2014/11/01

11月の事務所便り


社長の5人に1人が70代以上 事業承継はどうする?

 

経営者の平均年齢は60歳超

近年、特に中小零細企業において、経営者の高齢化とそれに伴う事業承継が大きな問題となっていますが、株式会社東京商工リサーチ実施した「2014 全国社長の年齢調査」の結果によると、全国社長の平均年齢は60.6歳と高齢化が進んでおり、社長の約5人に1人が70代以上となっているそうです。

この調査は、同社が保有する企業データベース265万社(20149月時点)から、代表者の年齢データを抽出して分析したものです。

 

◆社長の年齢が業績に影響?

社長の年齢分布ですが、70代以上:22.5%60代以上:35.0%に対し、30代以下:4.0%となっており、「若い経営者の創業」や「社長交代」が停滞している状況が明らかになりました。

社長の年齢別の企業業績では、黒字企業は30代以下の構成比が80.4%で最も高く、40代:80.0%、60代:79.4%、50代:79.0%と続いています。

そして、社長の年齢が70代以上の企業では、赤字企業の構成比が22.0%と最も高くなっています。

 

◆社長高齢化の弊害とは?

また、売上と利益を見ると、「増収増益」の比率が最も高かったのは社長が30代以下の企業(38.2%)であり、「減収減益」の比率は70代以上(26.8%)が最も高く、次いで60代(26.1%)となっています。

調査を行った東京商工リサーチでは、「社長が高齢化するほど安定や成長を支えるビジネスモデル構築が遅れ、従来の営業モデルからの脱皮が難しく、業績悪化につながっている状況がうかがえる」と分析しています。

「社長が若ければ業績が良い」とは一概には言えませんが、社長年齢が若いほど黒字企業の割合が高く、社長が高齢になるほど厳しい業績の企業が多い傾向が見られます。

 

◆「事業承継」が大きな課題

2014年版の「中小企業白書」では、事業の将来を悲観して誰にも相談せずに廃業を考えるケースがみられ、経営者の高齢化が進む一方、「後継者難」の理由からスムーズな事業承継が行われていない現状が指摘されています。

特にオーナー企業では、事業承継を希望しても子供等が承継せず、結果として社長が高齢化し円滑な事業承継が難しくなっている点が大きな課題となっています。




厚労省が「過重労働解消キャンペーン」を実施

 

◆今年11月に実施

厚生労働省では、930日に設置した「長時間労働削減推進本部」の決定を踏まえ、11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施すると発表しました。

近年、長時間労働に伴う残業代の未払いや従業員の健康問題が労使トラブルの主要な原因の1つとなっていますが、キャンペーン実施による長時間労働の削減と労使トラブルの減少が期待されます。

 

◆キャンペーンの内容

6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2014」に「働き過ぎ防止の取組強化」が盛り込まれ、同月に「過労死等防止対策推進法」が成立するなど、長時間労働対策の強化が重要課題となっています。

そこで、同キャンペーンでは、主に以下の取組みが予定されています。

(1)労使の主体的な取組みの促進

キャンペーンの実施に先立ち、使用者団体や労働組合に対し、厚生労働大臣、副大臣、大臣政務官による協力要請を行う。

(2)重点監督の実施

若者の「使い捨て」が疑われる企業や長時間の過重な労働による過労死などに関して労災請求が行われた事業場などへ監督指導を行う。

(3)電話相談の実施

111日に「過重労働解消相談ダイヤル」(無料)を全国一斉に実施し、都道府県労働局の担当官が相談に対応する。

(4)企業における自主的な過重労働防止対策の推進

企業の労務担当責任者などを対象に、全国8カ所(北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、香川、福岡)で計10回、「過重労働解消のためのセミナー」(委託事業)を実施する。

 

◆リーフレットのダウンロード

なお、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000060042.html)では、キャンペーンに関連したリーフレットをダウンロードすることができます。




健康保険の手当金不正請求防止のため、算定方法見直しへ

 

◆見直しの対象となる給付は?

