2013/01/01

平成25年 1月の事務所便り


厚生年金基金に関する改正動向と企業年金に対する考え方

◆気になる動向
 AIJ投資顧問事件の発覚以降、厚生年金基金の今後の改正動向が話題となっていますが、11月上旬に厚生労働省(社会保障審議会)の専門委員会が開かれ、「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」が発表されました。

この試案は、厚生年金基金の今後のあり方についての議論のたたき台として同省がとりまとめたものであり、今後、法律改正案のベースとなります。同省では、来年の通常国会での改正法案提出を目指しています。

 ◆「試案」の内容
 この「試案」の内容は、大きく3つの項目に分かれています。

(1)特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応
(2)企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進
(3)代行制度の見直し
 
 
 
 このうち、(3)の中で「代行制度の段階的縮小・廃止」について述べられています。その内容は、積立不足を抱えている基金については5年以内に解散させ、10年かけて制度を廃止するというものです。
 この試案については、その後開かれた専門委員会において、大半の委員が賛成しましたが、財政が健全な基金まで廃止することについては反対意見も出たようです。

 ◆今後の企業年金をどうするか?
 最近になって、約36万社が加入し、約324万人の加入者がいる中小企業退職金共済制度(中退共)についても、厚生年金制度と同様の状況(深刻な積立不足等)にあるとの報道がありました。
 日本経済新聞社が行ったアンケート(有力企業197社が回答)では、「企業年金が業績や財務に与える影響が重くなっている」と回答した企業が71%、「年金・退職金について給付水準の引下げを検討している」と回答した企業が21%となっています。
 今後の企業年金に関する改正動向を踏まえ、中小企業においても「企業年金をどうするか?」というテーマを真剣に考えなければならない時期に来ているようです。


「組合との賞与交渉における資料不提出は法違反」との判断

◆賞与交渉における会社の対応
 売上・利益・査定資料・組合員の査定結果の提出について労働協約を締結していたにもかかわらず、労働組合との団体交渉(賞与交渉)において会社がこれらの資料を提出しなかった事件の再審査で、中央労働委員会は、不当労働行為に当たるとの判断を示しました(1023日)。

 ◆事件の概要
 会社は、労働組合と、(1)賞与・昇給の支給以前に団体交渉を行うこと、(2)賞与総額の根拠を示す資料(売上・利益、査定資料および組合員の査定結果)を提出することを内容とする労働協約を締結していました。
 しかし、平成21年冬季賞与に関する団体交渉の場で、組合員の査定結果(人事考課表)を除く資料を提出せず、さらに、平成22年1月の昇給については団体交渉を行いませんでした。
 今回、このような会社の対応は、当該労働協約・合意事項に反する不誠実なものであり、労働組合法(第7条第2号)に違反するとの判断がなされたのです。

 ◆労働協約の遵守は重要
 この事件では、会社は、「冬季賞与の賞与総額の根拠を示す資料」、「売上・利益、査定資料および組合員の人事考課表」を提示して説明を行うことを労働組合と合意していたにもかかわらず、この合意を守りませんでした。
 上記の通り、このような会社の対応は「不誠実」と指摘され、法違反を問われる可能性がありますので、注意が必要です。


「定年後再雇用拒否」をめぐり最高裁で初判断

 ◆事件の概要
 定年後再雇用を拒否された労働者が会社に対して地位確認などを求めた訴訟の上告審判決が1129日、最高裁(第1小法廷)であり、継続雇用の基準を満たす労働者は定年後も雇用の継続を期待する合理的理由があるとして、解雇法理を類推適用して雇用関係の存続を認め、会社側の上告を棄却し、雇用の存続と賃金の支払いを命じました。
 平成18年4月改正による高年齢者雇用安定法(高年法)下の再雇用拒否事件で、初めて最高裁による判断が示されたことになります。
 この事件では、JMIU(全日本金属情報機器労組)津田電気計器支部(大阪府箕面市)の書記長を含む全組合員3人だけが再雇用を拒否されたため、社員としての地位確認と賃金の支払いを求めていたもので、2010年9月の大阪地裁、2011年3月の大阪高裁のいずれも労働者側の主張を認める判決が出されていました。

 ◆会社による恣意的な再雇用基準の運用は認められない
 本件では、労働者側は雇用の継続を希望したものの、会社側は仕事ぶりを点数化して評価する社内基準を満たしていないとして、61歳を迎えた2009年1月以降の再雇用を拒否していました。
 裁判所は、この会社の対応について、「男性は社内の基準を満たしており、再雇用しないのは合理的な理由を欠く」と述べ、不当に低い評価をして再雇用を拒否したのは違法だとの判断を示しました。

 ◆再雇用拒否をめぐる労使トラブルの今後
 2013年4月より改正高年法が施行されると、一定年齢以上の者については、従来通り労使協定等に定める再雇用基準に照らして継続雇用の対象とするかどうかを会社が判断することができますが、それ以外の者については、原則として、希望者全員を雇用確保措置の対象とすることが義務付けられます。
 今後は、企業が不当に労働者の継続雇用申入れを拒否した場合や、再雇用後の雇止め理由が合理的でない場合等に、労働者から地位確認および賃金の支払いを求めて訴訟提起される可能性があると言えます。

 
「勤務間インターバル規制」導入の検討に関する調査結果

 ◆調査結果の概要
 この調査結果は、参議院調査室の調査情報誌に掲載されたもので、総務省が5年ごとに実施する「社会生活基本調査」に基づき、長時間労働の実情に着目しながら働く人の平均的な1日の時間の過ごし方を概観し、現行の労働時間規制の概略および新たな規制(勤務間インターバル規制)の導入可能性についての検討等が行われたたものです。
 それによると、男性で「平日に11時間以上働く者」の割合は、平成13年の21.5%が平成18年には24.2%、平成23年には24.9%へと上昇しています。これに「1011時間未満」を加えると平成23年は40.2%と、平成13年の35.1%から5%ほど上昇しています。
 また、女性で11時間以上働く者は、平成13年の4.7%から平成18年は6.5%へと上昇し、平成23年も高止まりという傾向を示しています。

 ◆長時間労働者の時間の使い方の特徴
 男女共通の特徴として、長時間労働者は週40時間程度働く者に比べて睡眠時間が短く、男性6時間37分、女性6時間32分と、男性で33分、女性で21分ほど短くなっており、食事や家事、余暇に充てる時間も短くなっています。
 一方、週60時間以上労働する長時間労働者について、男性の平均仕事時間が11時間41分、女性は10時間30分と男性のほうが長く、また、男性は家事などに充てる時間が20分前後であるのに対し女性は約1時間である等、男女による違いも見られました。

 ◆「勤務間インターバル規制」導入に向けた検討
 本調査結果では、「法定労働時間を超える時間外・休日労働は、労使協定…の締結と行政官庁への届出を要件として、比較的容易に認められている」、「現行法制では極めて長い時間外労働を抑制することができず、労働者の健康・安全面についての十分な歯止めが掛けられていない事案が生じている」としたうえで、「現行の長時間労働規制では不十分との判断の下、労働安全衛生の観点を踏まえた取組が労使間に見られつつある。…勤務間インターバル規制の導入に向けた取組である」としています。
 さらに、今後の見通しについて、昨年10月の参議院厚生労働委員会での牧厚生労働副大臣の答弁を引用しつつ、「勤務間インターバル規制を広く導入していく環境が十分に整っているとは言い難い…しかし、…情報通信分野のように、長時間労働であり、勤務形態が不規則であるような分野においては、…勤務間インターバル規制の導入の必要性は今後高まっていくものと考えられる」と結論付けています。


喫煙者は採用に不利な時代に!?

