令」(1993年制定)により、「最低11時間の休息」を定めています。
これに従えば、原則として1日13時間以上は働くことができず、「週労働時間78時間以下(残業を含む)」と義務付けることになり、必然的に定時後の残業に規制がかかり、過度な長時間労働を防止する仕組みです。
◆日本での導入状況は?
日本でも、三菱重工業の労働組合が、今年の春闘において製造業としては初めて経営側に要求しており、NTTグループでも労使協議を始めているそうです。その他にも、大企業を中心として導入に前向きな企業が増えているそうです。
三菱重工業の労働組合では、「従業員がきちんと休息を取って健康が確保されれば、必ず生産活動にプラスになる」と主張しており、会社側も「長時間労働抑制、健康管理に寄与する制度としての要求として受け止めている」と話しています。
◆本格的に取り組む企業が増加するか
夜間・休日の仕事が多くなる通信工事の会社などでも、労使合意に基づく制度化が進んでいるようであり、今後、本格的に取り組む企業が増えていきそうです。
自治体が実施する「婚活」が大人気
◆「婚活パーティー」が苦手な人にも
最近、自治体が行っている「婚活」支援が人気を呼んでいます。
希望の相手がいれば一対一のお見合いを設定する仕組みなどで、大人数のパーティーに抵抗を感じる人や、費用の安さに注目した人の登録が目立っているようです。
◆対象者は在住者・在勤者
兵庫県の「縁結びプロジェクト」では、県から委託を受けた公益財団法人が実施しており、県内在住者または在勤者を対象としています。
登録の際には、本籍地の自治体が発行する「独身証明書」などの書類のほか、プロフィールや顔写真の提出が必要となり、申込書には、相手に求める年齢、年収、学歴などの条件を記入します。
会員は県内10カ所の「出会いサポートセンター」で申込書のファイルを閲覧することができ、希望する相手がいれば、直接会いたい旨を同センターに伝えるという仕組みです。
◆費用の安さと信頼性が魅力
こうした自治体による「婚活」支援制度の人気の高さには理由があります。費用の安さと信頼性の高さです。
民間の結婚相談所を利用した場合、初期費用や月会費の負担が10万円以上となることが多くありますが、「縁結びプロジェクト」では、登録料の3,000円だけしかかかりません。
また、個人情報を保護するため、お互いの同意がない限り、住所や電話番号などが開示されることはありません。
◆親向けのお見合いも
奈良県でも婚活支援が行われています。「なら出会いセンター」では、「結婚応援団」と銘打ち、2005年7月以降、出会いの場を提供するイベントなどを約1,500回も実施しているそうです。これまで交際に発展したカップルは6,100組以上で、報告があったケースだけでも169組の夫婦が誕生しているそうです。
自治体がこうした活動を積極的に支援することで、晩婚化や少子高齢化を緩和させるきっかけになるのではと期待されています。
「公益通報者保護法」の実効性は?
◆「公益通報者保護法」とは?
公益通報者保護法は、企業の不祥事が相次いで明らかになったことを受け、法令違反行為を労働者が通報した場合に、解雇等の不利益な取扱いから保護し、また、事業者のコンプライアンス経営を強化することを目的として、平成18年4月に施行されました。
しかし、現在、この法律の実効性を疑問視する声が上がっています。消費者庁が実施した調査でも労働者の6割強が同法を「知らない」と答えるなど、課題は山積です。
◆保護の対象となる通報内容
同法では、保護の対象となる通報内容を特定の法律(会社法や食品衛生法など433種類の法令)に違反した場合に限定しています。
しかし、専門家からは「法律家でも難しい法令違反の判断を、一般の通報者に求めるのは無理がある」との指摘があります。
◆制度スタート後の実態
消費者庁が昨年10月に行った公益通報者保護制度に関する調査においては、制度を導入している2,604事業者のうち、約44%が過去1年間に通報件数がゼロだったと回答しています。
また、労働者(約3,000人)を対象とした調査では、約半数の人が「会社の不法行為を知っても通報しない」などと答え、その理由を「解雇や不利益な取扱いを受けるおそれがある」ためとしています。
◆内部告発サイトが問題に
一方、企業は、内部通報制度整備の重要性を認識し始めています。内部通報窓口を設置する以外にも、外部の法律事務所に相談窓口を設けるなど、新たな対策を講じている企業も出てきました。
最近では、インターネットの掲示板に比べて匿名性が高い「内部告発サイト」を通じた匿名の告発や暴露が増えています。こうした動きは今後も増える可能性が高いとされており、内部通報制度が有効に機能しなければ、重大な企業の情報がネット上に流れる危険性があると言われています。
「天引き貯蓄」制度を有効活用
◆資産形成の王道!
住宅購入や老後の準備などのため、将来を考えると様々なお金の準備が必要となります。そこでおススメなのが「天引き貯蓄」制度です。
毎月の給料が支給される段階で貯蓄額が自動的に差し引かれるため、「資産形成の王道」とも言われています。
◆3種類の財形貯蓄制度
天引き貯蓄の筆頭格は、厚生労働省が所管する「財形貯蓄制度」です。同省の調査によれば、社員数1,000人以上の大企業の約8割が従業員向けに実施しているということです。
財形貯蓄には「一般財形貯蓄(一般財形)」、「財形住宅貯蓄(住宅財形)」、「財形年金貯蓄(年金財形)」の3種類があります。預け先は、勤務先企業が契約する銀行の定期預金が一般的ですが、投資信託や生命保険などを選べる場合もあります。
◆それぞれにメリット
「一般財形」は3年以上積み立てることが条件ですが、開始から1年経てば目的を問わず引き出すことが可能です。ただし、預け先の銀行ATMから引き出せるわけではなく、会社での手続きが必要です。
一方、「住宅財形」と「年金財形」はそれぞれ「住宅資金」「老後資金」と目的がはっきりしています。原則として5年以上積み立てれば、利息などが非課税となる特典があります。
しかし、目的以外の理由で引き出すと、引き出しが行われた月から遡って5年間に生じた利息のすべてが20%の課税となるため注意が必要です。
◆独自の融資制度の利用も
財形貯蓄をすると、独自の融資制度を利用することも可能で、財形住宅融資(財形持家融資)では購入の他、増改築やリフォーム資金を借りることができます。返済期間は最長35年、金利は5年固定で、今年2月時点では年1.5%と、民間銀行より低い金利となっています。また、形式上は勤務先の社内融資になるため、年収などが融資審査で重視されず、銀行の住宅ローンは借りられなくても、財形融資は借りられる可能性があります。
医療分野・介護分野の生産性が低迷
◆全産業平均の約6割止まり
成長分野として期待されている医療・介護サービスの生産性は、全産業平均の約6割にとどまり、非常に低迷しているようです。
医療・介護サービスの需要は今後ますます拡大し、成長産業としての期待も高まりますが、生産性が低いままでは問題が多いものと思われます。
◆「生産性」とは何か?
ここでいう「生産性」とは、働く人1人が生み出す付加価値額(あるいは生産量をあらわす労働生産性)を指します。
労働者に備わった技術や知識、設備の効率性などによって変化し、中長期的にみると賃金はほぼ生産性に比例します。経済成長率も、長期的には生産性の伸びによって決まるとされています。
◆伸び悩む医療・介護産業
総務省の調査をみると、社会福祉・介護業の従業員1人当たりの売上高は年362万円、医療は876万円となり、サービス産業平均の1,083万円を下回っています。
その理由として、参入障壁があり事業者間の競争が乏しく、生産性を高めようとする動機づけが働きにくい点、福祉サービスの料金は公定価格が基本で、サービスの差が生まれにくい点が挙げられます。
福祉分野で働く人は、ここ5年で約100万人も増え、労働者全体の1割を超えました。しかし1人当たりの名目賃金は、2000年からの10年間で16.6%も下がっています。
◆「規制緩和」がカギになるか
このような状況を打破するため参考になると言われるのが、イギリスなどの例です。イギリスでは、財政支援などで政府が関与しながら、病院や施設同士の競争を促し、生産性を高める制度が試みられています。
患者や高齢者が多様な選択肢から医療や介護施設を自由に選ぶと、サービスの質が高く、早く退院できる施設を選ぶようになるため、財政支出の抑制にもなります。
年金保険料「免除・猶予制度」の活用
◆保険料の納付率は過去最低に
2009年度における国民年金保険料の納付率が59.8%と、過去最低となりました。
保険料を納めないと、将来受け取れる年金が減ったりまったく受け取れなくなったりすることから、こうした事態を避けるための制度を知ることが必要です。
◆滞納者は増加傾向に
国民年金は、すべての国民が加入することが義務付けられた年金制度であるにもかかわらず、滞納者は増加傾向にあります。これは年金制度への「不信感」や「不安感」が増したことに加え、正社員と比べ所得の低いパートタイム労働者が増えたことも一因とされています。
また、大学生の就職内定率が改善されなければ、パート社員やアルバイトとして働く若者が増え、未納者はますます増える可能性があります。
◆将来確実に受け取るために
「所得が少なくなった」という理由で国民年金保険料を納められなくなった人には、免除や猶予の制度が設けられています。
年齢に関係なく所得の低い人が利用でき、免除額が所得基準に応じて変わる「免除制度」、そして、20歳以上の学生が利用できる「学生納付特例制度」、2005年4月に10年間の時限措置として導入され30歳未満の若者を対象とした「若年者納付猶予制度」です。
これらの制度には、所得基準などが設けられているため、利用するには自分が対象となり得るかの確認が必要です。
◆書類1枚で大きな差が
免除や猶予の制度を利用する利点は2つです。
1つは障害年金や遺族年金の受給資格期間に算入されるという点です。例えば、全額免除を受けていれば、ケガや病気で障害者になったり、死亡したりした場合でも、障害年金を本人が受け取れたり、残された配偶者や子供が遺族年金を受け取れたりします。
もう1つは、老齢年金の受給資格期間に算入されるという点です。老齢年金は国民年金に原則25年間加入していないと受給できません。未納状態が長く続いて受給資格期間が不足している人は将来年金を受け取れなくなりますので、免除や猶予の制度を利用して、保険料未納期間をなくすことが必要です。
人は何のために働いているのか?
◆800人のビジネスパーソンを対象に調査
株式会社インテージから、「ビジネスパーソン意識調査」(仕事に対する意識調査)の結果が発表されています。
この調査は、今年2月上旬に関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の20~59歳のビジネスパーソン男女800名を対象として行われました。
◆何のために働いているか?
まず、「あなたは、何のために働いているか」との質問では、回答の1位が「生活のため」(89.6%)、2位が「お金を稼ぐため」(72.0%)、3位が「自分を成長させるため」(31.4%)、4位が「プライベートを充実させるため」(28.5%)、5位が「自己実現のため」(18.6%)でした。
◆今の仕事に満足しているか?
次に、「今の仕事に満足しているか」との質問では、「満足している」が10.6%、「やや満足している」が36.4%で、合わせて約半数の人が満足を感じているとの回答でした。
性別・年代別では、男性は40代、女性は30代と50代での満足度が高く、男性の20代は最も満足度が低い傾向がみられました。
◆転職したいと思っているか?
さらに、「今後、転職したいと思っているか」との質問では、「転職志向者」の合計(1年以内~いつかは転職したいの合計)は42.1%で、「今のところ転職するつもりはない」が49.4%でした。
性別・年代別にみると、「今のところ転職するつもりはない」が最も多いのは、女性の50代(72.0%)で、次いで男性の40代(57.0%)でした。
◆女性社員育成推進のための調査結果
日本生産性本部が行った「コア人材としての女性社員育成に関する調査」の結果が2月中旬に発表されました。
この調査の目的は、「女性社員の育成への取り組み状況や効果的な施策を明らかにし、女性社員育成への取り組みを一層推進していくため」とされています。
◆企業が求める「コア人材」としての女性社員の能力
発表された調査結果によれば、企業が女性社員にコア人材として成長していくために高めてほしい能力は、上位から「リーダーシップ力・指導力」(68.0%)、「目標を設定して実現する行動力・変革力」(54.8%)、「組織マネジメントに関する知識」(49.3%)、「内部及び外部に対する交渉力」(48.9%)となっています。
なお、3年前と比較して、課長(相当職)以上の女性が増加した企業の割合は56.0%となっています。
◆女性はどこまでの役職を望んでいるか?
一方の働く女性は、どのようなことを考えているのでしょうか。
人事総合ソリューションのレジェンダ・コーポレーションでは、2010年4月入社の新社会人を対象に実施した意識調査の結果を発表しました。
将来希望する役職について尋ねたところ、課長以上の役職を望むと回答した人は男性が約9割(89.3%)、女性が約4割(41.5%)で、2割以上もの差があることがわかりました。
具体的には、女性では「部長になりたい」が18.9%(男性は34.8%)、「課長になりたい」が17.6%(男性は15.7%)、「部長・課長などへ出社したくない」が39.6%(男性は7.6%)「アシスタントでよい」が18.9%(男性は3.1%)でした。
◆はたらく女性が興味のある資格は?
また、カウネットが発表した「はたらく女性の資格に関する意識調査」の結果によれば、資格への興味が「ある」と答えた女性は約9割(89.3%)でした。
はたらく女性が興味のある資格については、「アロマテラピー検定・アロマコーディネーター」(15.5%)、「野菜ソムリエ」(15.3%)、「パソコン検定」(14.0%)が上位を占めています。
初めて公表された「会社に関する国勢調査」
◆初めての調査結果を公表
総務省では、“会社版の国勢調査”といえる「経済センサス基礎調査」の結果を公表しました。同省がこの調査を行って公表したのは初めてのことです。
今後は、5年に1度、事業所数、従業員数、業種、所在地などに関する調査を継続していくとのことです。
◆事業所数は約604万カ所、従業員数は約6,293万人
この調査によれば、国内の総事業所数は604万4,549カ所、従業員数は6,293万1,350人でした(2009年7月1日現在)。
◆「卸売業・小売業」が事業所・従業員ともに最多
事業所数の産業別割合では、全体の4分の1を占めた「卸売業・小売業」(25.7%)が最多で、「宿泊業・飲食サービス業」(12.9%)、「建設業」(9.7%)の順で続いています。
従業員数の割合では、「卸売業・小売業」(20.2%)が最多で、「製造業」(15.7%)、「医療・福祉」(10.2%)が続きました。
◆女性の割合、正社員の割合が多い業種は?
従業員数を男女別に見てみると、女性の割合が多い業種は「医療・福祉」(74%)、「宿泊業・飲食サービス業」(60%)という結果でした。
社員に占める正社員の割合が多い業種は、上位から「電気・ガス・熱供給・水道業」(91%)、「製造業」(77%)、「建設業」(77%)で、逆に正社員の割合が少ない業種は「宿泊・飲食サービス業」(23%)、「生活関連サービス・娯楽業」(45%)でした。
仕事にも多大な影響を与える花粉症
◆約半数の人が花粉症
現在、非常に猛威を奮っている花粉症ですが、日本経済新聞が調査会社(マイボイスコム)を通じて行った「花粉症」に関する調査(20~60歳代の男女1,000人が対象)の結果によれば、花粉症に「かかったことがある」人は47%、「かかったことがない」人は53%とのことです。
花粉症にかかっている人のうち、約半数の人は「10年以上前から」花粉症の症状があるとのことです。
◆花粉症への対策は?
花粉症について「治療・予防の対策をしているか」という質問では、「している」と回答した人が76%、「していない」と回答した人が24%でした。対策費用としては「1,000円以上5,000円未満」の人が最多(51%)でした。
花粉症の人がこれまでに行ったことのある治療・予防の対策(複数回答)については、上位から多い順に「マスクをする」(74%)、「市販の薬を使う」(57%)、「うがいをする」(54%)、「通院する」(51%)との結果でした。
ただ、30歳代男性で「何も対策をしていない」と回答した人は30%以上もいました。
◆花粉症で何が困るか?
「花粉症にかかって何が困るか」という質問(複数回答)に対しては、以下の回答結果となりました。
(1)仕事に身が入らない(61%)
(2)イライラする(43%)
(3)気分がふさぐ(41%)
(4)疲れやすくなる(33%)
(5)睡眠不足になる(28%)
◆企業の生産活動にも大きな影響
上記の結果から見ると、もはや「たかが花粉症」とは言えず、花粉症患者の仕事のパフォーマンスが落ちることは、企業にとっても大きな損失と言えるでしょう。
長時間労働を防止する「勤務間インターバル制度」
◆どのような制度なのか?
大手企業を中心として、「勤務間インターバル制度」を導入する動きが広がっているそうです。あまり聞きなれない制度ですが、導入するとどのような効果があるのでしょうか。
◆EUが先駆的に導入
この「勤務間インターバル制度」は、「勤務間インターバル規制」とも言われるもので、従業員の方の仕事が終わってから次に仕事を始めるまでに、一定の休息を義務付ける制度のことです。
欧州連合(EU)では、この制度を先駆的に導入しています。具体的には、加盟国が法制化しており、加盟国の法律の基礎を定めた「EU労働時間指令」(1993年制定)により、「最低11時間の休息」を定めています。
これに従えば、原則として1日13時間以上は働くことができず、「週労働時間78時間以下(残業を含む)」と義務付けることになり、必然的に定時後の残業に規制がかかり、過度な長時間労働を防止する仕組みです。
◆日本での導入状況は?
日本でも、三菱重工業の労働組合が、今年の春闘において製造業としては初めて経営側に要求しており、NTTグループでも労使協議を始めているそうです。その他にも、大企業を中心として導入に前向きな企業が増えているそうです。
三菱重工業の労働組合では、「従業員がきちんと休息を取って健康が確保されれば、必ず生産活動にプラスになる」と主張しており、会社側も「長時間労働抑制、健康管理に寄与する制度としての要求として受け止めている」と話しています。
◆本格的に取り組む企業が増加するか
夜間・休日の仕事が多くなる通信工事の会社などでも、労使合意に基づく制度化が進んでいるようであり、今後、本格的に取り組む企業が増えていきそうです。
自治体が実施する「婚活」が大人気
◆「婚活パーティー」が苦手な人にも
最近、自治体が行っている「婚活」支援が人気を呼んでいます。
希望の相手がいれば一対一のお見合いを設定する仕組みなどで、大人数のパーティーに抵抗を感じる人や、費用の安さに注目した人の登録が目立っているようです。
◆対象者は在住者・在勤者
兵庫県の「縁結びプロジェクト」では、県から委託を受けた公益財団法人が実施しており、県内在住者または在勤者を対象としています。
登録の際には、本籍地の自治体が発行する「独身証明書」などの書類のほか、プロフィールや顔写真の提出が必要となり、申込書には、相手に求める年齢、年収、学歴などの条件を記入します。
会員は県内10カ所の「出会いサポートセンター」で申込書のファイルを閲覧することができ、希望する相手がいれば、直接会いたい旨を同センターに伝えるという仕組みです。
◆費用の安さと信頼性が魅力
こうした自治体による「婚活」支援制度の人気の高さには理由があります。費用の安さと信頼性の高さです。
民間の結婚相談所を利用した場合、初期費用や月会費の負担が10万円以上となることが多くありますが、「縁結びプロジェクト」では、登録料の3,000円だけしかかかりません。
また、個人情報を保護するため、お互いの同意がない限り、住所や電話番号などが開示されることはありません。
◆親向けのお見合いも
奈良県でも婚活支援が行われています。「なら出会いセンター」では、「結婚応援団」と銘打ち、2005年7月以降、出会いの場を提供するイベントなどを約1,500回も実施しているそうです。これまで交際に発展したカップルは6,100組以上で、報告があったケースだけでも169組の夫婦が誕生しているそうです。
自治体がこうした活動を積極的に支援することで、晩婚化や少子高齢化を緩和させるきっかけになるのではと期待されています。
「公益通報者保護法」の実効性は?
◆「公益通報者保護法」とは?
公益通報者保護法は、企業の不祥事が相次いで明らかになったことを受け、法令違反行為を労働者が通報した場合に、解雇等の不利益な取扱いから保護し、また、事業者のコンプライアンス経営を強化することを目的として、平成18年4月に施行されました。
しかし、現在、この法律の実効性を疑問視する声が上がっています。消費者庁が実施した調査でも労働者の6割強が同法を「知らない」と答えるなど、課題は山積です。
◆保護の対象となる通報内容
同法では、保護の対象となる通報内容を特定の法律(会社法や食品衛生法など433種類の法令)に違反した場合に限定しています。
しかし、専門家からは「法律家でも難しい法令違反の判断を、一般の通報者に求めるのは無理がある」との指摘があります。
◆制度スタート後の実態
消費者庁が昨年10月に行った公益通報者保護制度に関する調査においては、制度を導入している2,604事業者のうち、約44%が過去1年間に通報件数がゼロだったと回答しています。
また、労働者(約3,000人)を対象とした調査では、約半数の人が「会社の不法行為を知っても通報しない」などと答え、その理由を「解雇や不利益な取扱いを受けるおそれがある」ためとしています。
◆内部告発サイトが問題に
一方、企業は、内部通報制度整備の重要性を認識し始めています。内部通報窓口を設置する以外にも、外部の法律事務所に相談窓口を設けるなど、新たな対策を講じている企業も出てきました。
最近では、インターネットの掲示板に比べて匿名性が高い「内部告発サイト」を通じた匿名の告発や暴露が増えています。こうした動きは今後も増える可能性が高いとされており、内部通報制度が有効に機能しなければ、重大な企業の情報がネット上に流れる危険性があると言われています。
「天引き貯蓄」制度を有効活用
◆資産形成の王道!
住宅購入や老後の準備などのため、将来を考えると様々なお金の準備が必要となります。そこでおススメなのが「天引き貯蓄」制度です。
毎月の給料が支給される段階で貯蓄額が自動的に差し引かれるため、「資産形成の王道」とも言われています。
◆3種類の財形貯蓄制度
天引き貯蓄の筆頭格は、厚生労働省が所管する「財形貯蓄制度」です。同省の調査によれば、社員数1,000人以上の大企業の約8割が従業員向けに実施しているということです。
財形貯蓄には「一般財形貯蓄(一般財形)」、「財形住宅貯蓄(住宅財形)」、「財形年金貯蓄(年金財形)」の3種類があります。預け先は、勤務先企業が契約する銀行の定期預金が一般的ですが、投資信託や生命保険などを選べる場合もあります。
◆それぞれにメリット
「一般財形」は3年以上積み立てることが条件ですが、開始から1年経てば目的を問わず引き出すことが可能です。ただし、預け先の銀行ATMから引き出せるわけではなく、会社での手続きが必要です。
一方、「住宅財形」と「年金財形」はそれぞれ「住宅資金」「老後資金」と目的がはっきりしています。原則として5年以上積み立てれば、利息などが非課税となる特典があります。
しかし、目的以外の理由で引き出すと、引き出しが行われた月から遡って5年間に生じた利息のすべてが20%の課税となるため注意が必要です。
◆独自の融資制度の利用も
財形貯蓄をすると、独自の融資制度を利用することも可能で、財形住宅融資(財形持家融資)では購入の他、増改築やリフォーム資金を借りることができます。返済期間は最長35年、金利は5年固定で、今年2月時点では年1.5%と、民間銀行より低い金利となっています。また、形式上は勤務先の社内融資になるため、年収などが融資審査で重視されず、銀行の住宅ローンは借りられなくても、財形融資は借りられる可能性があります。
医療分野・介護分野の生産性が低迷
◆全産業平均の約6割止まり
成長分野として期待されている医療・介護サービスの生産性は、全産業平均の約6割にとどまり、非常に低迷しているようです。
医療・介護サービスの需要は今後ますます拡大し、成長産業としての期待も高まりますが、生産性が低いままでは問題が多いものと思われます。
◆「生産性」とは何か?
ここでいう「生産性」とは、働く人1人が生み出す付加価値額(あるいは生産量をあらわす労働生産性)を指します。
労働者に備わった技術や知識、設備の効率性などによって変化し、中長期的にみると賃金はほぼ生産性に比例します。経済成長率も、長期的には生産性の伸びによって決まるとされています。
◆伸び悩む医療・介護産業
総務省の調査をみると、社会福祉・介護業の従業員1人当たりの売上高は年362万円、医療は876万円となり、サービス産業平均の1,083万円を下回っています。
その理由として、参入障壁があり事業者間の競争が乏しく、生産性を高めようとする動機づけが働きにくい点、福祉サービスの料金は公定価格が基本で、サービスの差が生まれにくい点が挙げられます。
福祉分野で働く人は、ここ5年で約100万人も増え、労働者全体の1割を超えました。しかし1人当たりの名目賃金は、2000年からの10年間で16.6%も下がっています。
◆「規制緩和」がカギになるか
このような状況を打破するため参考になると言われるのが、イギリスなどの例です。イギリスでは、財政支援などで政府が関与しながら、病院や施設同士の競争を促し、生産性を高める制度が試みられています。
患者や高齢者が多様な選択肢から医療や介護施設を自由に選ぶと、サービスの質が高く、早く退院できる施設を選ぶようになるため、財政支出の抑制にもなります。
年金保険料「免除・猶予制度」の活用
◆保険料の納付率は過去最低に
2009年度における国民年金保険料の納付率が59.8%と、過去最低となりました。
保険料を納めないと、将来受け取れる年金が減ったりまったく受け取れなくなったりすることから、こうした事態を避けるための制度を知ることが必要です。
◆滞納者は増加傾向に
国民年金は、すべての国民が加入することが義務付けられた年金制度であるにもかかわらず、滞納者は増加傾向にあります。これは年金制度への「不信感」や「不安感」が増したことに加え、正社員と比べ所得の低いパートタイム労働者が増えたことも一因とされています。
また、大学生の就職内定率が改善されなければ、パート社員やアルバイトとして働く若者が増え、未納者はますます増える可能性があります。
◆将来確実に受け取るために
「所得が少なくなった」という理由で国民年金保険料を納められなくなった人には、免除や猶予の制度が設けられています。
年齢に関係なく所得の低い人が利用でき、免除額が所得基準に応じて変わる「免除制度」、そして、20歳以上の学生が利用できる「学生納付特例制度」、2005年4月に10年間の時限措置として導入され30歳未満の若者を対象とした「若年者納付猶予制度」です。
これらの制度には、所得基準などが設けられているため、利用するには自分が対象となり得るかの確認が必要です。
◆書類1枚で大きな差が
免除や猶予の制度を利用する利点は2つです。
1つは障害年金や遺族年金の受給資格期間に算入されるという点です。例えば、全額免除を受けていれば、ケガや病気で障害者になったり、死亡したりした場合でも、障害年金を本人が受け取れたり、残された配偶者や子供が遺族年金を受け取れたりします。
もう1つは、老齢年金の受給資格期間に算入されるという点です。老齢年金は国民年金に原則25年間加入していないと受給できません。未納状態が長く続いて受給資格期間が不足している人は将来年金を受け取れなくなりますので、免除や猶予の制度を利用して、保険料未納期間をなくすことが必要です。
人は何のために働いているのか?
◆800人のビジネスパーソンを対象に調査
株式会社インテージから、「ビジネスパーソン意識調査」(仕事に対する意識調査)の結果が発表されています。
この調査は、今年2月上旬に関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の20~59歳のビジネスパーソン男女800名を対象として行われました。
◆何のために働いているか?
まず、「あなたは、何のために働いているか」との質問では、回答の1位が「生活のため」(89.6%)、2位が「お金を稼ぐため」(72.0%)、3位が「自分を成長させるため」(31.4%)、4位が「プライベートを充実させるため」(28.5%)、5位が「自己実現のため」(18.6%)でした。
◆今の仕事に満足しているか?
次に、「今の仕事に満足しているか」との質問では、「満足している」が10.6%、「やや満足している」が36.4%で、合わせて約半数の人が満足を感じているとの回答でした。
性別・年代別では、男性は40代、女性は30代と50代での満足度が高く、男性の20代は最も満足度が低い傾向がみられました。
◆転職したいと思っているか?
さらに、「今後、転職したいと思っているか」との質問では、「転職志向者」の合計(1年以内~いつかは転職したいの合計)は42.1%で、「今のところ転職するつもりはない」が49.4%でした。
性別・年代別にみると、「今のところ転職するつもりはない」が最も多いのは、女性の50代(72.0%)で、次いで男性の40代(57.0%)でした。
2011/03/08
3月の事務所便り
学生が「行きたい会社」と「行きたくない会社」
◆1万人以上が回答
株式会社毎日コミュニケーションズでは、2012年卒業予定の学生を対象に実施した「大学生就職意識調査」の結果を発表しました。この調査は1979年から毎年実施されているものであり、今回は、全国の大学生・大学院生10,768名が回答しています。
この調査結果から、学生たちの就職に関する考え方、行きたい会社・行きたくない会社に関する本音が垣間見えます。採用活動の際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
◆学生たちの就職に対する考え方は?
学生の就職観についての質問では、上位から、「楽しく働きたい」(32.6%)、「個人の生活と仕事を両立させたい」(21.2%)、「人のためになる仕事をしたい」(17.5%)、「自分の夢のために働きたい」(11.0%)の順でした。
逆に、「出世したい」(1.1%)、「収入さえあればよい」(1.6%)、「社会に貢献したい」(6.3%)などの回答は少なくなっています。
◆どんな会社に行きたいか?