現在、厚生労働省で健康保険の海外療養費・傷病手当金・出産手当金の見直しについて議論されています。

問題となっているのは「不正請求」です。

昨年531日施行の改正健康保険法で、協会けんぽに事業主への立入調査権が認められましたが、不正請求が疑われるケースが依然として多いことから、防止策を講じるため、来年の通常国会に改正案が提出される見通しです。

 

◆調査結果に見る傷病手当金受給者の状況

今年77日付で協会けんぽが公表した調査結果「全国健康保険協会(協会けんぽ)傷病手手金受給者の状況について」によれば、2013年は「精神および行動の障害」が受給原因の25.7%を占め、1998年と比較して5倍以上増加しています。

支給回数では「1回」が32%で最も多い一方、「11回以上」が15%で2番目に多くなっています。11回以上申請する人の傷病別構成割合を見ると、40.4%を「精神および行動の障害」が占めています。

なお、平均支給期間も「精神および行動の障害」が「220日」と最も長くなっています。

近年、精神疾患により休職する労働者の増加が懸念されていますが、医療保険財政においても、保険料負担増につながりかねない問題となっています。

 

◆不正請求の手口と見直しの内容

傷病手当金・出産手当金の不正請求で多いのは、報酬を水増しして申請するケースや、雇用実態のない者からの請求です。

そのため、報酬の水増しに対しては、休職直前の月の報酬を算定の基礎とする現行の方法から、直近1年分を見る方法へと変更する案が出ています。

また、雇用実態のない者からの請求に対しては、被保険者期間1年未満の者の算定の基礎を見直す案が出ています。

海外療養費については、渡航事実がないにもかかわらず請求するケースが見受けられ、対策として、支給申請時にパスポートの写し等を添付させる案が出ています。




従業員に「災害見舞金」を支給する際のポイント

 

◆「災害見舞金」に関する調査結果

近年、自然災害により各地で大きな被害が出ていることから、従業員への慶弔見舞金の支給等を検討する企業もあるでしょう。

慶弔見舞金の支給事由は結婚や出産、本人や家族の死亡等、様々ですが、ここでは「災害見舞金」について見ていきます。

労務行政研究所が行った東日本大震災直前の調査結果によれば、8割程度の企業が自然災害で住居や家財が被災した場合に災害見舞金を支給しているそうです。

また、平均支給額は、被災の程度に応じて「全損失」で15226円、「半損失」で87,848円、「一部損失」で45,521円、「床上浸水」で45,521円となっています。

 

◆災害見舞金支給の流れ

自然災害による被害については、国が定める基準により全壊・半壊・床上浸水・床下浸水等の被害の判定が行われ、市町村はこの基準に基づき「罹災証明書」を発行します。

そのため、民間企業でもこの基準に応じて定めることが一般的で、支給に際して罹災証明書の提出を求め、被災認定を行う方法がとられます。

なお、被害が甚大で従業員本人や家族が申請を行うことが困難な場合は、本人の同意を得て、企業が市町村に被災認定の照会を行うこともあるようです。

また、場合によっては速やかに支給することを優先し、申請自体は事後申請とするなど、柔軟な運用もなされているようです。

 

◆関連規定はどのように設ける?

一般的には、就業規則の慶弔見舞金に関する規定等に1類型として設けます。

上記の通り市町村の発行する罹災証明書等に基づいて被災認定が行われることが一般的であるため、申請の際にこの提出を求める旨も規定しておくべきでしょう。

なお、所得税法上、損害の程度に応じて一定の基準をもって見舞金の支給額を定められた「相当の見舞金」に該当すると判断されれば、給与として源泉徴収されることもありませんので、上記の調査結果等を参考に、明確に支給金額を規定しておくことが望ましいと言えます。




知っていますか?「夜勤・交代勤務」のリスクと軽減策

 

◆4人に1人が従事

夜勤・交代勤務を行う職種は多岐にわたるものであり、現代社会の生活の基盤を支えるものともなっています。

現在、日本では、労働者の25%以上が夜勤や交代勤務での労働に従事しています。ちょっとびっくりする数字ではないでしょうか。

しかし、これだけ多くの人が夜勤や交代勤務を行っているにもかかわらず、夜勤・交代勤務に伴うリスクはあまり知られておらず、また、リスクを軽減するための教育・研修等の実施にもあまり注意を払われていないのが現状です。