 ◆「喫煙者は採用いたしておりません」
 総合リゾート運営会社の星野リゾートの採用ページが話題になっています。社長メッセージとして、社員の喫煙が作業効率や施設効率を低下させ、職場環境を悪化させるものであり、企業の競争力を弱めることになるので、喫煙者を採用しない旨を宣言しています。
 これは、「企業が厳しい競争環境の中で生き残っていこうとしているときに、わざわざ組織にとってマイナスとなるような人材は採らない」という社長の強いメッセージです。

 ◆喫煙率低下の大きな流れ
 「平成23 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、現在習慣的に喫煙している人の割合は、20.1%(男性32.4%、女性9.7%)で、前年度より微増したとのことです。しかし、「平成24 全国たばこ喫煙者率調査」(JT)によると、平成24年の成人喫煙率は、成人男性は32.7%で、ピーク時(昭和41年)より55ポイントも減少しています。成人女性については10.4%で、ほぼ横ばいだそうです。タイミングとしては、タバコの規制を実施しやすい時期にあるのかもしれません。
 ただ、職場でのタバコを禁止する・しないのいずれにしても会社の姿勢が定まっていなくては、喫煙する社員、しない社員双方にとって不満のタネとなるでしょう。

 ◆喫煙の管理=企業のリスク管理
 こうした流れは今後も続くのでしょうか。アメリカでは喫煙の有無や肥満度などが昇進に影響すると言われています。我が国でそこまで積極的に評価の対象にすることは少ないとは思いますが、「自身の健康管理ができていない」という印象を評価者に与えるようであれば、関係ないとも言い切れません。
 また、昨今取り沙汰されている、長時間労働・過重労働に関連して、これらが喫煙とセットになった場合、脳・心臓疾患が重症化したり死亡率がアップしたりすることが知られています。喫煙自体は個人の自由だとしても、それが長時間労働等に絡んでくると企業の安全配慮義務が問われるリスクにつながるのです。
 よって、「社員の健康管理=企業のリスク管理」という面からも、喫煙の管理は重要課題となってくるのではないでしょうか。

 ◆採用時の確認
 なお、星野リゾートでは、現在喫煙者でも、入社時にタバコを断つことを誓約すれば採用選考に進むことはできるそうです。誓約書のようなものを提出させるのでしょうか。喫煙者に何らかのペナルティを与えるにしても、入社時にきちんと確認する必要があるでしょう。重要な事項を確認するときは書類で残すことが重要です。


精神障害者の雇用を検討する企業が増加

 ◆障害者の法定雇用率が引上げに
 企業が達成しなければならない障害者の法定雇用率(従業員に占める障害者の割合)は、一般企業については現在「1.8%」ですが、これが平成254月から「2.0%」へ引き上げられます。未達成企業は、不足する1人分当たり5万円を国に納付しなければなりません。
 また、すでに障害者を雇用する企業については、障害者の雇用に関する状況の報告が毎年1回必要ですが、その義務が課される企業規模も変更されます。現行の労働者数「56人以上」から「50人以上」となりますので、該当する企業は注意が必要です。

 ◆精神障害者の雇用義務付けも検討
 また、厚生労働省では「精神障害者の雇用義務付け」についての議論が行われています。
 現行の法定雇用率は、身体障害者と知的障害者だけを算定の根拠にしていますが、新たに精神障害者の雇用義務付けがなされると算定の仕方が変わり、雇用率が引き上げられる可能性もあります。

 ◆障害者雇用を経営に生かす
 こうした制度改正への対応も含めて、障害者を積極的に雇用し、経営に生かそうとする動きも出てきています。スーパーでは開店前の清掃や品出し等で働いてもらったり、資本のある企業では、特例子会社を設立したりするところもあるそうです。
 現在、人材紹介会社には求人依頼が殺到しており、対応の早い企業では、優秀な技能を持つ精神障害者を獲得しようと動き出しています。
 精神障害には様々な種類や症状の程度があります。「精神障害者」といっても、接客のような仕事には向かないけれども、コンピュータのプログラミング能力が非常に優れているなど、企業が適材適所で雇用すれば貴重な戦力となる方も多くいるのが事実です。

 ◆社内体制の整備が不可欠
 急速な高齢化の進む中、今後の雇用戦略を考えるうえでは、こうした積極的な障害者雇用も検討してみる必要があるようです。ただ、精神障害者の約40%が採用後6カ月未満で退職しているという厚生労働省の調査結果もあります。障害者の採用と労務管理については、企業の体制整備が不可欠でしょう。


新入社員の入社後の意識の変化を読み取ろう!

 ◆「今の会社に一生勤めようと思っている」が大幅減
 春に新入社員が入社してから半年以上が経ちました。新入社員には働くうえで意識の変化があったのでしょうか。
 公益財団法人日本生産性本部が、2012年度新入社員(340人)に実施した「2012年度新入社員秋の意識調査」(調査期間201210月~201211月)によると、「今の会社に一生勤めようと思っている」とする回答が30.6%で、同年春の調査結果(60.1%)から29.5ポイントの減少となり、この落差は1997以来過去最大となったそうです。

 ◆「仕事を通じてかなえたい『夢』がある」も減少
 また、「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」という質問に対して、「そう思う」と回答した人の割合は50.7%で、同年春の調査結果(70.5%)から19.8ポイント減となりました。
 これらの意識の変化は、入社前の「理想」と、実際に働きはじめてからの「現実」とのギャップを感じ始めていることを示していると言えそうです。

 ◆「人間関係の良さ」も企業選びには重要?
 また、「今の会社に一生勤めようと思っている」と回答した人がその理由として、給料・福利厚生等の良さの他に、「教育担当の先輩が熱心に指導してくれて、頑張らなければならないと感じている」、「先輩や上司が優しく働きやすい」など、人間関係の良さを挙げている傾向も見られました。
 入社直後は先輩・上司から指導を受けることが多く、その際に、誰にどのような指導を受けたかが、会社のイメージを左右するといっても過言ではありません。その意味で、新入社員の指導法等について検討することは、社員定着のためにも有効だと言えるでしょう。


仕事への「エンゲイジメント」に関する意識は?

 ◆8割以上が「仕事への『エンゲイジメント』の向上は組織に必要」
 人事労務の役職者と一般のビジネスパーソンに対して、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントが今年10月に実施した「仕事へのエンゲイジメントに関する調査」によると、人事・労務役職者、ビジネスパーソンともに8割以上が、「『エンゲイジメント』の向上は組織にとって必要だ」と答えていることがわかりました。

 ◆『エンゲイジメント』とは?
 この『エンゲイジメント』とは「ワーク・エンゲイジメント」といい、従業員の心の健康度を示す概念の1つで、「個人がポジティブな感情を持って、仕事に対して自主的・精力的に取り組んでいる状態」と定義されています。
 オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授によって、「バーンアウト」(燃え尽き症候群)の対概念として提唱されたもので、ワーク・エンゲイジメントの高い人は、「意欲と活力にあふれ、仕事に積極的に取り組む」という特徴を示すそうです。従業員に高い生産性を求める企業側としては、そのような従業員の増加を望むことでしょう。

 ◆ワーク・エンゲイジメント向上のために重視する点
 同調査において、従業員のワーク・エンゲイジメント向上に重要だと思う項目について、人事・労務役職者、ビジネスパーソン両者の回答の上位は、次の通りでした。(人事・労務役職者=人、ビジネスパーソン=ビ)

◎上司、部下、同僚間での信頼関係が構築されている…(人62.8%/ビ50.8%)
◎コミュニケーションがとりやすい、円滑である…(人60.2%/ビ46.0%)
◎会社の方針(ビジョン・事業内容)が共有されている…(人53.4%/ビ34.6%)
◎仕事の成果を、正当に評価してもらえる…(人37.5%/ビ40.1%)
◎雇用の安定性がある…(人28.8%/ビ27.2%)
◎メンタルヘルス対策に取り組んでいる…(人22.7%/ビ21.4%)

両者間でいくつかのギャップが見られますが、従業員が重視する項目を適切に捉えたうえで企業の人事・労務体制を整備していくことが、必要になってくるでしょう。

 
「副業」を検討している人はどの程度いるか?

