2014/03/01

3月の事務所便り


4月から始まる「産休期間中の社会保険料免除制度」

 

◆4月から制度スタート

仕事と子育ての両立支援を図るため、産前産後休業(原則、産前42日・産後56日)を取得した場合、育児休業の場合と同様に社会保険料の免除が受けられるようになります(被保険者分および事業主分)。

この制度の対象者は、今年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方で、4月分以降の保険料から免除の対象となりますので、社内で周知しておくことが必要でしょう。

 

◆書類の提出時期・提出先

事業主による届出書類の提出時期は「被保険者から申出を受けた時」、提出先は「事業所の所在地を管轄する年金事務所」とされています。

今後公表される「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」を、「窓口への持参」「郵送」「電子申請」のうちいずれかの方法で提出します。

なお、添付書類は特に必要ないとのことです。

 

◆標準報酬の改定

産前産後休業終了後に報酬が下がった場合、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬額を基にして、新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から標準報酬が改定されます。

この場合、会社が「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を提出しなければなりませんが、産前産後休業を終了した日の翌日から引き続き育児休業を開始した場合には提出することができません。

 

◆その他の留意点

被保険者が産前産後休業期間を変更したとき、または産前産後休業終了予定日の前日までに産前産後休業を終了したときは、事業主は速やかに「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出する必要があります。

育児休業期間中の保険料免除期間と産前産後休業期間中の保険料免除期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。



企業の「人材育成」に関する課題とは?

 

◆上場・未上場の124社が回答

近年、企業規模の大小を問わず「人材育成」を課題としている企業が多いようです。

株式会社トランストラクチャでは、昨年10月に「人材育成計画の策定や課題」に関する調査を実施し、その結果が発表されています。

調査の回答者は、上場および未上場の企業(計124社)の人材育成担当者でした。

 

◆研修を強化する方針の企業が多数

まず、「人事部門として、今後、教育研修を強化していく予定かどうか」について尋ねたところ、約58%の企業が「強化していく予定」と回答し、「縮小していく予定(または実施しない)」と回答したのはわずか4%でした。

また、「教育研修実施において外部のコンサル・研修会社を活用しているかどうか」については、約66%の企業が「活用している」と回答しています。

しかし、大企業(1,001名以上)の約80%が外部機関を活用しているのに対して、中小企業(300名以下)では47%でした。外部講師の活用はおのずと割高となりますので、中小企業では社内講師等で対応することが多いようです。

 

◆研修内容についての課題

「現在実施されている教育研修は人材育成課題を反映した内容になっているかどうか」については、「反映した内容になっている」と回答した企業は約48%で、「一部ズレが生じている」が約45%、「大きくズレが生じている」が約6%でした。

このように「ズレ」を認識した場合、いかに研修内容を修正して適切な研修を実施できるかが重要な課題と言えます。

 

◆「課長クラス」の育成が重要課題

人材育成について「大きな育成課題があると考えているクラス」については次の通りの結果となりました。

・「入社1~3年」約33

・「入社4年~10年」約40

・「入社11年以上(非管理職)」約40

・「管理職(課長クラス)」約64

・「管理職(部長クラス)」約30

・「役員・執行役員以上」約14

「プレイヤー」としてのパフォーマンスを求められながら、「マネージャー」としての管理・育成能力も要求される課長職に、非常に大きな期待がかかっているようです。

 


2014年度の各種保険料額(率)・年金額

 

◆雇用保険料率

1月27日に2014年度の雇用保険料率が発表されました。2013年と変わらず、下記の通りとなります。

・一般の事業…1000分の13.5(労働者負担=1000分の5、事業主負担=1000分の8.5

・農林水産清酒醸造の事業…1000分の15.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の9.5

・建設の事業…1000分の16.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の10.5

 

◆国民年金保険料額・前納額

1月31日の厚生労働省の発表によると、2014年度の国民年金の保険料額は1月当たり210円引き上げられ、1万5,250円(月額)となります。

また、保険料を口座振替で前納した場合の額は、6カ月間で9万460円(1,040円割引)、1年間で179,160円(3,840円割引)、2年間で355,280円(1万4,800円割引)となります。現金納付またはクレジットカード納付による前納の場合は、上記とは金額が異なるため、注意が必要です。

 

◆国民年金・厚生年金の年金額

2014年度の年金額(老齢基礎年金)は満額で6万4,400円(月額)となり、2013年度に比べマイナス475円(0.7%の引下げ)という結果になりました。

この年金額は、2014年度の年金額改定に用いる名目手取り賃金変動率(0.3%)よりも物価変動率(0.4%)が高くなるため、名目手取り賃金変動率(0.3 %)によって改定され、算出されたものです。