 

◆夜勤・交代勤務に伴うリスク

夜勤・交代勤務でまず注意したいのが「健康」に関する問題です。

多くの場合、“変な”時間に眠ることから、“良質な睡眠”がとれないことが多く、睡眠の支障が様々な健康問題につながります。

心筋梗塞や脳卒中、糖尿病になるリスクが高まることが指摘されているほか、近年では、夜間勤務に最低6カ月間従事した男性とがん発症の関連について、前立腺がんで2.77倍、非ホジキンリンパ腫で2.31倍、すい臓がんで2.27倍など、がんリスクが高まるとする研究結果も発表されています。

また、「仕事の安全」についての調査では、日勤で起こる事故の確率に対して、夕勤ではそれが20%増加し、夜勤では30%増加するとされています。

さらに、家族と生活時間がずれるためにコミュニケーション不足の問題が発生したり、友人や地域との交流に参加する機会も減りがちになったりすることも指摘されています。

 

◆今後考えたい研修

多くの企業では、労働者がきちんと仕事をこなせるよう、多様な研修を行っています。

安全衛生に関する労働者の関心も高まっている昨今、今後は、夜勤や交代勤務をする人については、「睡眠の質の高め方」や「リスクを低減する方法」についての研修を実施することも、業務を行ううえで必要な知識を提供するための方策として求められるようになってくるかもしれません。




ノーベル物理学賞で関心増!

改めて確認しておきたい「職務発明」

 

◆職務発明の対価に改めてスポットが

3人の日本人が受賞したことで話題になった、本年のノーベル物理学賞。

この話題に関連して、マスコミ報道等では、受賞者の1人である中村修二氏の「青色発光ダイオード事件」を引き合いに、「職務発明」と「その対価(職務発明を行った従業員等に支払われるべき報酬)」に改めてスポットが当てられています。

 

◆「職務発明」と「その対価」とは?

職務発明とは、会社の従業員等が職務上行った発明のことであり、発明は従業員等に帰属します。

ただし、会社は、職務発明を発明者である従業員等から承継することをあらかじめ社内規程等で定めておき、発明の価値に見合った「相当の対価」を支払うことにより、特許を取得する権利を承継することができます。

この「相当の対価」をめぐっては、現在、社内規程が不合理と認められる場合にのみ、裁判所が対価を算出することとされています。会社にとっては、相当と思われる対価を支払っていても従業員等から訴訟を提起されるリスクがあるということです。

このようなリスクを減らすために、特許庁では、特許の権利を会社帰属とする改正法案を来年の通常国会に提出する方針を固めました。なお、その代わりに、適正な報酬の支払いが義務付けられることとなる見込みです。

 

◆中小企業こそ他人事ではない

特許・発明というと、大企業の話…と受け止める向きもありますが、特許出願は中小企業こそ、時として生命線となることもあり得るものです。

同じ業界の大手企業とまともに勝負をしては太刀打ちできなくても、ニッチな部分で多数の特許を取得しており、互角に戦える力を持っている中小企業はたくさんあります。

中小企業こそ、手抜かりなく、早め早めの手続きをすることが求められます。なお、特許庁では、中小企業の特許出願手続をサポートする制度も用意しています。

特許を取るべき職務発明がなされた場合に、従業員との間でその対価についてもめることのないよう、この機会に改めて「職務発明」について確認しておきましょう。




「内定辞退」とならないために必要な内定者へのフォロー

 

◆内定を出して終わりではない

人手不足、採用活動の早期化が進んでいる中で必要となってくるのが「内定者フォロー」です。採用内定を出したらそれで終わりではありません。

内定から入社までの期間は、学生にとっては気持ちが不安定な状態であり、内定を複数の会社から得ている場合、会社を絞り込んでいく期間となります。

内定辞退とならないために、企業はこの期間に何をすればいいのでしょうか。

 

◆内定者の不安感を払拭する

学生に内定を出した後、入社直前までそのまま放っておくという企業は意外に多いようです。それでは内定者は「本当に内定したのか?」「期待されていないのでは?」など、不安に駆られ、他企業への就職活動を再開してしまうということになりかねません。

内定者の不安感を払しょくし、適切にフォローしていく必要があります。

 

◆イメージギャップの穴埋め

新卒者の約3割が、入社後3年以内に辞めてしまうと言われています。思い描いていたイメージと現実とのギャップが大きいということも理由の1つとなっているようです。

入社後のミスマッチをいかに少なくするか、入社後スムーズに順応できるよう検討し、適切な対応を行っていくことが大切です。

 

◆具体的な対策は?