行きたい会社の規模に関する質問では、「大手企業志向」が41.4%(前年比5.6ポイント減)、「中堅・中小企業志向」が53.4%(同5.8ポイント増)となり、中堅・中小企業への就職を希望する人の割合が大幅に増えています。
また、就職企業選択の際のポイントに関する質問では、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(43.9%)、「安定している会社」(22.6%)、「働きがいのある会社」(22.0%)、「社風が良い会社」(17.2%)、「これから伸びそうな会社」(12.1%)が上位を占めました。
◆行きたくないのはどんな会社?
逆に、行きたくない会社に関する質問では、「暗い雰囲気の会社」(44.6%)、「ノルマのきつそうな会社」(32.7%)、「仕事の内容が面白くない会社」(22.4%)、「転勤の多い会社」(19.7%)、「休日・休暇がとれない(少ない)会社」(18.0%)の順に多くなっています。
外国人の新卒採用増加と海外赴任を望まない日本の若者
◆増える新卒採用の外国人
大手企業を中心に、新卒の外国人採用に力を入れる動きが目立ってきています。
IHIでは、すでにスタートしている韓国での新卒者の採用活動に加えて、イギリスでも、2011年の入社を対象とした会社説明会を始めており、NTTコミュニケーションズでは、2012年の春から、約20名(従来の2倍強)の新卒外国人を採用するとしています。
ソニーでは、中国やインドなどの学生を中心に、日本の新卒採用に占める外国人の割合を、2013年度をめどに全体の30%(従来の約2倍)にまで高めるとしています。また、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングでは、2012年に、なんと、新卒者の約8割にも相当する1,050人の外国人を採用する方針を打ち出しています。
◆海外事業の強化を見据えて
外国人採用増加の背景には、企業が、将来の海外事業の強化を見据え、国籍の区別に関係なく人材を採用し、その際の派遣要員として育成すること、企業のグローバル競争力を高めることなどがあります。
これらの採用企業の動きに対応して、リクルートマネジメントソリューションズでは、国内の8,000社が新卒採用の際に取り入れている「SPI2」(能力と性格の適正検査)について、英語版と中国版を開発したとのことです。
◆海外赴任を望まない日本人
最近は、「時差のある海外で忙しく働きたくない」「治安や住環境が心配」「日本で平凡に暮らしたい」などの理由から、海外赴任や転勤を望まない「内向き思考」の若者が増えていると言われています。
産業能率大学の調査では、「海外で働きたくない」と回答した人は新卒者のうち49%で、9年前の調査と比較すると約20ポイントも減ったそうです。
そんな中、文部科学省、経済産業省では、高度な教育・研究に力を入れる大学(リサーチ・ユニバーシティ。東京大学、早稲田大学など12大学)と大手企業(商社、メーカー、運輸など16社)が連携を行い、国際競争を勝ち抜ける人材を育成・登用する新たな枠組み整備に乗り出すと発表しました。
厳しい国際競争の中、専門知識を備えた想像力豊かな「世界で勝てる人材」を、日本国内で育成するのが狙いのようです。
職種による平均年収の違いは?
◆約3万5,000人を調査
総合人材サービス会社の株式会社インテリジェンスから、「職種別平均年収2010-2011年版」が昨年末に発表されました。
これは、同社が運営する「DODA転職支援サービス」に登録(2009年8月から2010年7月末まで)した転職希望者のうち、25~39歳の約3万5,000人、59職種の給与データを集計したもので、非常に参考となるデータとなっています。
◆6割以上の職種で平均年収が減少
全職種の平均年収は450万円(前年比6万円減少)であり、3年連続で前年を下回りましました。職種別でも、「59職種」のうち「36職種」で減少しています。
職種別の平均年収ランキングのベストテンは、次の通りとなっています。
(1)「投資銀行業務」…891万円
(2)「ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー」…654万円
(3)「コンサルタント」…607万円
(4)「経営企画・事業企画・新規事業開発」…607万円
(5)「ITコンサルタント」…599万円
(6)「MR」…599万円
(7)「プロダクトマネジャー」…597万円
(8)「法人営業(メガバンク・地方銀行・証券)」…576万円
(9)「プロパティマネジャー・不動産専門職」…543万円
(10)「セールスエンジニア・FAE」…542万円
◆「企画・事務職」部門の平均年収は?
なお、「企画・事務職」部門については、上位から、「知財・特許」506万円、「マーケティング・商品開発」498万円、「法務」493万円、「財務」488万円、「広報」472万円、「経理」445万円、「人事」443万円、「購買・物流・貿易」425万円、「総務・庶務」410万円、「秘書」409万円、「事務・オフィスワーク」311万円となっています。
パート労働の問題点と今後の改正について
◆様々な問題点が
パート労働については、不安定な雇用、正社員との待遇(賃金・労働条件)の格差、容易な労働条件の引下げ、権利行使や団結権の抑制などについて、多くの問題点が指摘されています。
それらの問題点を解消するため、パートタイム労働法(正式名称は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」については、平成19年に改正が行われ、平成20年4月1日から施行されています。
◆前回の改正からまもなく3年が経過
上記の改正法の附則では「政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」とされていました。
そして先日、改正法の施行後3年目を迎えていることから、今後のパートタイム労働対策について検討を行うための「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」が厚生労働省内に立ち上げられました。
◆今後の法改正に向けて
この研究会は、(1)パートタイム労働の実態、(2)パートタイム労働の課題、(3)今後のパートタイム労働対策について検討することを大きな目的としています。
パート労働者のさらなる待遇改善を図るため、より具体的には、「通常の労働者との間の待遇の異同」、「通常の労働者への転換の推進」、「待遇に関する納得性の向上」「パートタイム労働法の実効性の確保」について、今後議論が重ねられ、今後の法改正に向けて議論が深められていくと思われます。
企業にも大きな影響を与えかねないパート労働者の取扱いについて、今後の議論の行方を見守りたいところです。
成長分野に対して支給される奨励金
◆「健康分野」「環境分野」への奨励金
厚生労働省は、「成長分野等人材育成支援事業」の一環として、新たな奨励金を創設しました。
これは、雇用創出効果が高い「健康分野」「環境分野」において人材育成に取り組む事業主に対して、一定の額を支給するものです。詳しい内容を見ていきましょう。
◆支給対象事業主の要件
現在、政府は「新成長戦略」の中において、「健康分野」「環境分野」を重点強化の対象と位置付けています。これらの分野の成長を支え、生産性を高めるためには、人材の確保と育成が欠かせないとして、「健康分野」「環境分野」の事業主が負担した訓練費用を支給しようというものです。
支給の対象となる事業主の要件は、「健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業を行っていること」と「雇用期間の定めなく雇用した労働者、または他分野から配置転換した労働者を対象に、1年間の職業訓練計画を作成し、Off-JT(通常の業務を離れて行う職業訓練)を実施すること」です。
◆職業訓練コースに求められる内容
支給の対象となる職業訓練コースは、(1)1コースの訓練時間が10時間以上であること、(2)Off-JTであること、(3)所定労働時間内に実施される訓練が総訓練時間数の3分の2以上であることなどの要件を満たす必要があります。
支給額は、対象者1人当たり20万円が上限とされ、中小企業が大学院を利用した場合については50万円が上限とされます。
◆注意事項
なお、この奨励金は、「キャリア形成促進助成金」などと同一の事由で同時に支給を受けることはできないことに注意が必要です。
その他、さらに詳しい要件、支給申請手続き等については、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/f-top-c.pdf)で確認することができます。
確定拠出年金制度における「選択制」
◆広がりを見せる「選択制」
運用次第で将来の受給額が変わる「確定拠出年金制度」(日本版401k)が導入されて約10年が経ちましたまが、導入企業の従業員のうち、希望者だけが確定拠出型を選択することのできる「選択制」が広がってきているようです。
◆「確定拠出年金制度」とは?
年金には、全国民共通の基礎年金(1階部分)と会社員の厚生年金など(2階部分)に加え、個人や企業が任意に上乗せを行う部分(3階部分)があります。
そして、3階部分の運用方法には大きく分けて「確定給付型」と「確定拠出型」とがあり、前者は将来の給付額が確定しているもので、後者は掛金が確定しているものです。
確定拠出年金制度は、毎月、掛金を積み立てて、その資金を運用しながら老後の備えをする制度であり、会社が掛金を負担する「企業型」と個人が掛金を負担する「個人型」とがあります。
◆給与の減額部分を財源に
確定拠出年金は、本来、企業が掛金を拠出し、それを従業員本人が運用しますが、資金に余裕のない企業にとっては導入が難しいものです。そこで、掛金を上積みするのではなく、給与から確定拠出年金に拠出する金額を減額し、運用を希望する従業員は拠出金額を掛金として運用し、希望しない従業員は従来通りの給与を受け取るという方式が増えています。
「給与が減っては意味がないのでは?」と思われるかもしれませんが、受け取る給与額は掛金を含めると従来通りの金額となり、給与が減るとその分の税金や社会保険料の負担も減ります。また、掛金は全額、所得控除の対象となるため、節税効果も生まれます。
◆デメリットはあるか?
しかしながら、デメリットもあります。給与を減額して掛金に移す方式では、給与額で決定される厚生年金保険料の等級が下がる可能性があり、将来の年金受取額が減るおそれがあります。
総合的には利点が大きいケースがほとんどですが、給与水準や年齢などによって変わることもあるため、個別に確認することが必要です。
有料老人ホーム入居時の契約トラブルに注意!
◆入居希望者が増加中
高齢化社会を迎える中、介護付き有料老人ホーム等への入居を希望する人が増えているそうです。
介護体制や設備などをチェックするため、希望先のホームに体験入居する方も多いようですが、入居一時金や月額費用の金額など、費用面の確認を怠ったばかりにトラブルに発展するケースも見受けられるようです。
◆有料老人ホームとは?
有料老人ホームは、食事・介護・洗濯・掃除などの家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する施設で、特別養護老人ホームなど老人福祉施設以外の高齢者施設のことをいいます。
事業者は、サービス内容、建物の規模、職員配置、医療施設との提携内容等を、都道府県に対して届け出る義務があり、都道府県も必要があれば立入り検査や改善命令を行うことができます。
しかし、都道府県が行う監督は不十分だと言われており、入居者との契約に関するトラブルも非常に多いようです。特に、入居費用などお金をめぐってのものが多く、自宅を売却して入居費用を調達する人も少なくないだけに、お金にまつわるトラブルは深刻です。
◆十分な説明を求めることが必要
介護付きホームに限ったことではありませんが、有料老人ホームの特徴として、入居の際に利用権の対価を支払う点が挙げられます。「利用権」とは、居室のほか、食堂や浴場などの共有部分・設備を利用する権利のことですが、高齢者の平均余命を勘案した想定入居期間(償却期間)分を、入居時に一時金として支払う仕組みです。
この一時金について、事業者は返還義務のある部分については保全措置を講じる必要がありますが、保全措置を講じていないケースが目立つようです。
利用権は一般に権利性が弱く、事業者が破綻してしまうと、事業を引き継ぐ者が現れない限り権利も消滅してしまいます。したがって、高額な一時金を支払う際には、事前に十分な説明を求めてから契約を結ぶ必要があります。
◆事前に費用のチェックを
ホーム内で利用する物品やサービスについても、「気軽に利用していたら、後から多額の請求が来てトラブルになった」というケースもあるようで、定額で支払う月額費用に含まれるものなのかそうでないのかを、事前に確認しておく必要があります。
社会保障・税の「共通番号制」開始に向けて
◆2015年スタートの方針
政府の「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」は、国民一人ひとりに番号を配り、2015年1月に利用を開始する基本方針を明らかにしました。
年金手帳や健康保険証などの機能をICカード1枚にまとめて配布し、利便性を向上させるもので、秋の臨時国会での関連法案の提出を目指しています。
◆「共通番号制」導入でどうなる?
共通番号制導入に伴って配布されるICカードに、年金手帳、健康保険証などの機能を持たせることにより、個人にかかっている医療費などを国が一元的に把握することができます。政府は、自分の過去の医療費や年金給付などをインターネット上で確認できる「マイ・ポータル」の創設も検討しています。
共通番号制度導入により、金融資産や不動産取引などから発生する総合的な所得を国が把握しやすくなると思われます。
◆低所得者への新たな給付の検討
このような正確な所得把握を前提に議論されているのが、減税と現金給付を組み合わせることにより低所得者を支援する「給付付き減税控除」です。これは、減税の恩恵が十分に行き渡らない低所得者に現金を給付する仕組みであり、消費税増税における低所得者対策の一環として位置付けられているようです。
経済界などでは、「消費税増税の環境整備になる」などとして、正確な所得把握に繋がる番号制導入に前向きな声も多いようです。
◆プライバシーへの配慮は不可欠
ただ、国が所得を正確に把握するためには、金融機関などにも番号活用を義務付ける必要があり、それにより民間にも事務コストが発生する可能性があります。企業にも、従業員の給与等を管理している社内の番号を納税者番号に結び付けるシステム構築などが求められる可能性もあり、負担がないわけではありません。
また、番号を利用する範囲が広がれば、取り扱う個人のプライバシー情報も増えるため、情報流出の危険性も広がります。共通番号を利用する範囲や番号の目的外利用を防ぐ仕組みについて、今後さらに議論を重ねることが必要でしょう。
「継続雇用制度導入」の特例措置がまもなく終了
◆特例措置は3月末まで
現在、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、65歳未満の定年を定めている事業主は、「高年齢者雇用確保措置」(定年の定めの廃止、定年年齢の引上げ、継続雇用制度の導入のいずれか)を実施する必要があります。
このうち、「継続雇用制度の導入」については、希望者全員を対象とするか、労使協定により対象者の基準を定めなければなりませんが、現在は特例措置として、中小企業(300人以下)の場合は、対象者の基準を就業規則で定めることが可能です。
この措置は、今年3月31日で終了します。中小企業では、対象者に関する基準を就業規則で定めている場合、労使協定により基準を定めた旨を就業規則に定め、労働基準監督署への届出を行わなければなりません。
◆関連する奨励金
定年の引上げや定年の定めの廃止等を実施した場合に支給される助成金として、「中小企業定年引上げ等奨励金」があります。
この「中小企業定年引上げ等奨励金」は、65歳以上への定年の引上げや定年の定めの廃止等の措置を講じ、6か月以上経過している中小企業事業主に対して、企業規模に応じて一定額が支給されるものです。また、70歳以上への定年の引上げまたは定年の定めの廃止等を実施した場合には、上乗せ支給があります。
支給額は、「65歳以上への定年の引上げ」の場合、企業規模1人~9人で40万円、10人~99人で60万円、100人~300人で80万円です。「70歳以上への定年の引上げまたは定年の定めの廃止」の場合、上乗せ額を含むと、企業規模1人~9人で80万円、10人~99人で120万円、100人~300人で160万円です。
◆各種公的支援の活用
この他、雇用保険から支給される高年齢雇用継続基本給付金や、64歳以上の従業員については、事業所税の従業員割の対象外になるなどの税制上の優遇措置などの公的支援があります。これらを効果的に活用し、高齢者が長く働ける企業を目指してみてはいかがでしょうか。
高額医療費における患者の立替払いが不要に
◆2012年度から全面スタート
厚生労働省は、がんや難病などの高額な治療薬が増え、患者の立替えの負担が大きくなっている現状を踏まえ、「高額療養費制度」について、上限額を超える部分の患者の立替払いをなくす方針を示しました。
2012年度から、すべての医療機関・薬局で対応させる方針のようです。
◆高額療養費制度とは?
高額療養費制度は、患者の収入に応じて医療費に一定の金額(自己負担限度額)が設けられ、それを超えた場合に、一旦、病院の窓口で本人負担分を支払い、支給申請をすることにより、患者が加入する保険者から後から払い戻される仕組みです。
1カ月の自己負担限度額は、70歳未満で「上位所得者」(標準報酬月額53万円以上)の場合は15万円強、「一般所得者」の場合は8万円強、「低所得者」(住民税が非課税)の場合は35,400円です。
現在の制度では、原則として医療費の3割を医療機関・薬局の窓口で支払い、上限額を超える分について、後から払い戻しを受けます。
◆「限度額適用認定証」の発行
制度の変更後は、費用の「立替え」と「払戻し」の手間がかからなくなります。
事前に、自分の加入する保険者から所得区分の記載されている「限度額適用認定証」の発行を受け、医療機関・薬局の窓口に提示すれば自己負担の上限額までの支払いで済み、超過分の医療費については、医療機関・薬局が患者に代わって保険者に請求します。
◆治療薬などが高額化の傾向
最近は、がんや難病などの治療薬が高額になる傾向があります。例えば、血液がんの一種の慢性骨髄性白血病の治療薬(グリベック)の場合は、1カ月あたりの薬代が約33万円、同種の治療薬(タシグナ)の場合は約55万円かかるそうです。
患者が一度に多額の現金を用意する必要がなくなる今回の制度変更は非常に有効です。2011年度から、まずは一部の医療機関・薬局で対応可能となり、2012 年度からはすべての医療機関・薬局で対応できるようです。
◆1万人以上が回答
株式会社毎日コミュニケーションズでは、2012年卒業予定の学生を対象に実施した「大学生就職意識調査」の結果を発表しました。この調査は1979年から毎年実施されているものであり、今回は、全国の大学生・大学院生10,768名が回答しています。
この調査結果から、学生たちの就職に関する考え方、行きたい会社・行きたくない会社に関する本音が垣間見えます。採用活動の際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
◆学生たちの就職に対する考え方は?
学生の就職観についての質問では、上位から、「楽しく働きたい」(32.6%)、「個人の生活と仕事を両立させたい」(21.2%)、「人のためになる仕事をしたい」(17.5%)、「自分の夢のために働きたい」(11.0%)の順でした。
逆に、「出世したい」(1.1%)、「収入さえあればよい」(1.6%)、「社会に貢献したい」(6.3%)などの回答は少なくなっています。
◆どんな会社に行きたいか?
行きたい会社の規模に関する質問では、「大手企業志向」が41.4%(前年比5.6ポイント減)、「中堅・中小企業志向」が53.4%(同5.8ポイント増)となり、中堅・中小企業への就職を希望する人の割合が大幅に増えています。
また、就職企業選択の際のポイントに関する質問では、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(43.9%)、「安定している会社」(22.6%)、「働きがいのある会社」(22.0%)、「社風が良い会社」(17.2%)、「これから伸びそうな会社」(12.1%)が上位を占めました。
◆行きたくないのはどんな会社?
逆に、行きたくない会社に関する質問では、「暗い雰囲気の会社」(44.6%)、「ノルマのきつそうな会社」(32.7%)、「仕事の内容が面白くない会社」(22.4%)、「転勤の多い会社」(19.7%)、「休日・休暇がとれない(少ない)会社」(18.0%)の順に多くなっています。
外国人の新卒採用増加と海外赴任を望まない日本の若者
◆増える新卒採用の外国人
大手企業を中心に、新卒の外国人採用に力を入れる動きが目立ってきています。
IHIでは、すでにスタートしている韓国での新卒者の採用活動に加えて、イギリスでも、2011年の入社を対象とした会社説明会を始めており、NTTコミュニケーションズでは、2012年の春から、約20名(従来の2倍強)の新卒外国人を採用するとしています。
ソニーでは、中国やインドなどの学生を中心に、日本の新卒採用に占める外国人の割合を、2013年度をめどに全体の30%(従来の約2倍)にまで高めるとしています。また、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングでは、2012年に、なんと、新卒者の約8割にも相当する1,050人の外国人を採用する方針を打ち出しています。
◆海外事業の強化を見据えて
外国人採用増加の背景には、企業が、将来の海外事業の強化を見据え、国籍の区別に関係なく人材を採用し、その際の派遣要員として育成すること、企業のグローバル競争力を高めることなどがあります。
これらの採用企業の動きに対応して、リクルートマネジメントソリューションズでは、国内の8,000社が新卒採用の際に取り入れている「SPI2」(能力と性格の適正検査)について、英語版と中国版を開発したとのことです。
◆海外赴任を望まない日本人
最近は、「時差のある海外で忙しく働きたくない」「治安や住環境が心配」「日本で平凡に暮らしたい」などの理由から、海外赴任や転勤を望まない「内向き思考」の若者が増えていると言われています。
産業能率大学の調査では、「海外で働きたくない」と回答した人は新卒者のうち49%で、9年前の調査と比較すると約20ポイントも減ったそうです。
そんな中、文部科学省、経済産業省では、高度な教育・研究に力を入れる大学(リサーチ・ユニバーシティ。東京大学、早稲田大学など12大学)と大手企業(商社、メーカー、運輸など16社)が連携を行い、国際競争を勝ち抜ける人材を育成・登用する新たな枠組み整備に乗り出すと発表しました。
厳しい国際競争の中、専門知識を備えた想像力豊かな「世界で勝てる人材」を、日本国内で育成するのが狙いのようです。
職種による平均年収の違いは?
◆約3万5,000人を調査
総合人材サービス会社の株式会社インテリジェンスから、「職種別平均年収2010-2011年版」が昨年末に発表されました。
これは、同社が運営する「DODA転職支援サービス」に登録(2009年8月から2010年7月末まで)した転職希望者のうち、25~39歳の約3万5,000人、59職種の給与データを集計したもので、非常に参考となるデータとなっています。
◆6割以上の職種で平均年収が減少
全職種の平均年収は450万円(前年比6万円減少)であり、3年連続で前年を下回りましました。職種別でも、「59職種」のうち「36職種」で減少しています。
職種別の平均年収ランキングのベストテンは、次の通りとなっています。
(1)「投資銀行業務」…891万円
(2)「ファンドマネジャー・アナリスト・ディーラー」…654万円
(3)「コンサルタント」…607万円
(4)「経営企画・事業企画・新規事業開発」…607万円
(5)「ITコンサルタント」…599万円
(6)「MR」…599万円
(7)「プロダクトマネジャー」…597万円
(8)「法人営業(メガバンク・地方銀行・証券)」…576万円
(9)「プロパティマネジャー・不動産専門職」…543万円
(10)「セールスエンジニア・FAE」…542万円
◆「企画・事務職」部門の平均年収は?
なお、「企画・事務職」部門については、上位から、「知財・特許」506万円、「マーケティング・商品開発」498万円、「法務」493万円、「財務」488万円、「広報」472万円、「経理」445万円、「人事」443万円、「購買・物流・貿易」425万円、「総務・庶務」410万円、「秘書」409万円、「事務・オフィスワーク」311万円となっています。
パート労働の問題点と今後の改正について
◆様々な問題点が
パート労働については、不安定な雇用、正社員との待遇(賃金・労働条件)の格差、容易な労働条件の引下げ、権利行使や団結権の抑制などについて、多くの問題点が指摘されています。
それらの問題点を解消するため、パートタイム労働法(正式名称は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」については、平成19年に改正が行われ、平成20年4月1日から施行されています。
◆前回の改正からまもなく3年が経過
上記の改正法の附則では「政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」とされていました。
そして先日、改正法の施行後3年目を迎えていることから、今後のパートタイム労働対策について検討を行うための「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」が厚生労働省内に立ち上げられました。
◆今後の法改正に向けて
この研究会は、(1)パートタイム労働の実態、(2)パートタイム労働の課題、(3)今後のパートタイム労働対策について検討することを大きな目的としています。
パート労働者のさらなる待遇改善を図るため、より具体的には、「通常の労働者との間の待遇の異同」、「通常の労働者への転換の推進」、「待遇に関する納得性の向上」「パートタイム労働法の実効性の確保」について、今後議論が重ねられ、今後の法改正に向けて議論が深められていくと思われます。
企業にも大きな影響を与えかねないパート労働者の取扱いについて、今後の議論の行方を見守りたいところです。
成長分野に対して支給される奨励金
◆「健康分野」「環境分野」への奨励金
厚生労働省は、「成長分野等人材育成支援事業」の一環として、新たな奨励金を創設しました。
これは、雇用創出効果が高い「健康分野」「環境分野」において人材育成に取り組む事業主に対して、一定の額を支給するものです。詳しい内容を見ていきましょう。
◆支給対象事業主の要件
現在、政府は「新成長戦略」の中において、「健康分野」「環境分野」を重点強化の対象と位置付けています。これらの分野の成長を支え、生産性を高めるためには、人材の確保と育成が欠かせないとして、「健康分野」「環境分野」の事業主が負担した訓練費用を支給しようというものです。
支給の対象となる事業主の要件は、「健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業を行っていること」と「雇用期間の定めなく雇用した労働者、または他分野から配置転換した労働者を対象に、1年間の職業訓練計画を作成し、Off-JT(通常の業務を離れて行う職業訓練)を実施すること」です。
◆職業訓練コースに求められる内容
支給の対象となる職業訓練コースは、(1)1コースの訓練時間が10時間以上であること、(2)Off-JTであること、(3)所定労働時間内に実施される訓練が総訓練時間数の3分の2以上であることなどの要件を満たす必要があります。
支給額は、対象者1人当たり20万円が上限とされ、中小企業が大学院を利用した場合については50万円が上限とされます。
◆注意事項
なお、この奨励金は、「キャリア形成促進助成金」などと同一の事由で同時に支給を受けることはできないことに注意が必要です。
その他、さらに詳しい要件、支給申請手続き等については、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/f-top-c.pdf)で確認することができます。
確定拠出年金制度における「選択制」
◆広がりを見せる「選択制」
運用次第で将来の受給額が変わる「確定拠出年金制度」(日本版401k)が導入されて約10年が経ちましたまが、導入企業の従業員のうち、希望者だけが確定拠出型を選択することのできる「選択制」が広がってきているようです。
◆「確定拠出年金制度」とは?
年金には、全国民共通の基礎年金(1階部分)と会社員の厚生年金など(2階部分)に加え、個人や企業が任意に上乗せを行う部分(3階部分)があります。
そして、3階部分の運用方法には大きく分けて「確定給付型」と「確定拠出型」とがあり、前者は将来の給付額が確定しているもので、後者は掛金が確定しているものです。
確定拠出年金制度は、毎月、掛金を積み立てて、その資金を運用しながら老後の備えをする制度であり、会社が掛金を負担する「企業型」と個人が掛金を負担する「個人型」とがあります。
◆給与の減額部分を財源に
確定拠出年金は、本来、企業が掛金を拠出し、それを従業員本人が運用しますが、資金に余裕のない企業にとっては導入が難しいものです。そこで、掛金を上積みするのではなく、給与から確定拠出年金に拠出する金額を減額し、運用を希望する従業員は拠出金額を掛金として運用し、希望しない従業員は従来通りの給与を受け取るという方式が増えています。
「給与が減っては意味がないのでは?」と思われるかもしれませんが、受け取る給与額は掛金を含めると従来通りの金額となり、給与が減るとその分の税金や社会保険料の負担も減ります。また、掛金は全額、所得控除の対象となるため、節税効果も生まれます。
◆デメリットはあるか?
しかしながら、デメリットもあります。給与を減額して掛金に移す方式では、給与額で決定される厚生年金保険料の等級が下がる可能性があり、将来の年金受取額が減るおそれがあります。
総合的には利点が大きいケースがほとんどですが、給与水準や年齢などによって変わることもあるため、個別に確認することが必要です。
有料老人ホーム入居時の契約トラブルに注意!
◆入居希望者が増加中
高齢化社会を迎える中、介護付き有料老人ホーム等への入居を希望する人が増えているそうです。
介護体制や設備などをチェックするため、希望先のホームに体験入居する方も多いようですが、入居一時金や月額費用の金額など、費用面の確認を怠ったばかりにトラブルに発展するケースも見受けられるようです。
◆有料老人ホームとは?
有料老人ホームは、食事・介護・洗濯・掃除などの家事、健康管理のいずれかのサービスを提供する施設で、特別養護老人ホームなど老人福祉施設以外の高齢者施設のことをいいます。
事業者は、サービス内容、建物の規模、職員配置、医療施設との提携内容等を、都道府県に対して届け出る義務があり、都道府県も必要があれば立入り検査や改善命令を行うことができます。
しかし、都道府県が行う監督は不十分だと言われており、入居者との契約に関するトラブルも非常に多いようです。特に、入居費用などお金をめぐってのものが多く、自宅を売却して入居費用を調達する人も少なくないだけに、お金にまつわるトラブルは深刻です。
◆十分な説明を求めることが必要
介護付きホームに限ったことではありませんが、有料老人ホームの特徴として、入居の際に利用権の対価を支払う点が挙げられます。「利用権」とは、居室のほか、食堂や浴場などの共有部分・設備を利用する権利のことですが、高齢者の平均余命を勘案した想定入居期間(償却期間)分を、入居時に一時金として支払う仕組みです。
この一時金について、事業者は返還義務のある部分については保全措置を講じる必要がありますが、保全措置を講じていないケースが目立つようです。
利用権は一般に権利性が弱く、事業者が破綻してしまうと、事業を引き継ぐ者が現れない限り権利も消滅してしまいます。したがって、高額な一時金を支払う際には、事前に十分な説明を求めてから契約を結ぶ必要があります。
◆事前に費用のチェックを
ホーム内で利用する物品やサービスについても、「気軽に利用していたら、後から多額の請求が来てトラブルになった」というケースもあるようで、定額で支払う月額費用に含まれるものなのかそうでないのかを、事前に確認しておく必要があります。
社会保障・税の「共通番号制」開始に向けて
◆2015年スタートの方針
政府の「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」は、国民一人ひとりに番号を配り、2015年1月に利用を開始する基本方針を明らかにしました。
年金手帳や健康保険証などの機能をICカード1枚にまとめて配布し、利便性を向上させるもので、秋の臨時国会での関連法案の提出を目指しています。
◆「共通番号制」導入でどうなる?