なお、2013年9月までの年金額が本来支給額よりも高い金額に据え置かれていたことを受け、2015年4月までにその特例水準を解消するため年金額が引き下げられます。当初予定では201310月分からマイナス1.0%、2014年4月分からマイナス1.0%、2015年5月から0.5%の引下げとする予定でしたが、上記賃金変動率と合わせて0.7%の引下げとなっているものです。

なお、厚生年金の年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は、226,925 円(前年度比マイナス1,666円)です。

受給者の受取額が変わるのは、通常4月分の年金が支払われる6月からです。



「子育て世帯臨時特例給付金」の支給について

 

◆「子育て世帯臨時特例給付金」とは

これは、4月1日から消費税率が8%へと引き上げられることに伴い、家計への影響が大きいとされる中・低所得者を対象に、負担軽減策として設けられた給付です。

住民税(市町村民税)非課税世帯が対象の「臨時福祉給付金」と、児童手当の受給世帯が対象の「子育て世帯臨時特例給付金」の2種類あり、合わせて国民の4分の1強の約3,670万人が支給対象とされています。

しかしながら、両方の要件を満たしていても受け取れるのはどちらか一方ですので、どちらも対象となる方は「臨時福祉給付金」だけを受け取ることとなります。そのため、「子育て世帯臨時特例給付金」の支給対象となるのは、約1,270万人と言われています。

 

◆支給対象

今年1月時点で児童手当を受給している世帯が対象となります。つまり、中学3年生以下の子を持つ家庭です。給付額は、児童手当の額にかかわらず一律で子ども1人につき1万円とされ、1回限りの給付となります。

なお、子どもの人数と親の所得に応じて決まる「所得制限額」以上の所得があり、児童手当の支給額が5,000円の家庭は、今回の特例給付金の支給対象外とされます。

 

◆申請手続

原則として、支給対象者が、2014年1月1日時点の住所地の市区町村に対して支給申請を行うこととされています。

支給時期については各自治体の準備が整い次第支給することとされており、6月頃から受付を開始し、7月から9月にかけて口座振込みにより支給されるものとみられています。

なお、基準日以降に、支給対象者や対象児童の状況に変化が生じた場合の取扱いについては、検討中の部分もあるため、今後リリースされる情報にも注目する必要があります。


「業務改善助成金」の対象地域が拡大

 

◆補正予算成立により対象拡大

「業務改善助成金」(中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金)は、事業場内の最も低い時間給を、計画的に800円以上に引き上げる中小企業に対して、賃金引上げに資する業務改善を支援する助成金です。

2013年度補正予算成立後より、対象地域が拡大されました(新たに7府県:埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、兵庫県が追加)。

◎対象地域の一覧

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/jigyousya/shienjigyou/04.html

 

◆支給要件・支給額

本助成金の支給を受けるためには、次のような要件が必要です。

[] 賃金引上げ計画の策定…事業場内で最も低い時間給を4年以内に800円以上に引上げ

[] 1年当たりの賃金引上げ額は40円以上…就業規則等に規定

[] 引上げ後の賃金支払実績

[] 業務改善の内容および就業規則に対する労働者からの意見聴取

[] 賃金引上げに資する業務改善を行い、費用を支払うこと 等

<支給額>上記[] の経費の2分の1(上限100万円)

<支給回数>賃金引上げ計画期間中に支給要件を満たした年度に1回支給

 

◆本助成金の対象経費例

本助成金の対象となる経費等は、次のようなものです。

[] 就業規則の作成や改定…事業場内で最も低い賃金の引上げ等に伴う規定の作成・改正のための社会保険労務士の手数料

[] 賃金制度の整備…事業場内で最も低い賃金の引上げに伴う賃金制度の見直しのための賃金コンサルタント経費

[] 労働能率の増進に資する設備・機器の導入

(1) 在庫管理、仕入業務の効率改善のためのPOSレジシステムの購入費用

 (2) 作業効率および安全性の向上を目指した工場、店舗等の改装、機器等の購入費用

[] 労働能率の増進に資する研修…新設備導入に必要な労働者の操作研修の費用

 

今後、賃金の引上げを検討されている場合には、こうした助成金が活用できるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。

 


未払残業代請求の内容証明が急増中!