 ◆4割以上が「副業を開始」「副業を検討」
 給料やボーナスの伸び悩みで、副収入を得たいと考えている人が増加しているようです。日本経済新聞社の「日経生活モニター」に登録した読者へのアンケート調査で、副業を始めた人と検討している人が合わせて43%に達したことがわかりました。

 ◆1割の人は「すでに始めている」
 約1,000人が回答した「今冬のボーナスと副収入」をテーマに実施された上記の調査によると、「始めるべきか考えることがある」が18%、「始めたいが条件に合う仕事が見つからない」が12%、「すでに始めている」が10%、「近く始めるつもりだ」が3%となり、合計すると43%が副業を始めている、あるいは副業を行う意欲を持っているとの結果が出ています。

 ◆副業を考える理由は?
副業を考える理由については、次のような回答結果となりました。

・「生活費を稼ぐ」(48%)
・「生活に余裕が欲しい」(41%)
・「自分の小遣いを捻出する」(34%)
・「老後資金を貯蓄したい」(33%)

「年金だけでは老後の家計を維持できない不安がある」、「自由に使えるお金が減ったため、その補填が目的」など、老後への備えや生活の維持などの理由が目立っています。
 希望する収入額は「5万円未満」が54%で、希望する副業は「単発のアルバイト」、「家庭教師、コンサルタント」などが多かったようですが、反面、「会社に知られたくない」人も多く、本業の勤め先で「会社で副業が禁止されている」との回答は47%に達しました。
 また、今冬のボーナスについては、支給額が「減りそう」との回答が昨冬に比べ7ポイント上昇して48%になり、「耐久消費財などの買い物」、「旅行・レジャー費用」を抑える一方、「貯蓄」、「生活費の補填など」に回す傾向が強まっていることもわかりました。

 ◆誰もが手を出せるわけではない
 収入が減っているにもかかわらず、「子どもの教育資金」、「住宅ローンの返済」、「老後資金の準備」など、家計の負担は増える一方のため、副業への関心は高まりつつあるようです。ただ、副業は誰もが手を出せるわけではなく、就業規則などと板挟みになって悩む人も多いようです。

 
65歳までの継続雇用」に賛成? 反対?

 ◆賛成派36.6%、反対派30.6
 株式会社インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が、65歳までの継続雇用への賛否等に関して行った意識調査(2539歳のビジネスパーソン5,000人が対象)によると、「望ましい」と回答した人が36.6%、「望ましくない」と回答した人が30.6%となったそうです。

 ◆賛成・反対それぞれの理由は?
 賛成派・反対派の主な理由は、次の通りでした。

【賛成派の理由】
・仕事が好き…60歳はまだまだ元気に働ける、働くことで毎日が充実する。
・収入源が確保できる…年金受給開始年齢の引上げによる無収入期間の発生や、晩婚化による60歳以降も必要となる養育費など、金銭面の不安を解消できる。
・高齢者も戦力になる…ベテランの知識や労働力を高く評価し、社会や企業で活かすべき。

【反対派の理由】
・高齢者の雇用を確保することで、若者の雇用・待遇に影響が出る。
・高齢者の雇用を確保すれば、若年層の雇用や給料が減少する。
・上のポストが詰まることで、若手が昇進・成長する機会が減り、次世代を担う人材が育ちにくくなる。

 ◆何歳まで働きたいか?
 また、「何歳まで働きたいか」という質問について、最も多かった回答は「60歳」の33.1%、次いで「65歳」(26.7%)でした。
 「60歳」と回答した人の理由は、「体が健康なうちに、趣味やボランティアなど幅広い活動をしてみたい」、「家族で過ごす時間をなるべく多く持ちたい」、「60歳を超えて働くのは体力的・能力的に厳しく、若い世代にも迷惑がかかる」などでした。
 一方、「65歳」と回答した人の理由は、「住宅ローンや養育費等で65歳までは働く必要がある」、「年金受給年齢までは収入源をなくすわけにいかない」、「仕事が好きなので生涯現役で頑張りたい、なるべく長く社会と関わり、社会貢献することで生き甲斐を感じたい」などでした。
 この調査結果から、60歳以上の働き方や仕事内容については、個々の健康状態や能力、家庭事情に合わせた希望等に応じて選択できることが望まれていると言えそうです。

2012/12/01

12月の事務所便り


最近の労働裁判からピックアップ

◆たばこの煙で安全配慮義務違反?
 仕事中の受動喫煙が原因で病気になったとして、岩手県の職員男性が同県に対して損害賠償(約890万円)などを求めて訴訟を起こしていましたが、盛岡地裁は請求を棄却しました(10月5日判決)。
  この男性は2008年1月ごろ公用車を運転した際、車内におけるたばこの煙が原因となって、鼻の痛みや呼吸困難が発生し、同年4月に「化学物質過敏症」と診断され、その後、2009年7月までの約1年間休職となりました。
 裁判では、県が「公用車の少なくとも1台を禁煙車にしなかったこと」が、安全配慮義務違反となるかどうかが争点だったようですが、裁判長は「男性が呼吸困難を発症した2008年当時、残留たばこ煙にさらされないようにすべきだとの認識は一般的ではなかった」とし、安全配慮義務違反には該当しないと判断しました。

◆エンジニアの死亡は過労によるものか?
 システム開発会社(本社:東京都)のエンジニアだった女性が死亡した原因は過労にあったとして、女性の両親が元勤務先に対して損害賠償(約8,200万円)を求めていましたが、福岡地裁は過労死と認め、約6,820万円を支払うよう命じました(10月11日判決)。
 この女性は1998年に入社して福岡事業所に勤務し、2006年からシステム改修のプロジェクトに携わり、午前9時から翌日の午前5時まで働くこともあったそうです。2007年3月に自殺を図った後に職場復帰をしましたが、同年4月、出張先のホテルで致死性不整脈のため死亡しました。
 裁判長は、2007年2月の時間外労働時間が127時間を超え、プログラム完成などの精神的緊張もあったとして、死亡と業務との因果関係を認めました。

◆契約更新拒否は解雇権の濫用か?
 空調機器会社(大阪市)の元期間従業員4人が、有期雇用契約に上限を定めて契約更新を拒否されたのは解雇権の濫用であるとして、元勤務先に対して地位確認などを求めていましたが、大阪地裁はこの請求を棄却しました(11月1日判決)。
 当初、4人は請負社員として勤務(6~18年間)していました。大阪労働局が2007年12月に「偽装請負」であるとして是正指導を行い、会社は2008年3月に4人を正社員として雇用(期限付き)しましたが、2010年8月末以降の契約を更新しませんでした。
 裁判長は「解雇の手続きを踏まずに期間満了によって契約が終了する点に着目して有期雇用契約を申し込んだにすぎず、解雇権濫用とはいえない」と判断しました。