共通番号制導入に伴って配布されるICカードに、年金手帳、健康保険証などの機能を持たせることにより、個人にかかっている医療費などを国が一元的に把握することができます。政府は、自分の過去の医療費や年金給付などをインターネット上で確認できる「マイ・ポータル」の創設も検討しています。
共通番号制度導入により、金融資産や不動産取引などから発生する総合的な所得を国が把握しやすくなると思われます。
◆低所得者への新たな給付の検討
このような正確な所得把握を前提に議論されているのが、減税と現金給付を組み合わせることにより低所得者を支援する「給付付き減税控除」です。これは、減税の恩恵が十分に行き渡らない低所得者に現金を給付する仕組みであり、消費税増税における低所得者対策の一環として位置付けられているようです。
経済界などでは、「消費税増税の環境整備になる」などとして、正確な所得把握に繋がる番号制導入に前向きな声も多いようです。
◆プライバシーへの配慮は不可欠
ただ、国が所得を正確に把握するためには、金融機関などにも番号活用を義務付ける必要があり、それにより民間にも事務コストが発生する可能性があります。企業にも、従業員の給与等を管理している社内の番号を納税者番号に結び付けるシステム構築などが求められる可能性もあり、負担がないわけではありません。
また、番号を利用する範囲が広がれば、取り扱う個人のプライバシー情報も増えるため、情報流出の危険性も広がります。共通番号を利用する範囲や番号の目的外利用を防ぐ仕組みについて、今後さらに議論を重ねることが必要でしょう。
「継続雇用制度導入」の特例措置がまもなく終了
◆特例措置は3月末まで
現在、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、65歳未満の定年を定めている事業主は、「高年齢者雇用確保措置」(定年の定めの廃止、定年年齢の引上げ、継続雇用制度の導入のいずれか)を実施する必要があります。
このうち、「継続雇用制度の導入」については、希望者全員を対象とするか、労使協定により対象者の基準を定めなければなりませんが、現在は特例措置として、中小企業(300人以下)の場合は、対象者の基準を就業規則で定めることが可能です。
この措置は、今年3月31日で終了します。中小企業では、対象者に関する基準を就業規則で定めている場合、労使協定により基準を定めた旨を就業規則に定め、労働基準監督署への届出を行わなければなりません。
◆関連する奨励金
定年の引上げや定年の定めの廃止等を実施した場合に支給される助成金として、「中小企業定年引上げ等奨励金」があります。
この「中小企業定年引上げ等奨励金」は、65歳以上への定年の引上げや定年の定めの廃止等の措置を講じ、6か月以上経過している中小企業事業主に対して、企業規模に応じて一定額が支給されるものです。また、70歳以上への定年の引上げまたは定年の定めの廃止等を実施した場合には、上乗せ支給があります。
支給額は、「65歳以上への定年の引上げ」の場合、企業規模1人~9人で40万円、10人~99人で60万円、100人~300人で80万円です。「70歳以上への定年の引上げまたは定年の定めの廃止」の場合、上乗せ額を含むと、企業規模1人~9人で80万円、10人~99人で120万円、100人~300人で160万円です。
◆各種公的支援の活用
この他、雇用保険から支給される高年齢雇用継続基本給付金や、64歳以上の従業員については、事業所税の従業員割の対象外になるなどの税制上の優遇措置などの公的支援があります。これらを効果的に活用し、高齢者が長く働ける企業を目指してみてはいかがでしょうか。
高額医療費における患者の立替払いが不要に
◆2012年度から全面スタート
厚生労働省は、がんや難病などの高額な治療薬が増え、患者の立替えの負担が大きくなっている現状を踏まえ、「高額療養費制度」について、上限額を超える部分の患者の立替払いをなくす方針を示しました。
2012年度から、すべての医療機関・薬局で対応させる方針のようです。
◆高額療養費制度とは?
高額療養費制度は、患者の収入に応じて医療費に一定の金額(自己負担限度額)が設けられ、それを超えた場合に、一旦、病院の窓口で本人負担分を支払い、支給申請をすることにより、患者が加入する保険者から後から払い戻される仕組みです。
1カ月の自己負担限度額は、70歳未満で「上位所得者」(標準報酬月額53万円以上)の場合は15万円強、「一般所得者」の場合は8万円強、「低所得者」(住民税が非課税)の場合は35,400円です。
現在の制度では、原則として医療費の3割を医療機関・薬局の窓口で支払い、上限額を超える分について、後から払い戻しを受けます。
◆「限度額適用認定証」の発行
制度の変更後は、費用の「立替え」と「払戻し」の手間がかからなくなります。
事前に、自分の加入する保険者から所得区分の記載されている「限度額適用認定証」の発行を受け、医療機関・薬局の窓口に提示すれば自己負担の上限額までの支払いで済み、超過分の医療費については、医療機関・薬局が患者に代わって保険者に請求します。
◆治療薬などが高額化の傾向
最近は、がんや難病などの治療薬が高額になる傾向があります。例えば、血液がんの一種の慢性骨髄性白血病の治療薬(グリベック)の場合は、1カ月あたりの薬代が約33万円、同種の治療薬(タシグナ)の場合は約55万円かかるそうです。
患者が一度に多額の現金を用意する必要がなくなる今回の制度変更は非常に有効です。2011年度から、まずは一部の医療機関・薬局で対応可能となり、2012 年度からはすべての医療機関・薬局で対応できるようです。
2011/01/28
2月の事務所便り
民間企業における「病気欠勤・休暇制度」の実態
◆人事院による調査結果から
人事院では、国家公務員の勤務条件等を検討することを目的として、毎年、民間企業の勤務条件制度などに関する調査を実施しています。ここでは、平成21年の調査結果のうち、「病気欠勤・休暇制度」について見ていきます。
なお、本調査結果は、常勤従業員数50人以上の全国の企業のうち、回答のあった3,520社について集計したものです。
◆病気欠勤・休暇制度等の導入状況
病気欠勤・休暇制度など、私傷病により休むための制度がある企業は「83.4%」で、そのうち病気欠勤・休暇制度がある企業は「75.9%」となっています。
また、病気欠勤・休暇制度と病気休職・休業制度の両方がある企業は「69.6%」でした。
◆病気欠勤・休暇制度の取扱い
病気欠勤・休暇制度の上限日数について、1回の疾病について定めている企業は「85.4%」、1年(度)について定めている企業は「16.4%」となっています。
また、上限日数を1回の疾病について定めている企業のうち、勤続年数による上限日数の違いがない企業は「55.6%」でした。
◆病気欠勤・休暇制度の上限日数
1回の疾病について定めている病気欠勤・休暇制度の上限日数の平均日数は「127.1日」で、最頻値は「90日」となっています。
また、病気欠勤・休暇または病気休職・休業から業務に復帰後、同一または類似の病気や怪我で休む場合に、休みの日数を前の休みの日数から通算・累積する企業は「68.4%」となっています。
厳しさを増す就職活動と採用企業・求職者の考え
◆過去最低水準の就職内定率
新卒者の就職内定率が過去最低水準となり、「今世紀最悪」とも言われている2011年度の就職活動状況ですが、採用企業側、求職者側はどのようなことを考えているのでしょうか。
◆採用企業側は「面接結果」「熱意・意欲」を重視
経済同友会では、会員企業を対象に「企業の採用と教育に関するアンケート調査」実施しました(846社のうち230社が回答)。
その結果によれば、企業が選考方法・基準において最も重視するものは「面接の結果」であり、「適正試験の結果」「筆記試験の成績」が続いています。
また、ビジネスの基本能力としてどのような能力を重視しているかとの質問では、「熱意・意欲」が最も多く、「行動力・実行力」「協調性」などが続きました。
◆求職者が考える「就職活動に有利なスキル」は?
求職者は就職に関してどのようなスキルが有利に働くと考えているのでしょうか。
株式会社ブラザーズ(東京の総合広告業)が、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉の4都県)で就職活動中の20代~40代の男女1,000人を対象に「就職活動に有利だと思うスキル」に関する意識調査を実施し、その結果が発表されています。結果は次の通りです。
・1位…「ビジネス英語」
・2位…「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」
・3位…「簿記」
・4位…「秘書検定」
・5位…「ビジネス実務法務検定」
・6位…「FP技能検定」
◆高校生は「受験」よりも「就職」に不安
その他、株式会社電通総研の調査によれば、高校生が「不安に思うこと」のトップは、「将来の就職」(80%)で、「大学受験」(69%)、「将来のお金」(65%)を大きく上回りました。
また、長引く不況の中、「就職に有利」「就職への近道」という理由から、専門学校への入学者が6年ぶりに増加したそうです。
今後法制化される「受動喫煙防止対策」「メンタルヘルス対策」
◆労働政策審議会が報告書(案)を発表
12月中旬に、厚生労働省の労働政策審議会(安全衛生分科会)から、「今後の職場における安全衛生対策について(報告)」の案が発表されました。
この中には、「受動喫煙防止対策の抜本的強化」「メンタルヘルス対策の推進」など、企業に少なからぬ影響を与える内容が盛り込まれており、今年の通常国会に、この内容を基にした労働安全衛生法の改正案が提出される見込みです
以下では、この報告書(案)の主な内容をご紹介します。
◆職場における受動喫煙防止対策の抜本的強化
受動喫煙の有害性に関する知識の普及、受動喫煙防止に関する労働者の意識の高まり等を踏まえて、一般の事務所・工場等については、全面禁煙や空間分煙とすることを事業者の義務とすることが適当である、としています。
また、飲食店、ホテル・旅館等の顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所についても、労働者の受動喫煙防止という観点からは、全面禁煙や空間分煙の措置をとることを事業者の義務とすることが適当である、としています。
しかし、顧客の喫煙に制約を加えることで営業上の支障が生じ、全面禁煙や空間分煙を行うことが困難な場合には、当分の間、可能な限り労働者の受動喫煙の機会を低減させることを事業者の義務とし、具体的には、換気等による有害物質濃度の低減等の措置をとることとし、換気量等の基準を達成しなければならないこととすることが適当である、としていますが、当面は、国による指導を中心に行うこととし、罰則は付さないこととする、としています。
◆職場におけるメンタルヘルス対策の推進
近年、職場におけるメンタルヘルス不調者の増加が大きな社会問題となっているのは周知の通りです。
今後の事業者の取組みとして、医師が労働者のストレスに関連する症状・不調を確認し、この結果を受けた労働者が事業者に面接の申出を行った場合、現行の長時間労働者に対する「医師による面接指導制度」と同様、事業者が医師による面接指導および医師からの意見聴取等を行うことを事業者の義務とする新たな枠組みを導入することが適当である、としています。
なお、ここでいう「新たな枠組み」では、個人情報の保護の観点から、医師(ストレスに関連する症状・不調の確認を行った医師)は、労働者のストレスに関連する症状・不調の状況および面接の要否等の結果について、労働者に直接通知することとする、としています。
4月から中小企業にも義務化される「一般事業主行動計画」
◆中小企業による策定・届出は約1割
近年、労働者の「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が叫ばれていますが、厚生労働省では、次世代育成支援対策推進法(平成15年7月に成立・公布)に基づく「一般事業主行動計画」を策定・届出を行っている中小企業が10.9%(3,901社)であるとする調査結果を発表しました。
◆「一般事業主行動計画」とは?
この「一般事業主行動計画」は、企業が労働者の仕事と子育ての両立を図るために、雇用環境の整備や子育てを行っていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むにあたり、(1)計画期間、(2)目標、(3)その達成のための対策と実施時期について定めるものです。
現在は従業員数301人以上の大企業にのみ策定・届出が義務付けられています(ただし、罰則規定はなし)が、今年4月以降は、現在は策定・届出が努力義務とされている従業員数101人以上の企業にも策定が義務付けられることとなっています。
◆「ワーク・ライフ・バランス」に関する満足度
なお、株式会社インテリジェンスのアンケート調査(25~34歳のビジネスパーソン1,000人対象)によれば、「ワーク・ライフ・バランスが取れている」と回答した人は全体の55.1%であり、年収別では「600万円以上」で62.6%だったのに対し、「300万円未満」では45.2%でした。つまり、年収の高い人ほどWLBが取れているようです。
労働者のやる気を高め、モチベーションをアップさせるためにも、今後さらに「ワーク・ライフ・バランス」への取組みが重要になってくるものと思われます。
「雇止め」に関するトラブルを回避するには
◆増加する「雇止め」をめぐるトラブル
期間を定めて締結した労働契約(有期労働契約)においては、契約更新の繰返しにより一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新を行わず期間満了をもって退職させる等の、いわゆる「雇止め」をめぐるトラブルが増加し、裁判で争われる事案が増えています。
トラブルを回避するにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
◆書面による明示が大切
有期労働契約のトラブルに対応するため、厚生労働省では、労働基準法に基づいて「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を策定しています。項目は、(1)「契約締結時の明示事項等」、(2)「雇止めの予告」、(3)「雇止めの理由の明示」、(4)「契約期間についての配慮」となっています。
使用者は、有期契約の労働者に対して、契約締結時に契約更新の有無を明示しなければならず、「契約を更新する場合がある」と明示したときは、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなければならないとしています。
また、明示した内容を契約締結後に変更する場合は、速やかにその内容を明示しなければなりません。これらの事項については書面により明示することが望ましいとされています。
◆有期労働契約の期間
有期労働契約を締結する場合、その期間の長さについて労働基準法で上限3年(原則)という定めがあります。
1年以上の契約を締結した場合は、労働契約期間の初日から1年を経過した日以後において、労働者は、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができます。
◆労働契約法の適用も
労働契約法は、有期契約労働者にも適用され、(1)やむを得ない事由がない場合に契約期間満了までの期間において解雇ができないこと、(2)契約期間を必要以上に短い期間として反復・更新しないようにすること、などが規定されています。
また、締結等の基本ルールとして、(1)労働契約の締結や変更にあたり労働者に契約内容についてきちんと説明を行うこと、(2)労働契約の内容についてできる限り書面により確認することとされています。
「成長分野等人材育成支援事業奨励金」の創設
◆新しい助成金制度
厚生労働省から、「成長分野等人材育成支援事業奨励金」の創設が発表されました。
この助成金は、健康分野、環境分野、これに関連するものづくり分野において、期間の定めのない労働者を雇い入れ、または他の分野から配置転換した労働者を対象に、1年間の職業訓練計画を作成し、Off-JTを実施した事業主に、訓練費用の助成を行うというものです。
対象者1人当たり20万円(中小企業が大学院を利用した場合には、50万円)を上限として支給されます。
◆対象となる分野
支給対象となるのは、林業、建設業、製造業、電気業、情報通信業、運輸業・郵便業、学術・開発研究機関などで健康や環境分野に関する業務(建築、製品の製造・取引、技術開発など)を行っているもの、スポーツ施設提供業(フィットネスクラブ等)、スポーツ・健康教授業(スイミングスクール等)、医療・福祉、廃棄物処理業、その他(エコファンド等)に該当する分野です。
詳しくはhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/f-top.htmlを参照してください。
◆支給対象事業主の要件
この制度では、(1)職業訓練計画を作成し認定を受けるとき、(2)職業訓練計画に基づいて訓練を実施後、支給申請するときの計2回、要件の確認が行われます。
職業訓練計画の認定を受けるときは、(1)健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業を行っていること、(2)一定の要件を満たした職業訓練計画を作成していることの他、雇用保険の適用事業主であることや、職業能力開発推進者を選任し、都道府県職業能力開発協会に選任調べを提出していることの確認があります。
また、支給申請時には、(1)受給資格認定を受けた職業訓練計画に基づいて訓練を実施したこと、(2)受給資格認定申請書の提出日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請書の提出日までの間に事業所で雇用する雇用保険被保険者を事業主都合で解雇していないこと等の確認があります。
増加傾向にある公的年金に関する審査請求
◆社会保険に関する審査請求とは
「もらえると思っていた公的年金や公的医療保険の給付が受けられない」といった場合に、不服を申し出ることができる「審査請求」の件数が、近年増加しています。
制度の対象は、国民年金、厚生年金保険、健康保険、船員保険です。保険者(社会保険の運営主体)の裁定に不服があった場合に、60日以内に申立てを行います。
最近目立つのは、障害年金、傷病手当金、遺族年金などに関する不服申立てです。
◆手続きのおおまかな流れ
この制度は、保険料の徴収など一部を除き、審査と再審査の2段階です。
まず、地方の厚生局に属する「社会保険審査官」に審査請求を行います。審査の結果、容認、棄却(審査の結果、認められない)、却下(申立期間を過ぎているなどで審査を受けられない)の他、取下げ(審査請求を機に保険者が再検討して元の判断を被保険者に有利に見直す場合など)を通知されますが、これが不服であった場合や、60日以内に審査官の決定がない場合には、厚生労働省にある「社会保険審査会」に再審査請求を行います。なおもその結果に不服の場合は、訴訟を提起することになります。
◆「容認」は1割程度
審査官も審査会も、「容認」となるケースは1割弱とそれほど高くありません。容認と取下げを合わせると、2009年度は審査官の段階で2割弱、審査会では3割弱は、申立人の主張が通ったことになります。
保険者に不支給と言われて諦めてしまう人も多いのですが、認定基準自体が見直された例もあるため、審査官の段階でダメであっても、審査会で別の視点から判断される場合もあり、諦めないことが大切です。
◆申立時の注意点
申請手続の進め方や書類の記入の仕方によって支給されないことがあるため、注意が必要です。また、申立期間が60日以内だということにも注意です。これを過ぎてしまうと却下されてしまいます。
社会保険に関する知識が十分でない場合、漠然と訴えても有利な結果を出すことは容易ではありません。専門家を代理人に立てるほうが、有利な結果を得られる確立は高いでしょう。
冬場の健康をインターネットでチェック!
◆医療機関受診の目安に
病気予防や健康維持のためのインターネット専用サイトが充実しています。
冬も本番となり、体調を崩す人も多い季節になりました。症状をチェックして医療機関での受診の目安にしたり知識を深めたりと、寒い冬を元気に乗り切るヒントを得られる専用サイトを活用してみてはいかがでしょうか。
◆サイトの紹介
(1)「健康知識測定サイト」(東京商工会議所)
運動、食事、生活習慣などの5分野で問題に挑戦することができ、合格すれば「健康知識マスター」に認定されます。マスターは、スポーツクラブの無料券や健康茶などのプレゼントに応募できる特典もあるようです。
(2)「インフルエンザ情報サービス」(中外製薬株式会社)
インフルエンザの予防や治療法を紹介しています。各地の流行状況を示した流行レベルマップや各都道府県の救急医療情報サービスへのリンクもあり、病院検索にも活用することができます。
(3)「ルナルナ」(株式会社エムティーアイ)
女性向けの携帯電話用サイトです。月額180円程度かかりますが、会員登録を行えば、生理日予測などを行うことができる他、女性特有の病気の知識が得られます。
(4)「アスクムーン女性の医学」(エムスリー株式会社)
女性向けに基礎体温管理サービスなどを提供する携帯電話用サイトです。月額315円で、女性の病気に関するQ&Aが充実しており、医師への質問コーナーもあります。
◆自治体も情報発信
東京都台東区では、サイトで参加者を募集して「筋力向上トレーニング教室」を開いています。週2回2時間のコースで、参加料は1回200円です。手頃な費用でトレーナーの本格的な指導を受けられることもあり、喜ばれているようです。
健康のためはもちろんのこと、家計における医療費を削減するためにも、まずは地元の自治体のサイトなどをチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。
確定申告をめぐる裁判例・裁決例から
◆納税者と税務署の対立
「節税できると思って確定申告を行ったたら、税務署から否認された」というような経験をした方にとって参考となるのが、納税者と税務署が対立した裁判例・裁決例です。
これから始まる確定申告の前に、気になる税金の急所を、裁判例や裁決例で事前にチェックしてみてはいかがでしょうか。
◆「納税者側に軍配」の判決
昨年、税金をめぐる納税者と税務署の訴訟について、最高裁が納税者側に軍配を上げた2つの判決が注目を集めました。
1つは、年金払い方式の生命保険金に対する「二重課税」判決です。最高裁は、死亡保険金を年金形式で受け取る場合、相続税と所得税を課すのは「二重課税」で違法との判決を下しました。この結果、納税者は類似の年金払い型の保険商品も含めて、過去に払い過ぎた所得税の還付を受けられるようになりました。
もう1つは、所得税の源泉徴収(天引き)をめぐる判決です。最高裁はホステスの報酬から源泉徴収額を計算する際に、法令通り「計算対象期間の全日数」による控除を妥当としました。税務署は従来、全日数ではなく「実際に働いた日数分」しか控除を認めていませんでしたが、最高裁は「みだりに税法の文言を離れた解釈すべきではない」と税務当局を戒めました。
◆「法令の規定通りの課税」の方向へ
最高裁は一連の判決を通じ「税金は法令の規定通りに課すべき」という租税法律主義の考え方を徹底させようとしています。
そもそも税金の場合、納税者は制度上、直ちに裁判に訴えることができず、まずその処分を下した税務署に異議申立てをする必要があります。それでも納税者の主張が通らない場合は国税不服審判所に審査請求をします。この審判所の判断を「裁決」といいますが、裁決でも主張が認められない場合にやっと裁判所に提訴できます。
◆わからない場合には専門家に相談
いずれにしても、個人が節税を考える場合には、自分のケースがどのように扱われるかを法令に沿って考えることが重要です。それでも税法は難しいものですから、わからなければ、税理士などの専門家に聞くことが賢明でしょう。
「中小企業退職金共済制度」の変更
◆「同居の親族」のみを雇用する事業も対象に
単独では退職金制度を備えることができない中小企業のための、相互共済の仕組みによる退職金制度である「中小企業退職金共済制度」(中退共)について、厚生労働省は、中小企業退職金共済法施行規則を改正しました(平成23年1月1日施行)。
この改正により、妻や子供など「同居の親族」のみを雇用する事業も、中退共に加入できるようになりました。これは、雇用・経済情勢が特に悪化し、退職後の従業員の生活保障の重要性が改めて認識される中で、事業主と生計を一にする同居の親族のみを雇用する事業に雇用される者であっても、使用従属関係が認められる同居の親族については、中小企業退職金共済法の「従業員」として取り扱うこととしたものです。
◆改正後の留意事項
中退共加入時の留意点は以下の通りです。
(1)同居の親族のみを雇用する事業所か否か(中退共への加入状況ではなく、事業所の雇用実態となります)、加入させる従業員が同居の親族か否かの届出が必要です。
(2)上記(1)において「同居の親族」がいる旨の申込書が提出された場合には、後日、中退共から使用従属関係を確認する「チェックシート」が事業主に送付されます。必要事項を記入のうえ、労働条件通知書等の必要書類と共に返送します。
(3)過去勤務期間については、新規申込時までの、継続して雇用された期間で最高10年間を通算期間とすることができますが、過去に小規模企業共済制度に加入していた期間は通算できません。
(4)同居の親族以外の従業員を雇用する事業所(混在事業所)が、新規加入助成期間中に同居の親族のみの事業所となった場合には、その「新規加入助成」が打ち切られます。
(5)同居の親族のみを雇用する事業所が新規に加入した場合は、新規加入助成の対象となりません。
◆「生活保障」としての役割
この他、加入中、退職時とそれぞれのタイミングにおいて、留意するポイントがあり、多少複雑ではあります。しかし、加入することによるメリットも多く、特に生活保障としての役割は大きいかと思われます。
条件に該当する中小企業では、加入の検討の余地は大いにあるでしょう。
◆人事院による調査結果から
人事院では、国家公務員の勤務条件等を検討することを目的として、毎年、民間企業の勤務条件制度などに関する調査を実施しています。ここでは、平成21年の調査結果のうち、「病気欠勤・休暇制度」について見ていきます。
なお、本調査結果は、常勤従業員数50人以上の全国の企業のうち、回答のあった3,520社について集計したものです。
◆病気欠勤・休暇制度等の導入状況
病気欠勤・休暇制度など、私傷病により休むための制度がある企業は「83.4%」で、そのうち病気欠勤・休暇制度がある企業は「75.9%」となっています。
また、病気欠勤・休暇制度と病気休職・休業制度の両方がある企業は「69.6%」でした。
◆病気欠勤・休暇制度の取扱い
病気欠勤・休暇制度の上限日数について、1回の疾病について定めている企業は「85.4%」、1年(度)について定めている企業は「16.4%」となっています。
また、上限日数を1回の疾病について定めている企業のうち、勤続年数による上限日数の違いがない企業は「55.6%」でした。
◆病気欠勤・休暇制度の上限日数
1回の疾病について定めている病気欠勤・休暇制度の上限日数の平均日数は「127.1日」で、最頻値は「90日」となっています。
また、病気欠勤・休暇または病気休職・休業から業務に復帰後、同一または類似の病気や怪我で休む場合に、休みの日数を前の休みの日数から通算・累積する企業は「68.4%」となっています。
厳しさを増す就職活動と採用企業・求職者の考え
◆過去最低水準の就職内定率
新卒者の就職内定率が過去最低水準となり、「今世紀最悪」とも言われている2011年度の就職活動状況ですが、採用企業側、求職者側はどのようなことを考えているのでしょうか。
◆採用企業側は「面接結果」「熱意・意欲」を重視
経済同友会では、会員企業を対象に「企業の採用と教育に関するアンケート調査」実施しました(846社のうち230社が回答)。
その結果によれば、企業が選考方法・基準において最も重視するものは「面接の結果」であり、「適正試験の結果」「筆記試験の成績」が続いています。
また、ビジネスの基本能力としてどのような能力を重視しているかとの質問では、「熱意・意欲」が最も多く、「行動力・実行力」「協調性」などが続きました。
◆求職者が考える「就職活動に有利なスキル」は?
求職者は就職に関してどのようなスキルが有利に働くと考えているのでしょうか。
株式会社ブラザーズ(東京の総合広告業)が、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉の4都県)で就職活動中の20代~40代の男女1,000人を対象に「就職活動に有利だと思うスキル」に関する意識調査を実施し、その結果が発表されています。結果は次の通りです。
・1位…「ビジネス英語」
・2位…「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」
・3位…「簿記」
・4位…「秘書検定」
・5位…「ビジネス実務法務検定」
・6位…「FP技能検定」
◆高校生は「受験」よりも「就職」に不安
その他、株式会社電通総研の調査によれば、高校生が「不安に思うこと」のトップは、「将来の就職」(80%)で、「大学受験」(69%)、「将来のお金」(65%)を大きく上回りました。
また、長引く不況の中、「就職に有利」「就職への近道」という理由から、専門学校への入学者が6年ぶりに増加したそうです。
今後法制化される「受動喫煙防止対策」「メンタルヘルス対策」
◆労働政策審議会が報告書(案)を発表
12月中旬に、厚生労働省の労働政策審議会(安全衛生分科会)から、「今後の職場における安全衛生対策について(報告)」の案が発表されました。
この中には、「受動喫煙防止対策の抜本的強化」「メンタルヘルス対策の推進」など、企業に少なからぬ影響を与える内容が盛り込まれており、今年の通常国会に、この内容を基にした労働安全衛生法の改正案が提出される見込みです
以下では、この報告書(案)の主な内容をご紹介します。
◆職場における受動喫煙防止対策の抜本的強化
受動喫煙の有害性に関する知識の普及、受動喫煙防止に関する労働者の意識の高まり等を踏まえて、一般の事務所・工場等については、全面禁煙や空間分煙とすることを事業者の義務とすることが適当である、としています。
また、飲食店、ホテル・旅館等の顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所についても、労働者の受動喫煙防止という観点からは、全面禁煙や空間分煙の措置をとることを事業者の義務とすることが適当である、としています。
しかし、顧客の喫煙に制約を加えることで営業上の支障が生じ、全面禁煙や空間分煙を行うことが困難な場合には、当分の間、可能な限り労働者の受動喫煙の機会を低減させることを事業者の義務とし、具体的には、換気等による有害物質濃度の低減等の措置をとることとし、換気量等の基準を達成しなければならないこととすることが適当である、としていますが、当面は、国による指導を中心に行うこととし、罰則は付さないこととする、としています。
◆職場におけるメンタルヘルス対策の推進
近年、職場におけるメンタルヘルス不調者の増加が大きな社会問題となっているのは周知の通りです。
今後の事業者の取組みとして、医師が労働者のストレスに関連する症状・不調を確認し、この結果を受けた労働者が事業者に面接の申出を行った場合、現行の長時間労働者に対する「医師による面接指導制度」と同様、事業者が医師による面接指導および医師からの意見聴取等を行うことを事業者の義務とする新たな枠組みを導入することが適当である、としています。
なお、ここでいう「新たな枠組み」では、個人情報の保護の観点から、医師(ストレスに関連する症状・不調の確認を行った医師)は、労働者のストレスに関連する症状・不調の状況および面接の要否等の結果について、労働者に直接通知することとする、としています。
4月から中小企業にも義務化される「一般事業主行動計画」
◆中小企業による策定・届出は約1割
近年、労働者の「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が叫ばれていますが、厚生労働省では、次世代育成支援対策推進法(平成15年7月に成立・公布)に基づく「一般事業主行動計画」を策定・届出を行っている中小企業が10.9%(3,901社)であるとする調査結果を発表しました。
◆「一般事業主行動計画」とは?