 

◆東京管内の割増賃金遡及支払額が17億円に

東京労働局から「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成24年度)」が公表されましたが、これによれば、東京労働局管内で、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていないとして是正勧告・指導され、100万円以上の遡及支払いになったのは125企業となり、その総額は17億円に上ったとのことです。

 

◆ネット上にあふれる割増賃金請求に関する情報

最近、主に元従業員から、未払残業代請求の内容証明が届く企業が非常に増えているようです。「あなたの未払残業代がすぐわかる!」といったような内容のサービスを謳うホームページや、残業代請求に関する内容証明のひな形を掲載するサイトも増えています。

これらを利用すれば、内容証明の作成・送付により、簡単に会社に対して未払残業代を請求できる時代になってしまいました。

 

◆会社としての対応は?

ある日突然、送りつけられた未払残業代の支払いを要求する内容証明。その内容ごとに、会社の対策は変わってきます。

まず、内容証明の送り手は誰か。内容証明の差出人が、従業員個人なのか、合同労組やユニオンなのか、弁護士等なのかにより、会社としての対応が違ってきますし、相手の事情や紛争が長期化するかどうかもある程度読み取ることができます。

例えば、従業員(元従業員)本人による場合、会社へのうっぷんを晴らしたいのか、お金が欲しい(お金に困っている)だけなのか、上司等に対する個人的恨みなのか等が判断できる場合があります。また、内容の完成度や要求の度合いにより、インターネットのテンプレートを使って素人レベルで作ったものなのかどうか等の情報がわかり、以後の会社のとるべき対応を考えるうえで参考になります。

いずれにしても、会社としては、必要な資料(タイムカード、日報、就業規則、賃金規程等)の収集・検討を行い、残業時間を確認し、そのうえで対応を行います。

 

◆日頃の労務管理が重要!

もっとも、未払残業代を発生させてしまう残業・労働時間管理を根本から見直さない限り、こうした内容証明が届くリスクはなくなりません。

「会社が未払残業代を請求された」という噂が広まれば、現在働いている従業員についても、その不満を爆発させてしまうことにつながる可能性も大いにあります。

今一度、自社の労働時間管理について検証してみてはいかがでしょうか。

 


快適な職場づくりで仕事の効率が上がる!

「5S」実践のススメ

 

◆あなたの職場は快適ですか?

働き手の立場から見ると、職場が快適であれば、気分も前向きになり、仕事の効率もアップします。

「忙しいから整理できない」と、ゴチャゴチャでどこに何があるかわからないデスクまわり、書類やファイルが山のように積み上げられたキャビネット……これでは、仕事もはかどりません。

このような環境を改善し、仕事の効率アップを図るために知っておきたいのが、「5S」です。

 

◆仕事の効率と「5S」の重大な関係性

「5S」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字をとったものです。

こう言うと、単に職場をきれいにするだけの活動と思われがちですが、侮ることなかれ、生産性が低く改善が進まないとされる業種・企業・部門などに共通する問題として、「5S」のレベルの低さがあると指摘されています。

 

◆「5S」の実践

では、具体的にどのように実践すればよいのでしょうか。

「5S」は現在、基礎的な活動として、次のようにまとめられています。

【整理】職場内からムダなモノ、スペース、時間をなくす

【整頓】モノや情報の共同利用をしやすくする

【清掃】乱れや異常のない状態をつくり、異常が発生すれば一目でわかるようにする

【清潔】あらゆるモノや情報が完全に管理された状態を維持し、かつ改善して高度化する

【しつけ】モノや情報を扱う人間の意識と行動を改善する

 

◆より良い職場の環境づくり

年度の区切りを迎えるこの時期、まずは職場内の片づけから始めて、快適な職場づくり、効率の良い仕事ができる環境づくりを目指してみませんか。

 


会社の成長と利益に繋がる仕組み

充実した「キャリアパス制度」をつくろう!

 

◆「キャリアパス」とは?

キャリアパスとは、企業の中でキャリアアップのために必要となる基準・条件を明確化したもので、これを提示することにより、社員が将来の目標に向けて意欲的に取り組むことが可能となります。

キャリアパスは、一般に「社員のためのもの」と思われがちですが、「社員が目標意識を高く持って働くことにより会社の成長と利益に繋がる」「企業が社員の適性を的確に把握して情報を蓄積できることにより急な配置転換が必要となった際などに活用できる」等、企業にとっても利点の多いものです。

 

◆人材募集時のメリットも

また、近年、人材募集時において、「キャリアパスが明確になっている」ことを謳い文句にする企業も増えてきました。

これは、キャリアパスがモチベーションの高い優秀な人材を集めることに寄与することによるものです。

 

◆キャリアパスをつくるには?