高年齢者雇用の状況と改正法施行後の高齢従業員の処遇

◆希望者全員が65歳以上まで働ける企業は5割弱
 厚生労働省は、2012年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果を10月中旬に公表しました。
 これによれば、高年齢者雇用確保措置を「実施済み」の企業の割合は97.3%(前年比1.6ポイント上昇)で、大企業で99.4%(同0.4ポイント上昇)、中小企業で97.0%(同1.7ポイント上昇)でした。
 また、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は48.8%(同0.9ポイント上昇)で、大企業で24.3%(同0.5ポイント上昇)、中小企業で51.7%(同1.0ポイント上昇)との結果となりました。

◆約4分の1は継続雇用を「希望しない」
 また、定年到達者の継続雇用の状況についてですが、過去1年間に定年年齢に到達した人(43万36人)のうち、「継続雇用された人」は73.6%(31万6,714人)、「継続雇用を希望しなかった人」は24.8%(10万6,470人)、「継続雇用の基準に該当しないこと等により離職した人」は1.6%(6,852人)でした。
 約4分の1の人は継続雇用されること自体を望んでいないようです。

◆継続雇用者の処遇はどのように決める?
 高年齢者雇用安定法の改正(2013年4月1日施行)により、労働者が希望すれば、企業は65歳までの雇用確保措置(継続雇用等)が義務付けられます(例外あり)。その際に問題となるのが、継続雇用者の「処遇」です。
 日本経団連が行った「2012年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」の結果によれば、法改正に伴って必要となる対応について、44.2%の企業が「高齢従業員の貢献度を定期的に評価し、処遇へ反映する」と回答しています。
 高齢従業員の業務内容や貢献度に応じて、処遇を決定しようとしている企業が多いようです。


動き始めた「厚生年金基金制度」の改革

◆制度改革に向けた大きな一歩
 厚生労働省は、11月2日に「厚生年金基金制度に関する専門委員会」の第1回会合を開き、「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」を示しました。
 同省では、この試案をベースとして、「厚生年金基金制度改革」を行いたい意向であり、今後の動向が注目されます。

◆示された「試案」の内容
 上記委員会で示された厚生年金基金制度(以下、「基金」)の見直しに関する「試案」の主な内容は、次の通りです。

(1)特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応
 基金の「代行割れ問題」については、従来は「特例解散制度」により、分割納付の特例や厚生年金本体への納付額の特例が設けられてきました(時限措置)。しかし、母体企業の負担能力が著しく低下している基金では、特例措置を用いても解散できない状況です。
 そこで、現行の特例解散制度の基本的な考え方・枠組みを維持しつつ、一定の見直しを行うとしています。見直し後の特例解散制度は5年間の時限措置とするようです。

(2)企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進
 日本の経済基調が低成長に変化し、金融市場の変動幅が拡大する中、持続可能な企業年金を普及させるため、企業年金の選択肢の多様化を進めるとしています。
 また、中小企業の企業年金を維持する観点から、基金から他の企業年金への移行を支援するための特例措置を設けるとしています。

(3)代行制度の見直し
 代行部分の債務(最低責任準備金)の計算方法について、有識者の指摘等を踏まえ、厚生年金本体との財政中立の範囲内で適正化を図り、代行制度の今後の持続可能性に関する検証や厚生年金本体の財政に与える影響等を踏まえ、10 年間の移行期間を置いたうえで、代行制度を段階的に縮小・廃止していくとしています。
 また、移行期間中の制度運営にあたって、解散認可基準等の見直しも行うようです。

◆来年の通常国会に関連法案提出か
 AIJ問題に端を発した厚生年金基金の問題ですが、今後、改革に向けた動きが加速していく可能性もあり、厚生労働省では、関連法律の改正案を来年の通常国会に提出する予定です。


「職場の飲みニケーションは必要」は古い考え!?

◆約6割が「職場の飲み会は必要」
 「飲みニケーションは必要だ!」という考えも今や昔の話とも思われがちですが、まだまだ健在のようです。
 株式会社インテージが今年8月に実施した「仕事帰りの外飲み事情2012」(ビジネスパーソン意識調査)の結果が発表されましたが、この調査によれば、約6割の人が「職場の飲み会は必要」と思っていることが明らかになりました。

◆仕事帰りの飲みの相手は誰?
 最近3カ月の仕事帰りの外飲み(職場以外の人との飲みも含む)の状況ですが、67.1%の人が飲みに行っており、男性20代で81.0%、女性20代で75.0%でした。32.9%の人が飲みに「行っていない」と回答しましたが、特に女性30~50代の割合が高いようです。
 仕事帰りに飲む相手の上位は、「職場の同僚(同性、異性問わず)」が最多(56.1%)であり、「職場の同僚(同性のみ)」(33.3%)、「職場の上司」(32.6%)が続いています。
 やはり、仕事の延長で職場の人と飲みに行く人が多いようです。

◆職場の飲み会は必要or不要?
 職場の飲み会については、約6割(58.9%)の人が「必要だと思う」と回答し、男性のすべての年代と女性の20代では6割以上が「必要」と回答しているのに対し、女性の30~50代では5割以上の人が「必要だと思わない」と回答しています。
 職場のコミュニケーションを図る1つの方法として「職場の飲み会」は有効なようですが、20代男女の3割以上は「上司からの誘いを断ることができない」と思っている状況もまた、あるようです。


スマホ等の「ブルーライト」が眼の健康に及ぼす影響

◆「ブルーライト」って何?
 パソコンやスマートフォン、携帯用ゲーム機やタブレットの液晶ディスプレイ、またLED照明などから発せられる光のうち、可視光線で最も強い青色光を「ブルーライト」といい、他の色の光のように眼の角膜や水晶体で吸収されず、網膜まで達します。
 青色光よりさらに強い紫外線については、長時間浴びると角膜炎等の眼病を生じることが明らかになっていますが、青色光も、眼の中で光を散乱させ、眩しさを感じる原因となることがわかっています。

◆目の健康にどのような影響を与える?
 青色光は眩しさを感じる原因であることから、長時間青色光を発する光源を見続けると、眼精疲労を引き起こす可能性が指摘されています。
 また、人間は青色光を見ると「今は活動時間である」と感じ取り、脳が覚醒することから、夜遅くに青色光を見続けることで体内時計が狂ったり、睡眠障害を引き起こしたりする可能性が指摘され、研究が進められています。

◆ブルーライト保護商品の効果は?
 青色光を50%カットする効果のあるメガネが、あるチェーン店では発売開始から1年ほどで75万本超を売り上げ、パソコンやスマートフォンの液晶保護フィルムも人気を集めています。
 眼科医や大学教授らで立ち上げたブルーライト研究会では、保護メガネの使用が眼精疲労や睡眠に及ぼす影響に関する調査結果を発表していますが、いずれも一定の効果があったそうです。
 ところが、人の水晶体には元々青色光をブロックする仕組みがあること、自然光にも青色光が含まれること、また、目を酷使することが眼精疲労の原因となることから、まだ青色光が有害とは言い切れないとする見方もあるようです。

◆ブルーライト保護商品に頼らずに眼の疲れを軽減するには?
 オフィスにおける眼精疲労の原因には、何と言ってもパソコンの長時間使用が挙げられますが、モニタの明るさを落としたり画面の背景色を変えたりするだけでも、疲労感を軽くすることができるそうです。
 VDT作業については、厚生労働省も従事者の心身の負担を軽減するためのガイドライン等を設けています。肩こりや眼精疲労に悩む社員がたくさんいるという企業では、これらを参考に作業環境を見直してみるのもよいでしょう。