この「一般事業主行動計画」は、企業が労働者の仕事と子育ての両立を図るために、雇用環境の整備や子育てを行っていない労働者も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むにあたり、(1)計画期間、(2)目標、(3)その達成のための対策と実施時期について定めるものです。
現在は従業員数301人以上の大企業にのみ策定・届出が義務付けられています(ただし、罰則規定はなし)が、今年4月以降は、現在は策定・届出が努力義務とされている従業員数101人以上の企業にも策定が義務付けられることとなっています。
◆「ワーク・ライフ・バランス」に関する満足度
なお、株式会社インテリジェンスのアンケート調査(25~34歳のビジネスパーソン1,000人対象)によれば、「ワーク・ライフ・バランスが取れている」と回答した人は全体の55.1%であり、年収別では「600万円以上」で62.6%だったのに対し、「300万円未満」では45.2%でした。つまり、年収の高い人ほどWLBが取れているようです。
労働者のやる気を高め、モチベーションをアップさせるためにも、今後さらに「ワーク・ライフ・バランス」への取組みが重要になってくるものと思われます。
「雇止め」に関するトラブルを回避するには
◆増加する「雇止め」をめぐるトラブル
期間を定めて締結した労働契約(有期労働契約)においては、契約更新の繰返しにより一定期間雇用を継続したにもかかわらず、突然、契約更新を行わず期間満了をもって退職させる等の、いわゆる「雇止め」をめぐるトラブルが増加し、裁判で争われる事案が増えています。
トラブルを回避するにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
◆書面による明示が大切
有期労働契約のトラブルに対応するため、厚生労働省では、労働基準法に基づいて「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を策定しています。項目は、(1)「契約締結時の明示事項等」、(2)「雇止めの予告」、(3)「雇止めの理由の明示」、(4)「契約期間についての配慮」となっています。
使用者は、有期契約の労働者に対して、契約締結時に契約更新の有無を明示しなければならず、「契約を更新する場合がある」と明示したときは、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなければならないとしています。
また、明示した内容を契約締結後に変更する場合は、速やかにその内容を明示しなければなりません。これらの事項については書面により明示することが望ましいとされています。
◆有期労働契約の期間
有期労働契約を締結する場合、その期間の長さについて労働基準法で上限3年(原則)という定めがあります。
1年以上の契約を締結した場合は、労働契約期間の初日から1年を経過した日以後において、労働者は、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができます。
◆労働契約法の適用も
労働契約法は、有期契約労働者にも適用され、(1)やむを得ない事由がない場合に契約期間満了までの期間において解雇ができないこと、(2)契約期間を必要以上に短い期間として反復・更新しないようにすること、などが規定されています。
また、締結等の基本ルールとして、(1)労働契約の締結や変更にあたり労働者に契約内容についてきちんと説明を行うこと、(2)労働契約の内容についてできる限り書面により確認することとされています。
「成長分野等人材育成支援事業奨励金」の創設
◆新しい助成金制度
厚生労働省から、「成長分野等人材育成支援事業奨励金」の創設が発表されました。
この助成金は、健康分野、環境分野、これに関連するものづくり分野において、期間の定めのない労働者を雇い入れ、または他の分野から配置転換した労働者を対象に、1年間の職業訓練計画を作成し、Off-JTを実施した事業主に、訓練費用の助成を行うというものです。
対象者1人当たり20万円(中小企業が大学院を利用した場合には、50万円)を上限として支給されます。
◆対象となる分野
支給対象となるのは、林業、建設業、製造業、電気業、情報通信業、運輸業・郵便業、学術・開発研究機関などで健康や環境分野に関する業務(建築、製品の製造・取引、技術開発など)を行っているもの、スポーツ施設提供業(フィットネスクラブ等)、スポーツ・健康教授業(スイミングスクール等)、医療・福祉、廃棄物処理業、その他(エコファンド等)に該当する分野です。
詳しくはhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/f-top.htmlを参照してください。
◆支給対象事業主の要件
この制度では、(1)職業訓練計画を作成し認定を受けるとき、(2)職業訓練計画に基づいて訓練を実施後、支給申請するときの計2回、要件の確認が行われます。
職業訓練計画の認定を受けるときは、(1)健康、環境分野および関連するものづくり分野の事業を行っていること、(2)一定の要件を満たした職業訓練計画を作成していることの他、雇用保険の適用事業主であることや、職業能力開発推進者を選任し、都道府県職業能力開発協会に選任調べを提出していることの確認があります。
また、支給申請時には、(1)受給資格認定を受けた職業訓練計画に基づいて訓練を実施したこと、(2)受給資格認定申請書の提出日の前日から起算して6カ月前の日から支給申請書の提出日までの間に事業所で雇用する雇用保険被保険者を事業主都合で解雇していないこと等の確認があります。
増加傾向にある公的年金に関する審査請求
◆社会保険に関する審査請求とは
「もらえると思っていた公的年金や公的医療保険の給付が受けられない」といった場合に、不服を申し出ることができる「審査請求」の件数が、近年増加しています。
制度の対象は、国民年金、厚生年金保険、健康保険、船員保険です。保険者(社会保険の運営主体)の裁定に不服があった場合に、60日以内に申立てを行います。
最近目立つのは、障害年金、傷病手当金、遺族年金などに関する不服申立てです。
◆手続きのおおまかな流れ
この制度は、保険料の徴収など一部を除き、審査と再審査の2段階です。
まず、地方の厚生局に属する「社会保険審査官」に審査請求を行います。審査の結果、容認、棄却(審査の結果、認められない)、却下(申立期間を過ぎているなどで審査を受けられない)の他、取下げ(審査請求を機に保険者が再検討して元の判断を被保険者に有利に見直す場合など)を通知されますが、これが不服であった場合や、60日以内に審査官の決定がない場合には、厚生労働省にある「社会保険審査会」に再審査請求を行います。なおもその結果に不服の場合は、訴訟を提起することになります。
◆「容認」は1割程度
審査官も審査会も、「容認」となるケースは1割弱とそれほど高くありません。容認と取下げを合わせると、2009年度は審査官の段階で2割弱、審査会では3割弱は、申立人の主張が通ったことになります。
保険者に不支給と言われて諦めてしまう人も多いのですが、認定基準自体が見直された例もあるため、審査官の段階でダメであっても、審査会で別の視点から判断される場合もあり、諦めないことが大切です。
◆申立時の注意点
申請手続の進め方や書類の記入の仕方によって支給されないことがあるため、注意が必要です。また、申立期間が60日以内だということにも注意です。これを過ぎてしまうと却下されてしまいます。
社会保険に関する知識が十分でない場合、漠然と訴えても有利な結果を出すことは容易ではありません。専門家を代理人に立てるほうが、有利な結果を得られる確立は高いでしょう。
冬場の健康をインターネットでチェック!
◆医療機関受診の目安に
病気予防や健康維持のためのインターネット専用サイトが充実しています。
冬も本番となり、体調を崩す人も多い季節になりました。症状をチェックして医療機関での受診の目安にしたり知識を深めたりと、寒い冬を元気に乗り切るヒントを得られる専用サイトを活用してみてはいかがでしょうか。
◆サイトの紹介
(1)「健康知識測定サイト」(東京商工会議所)
運動、食事、生活習慣などの5分野で問題に挑戦することができ、合格すれば「健康知識マスター」に認定されます。マスターは、スポーツクラブの無料券や健康茶などのプレゼントに応募できる特典もあるようです。
(2)「インフルエンザ情報サービス」(中外製薬株式会社)
インフルエンザの予防や治療法を紹介しています。各地の流行状況を示した流行レベルマップや各都道府県の救急医療情報サービスへのリンクもあり、病院検索にも活用することができます。
(3)「ルナルナ」(株式会社エムティーアイ)
女性向けの携帯電話用サイトです。月額180円程度かかりますが、会員登録を行えば、生理日予測などを行うことができる他、女性特有の病気の知識が得られます。
(4)「アスクムーン女性の医学」(エムスリー株式会社)
女性向けに基礎体温管理サービスなどを提供する携帯電話用サイトです。月額315円で、女性の病気に関するQ&Aが充実しており、医師への質問コーナーもあります。
◆自治体も情報発信
東京都台東区では、サイトで参加者を募集して「筋力向上トレーニング教室」を開いています。週2回2時間のコースで、参加料は1回200円です。手頃な費用でトレーナーの本格的な指導を受けられることもあり、喜ばれているようです。
健康のためはもちろんのこと、家計における医療費を削減するためにも、まずは地元の自治体のサイトなどをチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。
確定申告をめぐる裁判例・裁決例から
◆納税者と税務署の対立
「節税できると思って確定申告を行ったたら、税務署から否認された」というような経験をした方にとって参考となるのが、納税者と税務署が対立した裁判例・裁決例です。
これから始まる確定申告の前に、気になる税金の急所を、裁判例や裁決例で事前にチェックしてみてはいかがでしょうか。
◆「納税者側に軍配」の判決
昨年、税金をめぐる納税者と税務署の訴訟について、最高裁が納税者側に軍配を上げた2つの判決が注目を集めました。
1つは、年金払い方式の生命保険金に対する「二重課税」判決です。最高裁は、死亡保険金を年金形式で受け取る場合、相続税と所得税を課すのは「二重課税」で違法との判決を下しました。この結果、納税者は類似の年金払い型の保険商品も含めて、過去に払い過ぎた所得税の還付を受けられるようになりました。
もう1つは、所得税の源泉徴収(天引き)をめぐる判決です。最高裁はホステスの報酬から源泉徴収額を計算する際に、法令通り「計算対象期間の全日数」による控除を妥当としました。税務署は従来、全日数ではなく「実際に働いた日数分」しか控除を認めていませんでしたが、最高裁は「みだりに税法の文言を離れた解釈すべきではない」と税務当局を戒めました。
◆「法令の規定通りの課税」の方向へ
最高裁は一連の判決を通じ「税金は法令の規定通りに課すべき」という租税法律主義の考え方を徹底させようとしています。
そもそも税金の場合、納税者は制度上、直ちに裁判に訴えることができず、まずその処分を下した税務署に異議申立てをする必要があります。それでも納税者の主張が通らない場合は国税不服審判所に審査請求をします。この審判所の判断を「裁決」といいますが、裁決でも主張が認められない場合にやっと裁判所に提訴できます。
◆わからない場合には専門家に相談
いずれにしても、個人が節税を考える場合には、自分のケースがどのように扱われるかを法令に沿って考えることが重要です。それでも税法は難しいものですから、わからなければ、税理士などの専門家に聞くことが賢明でしょう。
「中小企業退職金共済制度」の変更
◆「同居の親族」のみを雇用する事業も対象に
単独では退職金制度を備えることができない中小企業のための、相互共済の仕組みによる退職金制度である「中小企業退職金共済制度」(中退共)について、厚生労働省は、中小企業退職金共済法施行規則を改正しました(平成23年1月1日施行)。
この改正により、妻や子供など「同居の親族」のみを雇用する事業も、中退共に加入できるようになりました。これは、雇用・経済情勢が特に悪化し、退職後の従業員の生活保障の重要性が改めて認識される中で、事業主と生計を一にする同居の親族のみを雇用する事業に雇用される者であっても、使用従属関係が認められる同居の親族については、中小企業退職金共済法の「従業員」として取り扱うこととしたものです。
◆改正後の留意事項
中退共加入時の留意点は以下の通りです。
(1)同居の親族のみを雇用する事業所か否か(中退共への加入状況ではなく、事業所の雇用実態となります)、加入させる従業員が同居の親族か否かの届出が必要です。
(2)上記(1)において「同居の親族」がいる旨の申込書が提出された場合には、後日、中退共から使用従属関係を確認する「チェックシート」が事業主に送付されます。必要事項を記入のうえ、労働条件通知書等の必要書類と共に返送します。
(3)過去勤務期間については、新規申込時までの、継続して雇用された期間で最高10年間を通算期間とすることができますが、過去に小規模企業共済制度に加入していた期間は通算できません。
(4)同居の親族以外の従業員を雇用する事業所(混在事業所)が、新規加入助成期間中に同居の親族のみの事業所となった場合には、その「新規加入助成」が打ち切られます。
(5)同居の親族のみを雇用する事業所が新規に加入した場合は、新規加入助成の対象となりません。
◆「生活保障」としての役割
この他、加入中、退職時とそれぞれのタイミングにおいて、留意するポイントがあり、多少複雑ではあります。しかし、加入することによるメリットも多く、特に生活保障としての役割は大きいかと思われます。
条件に該当する中小企業では、加入の検討の余地は大いにあるでしょう。
2010/12/28
2011年 1月の事務所便り
「賃金不払残業」「長時間労働」に関する相談内容
◆各都道府県労働局で一斉に実施
厚生労働省は毎年11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働やサービス残業の解消を促す取組みを行っていますが、その一環として今年11月6日に各都道府県労働局で一斉に行った「労働時間相談ダイヤル」の相談結果を発表しました。
相談件数は787件(昨年度比114件減少)で、労働者本人からの相談が495件(62.9%)、労働者の家族からの相談が235件(29.9%)で、相談内容は、「賃金不払残業」に関するものが438件(55.7%)、「長時間労働」に関するものが247件(31.4%)を占めています。
以下に、この「労働時間相談ダイヤル」における相談内容の事例を紹介します。
◆「賃金不払残業」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
スーパーで勤務しています。労働時間は自己申告で管理しており、1カ月100時間を超える残業をしていますが、正しく申告できない状況にあるため、残業手当が一部しか支払われていません。
(2)製造業で働いている労働者からの相談
工場で働いています。交替制勤務ですが、1日4~5時間の残業が慢性化しています。タイムカードは終業時間で打刻させられるので、その分の残業手当が全然支払われません。
◆「長時間労働」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
清涼飲料水の自動販売機への商品の補充作業をしています。ほとんど毎日のように1日13時間に及ぶ勤務ですので、1カ月にすると120時間以上の残業をしており、家族団らんの時間が作れません。
(2)警備業で働いている労働者の家族からの相談
夫がシステム関連の仕事をしています。残業や休日労働が多く、長い月で1カ月150時間を超える残業や休日労働をしています。労働時間を自己申告していますが、実際の時間を申告するのは困難なため、会社は労働者の労働時間について適正に把握していません。夫の健康状態が心配です。
◆労使トラブルは近年増加傾向
近年、労働時間や割増賃金に関する労使トラブルは増加傾向にあります。法律を遵守するのはもちろんのことですが、トラブルを発生させないよう、日頃から労使間で十分なコミュニケーションを図りつつ、社員の「ワーク・ライフ・バランス」にも気を配らせる取組みが必要です。
社員は「働きがい」を感じているか?
◆「働きがいに関する意識調査」の結果
株式会社NTTデータ経営研究所では、今年9月に「働きがいに関する意識調査」を行い、先日その結果が発表されました。
この調査では、「働きがい」、「働きがいを高める要因/阻害する要因」、「心の疲弊感」などに関する質問を行っており、昨今の厳しい経営環境過で社員がどのようなことを考えて働いているのかがわかり、大変参考になると思います。
◆「働きがい」は低下傾向に
まず、「現在、働きがいを感じていますか」との質問では、「感じている」(13.0%)との回答と「やや感じている」(39.4%)との回答を合わせると、52.4%の人が働きがいを感じていることがわかりました。
しかし、3年前と比べて「働きがいが低くなった」と感じている人(44.8%)は、「働きがいが高まった」と感じている人(22.5%)を大きく上回っています。
◆何が働きがいを高め、阻害しているか
働きがいを感じているグループにおいて「働きがいを特に高める要因」について、「仕事の価値の実感」(91.7%)、「仕事を通じての成長実感」(87.9%)、「仕事を通じての力の発揮」(86.3%)、「仕事が適性に合っている実感」(85.5%)、「仕事を通じた達成感」(78.2%)が上位を占めました。
逆に、働きがいを感じていないグループにおいて「働きがいを特に阻害する要因」について、「会社での将来のキャリアイメージが描けない」(91.7%)、「会社では創造的な仕事を促す環境作りがない」(86.1%)、「会社の仕組み・制度・組織が整備されていない」(79.9%)、「会社の経営陣による折に触れたビジョンの発信がない」(78.6%)、「会社の将来性がない」(78.4%)が上位を占めました。
◆社員の「モチベーションアップ」
また、「今の仕事をする中で、心の疲弊感を感じていますか」との質問に対しては、「感じている」と答えた人が26.6%、「やや感じている」と答えた人が43.1%で、合わせて約7割(69.7%)の人が「心の疲弊感を感じている」ことが明らかになりました。
これら「働きがい」や「疲弊感」の有無については、社員の個人的要因に基づく場合も多いとは思います。しかし、会社として社員一人ひとりの「モチベーションアップ」に貢献できることはないかを考えてみることも大事ではないでしょうか。
働く人の睡眠時間はどのぐらい?
◆5都市でインターネット調査
味の素株式会社では、世界のビジネスパーソンの「睡眠時間」や「睡眠の満足度」に関するインターネット調査を行い、その結果を発表しました。
この調査は、東京、ニューヨーク(アメリカ)、パリ(フランス)、ストックホルム(スウェーデン)、上海(中国)の30代から50代までのビジネスパーソン(男女計891人)を対象に実施されたものです。この結果を見ていきましょう。
◆睡眠時間の長さは東京が最下位
睡眠時間の長さについては、東京がダントツで最下位となりました。
(1)上海……7時間28分
(2)ストックホルム……7時間8分
(3)パリ……6時間55分
(4)ニューヨーク……6時間35分
(5)東京……5時間59分
東京のビジネスパーソンの睡眠時間の短さの原因は、「就寝時間の遅さ」(5都市で唯一の午前0時台)でした。
◆睡眠の満足度は?
また、睡眠の満足度について「満足」と回答した人は、東京では30%以下であったのに対し、他の4都市では50%以上が「満足」と回答していました。
一方、「不満」と回答した人は、東京は約49%で5都市のうち最も高く、ワースト2のパリ(約38%)よりも10ポイント以上も高くなっています。
◆睡眠時間6時間未満では「早死」のリスク
なお、ウォリック大学(イギリス)とフェデリコ2世大学(イタリア)が今年5月に発表した共同研究結果によれば、1日の睡眠時間が6時間未満の人は「早死するリスク」が高くなるとされています。
この共同研究は、10年間にわたり世界各国の130万人以上を対象に調査したものであり、睡眠時間が1日6時間に満たない人が早死にする確率は、6~8時間の睡眠をとる人に比べて12%も高くなるとのことです。
この研究チームを率いた教授は、「睡眠時間が短いと糖尿病や肥満、高血圧や高コレステロールを引き起こしやすい」と指摘しているそうです。
転職活動の長期化で転職者の気持ちは?
◆転職活動期間が長期化傾向に
株式会社リクルートが発表した「転職者の動向と意識に関する調査」(2010年7~9月期)の結果を発表しました。
この結果によれば、労働者の平均転職活動期間が調査開始以来最長の「5.7カ月」となったそうです。ここにも不況の影響が現れているようです。
◆転職者の活動状況
転職者の活動状況について、まず「応募する会社の数」については平均で23.4社となっています。転職先の業種別にみると「IT・通信系」の29.5社、職種別にみると「技術系(ソフトウエア・ネットワーク)」の30.4社が最多となっています。
次に「前職を辞めたタイミング」については、「転職先が決まる前に」が67.2%、「転職先が決まってから」が26.3%となっています。
そして、「転職活動の期間」については、調査開始以来、最長の平均5.7カ月となりました。転職先の業種別にみると「商社系(電機・電子・機械系)」の8.6カ月、職種別にみると「技術系(電機・電子・機械系)」の7.2カ月がそれぞれ最長となっています。
◆転職者の気持ち
この調査では、転職が決まった人に対して最後に「転職活動を終えた今の気持ち」という質問をしています。その中からいくつか挙げておきます。
・「自分が新たな道で、新しい可能性を見出せる職場に出会えることができて、本当に転職をして良かった」
・「終わったというより、これから始まるという気持ち。ホッとするものの、より緊張する」
・「非常に厳しい現状を再認識した。これを良い経験とし、さらに頑張りたいと思う」
・「やりたい仕事で正社員として就業できたので心から嬉しいが、今からが本番なので気を引き締めている」
・「厳しい経済情勢の中、手を差し伸べてくれた企業の気持ちにこたえたいと思う」
・「ホッとしたのと同時に、スキルアップのための努力をもっと重ねなくてはいけないと考えている」
「専門職の外国人」減少の原因は?
◆「高度人材」が減少傾向
いわゆる「高度人材」とは、専門的な知識や技術を持つ外国人労働者のことであり、「人文知識・国際業務」か「技術」の在留資格で滞在する人を指す場合と、「投資・経営」「法律・会計業務」などを含めた13分野でみる場合とがあります。
前者の狭義2分野では約12万人、後者の広義13分野では20万人以上が、現在、日本に滞在していると言われています。
専門性が高い「技術」などの分野で、日本で働くための在留資格を得た人の数は、2007年に2万2,792人と2002年の2倍強まで増加した後、2008年から減少に転じ、2009年には1万人を割り込んでいます。
◆減少の原因に受入れ体制の不十分さ
経済産業省の調査によると、高等教育を終了した人口に占める外国人の比率は、わずか0.7%で、英国の16%や米国の13%に比べてかなり低いことがわかります。
スイスの研究所が発表した、高度人材からみた労働市場の魅力度では、日本は42位と、欧米諸国や英語圏のみならず、順位を上げている中国や韓国をも大きく下回っています。
この要因として、「英語の生活インフラが整っていない」「教育に適した学校がない」といった、日本側の受入れ体制の不十分さの問題が指摘されています。
日本が成長していた時代は日本に滞在する外国人は多くいましたが、昨今では、日本に残るメリットを感じる外国人は少なくなっているようです。
◆雇用環境の悪化も影響
高度人材の減少傾向の要因の1つに、国内の雇用環境の悪化があります。ある技術者派遣最大手の企業では、ピーク時には約5%が中国人技術者でしたが、リーマン・ショックの影響により、2009年4月以降の採用は、現在ではピーク時の3分の1に減っています。
一方、日本で働く外国人社員を、2007年と比べて7割も増やし、海外での直接採用も積極的に行っている企業もあるようです。
危機感を持つ産業界においては、高度人材の誘致に向けた優遇措置を政府に求める声が上がっており、永住許可の条件緩和や、外国人が帰国するときにもらえる年金の一時金が掛け金に見合わず不利になっている現行制度を見直す案が浮上しているようです。
このままでは、高度な知識の集積などにおいて他国に後れを取り、中長期で見た場合の国の競争力の低下につながりかねないと懸念される中、早急な対応が求められています。
介護保険制度改革に向けて
◆介護保険制度の概要
介護保険制度は2000年に施行された制度であり、市町村から介護が必要と認められた人が、入浴介助や食事補助などの介護サービスを受けられる仕組みです。
介護サービス事業者は、都道府県などから指定を受けた事業所であり、提供したサービスの費用を市町村に請求し、利用者は所得にかかわらず費用の1割を負担します。
このたび、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会は、2012年度の介護保険制度改革に関する意見書をまとめ、発表しました。65歳以上で年収320万円以上の人の利用料の引上げや、市町村支援のために用意されている基金の活用が主な内容です。
◆高所得者の利用料を値上げ
次の制度改革では、拡大し続ける給付にどのように対応するかが焦点となっています。消費税増税の議論が止まっており、税の追加投入が難しくなっている中、利用者の負担増を軸にした議論が進んでいます。
検討項目の1つとして、65歳以上で年収が320万円以上の人の利用者負担を2割(現行は1割)に引き上げる案が挙がっています。この引上げにより、要介護認定を受けた高齢者(約490万人)のうち、約30万人が対象となります。
一方で、慎重な意見が出ている項目もあります。それは、ケアプラン作成の有料化や、40~64歳の会社員らの介護保険料の負担増などです。
もしケアプランを有料にした場合には、サービスを使わなくなる要介護者が増える可能性もあると言われています。
介護保険料については、加入人数に応じて健保組合等に必要額を割り当てて算出していますが、厚生労働省は、加入者の平均年収に応じて健保組合等の割当額を算出し、介護保険料を計算する方式(総報酬割)に改めようとしています。しかし、健保組合などからの反対が多いため、すんなり導入されるかはわかりません。
◆新サービスの創設も
このたびの改革案では、「自宅暮らし」を希望する高齢者の声に応えるため、施設から在宅への移行を促す新たなサービスが盛り込まれています。
24時間365日、いつでも必要なサービスを受けられる仕組みを創設したり、介護職員が一部の医療サービスを提供できるようにしたりする他、医療と介護を組み合わせて提供できる「複合サービス」も導入される予定です。
また、認知症の方の介護を行う家族の負担を軽減するため、日帰り介護サービスを提供する施設に高齢者が宿泊できるようにすることなども検討されているようです。
仕事や収入の安定と結婚との関係
◆若年失業者は約50万人
現在、若年失業者(15~24歳)の数は約49万人で、このうち学校を卒業後、一度も就職しないまま失業者になっている人は約12万人に上るそうです。
この年齢層の失業率は8.0%(今年9月時点)で、25~34歳の層でみても5.9%と全世代の平均を上回っており、厚生労働省では「若年雇用は予想以上に厳しい」としています。
また、就職できた若年層についても、手取り収入が減少しています。厚生労働省の調査をもとにした20~30歳代の平均年収(大学卒・大学院卒の男性)の推計は、2009年は前年比4.2%減の478万円となり、3年連続のマイナスでした。10年前と比較すると34万円も減っています。
これは、業績低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規雇用の仕事に就かざるを得なかったりする人が多いためと考えられます。
◆非正規雇用社員の男性の既婚率は17%
厚生労働省の資料を基に試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台で、このままいくと、2010年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込むようです。
20~39歳の男性では、正規雇用社員は約51%が結婚していますが、非正規雇用社員では約17%となっています。
2005~2008年に結婚した40歳までの男性を、結婚時点の所得階層別にみると、年収400~500万円では26.0%が結婚していますが、100万円未満は8.9%しか結婚していません。
◆「将来への不安」が少子化に影響
上記のように、仕事や収入が安定している若年者は結婚・独立がある程度容易ですが、非正規雇用や低収入の若年者は、親元から離れることができない状況にあります。
その結果、若年層の結婚数が減り、出生率も低迷し、少子化が一段と加速していく可能性があります。 経済や社会保障への影響を考えると、政府の若年者に対する雇用改善政策が急務だと思われます。
がんの治療費が高額化の傾向に
◆「分子標的薬」とは?
がんの治療費が高額化しているようです。医療技術の高度化に伴い、ここ数年増え始めた「分子標的薬(抗がん剤)」は、分子生物学を駆使して開発された薬であり、2000年代に登場した当初は、がん細胞だけを攻撃し副作用がない「夢の薬」などと呼ばれました。
その後、一部の薬で副作用事故が起き、期待感は薄れましたが、今や医療現場で普通に使われています。しかし、1錠や注射1回あたり何千円~何万円もするものが相次いでおり、1カ月当たりの薬代が100万円を超すケースもあります。
医療費負担が重くなったとき、どのような対応策があるでしょうか。
◆高額療養費制度の活用
公的医療保険には、患者負担の上限を定めている「高額療養費制度」があります。これによって一般的な所得の人であれば、1カ月に支払う負担額は8万円程度に抑えられ、医療費が継続してかかる場合は、上限が4万4,000円まで下がります。なお、申請すれば、上限額を超えて支払った分は3カ月ほど後に還付されます。
このような制度があっても、「収入が少ないから払えない」「3割負担を工面することができない」といった相談が増えているようです。
こんな場合、特に入院の場合は、入院前に自分が加入している健康保険や国民健康保険の窓口で「限度額認定証」を発行してもらい、それを病院に提出することにより、医療費が高額になった場合でも3割分すべてを払う必要はなく、定められた上限額の支払いだけで済みます。
◆その他の制度の活用
その他、患者負担金を支払う余裕がない人のために無利子でお金を貸してくれる制度の活用、抗がん剤治療を受けた月に5~6万円を最大60カ月給付する民間の保険商品への加入、分割払いに対応してくれる病院の利用なども考えられます。
◆高額療養費制度
景気低迷や非正規社員増加などで収入が減り、医療費も上昇しているため、現在の高額療養費制度の上限額が高いという声も強まっています。
このような状況を踏まえ、厚生労働省では、一部患者の負担上限額を引き下げることを検討していますが、財源確保のためには健康保険料や税金が今まで以上に必要になり、また、少しでも財源を確保するため、高所得者の上限を引き上げることも併せて検討されているようです。
医療費については、誰がどの程度負担するのか。公的医療保険はどこまで保障すべきか、根本的な議論が必要な状況にあるようです。
年内に行っておくべき確定申告対策
◆年内にしておくべくことは?