キャリアパスをつくる場合には、業務を洗い出し、必要な人材配置を考え、社員にどのようなキャリアを積ませれば能力が向上するのかを把握することが必要です。

キャリアを積む過程で習得すべきスキルや業務知識、社内でたどるルート等は、各企業によって異なりますので、先行事例を参考モデルとしつつ、オリジナルの制度として組み立てていくことが必要です。

 


税制改正による影響は? 企業の交際費の実態

 

◆税制改正の影響で交際費は増える?

消費増税による景気の落込みを企業の交際費を増やすことによってカバーするため、税制改正で、大企業(資本金1億円超)が接待等で支払う飲食代についても、交際費の半分までを経費とすることを認める税制改正法案が、3月末までの成立を目指して国会に提出されています(平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度の間の時限措置)。

資本金1億円以下の中小企業は、(1)800万円までの交際費の全額損金算入、(2)飲食接待費の50%損金算入のうち、有利なほうを選択することができます(平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度)。

 

◆意識調査の結果

しかし、日本経済新聞社とNTTコムリサーチが共同で実施した交際費に関する意識調査(2060歳代の男女ビジネスパーソン1,000人が対象)によると、「今後、交際費が増えそうだ」と答えた人は、13.7%にとどまっています。

そもそも「企業の接待」についてどう思うかについては、「好ましくない」との回答が71%を占めました。理由は、「費用対効果がわからない」「競争が激しくなる中、接待で仕事が取れる時代ではない」「接待の経費があるなら社員の給与に回してほしい」などです。

 

◆1カ月当たりの交際費

1カ月当たりの交際費がいくらか聞いたところ、「1万円以上~3万円未満」が27.5%で最も多く、「1万円未満」が25.0%で続き、「3万未満」が半数を超えています。

リーマン・ショック前との交際費の比較については、「かなり減った」が38.3%、「多少減った」が23.0%となり、6割以上の人が、この数年間の間に交際費を減らしていたことがわかりました。

 

◆今後、交際費は増えるのか?

企業の交際費が今後どうなるかについては、「増えそうだ」との回答が前述の通り13.7%だったのに対し、「変わらない」が68.3%、「減りそうだ」が17.9%で、多くの人が交際費について慎重に見ていることがわかりました。

また、「交際費を増額する必要がある」と回答した人にその理由を尋ねたところ、トップは「国内の取引先の拡大・関係強化」で、「国内でのグループ社員らとの交流強化」が続きました。

 

今一度見直されている「社内行事」

 

◆業績が良い企業ほど社内行事を重視?

社内行事といえば、かつてはコミュニケーションを図る手段として、懇親旅行や運動会などが行われていました。

「最早そういう時代ではない」「過去の遺物」といった見方がある一方、近年、様々な目的からこれらを見直す企業が増えているようです。

主に企業のコンサルティングを行うJTBモチベーションズが行った「経営者148人に聞いた社内イベントの効果に関する調査」によると、業績の良い会社の経営者ほど社内イベントを重要視し、約8割が半年に1回以上開催していることがわかりました。

 

◆社内行事の実施で仕事への好影響を期待

社内イベントの効果について聞いたところ、「社内コミュニケーションの促進」、「組織の一体感の醸成」「社員のモチベーションの向上」「組織の理念やビジョンの浸透」といった回答が上位を占めました。

仕事上でメールでのやりとりが増えていることによるコミュニケーション不足、経済成長による給与アップや終身雇用が見込めないことによるモチベーションの低下などの解消に役立て、仕事に好影響を与えることを期待する思惑が、背景にあるようです。

 

◆社内イベントを通じて組織の方針や計画を伝える

また、社内イベントに関して重視する点について聞いたところ、「経営トップ層が社員に直接語りかけること」がトップとなりました。

社員に語りかける際に意識することについては、「組織としての方針や計画を正確に伝えるようにしている」や「思いや熱意を伝えるようにしている」などが上位に挙がっています。

一方、一般社員に社内イベントの良くなかった点を尋ねてみると、「一方的に聞くだけで退屈した」「社長や役員の話が長すぎた、または共感できなかった」が上位を占め、経営者との意識のギャップが見られました。

会社をより良くするために、社内行事には一定の効果はあるようですが、社員にネガティブな印象を与えないような工夫が必要なようです。

 

2014/02/01

2月の事務所便り


男女雇用機会均等法に関する改正内容

~間接差別の定義見直し、同性間のセクハラ禁止等~

◆今年7月1日施行
 昨年1224日に、厚生労働省から、男女格差の縮小や女性の活躍促進を推進するための、男女雇用機会均等法の施行規則を改正する省令等が発表されました。