最新調査結果にみる残業代支払いと有休消化率の現状

◆所定外労働時間に関する調査結果
 連合総合生活開発研究所(以下、「連合総研」)が、20~64歳の民間企業雇用者(2,000名)に対して2012年10月1~6日の間に行った調査によると、2012年9月中に所定外労働を行った人は39.1%で、平均所定外労働時間は38.2時間でした。
 特に、男性の所定外労働時間を行った割合は55.2%と多く、平均所定外労働時間は43.0時間でした。

◆残業代支払いに関する調査結果
 所定外労働を行った人のうち「残業手当の未申告がある」と回答した人の割合は35.3%で、未申告分の時間の平均は21.3時間でした。
 未申告ありと回答した割合は、男女の正社員・非正社員を合わせた全体の約4割ですが、特に男性正社員に多く見られ、未申告分の時間は平均24.8時間でした。未申告の理由については、「働いた時間通り申告しづらい雰囲気」が36.3%、「残業代に限度がある」が24.2%でした。
 残業手当の全額が支払われた人の割合は46.9%で、「4割以上6割未満が未申告」だった人が5.5%、「2割以上4割未満未申告」だった人が5.3%でしたが、まったく支払われていない人も6.3%に上ったそうです。

◆有休消化率に関する調査結果
 上記調査において、2011年度に支給された有給休暇の消化率について尋ねたところ、「概ね消化できた」と回答した人の割合は、非正社員で約4割、正社員で約2割にとどまることがわかりました。
 厚生労働省が2012年11月1日に公表した「就労条件総合調査」においても、2011年における正社員の有休取得率は49.3%で、前年比で1.2ポイント上昇して2年連続上昇したものの、「2020年に70%」との目標には遠く及ばない結果となっています。

◆賃金収入も回復の兆しなし
 さらに、同調査において1年前と比べた賃金の増減について質問したところ、「減った」と回答した人が31.6%で、「増えた」と回答した人の23.7%を上回る結果となりました。


「中途採用」を成功させるためには何が必要?

◆求める人材像は明確ですか?
 株式会社アイデムの研究部門「アイデム人と仕事研究所」が、正社員の中途採用に関する実態調査を行いました。この調査は、直近1年間に正社員の中途採用面接を行った企業を対象に行われ、1,010社が回答しています。
 調査では、自社内の採用ビジョンについて、「求める人材像が確立されている」(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)が60.1%あった一方で、37%が「確立されていない」と回答しています。
 また、求める人材像が確立されている企業において、採用に関わる社員の間でその人材像が「共有されている」と回答したのは25.2%、「どちらかといえば共有されている」と回答したのは57.2%でした。
 さらに、面接で「自社の求める人材を見抜けている」と回答した企業は55.8%で、見抜けている企業ほど「求める人材像」も明確であったという比例関係があることがわかったそうです。

◆人材像の「確立」と「共有」に必要なこと
 求める人材像があやふやであったり、採用担当者に共有されていなかったりすれば、自社の求める人材は採用できません。求める人材像が確立されていない、あるいは確立されていても共有できていない原因はどこにあるのでしょうか?
 この原因を考えていくと、「『経営戦略』が明確になっているか」につながっていると考えられます。つまり、(1)経営戦略が明確になっている、(2)人材の評価方針(人事考課制度)が明確である、(3)その評価方針が社員間で共有・合意されている(規定化・研修による理解)、といったものが充分に遂行されて初めて、会社としてのビジョンが定まり、共有され、会社が求める人材像が明確になるのです。

◆良い人材は良い経営戦略とその管理から
 良い人材を採用するためには、まず、自社の戦略を明確にすること。そして会社がその戦略を実行するには、その進捗を管理する人事制度の構築が不可欠です。
 面接テクニックを提供する会社なども多くあり、担当者のスキルアップ自体も重要ではありますが、「良い人材が入ってこない」と思い当たる場合には、一度、人事制度について考えてみてはいかがでしょうか。


今後重視される安全衛生分野における取組み

◆「第12次労働災害防止計画」の策定に向け審議中
 「第12次労働災害防止計画」とは、労働安全衛生に関して、平成25年から平成29年度までの5年の間に、国(厚生労働省)が計画的・重点的に対策を行う内容を定めるものです。現在厚生労働省労働政策審議会安全衛生部会に骨子案が示され、審議中ですが、この内容から、今後の安全衛生分野の国の方針がわかります。

◆高年齢労働者増加への対応
 まず特徴的なのは、高齢化や改正高年齢者雇用安定法の施行により、今後も増えるとされる高年齢労働者に対する取組みです。
 骨子案では、次の事項が指摘され、対策を強化する必要があるとしています。

(1)60歳以上の高年齢労働者数
平成14年(約400万人)→ 平成19年(約550万人)に増加

(2)労働災害に占める60歳以上の割合
平成19年(16.3%)→ 平成23年(20.5%)に増加

(3)平成22年の労働災害発生率

〔死傷災害〕
全年齢平均(2.14/千人当たり)
60歳以上(3.08/千人当たり)

〔死亡災害〕
全年齢平均(0.22/1万人当たり)
60歳以上(0.47/1万人当たり)…非常に高い数値

◆改正労働安全衛生法とメンタルヘルス対策
 労働安全衛生法の改正(改正法案は今国会では廃案になりましたが)では、健康診断時のストレスチェック制度や受動喫煙対策の推進も明記され、労働者数50人以上の会社についての重点的な対策が検討されていたようです。昨今のメンタルヘルスに関する状況を見ていると、今後も労働者の安全・健康管理に対する国の施策が進められていくのは確実なようです。

◆対策が強化される業種は?
 労働災害防止対策を重点的に進める業種として、「建設業」「貨物運送業」「第3次産業(小売業)」「介護事業(社会福祉施設)」等が挙げられています。これらの業種では、業務に伴う発生率の高い災害を防止するとしています。
 なお、恒常的な長時間労働などは、行政による是正指導・是正勧告、そして様々な労使トラブル(合同労組・ユニオン等からの団交要求、多額の損害賠償請求、無用な裁判費用、新たな労災・メンタル不全の発生…etc)の元凶となりますので、早めの取組みが大切です。


多くのビジネスパーソンが「睡眠不足」で仕事に支障

◆社会人の睡眠傾向の実態
 朝夕の通勤電車等で、ぐっすり眠っている人をよく見かけますが、ピースマインド・イープ株式会社がビジネスパーソン(701名)を対象に行った睡眠傾向の実態調査によると、約6割が「睡眠不足で仕事に支障が出ている」と回答したそうです。
 また、眠れない夜に考える人物の上位は「同僚や部下」「上司」等、仕事に関連する人であるというデータも確認されています。

◆平均睡眠時間5~6時間台が7割超
 NHKが実施した2010年度版「国民生活調査」によると、日本人の平均睡眠時間は7時間14分だったそうです。
 しかし、前記調査の回答者であるビジネスパーソンの平均睡眠時間は、「5~6時間台」が71%(501人)と大部分を占めています。一般的に心身ともに最適な睡眠時間は7~8時間とされている中で、「7~8時間台」と回答した人は15%にとどまりました。

◆約6割の社員が睡眠不足で仕事に支障
 「睡眠不足で仕事に支障が出ていますか?」との質問には、「毎日のように出ている」「ときどき出ている」と回答した人が合わせて56%に上り、職場での睡眠不足による影響が明らかとなりました。
 また、「眠れないとき誰のことを考えていますか?」という質問では、1位が「仕事関連の人・こと」(21%)、2位が「家族」(18%)という結果になりました。
 なお、「仕事関連の人」の内訳では「同僚や部下」が最多で、「上司」「取引先担当者」などが続いています。