確定申告をすることによって払い過ぎた税金が戻るなど、税金を安くできる場合があります。
病気やケガで多額の医療費を支払った場合の「医療費控除」、住宅ローンを利用して住宅を取得・増改築した場合の「住宅ローン控除」、株式取引の損益計算など。
いずれも申告による節税対策の代表格ですが、来年の確定申告に間に合わせるためには、年内に済ませておくべきことがあります。
◆家計の節税ポイント
確定申告での節税手法には「所得控除」と「税額控除」があり、主に金融関連での手法として「損益通算」と「繰越し控除」があります。
ここで注意すべきは、確定申告の対象は前年の1~12月の所得であり、年内にお金の支払いや手続きを済ませておかないと各種の控除を利用できないことです。
◆ポイント(1)所得控除
所得控除は課税対象となる所得金額を計算する際に、一定の金額を「所得」から差し引く制度です。所得控除の代表的なものが「医療費控除」です。1年間に実際に支払った医療費が原則10万円を超えた場合に対象となるため、合計の医療費が10万円超まであと少しならば、費用の嵩む治療・支払いを年内に済ませます。
また、国民年金など「社会保険料の前納制度」を活用するのも1つの方法です。国民年金保険料や国民健康保険料などは来年3月分までならばまとめて前納でき、控除額を増やせます。ただ、前納は翌年に支払う保険料の先払いであり、翌年も引き続いて前納しなければ、その分翌年の控除額が減るので注意が必要です。
◆ポイント(2)税額控除
税額控除は「税額」から直接、一定額を差し引きます。代表格は「住宅ローン控除」や「住宅特定改修特別税額控除:です。
住宅ローンを組んで家を新築・取得・増改築したり、ローンや自己資金で省エネ改修、バリアフリー改修をしたりした場合について控除を受けられますが、いずれの場合も必ず年内に住み始めることが必要です。住み始めた時点で地元の自治体に必ず住民登録します。
◆ポイント(3)損益通算と繰越し控除
ここで「損益通算」とは、金融関連の損失を同じ金融関連の所得から差し引く仕組みで、「繰越し控除」とは、それでも引き切れない損失が残る場合に翌年以降にそれを繰り越す制度です。
上場株式や公募株式投信は現在、売却益が出るとその10%が課税されますが、他の株式などで売却損が出れば、売却益をその売却損と相殺(損益通算)できます。なお。残った損失は2011年以降3年間にわたり繰越し控除できます。
また、配当金や分配金についても、申告分離課税を選択して確定申告すれば、上場株式などの売却損と損益通算できます。
損益通算による節税効果を最大限に発揮するためには、含み損を抱えた分を実際に売って損失を確定することがポイントです。
この他、上場株式のみなし取得費の特例については、売却損と売却益の計算が有利になる可能性のある特例が年内で終了します。来年売却するよりも税制面で有利と判断されるのであれば、年内に売却します。またゴルフ会員権の売却による損失計上も、年内に行えば節税対策となります。
「日雇い」「短期派遣」で働く人の実態
◆「本業のかたわら」が8割以上
リクルートワークス研究所から「日雇い・短期派遣労働者の就業実態調査」(今年8月に実施。1,916人の回答を分析)の結果が発表されました。
これによれば、日雇い・短期派遣で働く人のうち、副業・求職活動・家事・学業など、「本業のかたわら」に日雇い・短期派遣で働く人の割合は、全体の85.6%だそうです。これに対して、日雇い・短期派遣就労が生活の中心である「短期派遣専業」として働く人の割合は、わずか11.0%でした。
◆日雇い・短期派遣で働く理由
日雇い・短期派遣として働く理由としては、「副業」「学生」「主婦」の人の場合は「都合のよい時にだけ働けるから」が多く、「短期派遣専業」「失業・求職中」の人の場合は「すぐに収入が必要だから」が多いとの結果でした。
「都合のよいときだけ」「すぐに収入」がキーワードのようです。
◆就業日数・収入
また、日雇い・短期派遣で働く人の1カ月の平均就業日数は14.4日で、そのうち日雇い・短期派遣による就業日数は6.6日(45.9%)でした。
1カ月の収入は平均で9.9万円であり、そのうち日雇い・短期派遣による収入は3.4万円(34.6%)でした。
◆各都道府県労働局で一斉に実施
厚生労働省は毎年11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働やサービス残業の解消を促す取組みを行っていますが、その一環として今年11月6日に各都道府県労働局で一斉に行った「労働時間相談ダイヤル」の相談結果を発表しました。
相談件数は787件(昨年度比114件減少)で、労働者本人からの相談が495件(62.9%)、労働者の家族からの相談が235件(29.9%)で、相談内容は、「賃金不払残業」に関するものが438件(55.7%)、「長時間労働」に関するものが247件(31.4%)を占めています。
以下に、この「労働時間相談ダイヤル」における相談内容の事例を紹介します。
◆「賃金不払残業」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
スーパーで勤務しています。労働時間は自己申告で管理しており、1カ月100時間を超える残業をしていますが、正しく申告できない状況にあるため、残業手当が一部しか支払われていません。
(2)製造業で働いている労働者からの相談
工場で働いています。交替制勤務ですが、1日4~5時間の残業が慢性化しています。タイムカードは終業時間で打刻させられるので、その分の残業手当が全然支払われません。
◆「長時間労働」に関する相談内容例
(1)卸・小売業で働いている労働者からの相談
清涼飲料水の自動販売機への商品の補充作業をしています。ほとんど毎日のように1日13時間に及ぶ勤務ですので、1カ月にすると120時間以上の残業をしており、家族団らんの時間が作れません。
(2)警備業で働いている労働者の家族からの相談
夫がシステム関連の仕事をしています。残業や休日労働が多く、長い月で1カ月150時間を超える残業や休日労働をしています。労働時間を自己申告していますが、実際の時間を申告するのは困難なため、会社は労働者の労働時間について適正に把握していません。夫の健康状態が心配です。
◆労使トラブルは近年増加傾向
近年、労働時間や割増賃金に関する労使トラブルは増加傾向にあります。法律を遵守するのはもちろんのことですが、トラブルを発生させないよう、日頃から労使間で十分なコミュニケーションを図りつつ、社員の「ワーク・ライフ・バランス」にも気を配らせる取組みが必要です。
社員は「働きがい」を感じているか?
◆「働きがいに関する意識調査」の結果
株式会社NTTデータ経営研究所では、今年9月に「働きがいに関する意識調査」を行い、先日その結果が発表されました。
この調査では、「働きがい」、「働きがいを高める要因/阻害する要因」、「心の疲弊感」などに関する質問を行っており、昨今の厳しい経営環境過で社員がどのようなことを考えて働いているのかがわかり、大変参考になると思います。
◆「働きがい」は低下傾向に
まず、「現在、働きがいを感じていますか」との質問では、「感じている」(13.0%)との回答と「やや感じている」(39.4%)との回答を合わせると、52.4%の人が働きがいを感じていることがわかりました。
しかし、3年前と比べて「働きがいが低くなった」と感じている人(44.8%)は、「働きがいが高まった」と感じている人(22.5%)を大きく上回っています。
◆何が働きがいを高め、阻害しているか
働きがいを感じているグループにおいて「働きがいを特に高める要因」について、「仕事の価値の実感」(91.7%)、「仕事を通じての成長実感」(87.9%)、「仕事を通じての力の発揮」(86.3%)、「仕事が適性に合っている実感」(85.5%)、「仕事を通じた達成感」(78.2%)が上位を占めました。
逆に、働きがいを感じていないグループにおいて「働きがいを特に阻害する要因」について、「会社での将来のキャリアイメージが描けない」(91.7%)、「会社では創造的な仕事を促す環境作りがない」(86.1%)、「会社の仕組み・制度・組織が整備されていない」(79.9%)、「会社の経営陣による折に触れたビジョンの発信がない」(78.6%)、「会社の将来性がない」(78.4%)が上位を占めました。
◆社員の「モチベーションアップ」
また、「今の仕事をする中で、心の疲弊感を感じていますか」との質問に対しては、「感じている」と答えた人が26.6%、「やや感じている」と答えた人が43.1%で、合わせて約7割(69.7%)の人が「心の疲弊感を感じている」ことが明らかになりました。
これら「働きがい」や「疲弊感」の有無については、社員の個人的要因に基づく場合も多いとは思います。しかし、会社として社員一人ひとりの「モチベーションアップ」に貢献できることはないかを考えてみることも大事ではないでしょうか。
働く人の睡眠時間はどのぐらい?
◆5都市でインターネット調査
味の素株式会社では、世界のビジネスパーソンの「睡眠時間」や「睡眠の満足度」に関するインターネット調査を行い、その結果を発表しました。
この調査は、東京、ニューヨーク(アメリカ)、パリ(フランス)、ストックホルム(スウェーデン)、上海(中国)の30代から50代までのビジネスパーソン(男女計891人)を対象に実施されたものです。この結果を見ていきましょう。
◆睡眠時間の長さは東京が最下位
睡眠時間の長さについては、東京がダントツで最下位となりました。
(1)上海……7時間28分
(2)ストックホルム……7時間8分
(3)パリ……6時間55分
(4)ニューヨーク……6時間35分
(5)東京……5時間59分
東京のビジネスパーソンの睡眠時間の短さの原因は、「就寝時間の遅さ」(5都市で唯一の午前0時台)でした。
◆睡眠の満足度は?
また、睡眠の満足度について「満足」と回答した人は、東京では30%以下であったのに対し、他の4都市では50%以上が「満足」と回答していました。
一方、「不満」と回答した人は、東京は約49%で5都市のうち最も高く、ワースト2のパリ(約38%)よりも10ポイント以上も高くなっています。
◆睡眠時間6時間未満では「早死」のリスク
なお、ウォリック大学(イギリス)とフェデリコ2世大学(イタリア)が今年5月に発表した共同研究結果によれば、1日の睡眠時間が6時間未満の人は「早死するリスク」が高くなるとされています。
この共同研究は、10年間にわたり世界各国の130万人以上を対象に調査したものであり、睡眠時間が1日6時間に満たない人が早死にする確率は、6~8時間の睡眠をとる人に比べて12%も高くなるとのことです。
この研究チームを率いた教授は、「睡眠時間が短いと糖尿病や肥満、高血圧や高コレステロールを引き起こしやすい」と指摘しているそうです。
転職活動の長期化で転職者の気持ちは?
◆転職活動期間が長期化傾向に
株式会社リクルートが発表した「転職者の動向と意識に関する調査」(2010年7~9月期)の結果を発表しました。
この結果によれば、労働者の平均転職活動期間が調査開始以来最長の「5.7カ月」となったそうです。ここにも不況の影響が現れているようです。
◆転職者の活動状況
転職者の活動状況について、まず「応募する会社の数」については平均で23.4社となっています。転職先の業種別にみると「IT・通信系」の29.5社、職種別にみると「技術系(ソフトウエア・ネットワーク)」の30.4社が最多となっています。
次に「前職を辞めたタイミング」については、「転職先が決まる前に」が67.2%、「転職先が決まってから」が26.3%となっています。
そして、「転職活動の期間」については、調査開始以来、最長の平均5.7カ月となりました。転職先の業種別にみると「商社系(電機・電子・機械系)」の8.6カ月、職種別にみると「技術系(電機・電子・機械系)」の7.2カ月がそれぞれ最長となっています。
◆転職者の気持ち
この調査では、転職が決まった人に対して最後に「転職活動を終えた今の気持ち」という質問をしています。その中からいくつか挙げておきます。
・「自分が新たな道で、新しい可能性を見出せる職場に出会えることができて、本当に転職をして良かった」
・「終わったというより、これから始まるという気持ち。ホッとするものの、より緊張する」
・「非常に厳しい現状を再認識した。これを良い経験とし、さらに頑張りたいと思う」
・「やりたい仕事で正社員として就業できたので心から嬉しいが、今からが本番なので気を引き締めている」
・「厳しい経済情勢の中、手を差し伸べてくれた企業の気持ちにこたえたいと思う」
・「ホッとしたのと同時に、スキルアップのための努力をもっと重ねなくてはいけないと考えている」
「専門職の外国人」減少の原因は?
◆「高度人材」が減少傾向
いわゆる「高度人材」とは、専門的な知識や技術を持つ外国人労働者のことであり、「人文知識・国際業務」か「技術」の在留資格で滞在する人を指す場合と、「投資・経営」「法律・会計業務」などを含めた13分野でみる場合とがあります。
前者の狭義2分野では約12万人、後者の広義13分野では20万人以上が、現在、日本に滞在していると言われています。
専門性が高い「技術」などの分野で、日本で働くための在留資格を得た人の数は、2007年に2万2,792人と2002年の2倍強まで増加した後、2008年から減少に転じ、2009年には1万人を割り込んでいます。
◆減少の原因に受入れ体制の不十分さ
経済産業省の調査によると、高等教育を終了した人口に占める外国人の比率は、わずか0.7%で、英国の16%や米国の13%に比べてかなり低いことがわかります。
スイスの研究所が発表した、高度人材からみた労働市場の魅力度では、日本は42位と、欧米諸国や英語圏のみならず、順位を上げている中国や韓国をも大きく下回っています。
この要因として、「英語の生活インフラが整っていない」「教育に適した学校がない」といった、日本側の受入れ体制の不十分さの問題が指摘されています。
日本が成長していた時代は日本に滞在する外国人は多くいましたが、昨今では、日本に残るメリットを感じる外国人は少なくなっているようです。
◆雇用環境の悪化も影響
高度人材の減少傾向の要因の1つに、国内の雇用環境の悪化があります。ある技術者派遣最大手の企業では、ピーク時には約5%が中国人技術者でしたが、リーマン・ショックの影響により、2009年4月以降の採用は、現在ではピーク時の3分の1に減っています。
一方、日本で働く外国人社員を、2007年と比べて7割も増やし、海外での直接採用も積極的に行っている企業もあるようです。
危機感を持つ産業界においては、高度人材の誘致に向けた優遇措置を政府に求める声が上がっており、永住許可の条件緩和や、外国人が帰国するときにもらえる年金の一時金が掛け金に見合わず不利になっている現行制度を見直す案が浮上しているようです。
このままでは、高度な知識の集積などにおいて他国に後れを取り、中長期で見た場合の国の競争力の低下につながりかねないと懸念される中、早急な対応が求められています。
介護保険制度改革に向けて
◆介護保険制度の概要
介護保険制度は2000年に施行された制度であり、市町村から介護が必要と認められた人が、入浴介助や食事補助などの介護サービスを受けられる仕組みです。
介護サービス事業者は、都道府県などから指定を受けた事業所であり、提供したサービスの費用を市町村に請求し、利用者は所得にかかわらず費用の1割を負担します。
このたび、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会は、2012年度の介護保険制度改革に関する意見書をまとめ、発表しました。65歳以上で年収320万円以上の人の利用料の引上げや、市町村支援のために用意されている基金の活用が主な内容です。
◆高所得者の利用料を値上げ
次の制度改革では、拡大し続ける給付にどのように対応するかが焦点となっています。消費税増税の議論が止まっており、税の追加投入が難しくなっている中、利用者の負担増を軸にした議論が進んでいます。
検討項目の1つとして、65歳以上で年収が320万円以上の人の利用者負担を2割(現行は1割)に引き上げる案が挙がっています。この引上げにより、要介護認定を受けた高齢者(約490万人)のうち、約30万人が対象となります。
一方で、慎重な意見が出ている項目もあります。それは、ケアプラン作成の有料化や、40~64歳の会社員らの介護保険料の負担増などです。
もしケアプランを有料にした場合には、サービスを使わなくなる要介護者が増える可能性もあると言われています。
介護保険料については、加入人数に応じて健保組合等に必要額を割り当てて算出していますが、厚生労働省は、加入者の平均年収に応じて健保組合等の割当額を算出し、介護保険料を計算する方式(総報酬割)に改めようとしています。しかし、健保組合などからの反対が多いため、すんなり導入されるかはわかりません。
◆新サービスの創設も
このたびの改革案では、「自宅暮らし」を希望する高齢者の声に応えるため、施設から在宅への移行を促す新たなサービスが盛り込まれています。
24時間365日、いつでも必要なサービスを受けられる仕組みを創設したり、介護職員が一部の医療サービスを提供できるようにしたりする他、医療と介護を組み合わせて提供できる「複合サービス」も導入される予定です。
また、認知症の方の介護を行う家族の負担を軽減するため、日帰り介護サービスを提供する施設に高齢者が宿泊できるようにすることなども検討されているようです。
仕事や収入の安定と結婚との関係
◆若年失業者は約50万人
現在、若年失業者(15~24歳)の数は約49万人で、このうち学校を卒業後、一度も就職しないまま失業者になっている人は約12万人に上るそうです。
この年齢層の失業率は8.0%(今年9月時点)で、25~34歳の層でみても5.9%と全世代の平均を上回っており、厚生労働省では「若年雇用は予想以上に厳しい」としています。
また、就職できた若年層についても、手取り収入が減少しています。厚生労働省の調査をもとにした20~30歳代の平均年収(大学卒・大学院卒の男性)の推計は、2009年は前年比4.2%減の478万円となり、3年連続のマイナスでした。10年前と比較すると34万円も減っています。
これは、業績低迷でボーナスが減ったり、賃金の低い非正規雇用の仕事に就かざるを得なかったりする人が多いためと考えられます。
◆非正規雇用社員の男性の既婚率は17%
厚生労働省の資料を基に試算すると、今年9月までの12カ月の累計結婚数は69万組台で、このままいくと、2010年は通年で23年ぶりに70万組の大台を割り込むようです。
20~39歳の男性では、正規雇用社員は約51%が結婚していますが、非正規雇用社員では約17%となっています。
2005~2008年に結婚した40歳までの男性を、結婚時点の所得階層別にみると、年収400~500万円では26.0%が結婚していますが、100万円未満は8.9%しか結婚していません。
◆「将来への不安」が少子化に影響
上記のように、仕事や収入が安定している若年者は結婚・独立がある程度容易ですが、非正規雇用や低収入の若年者は、親元から離れることができない状況にあります。
その結果、若年層の結婚数が減り、出生率も低迷し、少子化が一段と加速していく可能性があります。 経済や社会保障への影響を考えると、政府の若年者に対する雇用改善政策が急務だと思われます。
がんの治療費が高額化の傾向に
◆「分子標的薬」とは?
がんの治療費が高額化しているようです。医療技術の高度化に伴い、ここ数年増え始めた「分子標的薬(抗がん剤)」は、分子生物学を駆使して開発された薬であり、2000年代に登場した当初は、がん細胞だけを攻撃し副作用がない「夢の薬」などと呼ばれました。
その後、一部の薬で副作用事故が起き、期待感は薄れましたが、今や医療現場で普通に使われています。しかし、1錠や注射1回あたり何千円~何万円もするものが相次いでおり、1カ月当たりの薬代が100万円を超すケースもあります。
医療費負担が重くなったとき、どのような対応策があるでしょうか。
◆高額療養費制度の活用
公的医療保険には、患者負担の上限を定めている「高額療養費制度」があります。これによって一般的な所得の人であれば、1カ月に支払う負担額は8万円程度に抑えられ、医療費が継続してかかる場合は、上限が4万4,000円まで下がります。なお、申請すれば、上限額を超えて支払った分は3カ月ほど後に還付されます。
このような制度があっても、「収入が少ないから払えない」「3割負担を工面することができない」といった相談が増えているようです。
こんな場合、特に入院の場合は、入院前に自分が加入している健康保険や国民健康保険の窓口で「限度額認定証」を発行してもらい、それを病院に提出することにより、医療費が高額になった場合でも3割分すべてを払う必要はなく、定められた上限額の支払いだけで済みます。
◆その他の制度の活用
その他、患者負担金を支払う余裕がない人のために無利子でお金を貸してくれる制度の活用、抗がん剤治療を受けた月に5~6万円を最大60カ月給付する民間の保険商品への加入、分割払いに対応してくれる病院の利用なども考えられます。
◆高額療養費制度
景気低迷や非正規社員増加などで収入が減り、医療費も上昇しているため、現在の高額療養費制度の上限額が高いという声も強まっています。
このような状況を踏まえ、厚生労働省では、一部患者の負担上限額を引き下げることを検討していますが、財源確保のためには健康保険料や税金が今まで以上に必要になり、また、少しでも財源を確保するため、高所得者の上限を引き上げることも併せて検討されているようです。
医療費については、誰がどの程度負担するのか。公的医療保険はどこまで保障すべきか、根本的な議論が必要な状況にあるようです。
年内に行っておくべき確定申告対策
◆年内にしておくべくことは?
確定申告をすることによって払い過ぎた税金が戻るなど、税金を安くできる場合があります。
病気やケガで多額の医療費を支払った場合の「医療費控除」、住宅ローンを利用して住宅を取得・増改築した場合の「住宅ローン控除」、株式取引の損益計算など。
いずれも申告による節税対策の代表格ですが、来年の確定申告に間に合わせるためには、年内に済ませておくべきことがあります。
◆家計の節税ポイント
確定申告での節税手法には「所得控除」と「税額控除」があり、主に金融関連での手法として「損益通算」と「繰越し控除」があります。
ここで注意すべきは、確定申告の対象は前年の1~12月の所得であり、年内にお金の支払いや手続きを済ませておかないと各種の控除を利用できないことです。
◆ポイント(1)所得控除
所得控除は課税対象となる所得金額を計算する際に、一定の金額を「所得」から差し引く制度です。所得控除の代表的なものが「医療費控除」です。1年間に実際に支払った医療費が原則10万円を超えた場合に対象となるため、合計の医療費が10万円超まであと少しならば、費用の嵩む治療・支払いを年内に済ませます。
また、国民年金など「社会保険料の前納制度」を活用するのも1つの方法です。国民年金保険料や国民健康保険料などは来年3月分までならばまとめて前納でき、控除額を増やせます。ただ、前納は翌年に支払う保険料の先払いであり、翌年も引き続いて前納しなければ、その分翌年の控除額が減るので注意が必要です。
◆ポイント(2)税額控除
税額控除は「税額」から直接、一定額を差し引きます。代表格は「住宅ローン控除」や「住宅特定改修特別税額控除:です。
住宅ローンを組んで家を新築・取得・増改築したり、ローンや自己資金で省エネ改修、バリアフリー改修をしたりした場合について控除を受けられますが、いずれの場合も必ず年内に住み始めることが必要です。住み始めた時点で地元の自治体に必ず住民登録します。
◆ポイント(3)損益通算と繰越し控除
ここで「損益通算」とは、金融関連の損失を同じ金融関連の所得から差し引く仕組みで、「繰越し控除」とは、それでも引き切れない損失が残る場合に翌年以降にそれを繰り越す制度です。
上場株式や公募株式投信は現在、売却益が出るとその10%が課税されますが、他の株式などで売却損が出れば、売却益をその売却損と相殺(損益通算)できます。なお。残った損失は2011年以降3年間にわたり繰越し控除できます。
また、配当金や分配金についても、申告分離課税を選択して確定申告すれば、上場株式などの売却損と損益通算できます。
損益通算による節税効果を最大限に発揮するためには、含み損を抱えた分を実際に売って損失を確定することがポイントです。
この他、上場株式のみなし取得費の特例については、売却損と売却益の計算が有利になる可能性のある特例が年内で終了します。来年売却するよりも税制面で有利と判断されるのであれば、年内に売却します。またゴルフ会員権の売却による損失計上も、年内に行えば節税対策となります。
「日雇い」「短期派遣」で働く人の実態
◆「本業のかたわら」が8割以上
リクルートワークス研究所から「日雇い・短期派遣労働者の就業実態調査」(今年8月に実施。1,916人の回答を分析)の結果が発表されました。
これによれば、日雇い・短期派遣で働く人のうち、副業・求職活動・家事・学業など、「本業のかたわら」に日雇い・短期派遣で働く人の割合は、全体の85.6%だそうです。これに対して、日雇い・短期派遣就労が生活の中心である「短期派遣専業」として働く人の割合は、わずか11.0%でした。
◆日雇い・短期派遣で働く理由
日雇い・短期派遣として働く理由としては、「副業」「学生」「主婦」の人の場合は「都合のよい時にだけ働けるから」が多く、「短期派遣専業」「失業・求職中」の人の場合は「すぐに収入が必要だから」が多いとの結果でした。
「都合のよいときだけ」「すぐに収入」がキーワードのようです。
◆就業日数・収入
また、日雇い・短期派遣で働く人の1カ月の平均就業日数は14.4日で、そのうち日雇い・短期派遣による就業日数は6.6日(45.9%)でした。
1カ月の収入は平均で9.9万円であり、そのうち日雇い・短期派遣による収入は3.4万円(34.6%)でした。
2010/12/09
12月の事務所便り
いまどきの「課長」の実態は?
◆一部上場企業の課長428人の回答
産業能率大学がインターネット調査会社を通じて「上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査」を今年9月に行い、その結果が公表されました。
従業員が100人以上の上場企業に勤務し、部下が1人以上いる「課長」428人が、「昇任前の経験」、「現在の悩み」、「上司の支援」、「今後のキャリア」などについて回答しています。
◆多くはマネージャー兼プレイヤー
まず、「プレイヤーとしての仕事の割合」についての質問では、「0%」と答えた人はわずか1.4%でした。プレイヤーとしての活動割合が半分より多い人は4割を超えています。
プレイングマネジャー化しているケースが多く、多くの課長がプレイヤーとしての活動を兼務していることがわかります。この傾向は、中小企業においてはなおさら強くなるでしょう。
◆仕事上の悩みとメンタルヘルス
次に、「仕事上の悩みを相談できる人がいるかどうか」との質問には、「いる」と答えた人が50.2%、「いない」と答えた人が49.8%と、ほぼ半数に分かれました。
「いる」と答えた人に対して「どのような相談者がいるのか」を尋ねたところ、「会社の上司」「会社の同僚」が多数でした。
また、「自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことがあるか」との質問には、「ある」と答えた人が43.7%、「ない」と答えた人が56.3%でした。その原因としては、「上司との人間関係」、「成果創出へのプレッシャー」、「仕事の内容」などが多くありました。
自分の身近に相談できる人がいるかどうかも、不安の有無に関係しているものと思われます。
◆遣り甲斐をもって仕事に取り組めるか
自分が「課長としてイキイキと働いていると思うか」との質問では、「どちらかといえばイキイキと働いている」が54.9%、「イキイキと働いている」が6.8%でした。逆に言えば、イキイキと働いていない人が約4割もいるということになります。
これら課長クラスにある方たちが、イキイキと遣り甲斐をもって仕事に取り組める環境をつくることが会社の仕事でもあり、それらができている会社はきっと成果を残している会社ということになるでしょう。
義務化されるか?
企業による「受動喫煙防止対策」
◆検討会が報告書を発表
厚生労働省では、昨年7月に「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会」を立ち上げ、今年5月にその検討会が報告書をまとめました。今後、この報告書をベースに、労働安全衛生法の改正案が国会で審議される予定となっています。
この改正案が成立した場合、飲食業・サービス業などにとっては大きな負担が強いられることとなりそうです。
◆これまでの対策の流れ
職場における受動喫煙防止対策については、平成4年以降、「労働安全衛生法」に定められた快適職場形成の一環として進められました。その後、平成15年に「健康増進法」が施行され、平成17年2月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発効するなど、受動喫煙を取り巻く環境は大きく変化しています。
また、健康志向の強まりや受動喫煙の有害性に関する知識の普及などから、職場における受動喫煙に対する労働者の意識も高まりつつあります。
◆受動喫煙防止を事業主の「義務」へ
このような環境の変化から、現在、企業に対して強く「受動喫煙防止対策」を求める流れになっています。
そして、職場における受動喫煙防止について、従来の「快適職場形成のため」から「労働者の健康障害防止のため」という観点に切り替え、職場における受動喫煙防止を事業主の「義務(罰則付き)」とする法改正が予定されているのです。
◆今後の審議状況に注目
今後のあり方として、事務所、工場等では「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが求められ、飲食店、ホテル・旅館等においては、原則として「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが必要とされ、それが困難な場合は喫煙区域の割合を少なくし、喫煙区域からの煙の漏れを防ぎ、換気等を行うように求められる方向です。
多くの企業に影響を与えることとなりそうな法改正のため、今後の改正案の審議状況が気になるところです。
新卒者の採用活動開始時期を見直しの動き
◆相次ぐ見直しの表明
9月下旬、大手商社7社は、企業における大卒者の採用活動時期を遅らせるよう、日本経団連に呼びかける考えを表明しました。「就職活動の長期化が学業の妨げになっている」との意見が強いためであり、商社自身の採用試験の時期も見直していくとしています。
また、10月初旬には、社団法人日本貿易会(貿易商社の業界団体)が、新卒者の採用活動に関して、2013年度入社対象の新卒者から、採用スケジュールを遅らせるべく具体的な検討を始め、また、各産業界が協調して見直しが実現できるよう日本経団連などの関係団体に働きかけると発表しました。
◆採用側企業の発表を受けて
これら採用側企業の動きを受けて、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣は、連名で245の主要経済団体、業界団体に向けた、早期の採用選考活動の抑制などを要請する文書を送りました。この要請文の中では各団体の努力を求めています。
また、リクルートや毎日コミュニケーションなど就職情報会社10社で構成する「日本就職情報出版懇話会」でも、就職活動の早期化への批判に対応し、新卒者の採用情報を提供するサイトの開設時期について、例年から1カ月以上遅らせて、来年は11月1日以降にすると発表しました。
◆これまでの就活の流れに変化
これまでの流れとしては、まず、大学3年生の8月ごろに「インターンシップ」を行う企業が出てきます。そして、10~11月にかけて「就職情報サイト」が開設され、「業界別セミナー」や「就活フェア」なども開かれます。
そして年が明けた1月ごろから「会社説明会」の開催が徐々に増えてきて、2月ごろには「エントリーシート」の提出なども始まります。
4年生になると「採用面接・選考」が始まり、5月ごろには「内々定」が出始め、6月には中小企業の採用活動も本格化してきます。
来年以降は、採用側企業や国側の対応を受けて、これらのスケジュールが遅くなっていくものと思われますが、企業としては、じっくりと良い人材を見極め、自社にとって必要な人材を確保することが必要なことには変わりはないでしょう。
どんな気持ちで職場の飲み会に参加しているか
◆職場の人とのお酒の飲み方に関する調査
キリン食生活文化研究所では「職場の人とのお酒の飲み方に関する意識調査」を行い、先日その結果が発表されました。
職場の仲間や上司・部下とお酒を飲む機会の多寡は会社によってそれぞれ異なるでしょうが、各人がどのような思いで「飲み会」に参加しているのか、とても興味深い内容になっています。
◆飲み会は「コミュニケーション」のため
アンケート項目中の「職場の人とお酒を飲む際に期待すること」については、トップは上司・部下ともに「コミュニケーションをとりたい」でした。そして、自分の上司より部下と飲むときのほうがその期待は充足される傾向にあることがわかりました。
また、職場の人からの飲み会の誘いを断る際に「行けない理由をはっきり言って断る」人は4割以上いました。20代では、部下・後輩に対し「行けない理由をはっきり言う」割合(36.3%)が、上司に対する場合よりも低くなっています。
◆飲み会の平均額・平均回数は?