主な項目は下記の通りであり、いずれも今年の7月1日から施行されます。

(1)間接差別となり得る措置の範囲の見直し
(2)性別による差別事例の追加
(3)セクハラの予防・事後対応の徹底

これらについて具体的な内容を見ていきましょう。

◆合理的理由のない転勤要件は間接差別に
 まず(1)については、間接差別(差別的な条件や待遇差を直接は設けていないものの、結果的に一方の性に対して不利益を与えること)となるおそれがある措置のうち、「総合職の募集または採用に係る転勤要件」について、「総合職」の限定を削除し、昇進・職種の変更が措置の対象に追加されました。
 これにより、すべての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更にあたって、合理的な理由なく転勤要件を設けることは、間接差別に該当することとなります。

◆結婚していることを理由とした差別の禁止
 次に(2)については、性別を理由とする差別に該当するものとして、「結婚していることを理由として職種の変更や定年の定めについて男女で異なる取扱いをしている事例」が追加されました。

◆同性間のセクハラも禁止
 (3)については、職場におけるセクハラには、同性に対するものも含まれることなどが明示されました。
 また、セクハラ被害者に対する事後対応の措置の例として、「管理監督者」や「事業場内の産業保健スタッフ」などによるメンタルヘルス不調への相談対応が追加されました。


「ブラック企業」に対する厚労省重点監督の結果

◆昨年9月に集中的に実施
 厚生労働省では、昨年9月を「過重労働重点監督月間」と定め、いわゆる“ブラック企業”(若者の使い捨てが疑われる企業等)に対して「過重労働重点監督」が集中的に実施されましたが、その結果が昨年12月中旬に発表されました。

◆8割超の事業場で法違反!
 監督対象となった5,111事業場のうち、82%の事業場(4,189事業場)において、何らかの労働基準関係法令違反が見られ、是正勧告書が交付されたとのことです。

主な法違反の内容は、次の通りでした。

(1)違法な時間外労働があった:43.8%(2,241事業場)
(2)賃金不払残業があった:23.9%(1,221事業場) 
(3)過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかった:1.4%(71事業場)

◆主な法違反の事例
 なお、法違反の事例として、下記のものが挙げられています。

・長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業場で、その後も、月80時間を超える時間外労働が認められた。
・社員の7割に及ぶ係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払っていなかった。

・月100時間を超える時間外労働が行われていたにもかかわらず、健康確保措置が講じられていなかった。
・無料電話相談を契機とする監督指導時に、三六協定で定めた上限時間を超え、月100時間を超える時間外労働が行われていた。
・労働時間が適正に把握できておらず、また、算入すべき手当を算入せずに割増賃金の単価を低く設定していた。
・賃金が、約1年にわたり支払われていなかったことについて指導したが、是正されなかった。

◆今後の国の対策
 ブラック企業対策としては、今年度から求人票に「過去3年間の採用者数と離職者数」の記入欄が設けられるなども決定しており、企業の採用活動に影響が出るものと考えられます。
 今後も、ますます企業における人事労務管理が重要性を増していくことは間違いないでしょう。


企業の「退職給付制度」に関する最新調査結果

◆4社に1社は退職一時金・退職年金「なし」
 昨年11月発表(厚生労働省)の「就労条件総合調査」は、常用労働者数30人以上の企業を対象に調査を行い、4,211社から有効回答を得てまとめられています。
 同調査では、前回調査以来5年ぶりに退職金の支給状況に関する調査が行われましたが、それによれば、2008年当時は83.9%の企業が退職給付制度ありと回答していたところ、今回は75.5%まで減少しています。

◆「退職一時金制度のみ」が大幅増
 制度の形態別にみると、2008年当時は31.9%あった「退職一時金・退職年金を併用」する企業が22.6%へと大きく減少し、「退職一時金制度のみ」とする企業が55.3%から65.8%と、大きく増えました。
 支払準備形態については、退職一時金制度がある企業では「社内準備」とする企業が64.5%で最も多く、次いで「中小企業退職金共済制度(中退共)」が46.5%でした。
 一方、退職年金制度がある企業では「厚生年金基金」(44.8%)が最も多く、確定拠出年金(企業型)の35.9%と確定給付企業年金の35.6%は僅差でしたが、今後は、厚生年金基金制度の見直しが進むにつれ、状況が変化する可能性があります。