◆良質の睡眠が仕事効率アップにつながる
 慢性的な睡眠不足は、うつ病、脳・心臓疾患、生活習慣病の悪化につながる一因となり得るとの報告もなされています。
 より良い睡眠を得ることは、ビジネスパーソンの健康増進や業務の生産性向上につながりますので、良質な睡眠環境を整え十分な睡眠を確保することが、個人のみならず、組織にとっても重要な課題だと言えます。


企業におけるメンタルヘルスに関する取組みの実態

◆上場企業を対象に実施した調査の結果
 公益財団法人日本生産性本部の「メンタル・ヘルス研究所」は、全国の上場企業(2,140社)を対象に実施した「メンタルヘルスの取組み」に関するアンケートの調査結果を発表しました。
 この調査で、最近3年間における心の病が「増加傾向」と回答した企業は37.6%で、前回調査(2010年)の44.6%から減少し、「横ばい」と回答した企業は51.4%で、前回調査の45.4%から増加したことがわかりました。

◆30~40代の「心の病」の割合
 メンタルヘルスへの企業の取組みが成果をあげている一方で、依然として企業は「心の病」を有する従業員を数多く抱えています。
 今回の調査では、これまで最も「心の病」が多い年齢層であった「30代」の割合が58.2%から34.9%に減少する一方、40代の割合が22.3%から36.2%に増加しています。

◆「早期発見・早期対応」の効果は?
 不調者の「早期発見・早期対応」(二次予防)は企業が最も力を入れ、期待もしている取組みであり、管理職のメンタルヘルス対応としても最も期待が高いものです。
 これらの効果が出ている(「十分効果が出ている」と「まずまず効果が出ている」の合計)企業は51.4%でした。「あまり効果が出ていない」「効果が感じられない」「どちらともいえない」を合わせると47.2%で、半数近くの企業では十分な効果を感じていないようです。

◆職場における変化は?
 また、最近の「職場や働き方の変化」に関する質問では、次の3つが上位を占めました。 

(1)職場に人を育てる余裕がなくなってきている(76.1%)
(2)管理職の目が一人一人に届きにくくなってきている(69.7%)
(3)仕事の全体像や意味を考える余裕が職場になくなってきている(68.3%)

 組織のタテ・ヨコの結束性や、組織の継続性に大きな影響を与えうる変化が多くの企業で起きているようです。
 健康でイキイキした職場づくりのため、メンタルヘルスに関する企業努力を継続していくことが非常に重要だと言えそうです。

2012/11/01

11月の事務所便り

改正高年法施行後も継続雇用しなくてよい労働者とは?


 ◆来年4月1日に改正法が施行
 8月29日に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」(改正高年齢者雇用安定法)が成立し、来年4月1日から施行されます。
 改正の大きな柱は、「継続雇用制度の対象者を限定できる仕組み」の廃止、つまり、原則として「希望者全員を継続雇用制度の対象者とすること」の義務付けです。

 ◆「例外」の内容(案)
 しかし、上記の「原則」には「例外」が認められることとなっており、その「例外」の案が、厚生労働省から示されました。その内容は次の通りです。

 ・「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること」、「勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと」等、就業規則に定める解雇事由または退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ)に該当する場合には、継続雇用しないことができる。
 ・就業規則に定める解雇事由または退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めることもできる。
 ・また、当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができる。
 ・なお、解雇事由または退職事由とは異なる運営基準を設けることは改正法の趣旨を没却するお それがあることに留意する。
 ・ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意する。

 ◆11月以降に正式決定の予定
上記の案は、今年11月以降に正式決定される予定です。
 企業としては、来年4月以降に定年を迎える個々の労働者について、継続雇用(再雇用)の対象とするのかしないのか、継続雇用(再雇用)する場合の処遇(賃金等)をどのようにするのか等について、あらかじめ検討しておかなければなりません。


最近の労働裁判から(飲酒運転で退職金不支給、能力不足で解雇)

 ◆飲酒運転による事故での退職金全額不支給は適法
 京都市の中学校の元教頭(52歳)が2010年4月に自宅で飲酒した後に自家用車で外出し、さらに車内でも飲酒し、物損事故(車に追突)を起こしました。
 その後、この元教頭は懲戒免職処分を受け、「退職金全額不支給処分」となりましたが、不支給処分の取消しを求めて訴訟を提起しました。一審(京都地裁)では、原告側が勝訴(全額不支給処分は取消し)となりました。
 この訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は、原告側勝訴となった上記の一審判決を取り消し、元教頭の請求を棄却しました(平成24年8月24日判決)。
  請求棄却の理由として、大阪高裁の裁判長は、「飲酒運転の内容は極めて悪質・危険であり、これに対する非難は大きく、公教育全体に対する信頼を失墜させた」とし、さらに「学校教育に貢献して勤務状況が良好だったことを考えたとしても、処分に裁量権の乱用があったとはいえない」と判断しました。

 ◆外資系企業における能力不足による解雇は無効
 アメリカの金融・経済情報サービス会社に勤務する日本人男性(50歳)は、2005年11月に中途採用され、2009年12月以降、独自記事の執筆、同社の「業績改善プラン」への取組みなどを命じられました。
 その後、記事本数の少なさ・記事の質の低さ(能力不足)を理由として、男性は2010年8月に解雇されましたが、「能力不足を理由として解雇されたのは不当である」と主張し、同社に対して「地位確認」および「賃金支払い」を求めて訴訟を提起しました。
 この訴訟の判決において、東京地裁の裁判官は、解雇を無効とし、男性の請求を全面的に認めました(平成24年10月5日)。
 裁判官は、「労働契約の継続を期待できないほどに重大だったとはいえず、会社が記者と問題意識を共有したうえで改善を図ったとも認められない」とし、「解雇理由に客観的な合理性はない」と判断しました。
 男性側の弁護人によれば、外資系企業を中心に、無理な課題を設定する「業績改善プラン」の未達成を理由とした退職強要が相次いでおり、上記判決はこの手法による解雇を無効と判断した初めてのケースだそうです。
 今後の他の外資系企業への影響が気になるところです。


新入社員が「働きたい職場」「重視する人間関係」「感じる厳しさ」

 ◆「働きたい職場」とは?
 株式会社リクルートマネジメントソリューションズが実施した「2012年新入社員意識調査」(今年3~4月に実施。696名が回答)の結果によると、「自分が働きたい職場の特徴」の上位5つは、次の通りとなったそうです。
 貴社では、上位5つのうちいくつ当てはまりますか?