職場の人とお酒を飲むときの1回あたりの平均予算は4,401円(前年比129円マイナス)でした。月平均の回数は前年と同じ1.5回となっています。
上司が部下とお酒を飲む際におごる金額の平均は1回あたり7,092円で、エリア別に見ると1位は「北海道」で8,542円。2位は「北陸」で7,400円、3位は「東北」7,221円となっています。寒い地域で働いている人のほうが太っ腹なのでしょうか?
◆増える傾向にある「割り勘」
最近では、上司と部下で飲みに行っても「割り勘」とするケースが増えているようです。
上記の調査とは別の調査では、「上下関係なく割り勘にすることが多い」と答えた20~59歳の人は全体の24%に上りました。
年功序列が崩れつつあり、明確な上下関係意識が薄れつつあることの影響なのかどうかはわかりませんが、いずれにしても、社内でのコミュニケーションを図るうえで「飲み会」が有効な手段の1つであることは間違いないでしょう。
転職を考え始める年齢は何歳?
◆4万人以上の会社員が回答
株式会社インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA」では、会社員が転職を考え始める年齢についての調査を行い、その結果を発表しました。
この調査の対象者は、「DODA」人材紹介サービスに登録した人のうち登録時の年齢が22~39歳(転職回数0回)の大卒以上の男女で、4万人以上から回答がありました。
◆ 転職を考え始めた年齢は?
転職を考え始めた年齢についての回答では、「25歳」(13.5%)が最多であり、「26歳」(12.5%)、「24歳」(11.8%)と続いています。4割近くの人が入社2~3年目の段階で次のキャリアを考えているようです。
◆職種別ではどうか?
転職を考え始めた年齢について職種別に見ると、下記の年齢がそれぞれ最多となっています。
・「企画・事務」…29歳(8.8%)
・「金融などの専門職」…28歳(9.1%)
・「ITエンジニア」…27歳(9.5%)
・「建築・土木」…27歳(10.6%)
・「モノづくりエンジニア」…26歳(9.7%)
・「メディカル」…26歳(11.6%)
・「営業」…25歳(10.9%)
・「販売・サービス」…25歳(12.6%)
◆安定志向の傾向も
最近は比較的若い年齢において転職を考え始める人が多いようですが、社団法人日本能率協会が今年4月に発表した新入社員の意識調査では、約半数の人が「定年まで勤めたい」と回答し、「終身雇用」や「年功序列」を望む傾向も見られます。
会社としては、有能な人材が会社にずっと残ってくれるのがベストでしょうが、そのためには、社員のキャリアアップのために何ができるのか等を真剣に考える必要があるでしょう。
賃金収入は減少傾向、4人に1人「失業の不安」
◆労働者にとっては厳しい状況
連合総研では、10月に労働者を対象に実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」(勤労者短観)の結果を発表しました。
「景気や勤め先の経営状況」「賃金収入と失業不安」などの項目について調査しており、労働者の厳しい状況がうかがえる結果となっています。
◆賃金収入は減少傾向に
1年前と比較した賃金収入の増減については、「減った」(32.9%)と回答した人が3割を超えており、前回調査(34.6%)と比べてもほとんど改善が見られませんでした。
また、今後1年の賃金収入見込みについて「減ると思う」(25.5%)と回答した人が前回調査(21.8%)を上回り、「増えると思う」(16.9%)と回答した人は前回調査(21.0%)から減少しています。悲観的な見方をする人の割合が高まっています。
◆4人に1人が「失業の不安」
次に、「今後1年間の失業の不安」について「感じる」と回答した人は25.0%で、過去最高を記録した昨年同月(28.3%)よりは低下しましたが、一昨年の同月調査(23.8%)を上回っています。
また、非正社員(男性53.6%、女性34.8%)や20代(32.9%)が感じる失業の不安は、相対的に高くなっています。
◆所定外労働、賃金不払い残業
このアンケート調査では、他にも「所定外労働の状況」「賃金不払い残業の状況」などについての調査を行っており、非常に興味深いものとなっていますので、連合総研のホームページ(http://www.rengo-soken.or.jp/webpage/21.html)を覗いてみてください。
「労働時間適正化キャンペーン」実施中
◆全国一斉の電話相談など
厚生労働省では、長時間労働に伴う問題解消を図るために、11月を「労働時間適正化キャンペーン」と定め、全国一斉の電話相談の実施をはじめ、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知啓発などの取組みを集中的に実施しています。
◆労働時間をめぐる現状
平成21年の総務省調査によると、週60時間以上働いている人の割合は全体の9.2%で、30代の男性に限ってみると全体の倍の水準となる18.0%にも上ります。
1カ月の残業時間が80時間を超える状態が続くと、心身の健康を害するばかりか、過労死の危険性が高まると言われています。
過労死などで労災認定された件数は平成21年度に293件となっており、過重労働による健康障害の事例が数多く報告されています。また、労働基準監督署による賃金不払残業の是正指導も多く見られます。
◆キャンペーンの重点事項
このような状況を受け、厚生労働省では、平成22年度も「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働の抑制を行うなど、労働時間の適正化に向けて労使の主体的な取組みを促すとともに、重点監督などを行っています。
今年度の重点取組み事項は、次の3点となっています。
(1)時間外労働協定の適正化などによる時間外・休日労働の削減
(2)長時間労働者への医師による面接指導など労働者の健康管理に関する措置の徹底
(3)労働時間の適正な把握の徹底
◆賃金不払残業が大きな問題に
長時間労働と同様に、現在、賃金不払残業(サービス残業)が大きな問題になっています。
このキャンペーンを機に、恒常的に長時間労働が行われていないか、長時間労働者の健康管理について配慮がなされているか、労働時間が適正に把握されているかなど、労働環境を今一度見直してみましょう。
◆一部上場企業の課長428人の回答
産業能率大学がインターネット調査会社を通じて「上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査」を今年9月に行い、その結果が公表されました。
従業員が100人以上の上場企業に勤務し、部下が1人以上いる「課長」428人が、「昇任前の経験」、「現在の悩み」、「上司の支援」、「今後のキャリア」などについて回答しています。
◆多くはマネージャー兼プレイヤー
まず、「プレイヤーとしての仕事の割合」についての質問では、「0%」と答えた人はわずか1.4%でした。プレイヤーとしての活動割合が半分より多い人は4割を超えています。
プレイングマネジャー化しているケースが多く、多くの課長がプレイヤーとしての活動を兼務していることがわかります。この傾向は、中小企業においてはなおさら強くなるでしょう。
◆仕事上の悩みとメンタルヘルス
次に、「仕事上の悩みを相談できる人がいるかどうか」との質問には、「いる」と答えた人が50.2%、「いない」と答えた人が49.8%と、ほぼ半数に分かれました。
「いる」と答えた人に対して「どのような相談者がいるのか」を尋ねたところ、「会社の上司」「会社の同僚」が多数でした。
また、「自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことがあるか」との質問には、「ある」と答えた人が43.7%、「ない」と答えた人が56.3%でした。その原因としては、「上司との人間関係」、「成果創出へのプレッシャー」、「仕事の内容」などが多くありました。
自分の身近に相談できる人がいるかどうかも、不安の有無に関係しているものと思われます。
◆遣り甲斐をもって仕事に取り組めるか
自分が「課長としてイキイキと働いていると思うか」との質問では、「どちらかといえばイキイキと働いている」が54.9%、「イキイキと働いている」が6.8%でした。逆に言えば、イキイキと働いていない人が約4割もいるということになります。
これら課長クラスにある方たちが、イキイキと遣り甲斐をもって仕事に取り組める環境をつくることが会社の仕事でもあり、それらができている会社はきっと成果を残している会社ということになるでしょう。
義務化されるか?
企業による「受動喫煙防止対策」
◆検討会が報告書を発表
厚生労働省では、昨年7月に「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会」を立ち上げ、今年5月にその検討会が報告書をまとめました。今後、この報告書をベースに、労働安全衛生法の改正案が国会で審議される予定となっています。
この改正案が成立した場合、飲食業・サービス業などにとっては大きな負担が強いられることとなりそうです。
◆これまでの対策の流れ
職場における受動喫煙防止対策については、平成4年以降、「労働安全衛生法」に定められた快適職場形成の一環として進められました。その後、平成15年に「健康増進法」が施行され、平成17年2月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発効するなど、受動喫煙を取り巻く環境は大きく変化しています。
また、健康志向の強まりや受動喫煙の有害性に関する知識の普及などから、職場における受動喫煙に対する労働者の意識も高まりつつあります。
◆受動喫煙防止を事業主の「義務」へ
このような環境の変化から、現在、企業に対して強く「受動喫煙防止対策」を求める流れになっています。
そして、職場における受動喫煙防止について、従来の「快適職場形成のため」から「労働者の健康障害防止のため」という観点に切り替え、職場における受動喫煙防止を事業主の「義務(罰則付き)」とする法改正が予定されているのです。
◆今後の審議状況に注目
今後のあり方として、事務所、工場等では「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが求められ、飲食店、ホテル・旅館等においては、原則として「全面禁煙」「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」とすることが必要とされ、それが困難な場合は喫煙区域の割合を少なくし、喫煙区域からの煙の漏れを防ぎ、換気等を行うように求められる方向です。
多くの企業に影響を与えることとなりそうな法改正のため、今後の改正案の審議状況が気になるところです。
新卒者の採用活動開始時期を見直しの動き
◆相次ぐ見直しの表明
9月下旬、大手商社7社は、企業における大卒者の採用活動時期を遅らせるよう、日本経団連に呼びかける考えを表明しました。「就職活動の長期化が学業の妨げになっている」との意見が強いためであり、商社自身の採用試験の時期も見直していくとしています。
また、10月初旬には、社団法人日本貿易会(貿易商社の業界団体)が、新卒者の採用活動に関して、2013年度入社対象の新卒者から、採用スケジュールを遅らせるべく具体的な検討を始め、また、各産業界が協調して見直しが実現できるよう日本経団連などの関係団体に働きかけると発表しました。
◆採用側企業の発表を受けて
これら採用側企業の動きを受けて、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣は、連名で245の主要経済団体、業界団体に向けた、早期の採用選考活動の抑制などを要請する文書を送りました。この要請文の中では各団体の努力を求めています。
また、リクルートや毎日コミュニケーションなど就職情報会社10社で構成する「日本就職情報出版懇話会」でも、就職活動の早期化への批判に対応し、新卒者の採用情報を提供するサイトの開設時期について、例年から1カ月以上遅らせて、来年は11月1日以降にすると発表しました。
◆これまでの就活の流れに変化
これまでの流れとしては、まず、大学3年生の8月ごろに「インターンシップ」を行う企業が出てきます。そして、10~11月にかけて「就職情報サイト」が開設され、「業界別セミナー」や「就活フェア」なども開かれます。
そして年が明けた1月ごろから「会社説明会」の開催が徐々に増えてきて、2月ごろには「エントリーシート」の提出なども始まります。
4年生になると「採用面接・選考」が始まり、5月ごろには「内々定」が出始め、6月には中小企業の採用活動も本格化してきます。
来年以降は、採用側企業や国側の対応を受けて、これらのスケジュールが遅くなっていくものと思われますが、企業としては、じっくりと良い人材を見極め、自社にとって必要な人材を確保することが必要なことには変わりはないでしょう。
どんな気持ちで職場の飲み会に参加しているか
◆職場の人とのお酒の飲み方に関する調査
キリン食生活文化研究所では「職場の人とのお酒の飲み方に関する意識調査」を行い、先日その結果が発表されました。
職場の仲間や上司・部下とお酒を飲む機会の多寡は会社によってそれぞれ異なるでしょうが、各人がどのような思いで「飲み会」に参加しているのか、とても興味深い内容になっています。
◆飲み会は「コミュニケーション」のため
アンケート項目中の「職場の人とお酒を飲む際に期待すること」については、トップは上司・部下ともに「コミュニケーションをとりたい」でした。そして、自分の上司より部下と飲むときのほうがその期待は充足される傾向にあることがわかりました。
また、職場の人からの飲み会の誘いを断る際に「行けない理由をはっきり言って断る」人は4割以上いました。20代では、部下・後輩に対し「行けない理由をはっきり言う」割合(36.3%)が、上司に対する場合よりも低くなっています。
◆飲み会の平均額・平均回数は?
職場の人とお酒を飲むときの1回あたりの平均予算は4,401円(前年比129円マイナス)でした。月平均の回数は前年と同じ1.5回となっています。
上司が部下とお酒を飲む際におごる金額の平均は1回あたり7,092円で、エリア別に見ると1位は「北海道」で8,542円。2位は「北陸」で7,400円、3位は「東北」7,221円となっています。寒い地域で働いている人のほうが太っ腹なのでしょうか?
◆増える傾向にある「割り勘」
最近では、上司と部下で飲みに行っても「割り勘」とするケースが増えているようです。
上記の調査とは別の調査では、「上下関係なく割り勘にすることが多い」と答えた20~59歳の人は全体の24%に上りました。
年功序列が崩れつつあり、明確な上下関係意識が薄れつつあることの影響なのかどうかはわかりませんが、いずれにしても、社内でのコミュニケーションを図るうえで「飲み会」が有効な手段の1つであることは間違いないでしょう。
転職を考え始める年齢は何歳?
◆4万人以上の会社員が回答
株式会社インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA」では、会社員が転職を考え始める年齢についての調査を行い、その結果を発表しました。
この調査の対象者は、「DODA」人材紹介サービスに登録した人のうち登録時の年齢が22~39歳(転職回数0回)の大卒以上の男女で、4万人以上から回答がありました。
◆ 転職を考え始めた年齢は?
転職を考え始めた年齢についての回答では、「25歳」(13.5%)が最多であり、「26歳」(12.5%)、「24歳」(11.8%)と続いています。4割近くの人が入社2~3年目の段階で次のキャリアを考えているようです。
◆職種別ではどうか?
転職を考え始めた年齢について職種別に見ると、下記の年齢がそれぞれ最多となっています。
・「企画・事務」…29歳(8.8%)
・「金融などの専門職」…28歳(9.1%)
・「ITエンジニア」…27歳(9.5%)
・「建築・土木」…27歳(10.6%)
・「モノづくりエンジニア」…26歳(9.7%)
・「メディカル」…26歳(11.6%)
・「営業」…25歳(10.9%)
・「販売・サービス」…25歳(12.6%)
◆安定志向の傾向も
最近は比較的若い年齢において転職を考え始める人が多いようですが、社団法人日本能率協会が今年4月に発表した新入社員の意識調査では、約半数の人が「定年まで勤めたい」と回答し、「終身雇用」や「年功序列」を望む傾向も見られます。
会社としては、有能な人材が会社にずっと残ってくれるのがベストでしょうが、そのためには、社員のキャリアアップのために何ができるのか等を真剣に考える必要があるでしょう。
賃金収入は減少傾向、4人に1人「失業の不安」
◆労働者にとっては厳しい状況
連合総研では、10月に労働者を対象に実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」(勤労者短観)の結果を発表しました。
「景気や勤め先の経営状況」「賃金収入と失業不安」などの項目について調査しており、労働者の厳しい状況がうかがえる結果となっています。
◆賃金収入は減少傾向に
1年前と比較した賃金収入の増減については、「減った」(32.9%)と回答した人が3割を超えており、前回調査(34.6%)と比べてもほとんど改善が見られませんでした。
また、今後1年の賃金収入見込みについて「減ると思う」(25.5%)と回答した人が前回調査(21.8%)を上回り、「増えると思う」(16.9%)と回答した人は前回調査(21.0%)から減少しています。悲観的な見方をする人の割合が高まっています。
◆4人に1人が「失業の不安」
次に、「今後1年間の失業の不安」について「感じる」と回答した人は25.0%で、過去最高を記録した昨年同月(28.3%)よりは低下しましたが、一昨年の同月調査(23.8%)を上回っています。
また、非正社員(男性53.6%、女性34.8%)や20代(32.9%)が感じる失業の不安は、相対的に高くなっています。
◆所定外労働、賃金不払い残業
このアンケート調査では、他にも「所定外労働の状況」「賃金不払い残業の状況」などについての調査を行っており、非常に興味深いものとなっていますので、連合総研のホームページ(http://www.rengo-soken.or.jp/webpage/21.html)を覗いてみてください。
「労働時間適正化キャンペーン」実施中
◆全国一斉の電話相談など
厚生労働省では、長時間労働に伴う問題解消を図るために、11月を「労働時間適正化キャンペーン」と定め、全国一斉の電話相談の実施をはじめ、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知啓発などの取組みを集中的に実施しています。
◆労働時間をめぐる現状
平成21年の総務省調査によると、週60時間以上働いている人の割合は全体の9.2%で、30代の男性に限ってみると全体の倍の水準となる18.0%にも上ります。
1カ月の残業時間が80時間を超える状態が続くと、心身の健康を害するばかりか、過労死の危険性が高まると言われています。
過労死などで労災認定された件数は平成21年度に293件となっており、過重労働による健康障害の事例が数多く報告されています。また、労働基準監督署による賃金不払残業の是正指導も多く見られます。
◆キャンペーンの重点事項
このような状況を受け、厚生労働省では、平成22年度も「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働の抑制を行うなど、労働時間の適正化に向けて労使の主体的な取組みを促すとともに、重点監督などを行っています。
今年度の重点取組み事項は、次の3点となっています。
(1)時間外労働協定の適正化などによる時間外・休日労働の削減
(2)長時間労働者への医師による面接指導など労働者の健康管理に関する措置の徹底
(3)労働時間の適正な把握の徹底
◆賃金不払残業が大きな問題に
長時間労働と同様に、現在、賃金不払残業(サービス残業)が大きな問題になっています。
このキャンペーンを機に、恒常的に長時間労働が行われていないか、長時間労働者の健康管理について配慮がなされているか、労働時間が適正に把握されているかなど、労働環境を今一度見直してみましょう。
2010/11/01
11月の事務所便り
休日が取りやすい「業種」「地域」は?
◆「年間休日」に関する調査結果から
人材紹介大手の株式会社インテリジェンスが行った「年間休日調査」の結果が9月中旬に発表されました。この調査は法人企業5,000社を対象とした大規模なものです。
企業における年間休日数については「120日以上」(76.2%)としているところが最多であり、以下、「100~119日」(21.4%)、「99日以下」(2.4%)と続いています。
◆業種別に見るとどうなっているか
業種別では、年間休日数が「120日以上」の企業の割合は「金融」(95.5%)、「IT」(95.4%)、「メディア」(82.1%)の順に多くなっています。逆に「120日以上」と回答した割合が少ない業種は、「小売・外食」(24.2%)、「建築・土木」(53.3%)、「サービス」(71.2%)となっています。
年間休日数が多い業種では、法人向けの事業を展開している会社が多く、年間休日数が少ない業種では、年中無休で店舗営業などしているケースが多く、また、土日祝日がかき入れ時となるため週休1日といったケースも多く、全体として休日が少なくなっています。
◆地域別に見るとどうなっているか
地域別では、年間休日が「120日以上」の地域の割合は「関東」(83.9%)が最多でした。以下、「東北」(70.2%)、「関西」(68.7%)、「北海道」(58.8%)、「九州・沖縄」(56.6%)、「中国・四国」(55.6%)と続いています。
この結果には、地域の産業構造が影響していると分析されています。「関東」や「関西」には比較的休日の多い業種(金融やITなど)が集まっているため、年間休日数が多くなっています。
逆に、「中国・四国」や「九州・沖縄」などは、大手メーカーの下請工場や365日稼動しているコールセンターなどが比較的多い地域です。このような企業では、従業員がシフト制で勤務している場合が多く、長期の休暇が取得しづらい傾向にあります。
相次ぐ「未払い残業代」をめぐる紛争事例
◆「未払い残業」に関するトラブル
このところ、「未払い残業代」をめぐるトラブル事例がマスコミを賑わせています。9月下旬には、大手旅行会社の子会社、流通業界大手のグループ会社の問題が相次いで取り沙汰されました。
今後、様々な要因から「残業代請求訴訟」等が増加するとも言われており、企業にとっては非常に気になる問題です。
◆みなし労働の適用をめぐって
阪急交通社の子会社である「阪急トラベルサポート」の派遣添乗員6名は、「みなし労働時間制」が適用されているのは不当であるとして、未払い残業代の支払いを求め、東京地裁に提訴していました。
先日その判決があり、同地裁の裁判官は「みなし労働時間制」の適用を認めたうえで、1人当たり84万円~271万円の支払いを同社に求めました。
判決では、携帯電話による報告や添乗報告書などによる労働時間の把握は困難であったと認定して「みなし労働時間制」の適用は認めました。しかし、ツアーごとに「みなし労働時間」を決定すべきであると判断したのです。
◆労基署の是正勧告を受けて
イオングループの「マックスバリュ東北」では、秋田県内の2店舗において未払い残業があるとして、今年の3月に労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
その後、同社では、青森・岩手・秋田・山形の全90店舗における未払い残業についての調査を行い、過去2年間で従業員1,009人(8,687人中)が未払い残業を行っていたと認めました。従業員1人当たりの月間の未払い残業時間は平均7.1時間であり、今年の11月末までに未払い総額約2億2,000万円を支払うと発表しました。
◆「労務リスク」に備える!
多くの企業は「未払い残業」に関して、非常に大きな労務リスクを抱えています。過去の未払い残業代について、いつ従業員(または退職者)から請求がなされるか、労働基準監督署からの指摘を受けるかわからない時代となっています。
今後は、無駄な残業を発生させない仕組みづくり,労務管理上の工夫、就業規則・社内規定の整備等が、より一層求められるでしょう。
新しい高齢者医療制度の行方
◆2013年度に廃止予定
何かと話題となった「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)ですが、民主党による新政権発足後、見直しの論議が活発化しています。
厚生労働省は2013年度の同制度廃止と新制度導入を目指していますが、今後の高齢者医療に大きな影響を与える制度改革の動向に注目が集まっています。
◆現在の制度の仕組み
後期高齢者医療制度は、2008年4月に導入されました。都道府県単位で保険料が決定される仕組みで、75歳以上の人(約1,400万人)が対象となっています。
保険料の徴収は市町村が行い、医療給付などは「後期高齢者医療広域連合」(都道府県ごとに全市町村が参加・設立)が運営を行っています。
◆新制度が導入されると?
厚生労働省では、この後期高齢者医療制度を廃止して2013年度から新しい高齢者医療制度を導入するとしています。新制度では、75歳以上の高齢者のうち、現役サラリーマンと扶養家族(約200万人)は「健康保険組合」や「協会けんぽ」などの被用者保険に加入し、その他の人(約1,200万人)は国民健康保険に移ることとなります。
なお、国民健康保険については、運営主体を「市町村」単位から「都道府県」単位に広域化する方針が厚生労働省から示されています。
◆新制度におけるポイント
なお、新しい高齢者医療制度のポイントは、次の通りとなっています。今後の動きに注目しておきましょう。
(1)年齢によって保険証を変える必要がない
(2)世帯主以外は保険料の負担がない
(3)医療費が高額になっても世帯合算で負担減となる可能性がある
「働きやすい会社」の条件とは?
◆上位10社のうち6社が電機業界
日本経済新聞が行った2010年の「働きやすい会社」ランキングが発表されました。
上位から「ソニー」「東芝」「パナソニック」「日立製作所」「凸版印刷」「富士通」「ダイキン工業」「日本IBM」「富士フイルム」「パナソニック電工」と名だたる企業が続いていますが、社員にとっての「働きやすさ」とは、どんなことなのでしょうか?
◆企業の人事・労務制度の充実度を点数化
この調査では、働きやすさの条件として、(1)社員の意欲を向上させる制度、(2)人材の採用・育成と評価、(3)働く側に配慮した職場づくり、(4)子育てに配慮した職場づくりの4項目が挙げられています。
上記の項目はいずれも人事・労務の充実度に関するものであり、これらを点数化し、働く人が何を重視するかを加味して配点が決定され、その結果がランキングに反映されています。
◆いかに働きやすい職場をつくるか
働く人が重視する項目に関するアンケートでは、「年次有給休暇の取りやすさ」(48.5%)、「実労働時間の適正さ」(35.6%)などが上位を占めています。
しかし現実的には、多くの社員が「年次有給休暇を取りにくい」、「長時間労働が慢性化している」などと考えている企業は、特に中小企業などでは多いと思われます。
◆会社と社員が一体となった取組みを
適正な人員配置を行い、業務の効率化を図り、労働時間の短縮を図ることは、企業経営にとって永遠のテーマであると言えるでしょう。そのためには、会社が作った制度を一方的に社員に押し付けるだけでなく、会社と社員が一体となって業務の効率化について真剣に考え、働きやすい職場としていくための取組みを行うことが必要なのではないでしょうか。
IT業界エンジニアの自己啓発費用
◆1人月1万5,000円以上
IT業界においては、常に最先端で活躍するエンジニアとなるために、書籍を購入して勉強したり、セミナーに参加して最新技術に触れたりということが欠かせません。
そのための自己啓発費用は1人あたり月1万5,000円に上ることが、Tech総研(株式会社リクルート提供)がITエンジニア300名を対象に実施したアンケートでわかりました。
◆書籍・雑誌よりもネットで
自己啓発費用の内訳は、「技術関連の書籍代」2,841円、「通信費」9,346円、「セミナー参加費」1,402円で、「その他の費用」を含めると合計1万5,536円となりました。
ただ、各項目における「0円」回答を含めずに算出すると、その平均は「書籍代」5,074円、「通信費」1万159円、「セミナー参加費」9,779円などと大幅に増加します。「0円」回答の中には、その費用を会社が負担しているというケースが含まれているようです。
書籍代(雑誌も含む)と通信費の比較では、圧倒的に通信費が多くなっていますが、ネットで集められる情報が豊富になったことにより、書籍や雑誌を買う必要もなくなったということが考えられます。
◆「会社の支援なし」が36%
エンジニアたちの勉強意欲は旺盛で、「今年取得したいと思っている技術スキルや資格は?」との質問には、国家資格のほか、ベンダー資格やTOEIC、ビジネス系の専門資格を挙げる人もいました。
キャリアアップのために会社が設けている制度についての質問には、「セミナー参加費補助」と「資格取得支援」という回答が多くみられました。しかし、会社からの支援は「特にない」という回答も全体の約36%あり、会社にとって自己啓発支援のための余裕が以前に比べてなくなっているようです。
◆お金がかからない方法も
最近ではお金をかけない自己啓発も増えています。例えば、IT系企業や技術者団体が無料で開催するセミナーがあります。また、技術系のメルマガ購読などの手段も有効だと言えるでしょう。
創業100年以上「長寿企業」の秘訣は?
◆創業500年超の企業は39社
帝国データバンクが行った「長寿企業」(創業100年以上)に関する実態調査によれば、創業100年以上の企業(個人経営、各種法人を含む)は2010年8月時点で2万2,219社あるそうです。
創業時期別にみると、「100年~150年前」が2万56社で、全体の9割が江戸時代末期から明治後期にかけて創業しています。創業300年超は605社、創業500年超は39社という結果でした。
◆最も古い企業は?