◆支給額も大幅減
 勤続35年以上の定年退職者の退職給付額は、大卒者が2,156万円(前回比335万円減)、高卒者(管理・事務・技術職)が1,965万円(同273万円減)、高卒者(現業職)が1,484万円(同537万円減)で、いずれにおいても支給額が大きく減少しました。

◆これからの主流は「確定拠出年金」?
 一時は「確定拠出年金の6割が元本割れ」との報道もなされましたが、2013年9月時点にいて、株価上昇等により、98%の加入者が元本割れの状況を脱し、通算の運用利回りの平均は年率で3%台に回復しました。
 2014年度の税制改正においては拠出限度額の引上げについて検討が進められていますが、税制上の優遇措置もあることから、今後、厚生年金基金制度の見直しにより、確定拠出年金へと移行するケースが増加する可能性もあります。
 退職給付制度のある企業においては、メリット・デメリット双方に関する情報収集が必要となるでしょう。


押さえておきたい「労働契約法改正」の最新動向

◆昨年末に特例法が成立、施行
 昨年4月1日より改正労働契約法が施行され、いわゆる「無期転換ルール」が導入されました。
 これにより、同一の使用者の下、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、労働者に「無期転換申込権」が発生することとなりましたが、パートタイマー等の有期契約労働者を無期雇用へと転換する動きもみられるなど、改正への対応が企業において進められていました。
 ところが、昨年12月6日の参議院本会議で「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律案」が可決・成立し、すでに一部は施行されています。

◆特例法の趣旨
 この特例法は、大学の教員等で、5年を超えるようなプロジェクトに関わる有期契約労働者についても、5年経過時点で無期転換申込権が発生してしまうと、5年を超える前に契約を打ち切らざるを得ず、雇い続けることができないという現場からの声に対応して立案されたものです。
 特例法により、一定の要件を満たす大学の教員等については、無期転換申込権にかかる年数要件が「10年」とされました。

◆さらなる改正に向けた動き
 現在、厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会有期雇用特別部会)において、高度な専門職に就く高収入の有期労働契約者で一定の期間内に終了すると見込まれる事業(オリンピックの開催準備等)に従事する者等について、5年経過時点で無期転換申込権が発生しないこととする「有期雇用の特例」作りが検討されています。
 同省では、この結果を今年3月上旬までに労働契約法の改正案としてまとめ、1月24日に召集される通常国会に提出する方針です。
 特例の対象には高年齢者も含まれる見通しですので、企業にとってはさらなる就業規則等の見直しが必要となる可能性もあることから、今後も動向を注視する必要があるでしょう。


「インターンシップ」の実施状況と留意点

◆実施状況と今後の動向
 経団連から、新卒採用(2013年4月入社)に関するアンケート調査の結果が公表されました。このアンケートは会員企業1,301社に対して実施され、583社(回答率44.8%)が回答しています。
 このアンケート結果からは、企業の採用選考時に重視する要素、学事日程の尊重への対応策などがわかるとともに、インターンシップの実施状況がうかがえます。
 インターンシップについて、「既に実施している」(58.5%)と「今後は実施する予定である」(14.2%)との回答を合わせると7割以上となり、多くの企業で実施されているようです。
 また、2011年度と比較した受入れ人数が増加した企業、現在と比較した受入れ人数を増やしていく企業が、ともに3割近くあります。

◆今後の課題
 今後、学生の受入れ人数を増やしていくうえでの課題として、次のような回答がありました(複数回答)。

・従業員のインターンシップへの理解を深めること(57.8%)
・プログラムを企画・運営できる従業員を確保・育成すること(48.6%)
・採用選考活動の実施時期が後ろ倒しにより、夏季の受け入れが難しくなること(46.5%)
・実施要件(5日間以上、職場への受入れ等)が厳しいこと(39.2%)
・コスト負担が大きいことに比べて、受け入れのメリットが少ないこと(28.1%)
・大学のキャリアセンター等と連携し、応募者数を増やしていくこと(23.6%)

企業側の人手の確保や職場の理解、採用活動解禁日の後ろ倒しによる影響等、インターンシップを実施する企業側にも課題が多いようです。

◆インターンシップの留意点
 企業や学生にとってメリットや課題のあるインターンシップですが、インターンシップに参加する方が労働者に当たる場合は、労働関係法規の適用があることに注意が必要です。
 労働者と見なされる場合には、賃金その他の労働条件に関して、労働基準法、最低賃金法等の法令が適用されます、さらに、万が一、実習中に事故が発生した場合などには労災保険法の適用がありますので、留意する必要があります。
 また、インターンシップの進展により、学生による企業に対する損害(機密情報の漏洩、機器の損壊等)などが発生するリスクも増加していますので、参加する学生・学校・受入れ企業の間で、こうしたリスクに対応する保険への加入状況等を明確にしておいたほうがよいでしょう。