(1)お互いに助け合う職場(49%)
(2)アットホームな職場(44%)
(3)遠慮をせずに意見を言い合える職場(42%)
(4)活気がある職場(41%)
(5)皆が1つの目標を共有している職場(35%)

 ◆「上司・先輩」よりも「同期」を重視!
 レジェンダ・コーポレーション株式会社が実施した「新社会人の意識/実態調査」(484名が回答)では、「会社の中で上司・先輩・同期のどの関係を重視したいか」を尋ねたところ、「同期」が49.4%、「先輩」が32.9%、「上司」が17.8%との結果となり、上司や先輩との関係よりも、同期との関係を重視する人が多いことがわかりました。
 この調査は今年の4月に実施されたものですが、時間が経過し、仕事を覚え始めるにつれ、このような考え方が変わってくる(上司や先輩を重視するようになる)のかもしれません。

◆新入社員の7割近くが「社会人は厳しい!」
 また、株式会社マイナビからは、今年4月入社の新入社員を対象に実施した「2012年マイナビ新入社員意識調査 ~3カ月後の現状~」(7月に実施。788名が回答)の結果が発表されています。
 この調査は、新入社員に「仕事環境」「キャリア」「自分の将来」「能力向上」などについてアンケートを行ったものですが、「社会人になってどう感じたか」を尋ねたところ、「厳しかった」と答えた割合は68.2%(想像していたよりも厳しかった25.4%、想像していた通り厳しかった42.8%)、「厳しくなかった」と答えた割合は30.7%(想像していたよりも厳しくなかった29.4%、想像していた通り厳しくなかった1.3%)でした。
 多くの新入社員が、様々な厳しい場面に直面しているようです。


最近増えている「ソーハラ」の実態とセルフチェック

 ◆前月比20%超の増加率を見せるフェイスブックのユーザー数
インターネット関連サービス会社セレージャテクノロジーの10月9日付け発表によると、2012年10月時点の日本国内におけるフェイスブックユーザーは推定1,621万人(前月比221万人増)と、アジア圏内で5番目にユーザー数が多い国となっています(1位インド、2位インドネシア、3位フィリピン、4位タイ)。

 ◆フェイスブックユーザーが悩む「ソーハラ」とは?
 企業の採用活動においても活用されることが増えてきたフェイスブック(以下、「FB」)ですが、利用マナーをめぐる問題も増えてきています。
 「ソーハラ」とは、「ソーシャルメディア・ハラスメント」の略称で、ソーシャルメディア上におけるハラスメント行為を指しますが、主に、上司の部下に対する「『友達』承認」の強要や、上司の書込みに対する「いいね!」反応の強要などを指すものとして使われています。
 ソーハラ被害にあったユーザーの中には「上司からの友達申請を承認したが、プライベートの友人とのやり取りまで知られるのがイヤでFBへの書込みをやめてしまった」という人もいるようですが、加害者となっている上司は、自身のハラスメント行為についての認識が低いようです。

◆こんなユーザーは嫌われる!
 FBには、閲覧者が「いいね!」ボタンをクリックすると投稿者に自分が共感したことを伝えられる機能がありますが、記事を投稿する度に「いいね!」を押されると、「監視されているみたいだ」と感じる人が多いようです。
 また、FB上での人脈拡大は「友達申請」と「承認」から始まりますが、若いビジネスパーソンの多くは、上司からの友達申請は好ましく思っていないようです。さらに、FB上のプライベートな書込みについて、「あれどうなったの?」などと職場で話題にされることは嫌だと感じる人が多いようです。
 上記のような行動が見られるユーザーは嫌われる傾向にあるようですから、すでにFBユーザーの方もこれから始める方も、節度を守って楽しむことが求められると言えるでしょう。


中小企業の経営を左右する「金融モラトリアム法」の行方

 ◆「金融モラトリアム法」とは?
 いわゆる「金融モラトリアム法」、中小企業金融円滑化法は、リーマンショックで経営がひっ迫した中小企業の倒産を防ごうと、当時の亀井静香金融相の鶴の一声を受けて整備されました。
 この法律により、金融機関は、借金返済に困っている中小企業などの借り手から返済計画の変更(返済負担軽減)を申し込まれた際には、できる限り適切に応じるよう努力義務が課されました。
 本来2011年3月末までの時限立法として成立したものでしたが、景気回復が思わしくないことから2012年3月末まで1年間延長され、さらに2013年3月末までの再延長が決定しています。

 ◆迫る期限切れと中小企業を取り巻く厳しい環境
  再延長された期限も約半年後に迫っていますが、依然として中小企業をめぐる経営環境が厳しいことから、現在、さらなる延長がなされるのか、それとも予定通り終了してしまうのかに注目が集まっています。
 この法律による中小企業に対する支援は285万件超、約40万社に及び、総額79兆円にも上るそうですが、すでに適用を受けていた企業であっても倒産するところが現れる等しており、今後、期限切れによる「倒産ラッシュ」が始まるのではないかと懸念されています。

◆再延長の代わりに別の救済策?
 第3次野田内閣の発足を受けて初めて行われた閣議後の記者会見において、中塚一宏金融相は、「本法の再々延長はしない」旨を明言しています。
 代わりに検討されているのが、5%と上限を定めている銀行出資比率の緩和による救済案です。これは、銀行が過度に経営干渉をしないように設けられていたものですが、銀行による再生支援としての資金供給を促すため、来年の通常国会への関連法案の提出を目指しているそうです。
 しかし、専門家からは効果を疑問視する声も上がっており、また、関連する行政庁との交渉も難航が見込まれることから、今後の行方は不透明です。


これからの「仕事と介護の両立」に備えるには?

◆「仕事と介護の両立セミナー」が増えている
 法律の改正(「育児・介護休業法」:中小企業についても平成24年7月1日から全面的に適用されています)などもあり、従業員の育児支援に積極的な企業は増えてきていますが、「介護休業」については、まだまだ理解が進んでいないようです。
 ただ、最近の動向として、「仕事と介護の両立」をテーマにした社内セミナーを行う企業が増えており、社員からの反響も大きいようです。

 ◆社員の不安は?
 介護に関しては、社員としては、「社内の人には相談しにくい」といった気持ちがあるのが一般的でしょう。また、公的な支援についての情報が不足していたり、情報の入手先さえよくわからなかったりというのが実態のようです。
 「親の介護が必要になったときにどうすればよいのか、事前に知っていればもっと慌てずに準備できたのに」というのが、経験者が異口同音に語ることだそうです。

 ◆会社の不安は?
 仕事をしながら介護を行う可能性の高い年代は40~50代です。管理職として仕事上の重要なポストにあることが多い世代であり、しかもちょうど現在、世代別の人口自体が少ない世代に重なっています。
 団塊世代の大量退職に伴い、社員が将来的に仕事と介護を両立しなければならない可能性は急速に高まっていくと予測されています。
 また、日常の業務に忙しい担当者に、社員からの相談にすべて応えられるような介護に関する知識を持たせるのも、なかなか難しいものです。

 ◆社内向けの情報提供の必要性
 「介護を担う必要がある」という理由だけで貴重な人材を失ってしまうのは、会社としても大きな損失ではないでしょうか。
 そうした損失が、社内制度の見直しや社員向けの情報提供によって、少しでも防げるとすれば、従業員も安心して業務に就けることでしょう。
 定年退職を控えた社員向けにはライフプランセミナーを実施する企業があり、節目の年齢(35歳、45歳、58歳)には年金についての詳しい案内が届くように、多くの社員が直面する介護と仕事の両立についても、機会をとらえて社内セミナーを開いてみてはいかがでしょうか?
 このような情報提供の機会があれば、社員からの相談もしやすくなり、より一層、社内の“風通し”の良さにもつながるでしょう。


「BYOD」ってご存知ですか?