創業が確認できた企業のうちもっとも古かったのは、寺社仏閣建築を行っている「金剛組」(大阪市)の西暦578年(敏達天皇6年)で、聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた工匠が始祖とされ、業歴は1400年以上に及びます。
◆業種別では「小売業」が最多
業種別に見ると、「小売業」(6,279社)がトップで、製造業(5,447社)、卸売業(5,216社)が続いています。小売業での業歴トップは、山梨県にある仏具小売の「朱宮神仏具店」で、創業は1024年(万寿元年)でした。製造業の業歴トップは京都市にある仏具製造の「田中伊雅佛具店」で、創業は885年頃(仁和年間)です。
都道府県別にみると、「東京都」(2,058社)がトップで、1349年(貞和5年)に創業した和菓子製造の「塩瀬総本家」が最も古い企業です。2位は「愛知県」(1,211社)、3位は「大阪府」(1,080社)となっています。
◆長寿企業の秘訣は「変化への対応力」
これら「長寿企業」永続の秘訣は、「変化への対応力」に尽きると言えるでしょう。
戦争・災害、産業構造の変化など、幾多の困難を乗り越えてきた原動力は、過去の成功体験にとらわれず、変化を恐れない姿勢に集約されています。
景気の先行きが不透明な今日において、長寿企業に学ぶべきことは多いのではないでしょうか。
中小企業における「人材確保・育成」10カ条
◆東京商工会議所が発表
東京商工会議所では、中小企業の経営者が人材確保・育成などに取り組むうえで重要と思われるポイントをまとめた「中小企業の人材確保・育成10カ条~企業成長の源泉は人材にあり」という小冊子(http://www.tokyo-cci.or.jp/chusho/10kajou/index.html)を発表しました。
日本の中小企業は、雇用の7割近くを担っていると言われていますが、労働条件などの平均値を見た場合に大企業と比べて見劣りすることが多いため、採用などの労働市場で苦戦を強いられているケースが多くあります。
◆10カ条の内容は?
発表されたこの冊子では、「人材の確保・育成は経営の存続とともに最大の経営課題」と位置付け、人材の確保・育成、評価・処遇や企業風土や組織構造といった観点から、経営者が取り組むうえで重要と思われるポイントがまとめています。
10カ条の内容は次の通りです。
(1)「働くことが楽しくなるような事業分野で勝負」
(2)「明確な方針をわかりやすく伝えよ」
(3)「トップが先頭に立って必死で育てる」
(4)「採用ミスは致命傷」
(5)「人が育てば企業も育つ」
(6)「部下の育成は仕事の一部」
(7)「制度や仕組みだけでは動かない」
(8)「中小企業らしさに誇りを持つ」
(9)「真似ずに学べ」
(10)「経営者は教育者」
◆業績向上の事例も掲載
この冊子には、会社独自の取組みによって不利な条件を克服し、自社の業績向上に結び付けた事例なども掲載されており、人材育成に悩んでいる企業の担当者にとって大きなヒントとなるのではないでしょうか。
介護労働者の離職率が減少傾向
◆前年度比1.7ポイント減で17%に
介護労働者の離職率が前年度比1.7ポイント減の「17.0%」となったことが、財団法人介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」で明らかになりました。どのような要因があるのでしょうか?
◆採用率25.2%、離職率17.0%
この調査では、訪問介護員および介護職員の1年間(平成20年10月1日~平成21年9月30日)の採用率と離職率を調べた結果、採用率が25.2%、離職率が17.0%となりました。
1年未満の離職率は43.1%、1年以上3年未満の離職率は32.5%と高く、事業所側では、早期の離職防止や定着促進のため、「職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている」(56.5%)、「労働時間の希望を聞いている」(53.8%)、「賃金・労働時間等の労働条件の改善を行っている」(50.7%)などの方策をとっているようです。
◆教育や研修の状況
訪問介護員および介護職員に対する教育や研修の状況については、人材育成のため「教育・研修計画を立てている」が50.4%、「教育・研修に積極的に参加させる」が43.7%、「採用時の教育・研修の充実」が36.5%でした。
過去1年間の教育・研修内容では、「介護技術・知識」が73.2%、「安全対策」が60.5%、「接遇・マナー」が54.9%でした。
◆運営上の課題は?
介護サービスを運営していくうえでの問題点については、「今の介護報酬では、人材確保等に十分な賃金を払えない」(52.7%)がトップでした。
介護事業所にとっては、賃金や労働環境の改善にいかに取り組んでいくかが、定着率を上げるための鍵を握っていると言えるでしょう。
社会保障協定の発効済みが12カ国に拡大
◆新たにスペイン、アイルランド
日本との社会保障協定が発効済みの国の数が、これまでのドイツ、イギリス、韓国、アメリカ等10カ国に加え、今年の12月からはスペイン、アイルランドが加わり、12カ国となります。
◆「社会保障協定」の目的
社会保障協定の目的は、例えば、日本人が海外で働く場合に、働いている国の社会保障制度と日本の社会保障制度において二重の保険料負担が発生してしまうことの解消にあります。また、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があり、保険料の掛捨てになってしまうことの解消です。
このように社会保障協定は、(1)「保険料の二重負担」の防止、(2)「保険料の掛捨て」の防止を目的として、各国と締結されているのです。
◆各国との社会保障協定の発効状況
現在の社会保障協定の発効状況ですが、「発効済」がドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ、「署名済(準備中)」がスペイン・アイルランド、イタリア、「交渉中」がスイス・ハンガリー、「交渉準備中」がスウェーデン・ルクセンブルク・ブラジル・フィリピンとなっています。
◆改正等についての注意が必要
社会保障協定の内容は、協定を締結する相手国の制度内容に応じてその取扱いが異なる場合があり、また、各国とも年金制度には特例があることも多く、将来的には年金制度の改正が行われる可能性もあるため、注意が必要です。
ものづくり分野の人材育成事業に補助金
◆課題は「中小企業の人材育成」
日本における「ものづくり」を支える中小企業では、熟練技能者の持つ技術・ノウハウ・職人技を次世代に継承するため、人材育成が大きな課題となっています。また、失業者の雇用確保が大きな社会問題となっており、これらの人のための技術研修も併せて実施していくことが必要です。
このような現状に対応するため、全国中小企業団体中央会では、「ものづくり分野の人材育成・確保事業」(ものづくり担い手育成事業)についての申請(第2次募集)を、今年の11月5日まで受け付けています。
◆補助の対象となる事業
補助の対象は、地域の産業団体や業種別団体等との連携により、中小企業のものづくりの担い手や担い手になりうる者を対象とした教育・研修等(以下、「研修等」という。)を実施する大学や高等専門学校、高校等の教育機関、中小企業団体、民間企業等が実施する研修等です。
◆補助を受けるには
この事業の対象者として申請を行い補助を受けるためには、「応募資格」と「応募要件」を満たすことが必要となります。
応募資格は、(1)認可法人(中小企業団体中央会、商工会、商工会議所等)、(2)大学、専門学校、(3)株式会社、特例有限会社、合資会社、合名会社、合同会社等で、応募要件は、「常勤役職員が原則として3名以上いるなど、事業および組織運営が適切に行われ、かつ、管理運営体制が整備されており、本事業の円滑な実施に支障をきたすおそれがないこと」、「事業実施機関が中心となり、地域の教育機関、産業関係機関、民間企業、自治体等と協力して取り組むことができること」、「直近2年間で研修等の実績があること」等です。
◆対象となる経費
対象となる経費は、教育・研修等を実施する機関の人件費をはじめ、施設使用料や教材費等も含まれ、1件当たりの補助金額は、1,000万円以下となっています。
中長期的な人材育成を考える場合には、このような制度の活用も一度検討されてみてはいかがでしょうか。
◆「年間休日」に関する調査結果から
人材紹介大手の株式会社インテリジェンスが行った「年間休日調査」の結果が9月中旬に発表されました。この調査は法人企業5,000社を対象とした大規模なものです。
企業における年間休日数については「120日以上」(76.2%)としているところが最多であり、以下、「100~119日」(21.4%)、「99日以下」(2.4%)と続いています。
◆業種別に見るとどうなっているか
業種別では、年間休日数が「120日以上」の企業の割合は「金融」(95.5%)、「IT」(95.4%)、「メディア」(82.1%)の順に多くなっています。逆に「120日以上」と回答した割合が少ない業種は、「小売・外食」(24.2%)、「建築・土木」(53.3%)、「サービス」(71.2%)となっています。
年間休日数が多い業種では、法人向けの事業を展開している会社が多く、年間休日数が少ない業種では、年中無休で店舗営業などしているケースが多く、また、土日祝日がかき入れ時となるため週休1日といったケースも多く、全体として休日が少なくなっています。
◆地域別に見るとどうなっているか
地域別では、年間休日が「120日以上」の地域の割合は「関東」(83.9%)が最多でした。以下、「東北」(70.2%)、「関西」(68.7%)、「北海道」(58.8%)、「九州・沖縄」(56.6%)、「中国・四国」(55.6%)と続いています。
この結果には、地域の産業構造が影響していると分析されています。「関東」や「関西」には比較的休日の多い業種(金融やITなど)が集まっているため、年間休日数が多くなっています。
逆に、「中国・四国」や「九州・沖縄」などは、大手メーカーの下請工場や365日稼動しているコールセンターなどが比較的多い地域です。このような企業では、従業員がシフト制で勤務している場合が多く、長期の休暇が取得しづらい傾向にあります。
相次ぐ「未払い残業代」をめぐる紛争事例
◆「未払い残業」に関するトラブル
このところ、「未払い残業代」をめぐるトラブル事例がマスコミを賑わせています。9月下旬には、大手旅行会社の子会社、流通業界大手のグループ会社の問題が相次いで取り沙汰されました。
今後、様々な要因から「残業代請求訴訟」等が増加するとも言われており、企業にとっては非常に気になる問題です。
◆みなし労働の適用をめぐって
阪急交通社の子会社である「阪急トラベルサポート」の派遣添乗員6名は、「みなし労働時間制」が適用されているのは不当であるとして、未払い残業代の支払いを求め、東京地裁に提訴していました。
先日その判決があり、同地裁の裁判官は「みなし労働時間制」の適用を認めたうえで、1人当たり84万円~271万円の支払いを同社に求めました。
判決では、携帯電話による報告や添乗報告書などによる労働時間の把握は困難であったと認定して「みなし労働時間制」の適用は認めました。しかし、ツアーごとに「みなし労働時間」を決定すべきであると判断したのです。
◆労基署の是正勧告を受けて
イオングループの「マックスバリュ東北」では、秋田県内の2店舗において未払い残業があるとして、今年の3月に労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
その後、同社では、青森・岩手・秋田・山形の全90店舗における未払い残業についての調査を行い、過去2年間で従業員1,009人(8,687人中)が未払い残業を行っていたと認めました。従業員1人当たりの月間の未払い残業時間は平均7.1時間であり、今年の11月末までに未払い総額約2億2,000万円を支払うと発表しました。
◆「労務リスク」に備える!
多くの企業は「未払い残業」に関して、非常に大きな労務リスクを抱えています。過去の未払い残業代について、いつ従業員(または退職者)から請求がなされるか、労働基準監督署からの指摘を受けるかわからない時代となっています。
今後は、無駄な残業を発生させない仕組みづくり,労務管理上の工夫、就業規則・社内規定の整備等が、より一層求められるでしょう。
新しい高齢者医療制度の行方
◆2013年度に廃止予定
何かと話題となった「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)ですが、民主党による新政権発足後、見直しの論議が活発化しています。
厚生労働省は2013年度の同制度廃止と新制度導入を目指していますが、今後の高齢者医療に大きな影響を与える制度改革の動向に注目が集まっています。
◆現在の制度の仕組み
後期高齢者医療制度は、2008年4月に導入されました。都道府県単位で保険料が決定される仕組みで、75歳以上の人(約1,400万人)が対象となっています。
保険料の徴収は市町村が行い、医療給付などは「後期高齢者医療広域連合」(都道府県ごとに全市町村が参加・設立)が運営を行っています。
◆新制度が導入されると?
厚生労働省では、この後期高齢者医療制度を廃止して2013年度から新しい高齢者医療制度を導入するとしています。新制度では、75歳以上の高齢者のうち、現役サラリーマンと扶養家族(約200万人)は「健康保険組合」や「協会けんぽ」などの被用者保険に加入し、その他の人(約1,200万人)は国民健康保険に移ることとなります。
なお、国民健康保険については、運営主体を「市町村」単位から「都道府県」単位に広域化する方針が厚生労働省から示されています。
◆新制度におけるポイント
なお、新しい高齢者医療制度のポイントは、次の通りとなっています。今後の動きに注目しておきましょう。
(1)年齢によって保険証を変える必要がない
(2)世帯主以外は保険料の負担がない
(3)医療費が高額になっても世帯合算で負担減となる可能性がある
「働きやすい会社」の条件とは?
◆上位10社のうち6社が電機業界
日本経済新聞が行った2010年の「働きやすい会社」ランキングが発表されました。
上位から「ソニー」「東芝」「パナソニック」「日立製作所」「凸版印刷」「富士通」「ダイキン工業」「日本IBM」「富士フイルム」「パナソニック電工」と名だたる企業が続いていますが、社員にとっての「働きやすさ」とは、どんなことなのでしょうか?
◆企業の人事・労務制度の充実度を点数化
この調査では、働きやすさの条件として、(1)社員の意欲を向上させる制度、(2)人材の採用・育成と評価、(3)働く側に配慮した職場づくり、(4)子育てに配慮した職場づくりの4項目が挙げられています。
上記の項目はいずれも人事・労務の充実度に関するものであり、これらを点数化し、働く人が何を重視するかを加味して配点が決定され、その結果がランキングに反映されています。
◆いかに働きやすい職場をつくるか
働く人が重視する項目に関するアンケートでは、「年次有給休暇の取りやすさ」(48.5%)、「実労働時間の適正さ」(35.6%)などが上位を占めています。
しかし現実的には、多くの社員が「年次有給休暇を取りにくい」、「長時間労働が慢性化している」などと考えている企業は、特に中小企業などでは多いと思われます。
◆会社と社員が一体となった取組みを
適正な人員配置を行い、業務の効率化を図り、労働時間の短縮を図ることは、企業経営にとって永遠のテーマであると言えるでしょう。そのためには、会社が作った制度を一方的に社員に押し付けるだけでなく、会社と社員が一体となって業務の効率化について真剣に考え、働きやすい職場としていくための取組みを行うことが必要なのではないでしょうか。
IT業界エンジニアの自己啓発費用
◆1人月1万5,000円以上
IT業界においては、常に最先端で活躍するエンジニアとなるために、書籍を購入して勉強したり、セミナーに参加して最新技術に触れたりということが欠かせません。
そのための自己啓発費用は1人あたり月1万5,000円に上ることが、Tech総研(株式会社リクルート提供)がITエンジニア300名を対象に実施したアンケートでわかりました。
◆書籍・雑誌よりもネットで
自己啓発費用の内訳は、「技術関連の書籍代」2,841円、「通信費」9,346円、「セミナー参加費」1,402円で、「その他の費用」を含めると合計1万5,536円となりました。
ただ、各項目における「0円」回答を含めずに算出すると、その平均は「書籍代」5,074円、「通信費」1万159円、「セミナー参加費」9,779円などと大幅に増加します。「0円」回答の中には、その費用を会社が負担しているというケースが含まれているようです。
書籍代(雑誌も含む)と通信費の比較では、圧倒的に通信費が多くなっていますが、ネットで集められる情報が豊富になったことにより、書籍や雑誌を買う必要もなくなったということが考えられます。
◆「会社の支援なし」が36%
エンジニアたちの勉強意欲は旺盛で、「今年取得したいと思っている技術スキルや資格は?」との質問には、国家資格のほか、ベンダー資格やTOEIC、ビジネス系の専門資格を挙げる人もいました。
キャリアアップのために会社が設けている制度についての質問には、「セミナー参加費補助」と「資格取得支援」という回答が多くみられました。しかし、会社からの支援は「特にない」という回答も全体の約36%あり、会社にとって自己啓発支援のための余裕が以前に比べてなくなっているようです。
◆お金がかからない方法も
最近ではお金をかけない自己啓発も増えています。例えば、IT系企業や技術者団体が無料で開催するセミナーがあります。また、技術系のメルマガ購読などの手段も有効だと言えるでしょう。
創業100年以上「長寿企業」の秘訣は?
◆創業500年超の企業は39社
帝国データバンクが行った「長寿企業」(創業100年以上)に関する実態調査によれば、創業100年以上の企業(個人経営、各種法人を含む)は2010年8月時点で2万2,219社あるそうです。
創業時期別にみると、「100年~150年前」が2万56社で、全体の9割が江戸時代末期から明治後期にかけて創業しています。創業300年超は605社、創業500年超は39社という結果でした。
◆最も古い企業は?
創業が確認できた企業のうちもっとも古かったのは、寺社仏閣建築を行っている「金剛組」(大阪市)の西暦578年(敏達天皇6年)で、聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた工匠が始祖とされ、業歴は1400年以上に及びます。
◆業種別では「小売業」が最多
業種別に見ると、「小売業」(6,279社)がトップで、製造業(5,447社)、卸売業(5,216社)が続いています。小売業での業歴トップは、山梨県にある仏具小売の「朱宮神仏具店」で、創業は1024年(万寿元年)でした。製造業の業歴トップは京都市にある仏具製造の「田中伊雅佛具店」で、創業は885年頃(仁和年間)です。
都道府県別にみると、「東京都」(2,058社)がトップで、1349年(貞和5年)に創業した和菓子製造の「塩瀬総本家」が最も古い企業です。2位は「愛知県」(1,211社)、3位は「大阪府」(1,080社)となっています。
◆長寿企業の秘訣は「変化への対応力」
これら「長寿企業」永続の秘訣は、「変化への対応力」に尽きると言えるでしょう。
戦争・災害、産業構造の変化など、幾多の困難を乗り越えてきた原動力は、過去の成功体験にとらわれず、変化を恐れない姿勢に集約されています。
景気の先行きが不透明な今日において、長寿企業に学ぶべきことは多いのではないでしょうか。
中小企業における「人材確保・育成」10カ条
◆東京商工会議所が発表
東京商工会議所では、中小企業の経営者が人材確保・育成などに取り組むうえで重要と思われるポイントをまとめた「中小企業の人材確保・育成10カ条~企業成長の源泉は人材にあり」という小冊子(http://www.tokyo-cci.or.jp/chusho/10kajou/index.html)を発表しました。
日本の中小企業は、雇用の7割近くを担っていると言われていますが、労働条件などの平均値を見た場合に大企業と比べて見劣りすることが多いため、採用などの労働市場で苦戦を強いられているケースが多くあります。
◆10カ条の内容は?
発表されたこの冊子では、「人材の確保・育成は経営の存続とともに最大の経営課題」と位置付け、人材の確保・育成、評価・処遇や企業風土や組織構造といった観点から、経営者が取り組むうえで重要と思われるポイントがまとめています。
10カ条の内容は次の通りです。
(1)「働くことが楽しくなるような事業分野で勝負」
(2)「明確な方針をわかりやすく伝えよ」
(3)「トップが先頭に立って必死で育てる」
(4)「採用ミスは致命傷」
(5)「人が育てば企業も育つ」
(6)「部下の育成は仕事の一部」
(7)「制度や仕組みだけでは動かない」
(8)「中小企業らしさに誇りを持つ」
(9)「真似ずに学べ」
(10)「経営者は教育者」
◆業績向上の事例も掲載
この冊子には、会社独自の取組みによって不利な条件を克服し、自社の業績向上に結び付けた事例なども掲載されており、人材育成に悩んでいる企業の担当者にとって大きなヒントとなるのではないでしょうか。
介護労働者の離職率が減少傾向
◆前年度比1.7ポイント減で17%に
介護労働者の離職率が前年度比1.7ポイント減の「17.0%」となったことが、財団法人介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」で明らかになりました。どのような要因があるのでしょうか?
◆採用率25.2%、離職率17.0%
この調査では、訪問介護員および介護職員の1年間(平成20年10月1日~平成21年9月30日)の採用率と離職率を調べた結果、採用率が25.2%、離職率が17.0%となりました。
1年未満の離職率は43.1%、1年以上3年未満の離職率は32.5%と高く、事業所側では、早期の離職防止や定着促進のため、「職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている」(56.5%)、「労働時間の希望を聞いている」(53.8%)、「賃金・労働時間等の労働条件の改善を行っている」(50.7%)などの方策をとっているようです。
◆教育や研修の状況
訪問介護員および介護職員に対する教育や研修の状況については、人材育成のため「教育・研修計画を立てている」が50.4%、「教育・研修に積極的に参加させる」が43.7%、「採用時の教育・研修の充実」が36.5%でした。
過去1年間の教育・研修内容では、「介護技術・知識」が73.2%、「安全対策」が60.5%、「接遇・マナー」が54.9%でした。
◆運営上の課題は?
介護サービスを運営していくうえでの問題点については、「今の介護報酬では、人材確保等に十分な賃金を払えない」(52.7%)がトップでした。
介護事業所にとっては、賃金や労働環境の改善にいかに取り組んでいくかが、定着率を上げるための鍵を握っていると言えるでしょう。
社会保障協定の発効済みが12カ国に拡大
◆新たにスペイン、アイルランド
日本との社会保障協定が発効済みの国の数が、これまでのドイツ、イギリス、韓国、アメリカ等10カ国に加え、今年の12月からはスペイン、アイルランドが加わり、12カ国となります。
◆「社会保障協定」の目的
社会保障協定の目的は、例えば、日本人が海外で働く場合に、働いている国の社会保障制度と日本の社会保障制度において二重の保険料負担が発生してしまうことの解消にあります。また、日本や海外の年金を受け取るためには、一定の期間その国の年金に加入しなければならない場合があり、保険料の掛捨てになってしまうことの解消です。
このように社会保障協定は、(1)「保険料の二重負担」の防止、(2)「保険料の掛捨て」の防止を目的として、各国と締結されているのです。
◆各国との社会保障協定の発効状況
現在の社会保障協定の発効状況ですが、「発効済」がドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ、「署名済(準備中)」がスペイン・アイルランド、イタリア、「交渉中」がスイス・ハンガリー、「交渉準備中」がスウェーデン・ルクセンブルク・ブラジル・フィリピンとなっています。
◆改正等についての注意が必要
社会保障協定の内容は、協定を締結する相手国の制度内容に応じてその取扱いが異なる場合があり、また、各国とも年金制度には特例があることも多く、将来的には年金制度の改正が行われる可能性もあるため、注意が必要です。
ものづくり分野の人材育成事業に補助金
◆課題は「中小企業の人材育成」
日本における「ものづくり」を支える中小企業では、熟練技能者の持つ技術・ノウハウ・職人技を次世代に継承するため、人材育成が大きな課題となっています。また、失業者の雇用確保が大きな社会問題となっており、これらの人のための技術研修も併せて実施していくことが必要です。
このような現状に対応するため、全国中小企業団体中央会では、「ものづくり分野の人材育成・確保事業」(ものづくり担い手育成事業)についての申請(第2次募集)を、今年の11月5日まで受け付けています。
◆補助の対象となる事業
補助の対象は、地域の産業団体や業種別団体等との連携により、中小企業のものづくりの担い手や担い手になりうる者を対象とした教育・研修等(以下、「研修等」という。)を実施する大学や高等専門学校、高校等の教育機関、中小企業団体、民間企業等が実施する研修等です。
◆補助を受けるには
この事業の対象者として申請を行い補助を受けるためには、「応募資格」と「応募要件」を満たすことが必要となります。
応募資格は、(1)認可法人(中小企業団体中央会、商工会、商工会議所等)、(2)大学、専門学校、(3)株式会社、特例有限会社、合資会社、合名会社、合同会社等で、応募要件は、「常勤役職員が原則として3名以上いるなど、事業および組織運営が適切に行われ、かつ、管理運営体制が整備されており、本事業の円滑な実施に支障をきたすおそれがないこと」、「事業実施機関が中心となり、地域の教育機関、産業関係機関、民間企業、自治体等と協力して取り組むことができること」、「直近2年間で研修等の実績があること」等です。
◆対象となる経費
対象となる経費は、教育・研修等を実施する機関の人件費をはじめ、施設使用料や教材費等も含まれ、1件当たりの補助金額は、1,000万円以下となっています。
中長期的な人材育成を考える場合には、このような制度の活用も一度検討されてみてはいかがでしょうか。
2010/10/04
10月の事務所便り
女性の結婚・出産後の仕事に対する考え方
◆3,000名以上を対象としたインターネット調査
株式会社ユーキャンと株式会社アイシェアは、「女性の結婚・出産後の仕事に関する意識調査」(男性2,217名、女性1,243名が対象)をインターネット上で実施し、先日、その結果が発表されました。
◆女性と男性の考え方には大きなギャップ
結婚・出産後も働き続けたいと考えている女性は全体の46.1%との結果となりました。その理由としては、「結婚後も家庭だけでなく社会との関わりを持ち続けたいから」(25.2%)、「仕事が好きでずっと続けていきたいから」(21.0%)などが多く、経済的な理由である「夫の収入だけでは経済的に厳しいから」を挙げた人は4.6%とわずかでした。
男性では、結婚・出産後も妻に働いてほしいと考えている人が63.0%おり、「自分の収入だけでは経済的に厳しいから」(41.9%)との理由がトップで、女性と男性の考え方には大きなギャップがあることがわかりました。
◆再就職には資格取得が必要?
未婚の女性で、もし夫から「専業主婦になってほしい」と言われても結婚・出産後も働きたいと考えている人のうち、65.0%の人が「資格取得などの準備が必要」と考えていました。そして、そのうち73.7%の人がすでに資格取得に向けた学習を始めているとの結果が明らかになっています。
そして、結婚・出産後も働きたいと考えている女性の興味・あこがれのある資格のうち、上位6つは以下の通りでした。
(1)簿記(28.0%)
(2)行政書士(20. 8%)
(3)社会保険労務士(18.4%)
(3)医療事務(18.4%)
(3)マイクロソフト認定資格(18.4%)
(6)カラーコーディネーター(16.8%)
厳しさが続く就職活動は「苦」?「楽」?
◆就職活動を漢字1文字で表すと?
株式会社毎日コミュニケーションズでは、卒業予定の学生を対象とした「マイコミ学生就職モニター調査」の一環として行っている「あなたの就職活動を漢字1文字で表すと?」の2010年調査の結果を発表しました。この調査は2000年(2001年卒業予定者対象)から毎年実施されており、今年で11回目となっています。
◆「苦」が2年連続で1位
上記の質問について、1位から10位までの結果は以下の通りとなっています。
・1位「苦」(前年1位)
・2位「楽」(前年3位)
・3位「迷」(前年2位)
・4位「進」(前年ランク外)
・4位「動」(前年6位)
・6位「耐」(前年8位)
・7位「難」(前年4位)
・8位「縁」(前年5位)
・9位「疲」(前年9位)
・10位「知」(前年ランク外)
◆結果から何が見える?
厳しい雇用状況の影響を大きく受け、「苦」が2年連続で1位となりましたが、「楽」が前年の3位から2位に浮上しました。これについては、就職活動が「楽(らく)だった」ということではなく、幅広い就職活動を通して多くの企業や人に出会えたことが「楽しかった」と回答している学生が目立ったそうです。
なお、過去に一度も10位以内に入っていなかった「進」が4位に入り、学生の前向きで積極的な姿勢も見受けられます。
◆来年の採用状況は?
厚生労働省の「労働経済動向調査」では、2011年新規学卒者の採用予定者数の前年との増減比較について、「増加」とする事業所の割合が、高校卒13%、大学卒(文科系)13%、大学卒(理科系)14%と、いずれも前年を上回ったとの結果が出ています。
厳しい雇用環境であることには変わりありませんが、学生たちにとってはやや明るい兆しが見えつつあるようです。
今後のメンタルヘルス対策の方向性が明らかに
◆政府の検討会が「報告書」を発表
政府の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」では、今後のメンタルヘルス対策に関する「報告書」を取りまとめ、発表しました。同検討会は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今年5月にまとめた報告の中で「職場におけるメンタルヘルス対策」が重点の1つとされたことを受けて設けられたものです。
今回発表された「報告書」の内容が、今後の国によるメンタルヘルス対策、ひいては企業のメンタルヘルス対策にどのような影響を与えるのか、非常に注目されます。
◆検討会「報告書」のポイント
検討会「報告書」が示した内容のポイントは、次の通りです。
(1)労働者のストレスチェックの実施
一般定期健康診断の際に、「ストレスに関連する労働者の症状・不調」について医師が確認すること。
(2)産業医等との面接の実施、労働者のプライバシー保護
面接が必要とされた労働者については産業医等と面接を行う。その際、ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者には知らせないこと。
(3)労働者の同意を得たうえでの産業医等の意見陳述
産業医等は、労働者との面接の結果、必要と判断した場合には、労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べること。
(4)産業医等の意見の明示、了解を得るための話合いの実施
事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行うこと。
◆今後のメンタルヘルス対策に活かされるか
メンタルヘルス不調者対策が企業の労務管理上の重要な課題となっていますが、これまでの対策が期待した効果をあげているとは言い難いのが現状です。
厚生労働省では、今後、制度改正に向けた議論を始める予定です。今回の「報告書」の内容が、今後のメンタルヘルス対策に活かされることが大いに期待されます。
企業における「ツイッター」活用の実態
◆活用の状況が明らかに
NTTレゾナント株式会社と株式会社ループス・コミュニケーションズでは、「企業におけるツイッター活用状況」に関する調査(通常業務でツイッターを運用する立場にある企業の担当者が対象。有効回答者数315名)の結果を発表しました。
近頃大きな話題となっている「ツイッター」について、企業による活用の実態が明らかになりました。
◆企業が「ツイッター」を始めた理由は?