改正間近!これからの安全衛生管理の注目ポイント

◆行政の監督方針への影響も
 次期通常国会では、安全衛生分野の法改正がありそうです。
 このほど今後の労働安全衛生対策に関する報告書がまとまり、厚生労働省では、これから法案の作成に取り掛かるということです。報告書の中で取り上げられている事項は、行政の指導監督方針にも反映され、是正指導・勧告の内容にも変化があると思われます。
 日頃の労務管理の見直しと併せて、法案の行方にも注視しておく必要がありそうです。

◆労働安全衛生法の改正事項(予定)

改正内容としては、以下の内容が取り上げられています。

(1)化学物質管理のあり方
(2)企業単位で安全・健康に対する意識変革を促進する仕組み
(3)欠陥のある機械等の回収・改善対策の強化
(4)第三者に施設等を使用させる管理者の安全衛生管理の充実
(5)企業における安全衛生管理体制の適正化(第三次産業の安全衛生管理体制の適正化)
(6)規制・届出の見直し
(7)職場におけるメンタルヘルス対策
(8)職場における受動喫煙防止対策
(9)型式検定等の対象器具の追加

◆影響が大きいと思われる事項

ここでは、次のものが、影響が大きいと思われます。

(2)企業単位で安全・健康に対する意識変革を促進する仕組み
 重大な労災を繰り返す企業に対し改善計画の作成等が指示され、従わない場合は必要な勧告を行うことや企業名を公表する制度の創設が検討されています。
(4)第三者に施設等を使用させる管理者の安全衛生管理の充実
 トラック運送業などにおいて、荷役作業中の労災発生が多いことを受け、荷役作業を行う施設を管理する荷主等にも取組みが必要であるとしています。
(5)企業における安全衛生管理体制の適正化
第三次産業(小売業、社会福祉施設等)の安全衛生管理体制の適正化が内容となっています。
また、廃案となった前回の法案に盛り込まれていた(7)も気になるところです。
(7)職場におけるメンタルヘルス対策
前回法案では、メンタルヘルス不調の予防のため、労働者のストレスチェック、申出をした者に対する医師の面接指導の実施を事業者に義務付ける内容でした。この前回の内容を踏まえつつ、各事業場の取組みも勘案し、制度化するとしています。


第1回試験が3月に開催!「給与計算実務能力検定試験」

◆実務能力への確かな評価を与える試験
 企業・組織に不可欠であり、決して間違いの許されない、重要な業務である給与計算業務。
 その知識・遂行能力を客観的に判断できるよう、このたび、「給与計算実務能力検定試験」が創設されました。主催は、財団法人職業技能振興会(厚生労働省認可)です。
 級は「1級」・「2級」の2区分であり、1級合格者は「労働法令や税務についても正しく理解し、複雑な制度やイレギュラーな給与体系にも対応可能、また年末調整を含め、年間を通じて給与計算に関するすべての業務に精通したレベル」、2級合格者は「実務上の基礎となる労務コンプライアンスについて正しく理解し、基本的な給与計算の計算を行い、明細を作成出来るレベル」と評価されます。
 なお、受験資格は特に設けられておらず、どなたでも受験できます。

◆試験の概要
 第1回試験は2級のみ、平成26年3月2日に東京・大阪の2会場で実施されます(なお、1級は平成2611月の実施を予定)。
 試験はマークシート形式で行われ、「給与計算業務に必要な基礎知識」、「給与計算実務に必要な法的知識(労働基準法等)」、「計算演習問題(実際の給与計算)」について40問出題、7割以上の得点獲得が合格基準点となります。
 受験料は、8,000円(なお、今回は実施されないが、1級は10,000円)です。

◆願書締切りは2月21日
 第1回試験の受験料振込および出願書類の到着締切りは、平成26年2月21日となっています。
 日常業務で給与計算事務に携わる方でご興味のある方は、受験を検討してみてはいかがでしょうか。


OJT」を効果的にすすめるために…

OJTトレーナー」に伝えておきたいこと

OJTトレーナーへのフォローも必要
 新卒採用を行った企業では、4月の新入社員入社に向け、様々な準備が始まっているのではないでしょうか。
 新入社員をはじめとする若手社員への教育をOJTで行うことが一般化していますが、その際、若手・中堅社員をOJTトレーナーとしてつける企業が多いようです。
 しかし、いざ後輩の育成・指導を任されたときに、「どうしたらよいのだろうか…」と途方に暮れてしまう人も少なくなく、職場には、OJTトレーナーに対するフォローも求められます。