 ◆「BYOD」とは?
 最近、スマートフォン、高性能ノートパソコン、タブレット等の業務利用が増えてきているようです。特に、私物のモバイル機器を業務に利用することを「BYOD」というそうです。「BYOD」は、“Bring Your Own Device”の略で、「私物モバイルの業務利用」という意味です。

 ◆企業のメリット
 2005年の個人情報保護法の施行以来、個人のモバイル機器の利用については「原則禁止」とする企業が大半でした。しかし、すでに世の中の状況は変化しており、個人所有の機器を利用することによる企業のメリットもあります。

(1)企業支給のものより個人所有のもののほうが高性能であることが増えた
(2)自宅や外出先でも、「クラウド型サービス」が利用可能なことが多くなり、端末の種類を問わず利用できるようになった
(3)モバイル勤務環境を構築しやすくなったため、緊急時の事業継続性が確保できる
(4)セキュリティー技術、管理ツール・サービスの発達により、利便性を損なわず安全にBYODを導入出来る環境が整ってきた

使い慣れた機器を利用することで、従業員の業務効率やモチベーションのアップにもつながります。

◆企業のリスク・課題
 しかし、利用にあたっては、企業検討すべき課題も当然ながらありますし、導入にあたっては、従業員に対する情報管理教育の実施や内部規程の整備が前提となります。

(1)個人情報・機密情報等の情報漏洩、ウイルス感染等のセキュリティー対策
(2)「いつでも」「どこでも」業務活動ができる状況についての勤怠管理
(3)利用する機器内にある従業員のプライバシー情報の取扱い
(4)端末購入費や通信費に対しての補助が必要か
(5)IT管理者の知識向上、機器のアップデート等のコスト

 ◆真剣に検討すべきとき
 日常生活や諸官庁の届出まで、IT化は加速度的に進展しています。いつまでも「リスクが、リスクが…」と言って敬遠しているわけにもいかないのが実情のようです。そうした逃げの姿勢では、会社の事業活動は萎縮するばかりだからです。便利で業務効率を上げくれるBYODですが、「リスク」と「メリット」のバランスを慎重に検討しましょう。


職場のコミュニケーションは円滑ですか?

◆約9割が仕事で「自分の考えがうまく伝わらない」
 学校法人産業能率大学が2011年にビジネスパーソンを対象に実施した、ビジネスシーン、職場におけるコミュニケーションの意識などを尋ねた調査「ビジネスパーソンのコミュニケーション感覚調査」(対象:20代~50代のビジネスパーソン337人)によると、仕事のコミュニケーションとして「自分の考えがうまく伝わらない」と考えている割合が約9割にも上ることがわかりました。
 その理由として、「自信をもって自分の考えを主張できないから」「自分の考えに論理性や合理性がないから」など、自分に原因があるという回答が5割を超える一方、「相手に聞く姿勢がないから」など、相手に原因があるとする回答も52.7%と半数を超えました。

 ◆6割強が「職場で孤独を感じる」と回答
 職場で「ギスギスした雰囲気があるか」という質問には、36.2%が「ある」と回答しました。
 また、「職場で孤独を感じるか」との問いには、6割強が「ある」と回答し、その理由について、「自分のことしか考えていない人が多いから」(34.8%)、「メンバー同士の関係性が希薄だから」(34.3%)、「世代のギャップがあるから」(33.8%)、「仕事が縦割りでお互いの状況がよくわからないから」(32.4%)が挙げられています。
 また、「IT化で対話が減少した」(11.1%)という回答もありました。

 ◆「職場のコミュニケーション活性化」が労務トラブルも予防する
 職場のコミュニケーションがうまく図れていないと、業務に支障をきたすだけではなく、昨今問題となっている職場のパワーハラスメント等にも発展しかねません。
 厚生労働省は今年10月1日から「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」というサイトを開設しており、その中で職場におけるコミュニケーション環境を向上するための連載を取り上げたり、パワーハラスメントと職場のコミュニケーションの関係について触れたりしています。
 職場でコミュニケーションに特化した社員研修を取り入れたり、1人ひとりが適切かつ積極的な声掛けを行ったりすることで、パワーハラスメントをはじめとした労務トラブルの予防につながることでしょう。


自分の貯蓄額は多い?少ない? 気になる貯蓄額の実態

 ◆平均貯蓄額は338万円
 株式会社インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が22~34歳のビジネスパーソン(5,000人)を対象に行った貯蓄額の実態調査によると、平均貯蓄額は338万円で、3年連続増加したそうです。
 増加の要因として、「給料やボーナスが増えた」、「株式投資やFXなどの運用がうまくいった」などといった景気回復によるものが目立った一方で、「貯蓄に回す金額を増やした」、会社の積立制度に加入した」といった理由も多く、将来に不安を抱える人が意識的に消費より貯蓄を選択する傾向にあるようです。

 ◆貯蓄額の分布
 貯蓄額の分布を見ると、次の通りとなっています。

・50万円未満…23%
・100~200万円未満…18%
・50~100万円未満…14%
 半数以上の人は貯蓄額が200万円未満という結果でしたが、「500~1,000万円未満」(12%)、「1,000万円以上」(7%)という高額貯蓄者も2割近くいることもわかりました。

 ◆都道府県別の貯蓄額
 平均貯蓄額が最も多い都道府県は、「岐阜県」(451万円)で、貯蓄額分布を見ると、「500~1,000万円未満」と「1,000万円以上」の合計が29%で、他県に比べ高額貯蓄者が多い傾向が見られました。貯蓄方法については、「定期的に貯金するように心がけている」「無駄遣いしない」など、堅実に貯蓄を増やしている人が多かったようです。
 一方、貯蓄額が最も少ない都道府県は「大分県」(94万円)で、貯蓄が増えない理由について、「車を購入した」「自動車の維持費にかかる」といった車に関するものが他県に比べて多かったようです。
 地域ごとに見てみると、東海・北信越・関西など、日本の中央に位置する地域は貯蓄が多い一方、九州・沖縄や北海道・東北など、日本の端に位置する地域は貯蓄が比較的少ない傾向が見受けられたということです。


資格があれば転職に有利なのか?

 ◆中途採用では「資格」より「経験」を重視
 株式会社インテリジェンスが、転職と資格の関係について行った調査(1万5,000件を対象)によると、採用条件として「資格」が求められる求人に関して、「資格が必須」の求人は全体の15%、「資格があると尚可」は8%、「資格の有無を問わない」は77%となったそうです。
 一方、何らかの「職務経験」が求められる求人割合をみると、全体の85%は「1年以上の経験」が必須で、「経験不問」の求人はわずか15%に留まっており、中途採用においては資格より経験が重視されていることがわかりました。

 ◆職種によっては「資格重視」
 ただし、職種によっては資格が重視される場合もあり、「資格が必須」の求人が多い職種は、上位から「医療系の専門職」(37%)、「建築/土木系の技術職」(36%)、「営業系」(33%)でした。
 また、「資格があると尚可」の求人についても、「建築/土木系」(34%)をはじめ、「金融系」(19%)、「不動産/士業系」(17%)など専門職系が多い結果となっています。

 ◆歓迎される「宅建」「簿記2級」
 実際に「資格が必須」の求人内容を見てみると、最も多くの求人で必須条件とされる資格は「普通自動車免許第一種」で、1万5,000件の求人のうち約1割(1,568件)で必須となっているようです。
 特に、顧客を訪問する「営業職」や、建設現場に足を運ぶことの多い「建築/土木系」は、自動車免許を必須とする傾向があるようです。その他、「薬剤師」(2位、239件)、「建築士一級」(4位、80件)など、医療系や建築系の資格が上位に並んでいます。
 一方、「あると尚可」とされている資格は、「宅地建物取引主任者」(129件)がトップで、不動産業界においては、営業職はもちろん技術職や事務職など、幅広い職種において資格保持者が歓迎されているようです。
 中途採用においては、「資格」よりも「経験」が重視されるようですが、昨今の厳しい転職事情では、資格取得にかかわらず、常に勉強はしておいたほうが良さそうです。