ツイッターにおける企業アカウントの運用期間は、「6カ月未満」が64.2%、「1年以上」が12.1%でした。2010年に入ってから運用をスタートした企業が6割超となっており、多くの企業がまだ導入の初期段階にあります。
運用開始の理由としては、「顧客接点を増やしたかったから」(48.9%)、「無料で始められるから」(46.3%)、「担当製品やサービスのブランディングに効果があると考えたため」(41.0%)などとなっています。
◆「ツイッター」でどんな施策を行っているか?
企業アカウントで行っている施策としては、「担当者のキャラクターを工夫して好感を持ってもらうように努めている」(33.7%)が最多で、次に「自社製品・サービスに関するつぶやきに積極的にコメントしている」(33.3%)が続いており、顧客との対話交流に主眼を置く傾向にあるようです。
一方、「自社に関するつぶやきをモニターしている」は14.9%と少なく、「ツイッター上での顧客の声を製品・サービスに積極的に反映させている」(8.9%)や「ツイッターで、アンケートを行ったり、新商品のための意見を顧客から募集したりしている」(7.0%)なども少ない結果となっています。
◆「ツイッター」の効果は?
ツイッター活用による具体的な効果については、「公式ブログへのアクセス数が増加した」(65.5%)や「ソーシャルメディア上での問い合わせ件数が増加した」(56.5%)が多く、それ以外にも、「新規顧客数が増加した」(47.6%)、「既存顧客のリピート率が向上した」(46.9%)、「顧客単価が増加した」(40.0%)など、売上につながる効果も得られているようです。
はじめは個人利用が多かったツイッターですが、今後は企業による活用もますます増えていくでしょう。
重くなる厚生年金の「支え手」の負担
◆「年金扶養比率」とは?
日本の年金制度は、現役世代が支払った保険料で高齢者が受給する年金を支える仕組みですが、現役世代の負担割合を表す数値に「年金扶養比率」があります。
これは、年金受給者である高齢者を何人の現役世代で支えているかを示す数値であり、年金財政の状況を表す指標として使われます。比率が小さくなればなるほど、現役世代の負担が重いことを意味します。
2009年度末時点の厚生年金の年金扶養比率は、高齢者1人あたり「2.47」であり、2008年度末と比べて0.13ポイント低下しています。
◆重くなる現役世代の負担
まとまった厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)の数は、2009年度末時点で1,385万人となり、2008年度末に比べて約62万人増加している一方、厚生年金の加入者は、採用抑制やリストラ、非正規社員の増加の影響などにより約20万人減っています。
今後も現役世代の負担は重くなる一方だと考えられており、公的年金の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率は、2030年度には高齢者1人あたり「2.09」にまで低下するとのことです。
国民年金の財政状況はさらに厳しく、年金扶養比率は2015年度には「約2」になる見通しです。
◆年金財政はさらに厳しく?
2009年度の厚生年金の給付費は、23兆7,500億円(前年度比約1兆1,500億円増)でした。加入者の減少などで、保険料収入は約22兆2,400億円(前年度比約4,500億円減)となりました。
保険料収入減は、当面、厚生年金の積立金(2009年度末時点で約120兆円)で賄える計算ですが、これにも限界があり、加入者の減少がさらに進めば、負担と給付の見直しが必要となります。
今後も高齢者が増え続けて給付が膨らんでいけば、年金の「支え手」である現役世代の負担はさらに増していくことになります。また、加入者の減少が進めば、年金財政は今以上に厳しさを増すこととなります。
年金制度の抜本的見直しも含め、長期的な対策が求められています。
企業が期待する法人実効税率の引下げ
◆7割以上が「引き下げるべき」
現在、法人税率の引下げが世界各国で行われている中、政府は「新成長戦略」において、法人実効税率(約40%)を主要国並みに引き下げていくことを掲げています。
帝国データバンクの調査によると、法人実効税率について「引き下げるべき」と回答した企業は1万1,446社中8,171社(構成比71.4%)で、7割以上の企業が引下げを求めていることがわかりました。
引下げを望んでいる企業を規模別にみると、「大企業」が67.1%だったのに対し、「中小企業」では72.7%となっており、中小企業で引下げを求める割合が高いことがわかります。
◆企業は利益の押上げに期待
法人実効税率が引き下げられた場合に、どのようなことに期待するかという質問に対しては、「企業利益の押上げ」と回答した企業が64.6%で最多でした。そして、「企業の国際競争力の向上」(43.9%)、「国内景気の上昇」(41.9%)、「国内雇用の確保」(37.2%)、「企業の海外移転の抑制」(31.3%)と続いています。
また、実効税率が引き下げられた場合に、引き下げられた分を何に充当するか、現段階において最も可能性が高い項目を尋ねた項目では、25.6%の企業が「内部留保」と回答しています。この他、「人員の増強」「社員に還元」などの人的投資、「設備投資の増強」「研究開発投資の拡大」などの資本投資を合わせると、約4割の企業が積極的な投資に充当すると考えていることが明らかになりました。
◆税体系の再構築を
法人課税のうち、最も優先的に見直してほしい税項目に関する質問では、「法人税」が58.8%で最多でした。多くの企業において、法人税の見直しを求めていることがわかります。
法人課税は種類が多く、「事業計画などを複雑にしている」という声も多く聞かれ、企業が納得して税を納めるためにも、税体系をわかりやすく再構築することが必要とされているのではないでしょうか。
製造業における人件費の動向は?
◆10年ぶりの低水準に
2009年度における上場製造業の従業員1人当たりの人件費が10年ぶりの低水準となったことが、日本経済新聞社の調査(新興市場を除く国内の上場製造業1,002社の単独決算が対象)で明らかになりました。
収益の急激な落ち込みに対応するため、人件費の圧縮を進めたことが大きな要因のようです。
◆人件費・労務費とは?
2009年度の従業員1人あたりの「人件費・労務費」は842万円(前期比5%減)となり、1999年度以来の低水準となったそうです。
人件費・労務費とは、損益計算書に記載された「販売費・一般管理費」に含まれる役員報酬・賞与、人件費・福利厚生費と、「製造原価」に含まれる労務費、福利厚生費などを合計したものです。
◆業績の大幅悪化が影響
2009年度における人件費低下には、2008年度の業績の大幅な悪化が影響しています。
2008年度(2009年3月期)は世界的な金融危機のあおりを受け、上場企業全体で7年ぶりの減収・経常減益となり、輸出企業を中心とする製造業では、最終赤字となりました。
そして、業績が大幅に悪化したために、多くの企業では翌年度に報酬削減や賃上げ抑制、賞与の減額などが実施されたのです。
◆明るい兆しも?
日本経団連の調査によれば、大企業の夏季賞与の最終集計結果は、組合員1人あたりの平均妥結額が75万7,638円(前年同期比0.55%増)と3年ぶりに増加し、非製造業では80万4,706円(同0.77%減)と減少したものの、製造業では74万1,395円(同1.02%増)と増加しました。
このように製造業にもわずかながら明るい兆しが見えてはいますが、景気の動向については、まだまだ予断を許さない状況にあると言えるでしょう。
2010年度の最低賃金が決定 全国平均730円に
◆全国平均17円の引上げ
厚生労働省の中央最低賃金審議会では、2010年度の地域別最低賃金(時間額)の引上げの目安を全国平均で15円にすると答申していました(現在の713円からから728円へ引上げ)。
その後、各地方最低賃金審議会による調査・審議が行われ、9月9日までにすべての地方最低賃金審議会で答申があり、引上げの目安は全国平均で17円となり、最終的な全国加重平均額は730円となりました。
答申された最低賃金額は、今後、都道府県労働局において、関係労使からの異議申出に関する手続きを経たうえで正式に決定され、10月から発効の予定です。
◆「最低賃金」とは?
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金額の最下限値です。
中央最低賃金審議会が定めた目安を基に47都道府県ごとに定められ、最低賃金に違反した使用者には罰金が科せられるとされています。
◆「全国最低800円」の確保はなるか?
政府は、2020年までの目標として「できる限り早期に全国最低800円を確保」と合意しています。今回も大幅な引上げについて議論されましたが、使用者側は最後まで慎重な姿勢を崩しませんでした。
政府目標は「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長」が前提となっており、中小企業の生産性向上の取組みや、中小企業に対する支援などが課題となっています。
これらの前提条件が実現せず、施策の実効性がないまま最低賃金のみが大幅に引き上げられれば、企業の経営に影響し、雇用の喪失につながるとの懸念があります。
国民年金保険料の悪質滞納を国税庁が強制徴収へ
◆対象は「悪質な滞納者」
厚生労働省は、国民年金保険料の悪質な滞納者について、財産の差押さえを含む強制徴収を実施することを、国税庁に委任する方針を明らかにしました。
対象は、所得が1,000万円以上あるにもかかわらず保険料を2年以上滞納し、財産を隠している加入者などを想定しているとのことです。
◆財産の差押えも視野に
国税庁への委任は、日本年金機構(旧社会保険庁)の発足に伴って改正された国民年金法に基づく措置であり、主な対象者は、保険料を自分で納めている自営業者や農家などの国民年金の第1号被保険者です。
厚生労働省が納付を督促しても応じないなど、「支払う意思がない」とみなされれば、同省は国税庁に委任し、同庁の職員が滞納分の財産を差し押さえるなどの処分を行うとのことです。
すでに、全国の年金事務所が各市町村に所得情報の提供など協力を求めており、滞納者情報との照合を進めているそうです。
◆当面の対象者は400人程度
国民年金保険料の未納者は300万人以上と言われていますが、学生や低所得者が多いとみられています。厚生労働省が国税庁に徴収を委任する対象は、前年度の所得が1,000万円以上で、財産を隠すなど特に悪質な滞納者に限られるため、当面の対象者は400人程度にとどまる見込みです。
強制徴収の権限は、日本年金機構からの申出により、厚生労働大臣が財務大臣を通じて国税庁長官に委任する形になり、実際の差押えには、国税庁の徴収課や各地方国税局の特別整理部門の職員などが当たるそうです。
◆わかりやすい年金制度改革を
未納者からの保険料徴収ということで、一定の効果はありそうですが、保険料未納の背景には、年金制度そのものへの不信感があると言われています。
現政権には、わかりやすい年金制度改革の方向性を打ち出してもらいたいものです。
今後の「有期労働契約」はどうなるのか?
◆8月下旬に「報告書」原案を公表
厚生労働省の「有期労働契約研究会」では、8月下旬に会合を開き、今後の有期労働契約に関する施策の方向性を示す、「報告書」原案を公表しました。
有期労働契約者の範囲、通常の労働者との処遇の均衡、契約の更新・雇止めなど、今後の「有期労働契約」のあり方に大きな影響を与えるものと見られます。
◆有期労働契約者に関する現状分析と課題
上記の「報告書」原案では、有期契約労働者は、労使の多様なニーズにより増加しており、労働者本人の希望や意見を含めて眺めれば多様な集団になっていると、現状を分析しています。
そして、4つの職務タイプである「正社員同様職務型」(36.4%)、「高度技能活用型」(4.4%)、「別職務・同水準型」(17.0%)、「軽易職務型」(39.0%))」に分類し、就業形態、年齢などの多様な実態を踏まえたうえでの対応が必要であると指摘しています。
◆今後検討される内容
上記内容を踏まえたうえで、今後は、下記の項目を検討するとしています。
(1)契約締結事由の規制
有期労働契約の締結の時点で利用可能な事由を限定することを検討する。
(2)更新回数や利用可能期間に係るルール
一定年限等の「区切り」を超える場合の無期労働契約との公平、紛争防止、雇用の安定や職業能力形成の促進等の観点から、更新回数や利用可能期間の上限の設定を検討する。
(3)雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化
定着した判例法理の法律によるルール化を検討する。
◆法改正を含めた制度整備が必要
今後、中長期的に労働力が減少していくと予測される中、有期契約労働者を公正に処遇し、労働者が仕事と家庭生活との調和を図りつつ、生きがい・働きがいのある充実した生活を送ることができるよう、法改正を含めた制度整備がなされることが望まれます。
◆3,000名以上を対象としたインターネット調査
株式会社ユーキャンと株式会社アイシェアは、「女性の結婚・出産後の仕事に関する意識調査」(男性2,217名、女性1,243名が対象)をインターネット上で実施し、先日、その結果が発表されました。
◆女性と男性の考え方には大きなギャップ
結婚・出産後も働き続けたいと考えている女性は全体の46.1%との結果となりました。その理由としては、「結婚後も家庭だけでなく社会との関わりを持ち続けたいから」(25.2%)、「仕事が好きでずっと続けていきたいから」(21.0%)などが多く、経済的な理由である「夫の収入だけでは経済的に厳しいから」を挙げた人は4.6%とわずかでした。
男性では、結婚・出産後も妻に働いてほしいと考えている人が63.0%おり、「自分の収入だけでは経済的に厳しいから」(41.9%)との理由がトップで、女性と男性の考え方には大きなギャップがあることがわかりました。
◆再就職には資格取得が必要?
未婚の女性で、もし夫から「専業主婦になってほしい」と言われても結婚・出産後も働きたいと考えている人のうち、65.0%の人が「資格取得などの準備が必要」と考えていました。そして、そのうち73.7%の人がすでに資格取得に向けた学習を始めているとの結果が明らかになっています。
そして、結婚・出産後も働きたいと考えている女性の興味・あこがれのある資格のうち、上位6つは以下の通りでした。
(1)簿記(28.0%)
(2)行政書士(20. 8%)
(3)社会保険労務士(18.4%)
(3)医療事務(18.4%)
(3)マイクロソフト認定資格(18.4%)
(6)カラーコーディネーター(16.8%)
厳しさが続く就職活動は「苦」?「楽」?
◆就職活動を漢字1文字で表すと?
株式会社毎日コミュニケーションズでは、卒業予定の学生を対象とした「マイコミ学生就職モニター調査」の一環として行っている「あなたの就職活動を漢字1文字で表すと?」の2010年調査の結果を発表しました。この調査は2000年(2001年卒業予定者対象)から毎年実施されており、今年で11回目となっています。
◆「苦」が2年連続で1位
上記の質問について、1位から10位までの結果は以下の通りとなっています。
・1位「苦」(前年1位)
・2位「楽」(前年3位)
・3位「迷」(前年2位)
・4位「進」(前年ランク外)
・4位「動」(前年6位)
・6位「耐」(前年8位)
・7位「難」(前年4位)
・8位「縁」(前年5位)
・9位「疲」(前年9位)
・10位「知」(前年ランク外)
◆結果から何が見える?
厳しい雇用状況の影響を大きく受け、「苦」が2年連続で1位となりましたが、「楽」が前年の3位から2位に浮上しました。これについては、就職活動が「楽(らく)だった」ということではなく、幅広い就職活動を通して多くの企業や人に出会えたことが「楽しかった」と回答している学生が目立ったそうです。
なお、過去に一度も10位以内に入っていなかった「進」が4位に入り、学生の前向きで積極的な姿勢も見受けられます。
◆来年の採用状況は?
厚生労働省の「労働経済動向調査」では、2011年新規学卒者の採用予定者数の前年との増減比較について、「増加」とする事業所の割合が、高校卒13%、大学卒(文科系)13%、大学卒(理科系)14%と、いずれも前年を上回ったとの結果が出ています。
厳しい雇用環境であることには変わりありませんが、学生たちにとってはやや明るい兆しが見えつつあるようです。
今後のメンタルヘルス対策の方向性が明らかに
◆政府の検討会が「報告書」を発表
政府の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」では、今後のメンタルヘルス対策に関する「報告書」を取りまとめ、発表しました。同検討会は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が今年5月にまとめた報告の中で「職場におけるメンタルヘルス対策」が重点の1つとされたことを受けて設けられたものです。
今回発表された「報告書」の内容が、今後の国によるメンタルヘルス対策、ひいては企業のメンタルヘルス対策にどのような影響を与えるのか、非常に注目されます。
◆検討会「報告書」のポイント
検討会「報告書」が示した内容のポイントは、次の通りです。
(1)労働者のストレスチェックの実施
一般定期健康診断の際に、「ストレスに関連する労働者の症状・不調」について医師が確認すること。
(2)産業医等との面接の実施、労働者のプライバシー保護
面接が必要とされた労働者については産業医等と面接を行う。その際、ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者には知らせないこと。
(3)労働者の同意を得たうえでの産業医等の意見陳述
産業医等は、労働者との面接の結果、必要と判断した場合には、労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べること。
(4)産業医等の意見の明示、了解を得るための話合いの実施
事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行うこと。
◆今後のメンタルヘルス対策に活かされるか
メンタルヘルス不調者対策が企業の労務管理上の重要な課題となっていますが、これまでの対策が期待した効果をあげているとは言い難いのが現状です。
厚生労働省では、今後、制度改正に向けた議論を始める予定です。今回の「報告書」の内容が、今後のメンタルヘルス対策に活かされることが大いに期待されます。
企業における「ツイッター」活用の実態
◆活用の状況が明らかに
NTTレゾナント株式会社と株式会社ループス・コミュニケーションズでは、「企業におけるツイッター活用状況」に関する調査(通常業務でツイッターを運用する立場にある企業の担当者が対象。有効回答者数315名)の結果を発表しました。
近頃大きな話題となっている「ツイッター」について、企業による活用の実態が明らかになりました。
◆企業が「ツイッター」を始めた理由は?
ツイッターにおける企業アカウントの運用期間は、「6カ月未満」が64.2%、「1年以上」が12.1%でした。2010年に入ってから運用をスタートした企業が6割超となっており、多くの企業がまだ導入の初期段階にあります。
運用開始の理由としては、「顧客接点を増やしたかったから」(48.9%)、「無料で始められるから」(46.3%)、「担当製品やサービスのブランディングに効果があると考えたため」(41.0%)などとなっています。
◆「ツイッター」でどんな施策を行っているか?
企業アカウントで行っている施策としては、「担当者のキャラクターを工夫して好感を持ってもらうように努めている」(33.7%)が最多で、次に「自社製品・サービスに関するつぶやきに積極的にコメントしている」(33.3%)が続いており、顧客との対話交流に主眼を置く傾向にあるようです。
一方、「自社に関するつぶやきをモニターしている」は14.9%と少なく、「ツイッター上での顧客の声を製品・サービスに積極的に反映させている」(8.9%)や「ツイッターで、アンケートを行ったり、新商品のための意見を顧客から募集したりしている」(7.0%)なども少ない結果となっています。
◆「ツイッター」の効果は?
ツイッター活用による具体的な効果については、「公式ブログへのアクセス数が増加した」(65.5%)や「ソーシャルメディア上での問い合わせ件数が増加した」(56.5%)が多く、それ以外にも、「新規顧客数が増加した」(47.6%)、「既存顧客のリピート率が向上した」(46.9%)、「顧客単価が増加した」(40.0%)など、売上につながる効果も得られているようです。
はじめは個人利用が多かったツイッターですが、今後は企業による活用もますます増えていくでしょう。
重くなる厚生年金の「支え手」の負担
◆「年金扶養比率」とは?
日本の年金制度は、現役世代が支払った保険料で高齢者が受給する年金を支える仕組みですが、現役世代の負担割合を表す数値に「年金扶養比率」があります。
これは、年金受給者である高齢者を何人の現役世代で支えているかを示す数値であり、年金財政の状況を表す指標として使われます。比率が小さくなればなるほど、現役世代の負担が重いことを意味します。
2009年度末時点の厚生年金の年金扶養比率は、高齢者1人あたり「2.47」であり、2008年度末と比べて0.13ポイント低下しています。
◆重くなる現役世代の負担
まとまった厚生年金をもらえる高齢者(原則20年以上加入)の数は、2009年度末時点で1,385万人となり、2008年度末に比べて約62万人増加している一方、厚生年金の加入者は、採用抑制やリストラ、非正規社員の増加の影響などにより約20万人減っています。
今後も現役世代の負担は重くなる一方だと考えられており、公的年金の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率は、2030年度には高齢者1人あたり「2.09」にまで低下するとのことです。
国民年金の財政状況はさらに厳しく、年金扶養比率は2015年度には「約2」になる見通しです。
◆年金財政はさらに厳しく?
2009年度の厚生年金の給付費は、23兆7,500億円(前年度比約1兆1,500億円増)でした。加入者の減少などで、保険料収入は約22兆2,400億円(前年度比約4,500億円減)となりました。
保険料収入減は、当面、厚生年金の積立金(2009年度末時点で約120兆円)で賄える計算ですが、これにも限界があり、加入者の減少がさらに進めば、負担と給付の見直しが必要となります。
今後も高齢者が増え続けて給付が膨らんでいけば、年金の「支え手」である現役世代の負担はさらに増していくことになります。また、加入者の減少が進めば、年金財政は今以上に厳しさを増すこととなります。
年金制度の抜本的見直しも含め、長期的な対策が求められています。
企業が期待する法人実効税率の引下げ
◆7割以上が「引き下げるべき」
現在、法人税率の引下げが世界各国で行われている中、政府は「新成長戦略」において、法人実効税率(約40%)を主要国並みに引き下げていくことを掲げています。
帝国データバンクの調査によると、法人実効税率について「引き下げるべき」と回答した企業は1万1,446社中8,171社(構成比71.4%)で、7割以上の企業が引下げを求めていることがわかりました。
引下げを望んでいる企業を規模別にみると、「大企業」が67.1%だったのに対し、「中小企業」では72.7%となっており、中小企業で引下げを求める割合が高いことがわかります。
◆企業は利益の押上げに期待
法人実効税率が引き下げられた場合に、どのようなことに期待するかという質問に対しては、「企業利益の押上げ」と回答した企業が64.6%で最多でした。そして、「企業の国際競争力の向上」(43.9%)、「国内景気の上昇」(41.9%)、「国内雇用の確保」(37.2%)、「企業の海外移転の抑制」(31.3%)と続いています。
また、実効税率が引き下げられた場合に、引き下げられた分を何に充当するか、現段階において最も可能性が高い項目を尋ねた項目では、25.6%の企業が「内部留保」と回答しています。この他、「人員の増強」「社員に還元」などの人的投資、「設備投資の増強」「研究開発投資の拡大」などの資本投資を合わせると、約4割の企業が積極的な投資に充当すると考えていることが明らかになりました。
◆税体系の再構築を
法人課税のうち、最も優先的に見直してほしい税項目に関する質問では、「法人税」が58.8%で最多でした。多くの企業において、法人税の見直しを求めていることがわかります。
法人課税は種類が多く、「事業計画などを複雑にしている」という声も多く聞かれ、企業が納得して税を納めるためにも、税体系をわかりやすく再構築することが必要とされているのではないでしょうか。
製造業における人件費の動向は?
◆10年ぶりの低水準に
2009年度における上場製造業の従業員1人当たりの人件費が10年ぶりの低水準となったことが、日本経済新聞社の調査(新興市場を除く国内の上場製造業1,002社の単独決算が対象)で明らかになりました。
収益の急激な落ち込みに対応するため、人件費の圧縮を進めたことが大きな要因のようです。
◆人件費・労務費とは?
2009年度の従業員1人あたりの「人件費・労務費」は842万円(前期比5%減)となり、1999年度以来の低水準となったそうです。
人件費・労務費とは、損益計算書に記載された「販売費・一般管理費」に含まれる役員報酬・賞与、人件費・福利厚生費と、「製造原価」に含まれる労務費、福利厚生費などを合計したものです。
◆業績の大幅悪化が影響
2009年度における人件費低下には、2008年度の業績の大幅な悪化が影響しています。
2008年度(2009年3月期)は世界的な金融危機のあおりを受け、上場企業全体で7年ぶりの減収・経常減益となり、輸出企業を中心とする製造業では、最終赤字となりました。
そして、業績が大幅に悪化したために、多くの企業では翌年度に報酬削減や賃上げ抑制、賞与の減額などが実施されたのです。
◆明るい兆しも?
日本経団連の調査によれば、大企業の夏季賞与の最終集計結果は、組合員1人あたりの平均妥結額が75万7,638円(前年同期比0.55%増)と3年ぶりに増加し、非製造業では80万4,706円(同0.77%減)と減少したものの、製造業では74万1,395円(同1.02%増)と増加しました。
このように製造業にもわずかながら明るい兆しが見えてはいますが、景気の動向については、まだまだ予断を許さない状況にあると言えるでしょう。
2010年度の最低賃金が決定 全国平均730円に
◆全国平均17円の引上げ
厚生労働省の中央最低賃金審議会では、2010年度の地域別最低賃金(時間額)の引上げの目安を全国平均で15円にすると答申していました(現在の713円からから728円へ引上げ)。
その後、各地方最低賃金審議会による調査・審議が行われ、9月9日までにすべての地方最低賃金審議会で答申があり、引上げの目安は全国平均で17円となり、最終的な全国加重平均額は730円となりました。
答申された最低賃金額は、今後、都道府県労働局において、関係労使からの異議申出に関する手続きを経たうえで正式に決定され、10月から発効の予定です。
◆「最低賃金」とは?
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金額の最下限値です。
中央最低賃金審議会が定めた目安を基に47都道府県ごとに定められ、最低賃金に違反した使用者には罰金が科せられるとされています。
◆「全国最低800円」の確保はなるか?
政府は、2020年までの目標として「できる限り早期に全国最低800円を確保」と合意しています。今回も大幅な引上げについて議論されましたが、使用者側は最後まで慎重な姿勢を崩しませんでした。
政府目標は「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る経済成長」が前提となっており、中小企業の生産性向上の取組みや、中小企業に対する支援などが課題となっています。
これらの前提条件が実現せず、施策の実効性がないまま最低賃金のみが大幅に引き上げられれば、企業の経営に影響し、雇用の喪失につながるとの懸念があります。
国民年金保険料の悪質滞納を国税庁が強制徴収へ
◆対象は「悪質な滞納者」
厚生労働省は、国民年金保険料の悪質な滞納者について、財産の差押さえを含む強制徴収を実施することを、国税庁に委任する方針を明らかにしました。
対象は、所得が1,000万円以上あるにもかかわらず保険料を2年以上滞納し、財産を隠している加入者などを想定しているとのことです。
◆財産の差押えも視野に
国税庁への委任は、日本年金機構(旧社会保険庁)の発足に伴って改正された国民年金法に基づく措置であり、主な対象者は、保険料を自分で納めている自営業者や農家などの国民年金の第1号被保険者です。
厚生労働省が納付を督促しても応じないなど、「支払う意思がない」とみなされれば、同省は国税庁に委任し、同庁の職員が滞納分の財産を差し押さえるなどの処分を行うとのことです。
すでに、全国の年金事務所が各市町村に所得情報の提供など協力を求めており、滞納者情報との照合を進めているそうです。
◆当面の対象者は400人程度
国民年金保険料の未納者は300万人以上と言われていますが、学生や低所得者が多いとみられています。厚生労働省が国税庁に徴収を委任する対象は、前年度の所得が1,000万円以上で、財産を隠すなど特に悪質な滞納者に限られるため、当面の対象者は400人程度にとどまる見込みです。
強制徴収の権限は、日本年金機構からの申出により、厚生労働大臣が財務大臣を通じて国税庁長官に委任する形になり、実際の差押えには、国税庁の徴収課や各地方国税局の特別整理部門の職員などが当たるそうです。
◆わかりやすい年金制度改革を
未納者からの保険料徴収ということで、一定の効果はありそうですが、保険料未納の背景には、年金制度そのものへの不信感があると言われています。
現政権には、わかりやすい年金制度改革の方向性を打ち出してもらいたいものです。
今後の「有期労働契約」はどうなるのか?
◆8月下旬に「報告書」原案を公表
厚生労働省の「有期労働契約研究会」では、8月下旬に会合を開き、今後の有期労働契約に関する施策の方向性を示す、「報告書」原案を公表しました。
有期労働契約者の範囲、通常の労働者との処遇の均衡、契約の更新・雇止めなど、今後の「有期労働契約」のあり方に大きな影響を与えるものと見られます。
◆有期労働契約者に関する現状分析と課題
上記の「報告書」原案では、有期契約労働者は、労使の多様なニーズにより増加しており、労働者本人の希望や意見を含めて眺めれば多様な集団になっていると、現状を分析しています。
そして、4つの職務タイプである「正社員同様職務型」(36.4%)、「高度技能活用型」(4.4%)、「別職務・同水準型」(17.0%)、「軽易職務型」(39.0%))」に分類し、就業形態、年齢などの多様な実態を踏まえたうえでの対応が必要であると指摘しています。
◆今後検討される内容
上記内容を踏まえたうえで、今後は、下記の項目を検討するとしています。
(1)契約締結事由の規制
有期労働契約の締結の時点で利用可能な事由を限定することを検討する。
(2)更新回数や利用可能期間に係るルール
一定年限等の「区切り」を超える場合の無期労働契約との公平、紛争防止、雇用の安定や職業能力形成の促進等の観点から、更新回数や利用可能期間の上限の設定を検討する。
(3)雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化
定着した判例法理の法律によるルール化を検討する。
◆法改正を含めた制度整備が必要
今後、中長期的に労働力が減少していくと予測される中、有期契約労働者を公正に処遇し、労働者が仕事と家庭生活との調和を図りつつ、生きがい・働きがいのある充実した生活を送ることができるよう、法改正を含めた制度整備がなされることが望まれます。