OJTトレーナーに伝えておきたいこと
 OJTトレーナーの役割は、担当する新入社員・若手社員をできるだけ早く一人前に育てること。その役割を果たしてもらうために、OJTトレーナーに対しては、その役割、すべきこと、ノウハウについて、具体的に教えることが必要です。
 「何を教えればよいのか」、「どのように指導すればよいのか」、「周囲をどのように巻き込めばよいのか」などについて伝えましょう。

◆過去の事例も参考に
 すでにOJTを行ったことがある企業では、過去のOJTトレーナーが不安に感じていたこと、その対応方法、逆に、OJTトレーニーが嬉しかったこと、指導されて役に立ったこと等を吸い上げ、伝えると参考になるようです。
 皆さんの会社でもOJTを効果的にすすめるために、いろいろと工夫してみてください。


「仕事への意識」に対する企業と若者の間にあるズレ

◆企業と若者の間で仕事に対する意識にズレが?
 日本生命保険相互会社が発表した、従業員数1,000人以上の企業などを対象とした「企業調査」と、全国の20代以上の社会人および就職が内定している大学4年生などを対象とした「若者調査」によると、仕事に対する意識において企業と若者の間にズレが生じていることがわかりました。

◆新卒の採用・就職についてのズレ
 就職先の検討時に最重要視しているポイントについて聞いたところ、企業は「自分のやりたいことをできるか」と想像していたようですが、実際には若者は「業種」「勤務地」を重要視していました。
 最近、「若者の使い捨てが疑われる企業等」(いわゆるブラック企業)への取組みが話題になっていますが、やはり若者の労働環境や早期退職率等に対しての関心が高まっており、チェック方法として、過半数が候補企業名と「ブラック企業」のキーワードで、インターネット検索をしているようです。

◆新卒の定着・育成についてのズレ
 また、若者(社会人)の4割弱が、入社時と比較して仕事に対する意欲を低下させており、「給与水準」「人事制度」「退職金水準」については、期待外れだったとする割合が高かったようです。
 現在の職場を退職しようと思った経験がある若者は6割強にも上り、その要因を「職場内の人間関係への不満」としていますが、企業は「仕事内容への不満」と想像しているようです。
 さらに、退職しようと思った若者(社会人)の5割強は、退職について誰にも相談しておらず、企業が若者の退職リスクを把握できていない懸念があることもわかりました。

◆女性の活用についてのズレ
 女性が管理職になるうえでの課題について聞いたところ、企業の回答は、「家庭に支障がない範囲で、仕事をしたいという意識の女性が多い」や「モデルとなる女性がいないため、管理職になることを不安に思う女性が多い」、「会社として、女性の育成や活用の方針が明確になっていない」が上位を占めましたが、若者(社会人)は、「長時間労働を前提とした働き方の見直しが十分に進んでいない」が最も多く、ここにも両者の認識に違いが見られました。


「コミュニケーション力」を磨く講座が人気!

◆管理職に人気の講座は「部下のほめ方・叱り方」
 エン・ジャパン株式会社が発表した定額制研修サービス「エンカレッジ」の役職別人気講座ランキングを見ると、管理職・一般社員いずれも「コミュニケーション」をテーマにした講座が人気となったようです。
 管理職に人気の講座の第1位は「部下のほめ方・叱り方」で、第2位は「コーチングの基本」でした。第5位にも「部下との関係づくり」が入り、部下とのコミュニケーションに関する講座が上位を占めました。
 時代の変化によって多様な価値観を受け入れることが求められていることから、部下との関係性を築くためのコミュニケーション力を身につけることが必要と感じている管理職の方が多いようです。

◆一般社員に人気の講座は「ビジネスコミュニケーション」
 一般社員における人気講座第1位は「ビジネスコミュニケーション」でした。受講者の多くが20代のいわゆる「ゆとり世代」中心となっており、社会人になり様々な世代と関わることが増えたため、円滑なコミュニケーションの進め方を学ぶ講座が人気となっているようです。
 第5位には「ビジネス上の言葉遣い」が入り、様々な人とコミュニケーションをとるうえで必要な表現方法を学ぶ若者も増えているようです。
 また、第2位には「仕事の段取り・組み立て方」、第4位には「社会人として必要な基本スキル」が入り、社会人としてのスキルや考え方を身につけるための講座の人気も高くなっているようです。