対策として、以下のようなものが考えられます。自社の規模や風土、予算などに合ったものを取り入れ、実践してみてはいかがでしょうか?

職場や工場の見学会、職場での事前実習・研修、内定者同士の交流・グループワーク、社内行事への招待、社内報の送付、経営者・役員との懇談会、通信教育やWEBを使った入社前研修、レポートの提出、資格取得支援、近況報告の義務付け 等

最近では、採用理由について文書で説明する企業も増えているそうです。「なぜ、あなたを採用したのか」という個々へのフォローが重要となってきているようです。




バブル世代のキャリア研修がこれからの企業経営のカギ!?

 

◆バブル世代の活性化!

1990年前後の好況期に社会人となったバブル世代(現在の40代~50代)の活性化をこれからの経営課題と捉える企業が増えているようです。

その理由は、次のようなことにあるようです。

・大量採用しているので管理職になれない社員が多数発生する

・昇給が頭打ちとなっている

・これらにより、社員のモチベーション維持が難しい

 

◆キャリア研修でモチベーションアップ

バブル世代の今後は決して甘くないと言える中で、「早めに社員の意識を変えさせないと今後の企業経営に大きな負担となりかねない」との懸念が経営者にはあるようです。

高年齢者雇用安定法により、60歳以降の継続雇用が企業に義務付けられているということもあり、60歳以降もいい働きをしてもらうために、バブル世代を対象とした「キャリアプラン」「キャリアデザイン」研修に積極的に取り組む企業もあるそうです。

 

◆研修の特徴・内容は?

研修の特徴は、「40代以降の者を対象に開催」、「教えるというよりも受講者自身の気付きを促す内容」、「セカンドライフ設計に重点を置いたものから仕事に関する内容への拡充」、「事前に直属上司と相談したうえで50歳以降のキャリアプランを立てる」といったもののようです。

また、「環境の変化を受け入れ今後の自分の働く目的やすべきことを主体的に考えるようになること」、「自分自身の経験・スキル・ノウハウを肯定的に再評価しそれらを後進に伝えていくこと」、「就職後のキャリアを振り返り残りの会社員人生で成し遂げたい新たな目標を設定すること」を主な内容とし、スキル・ノウハウを身に付ける研修というよりも、働く意義や喜びを再認識するというような内容が多いようです。

ただ、それ以前に、社員自身が会社で長く気持ち良く働くためには、「会社が求めている仕事は何かを考える」、「過去の成功を鼻にかけない」、「出世や昇給をもとめる意識を捨てる」などを心がけることが必要となるようです。




「イクメン企業アワード」選出企業の特徴的な取組み

 

2014年の受賞企業が決定

厚生労働省は、男性の仕事と育児の両立を応援する「イクメンプロジェクト」の一環として、模範となる企業や個人を表彰する「イクメン企業アワード2014」と、今回初めてとなる「イクボスアワード2014」の受賞企業などを決定しました。

「イクメン企業アワード」は、男性労働者の育児参加を積極的に促進しつつ、業務改善を図る企業を表彰するもので、2回目となる今回は、グランプリにアース・クリエイト有限会社、特別奨励賞に6社を選定しました。

 

◆グランプリ企業の取組み

アース・クリエイト有限会社がグランプリに輝いた理由には、従業員や家族の気持ちを十分に汲み取り、働きやすい環境を整備し、持続性の高い会社運営を目指す経営姿勢や、小規模事業所でかつ男性従業員が多い建設業でありながら、これまでに延べ8名の男性従業員が育児休業を取得した実績が挙げられています。

特徴的な取組みとしては、次のものがありました。

・毎月、営業本部長が個人目標を基に個人面談を行い、業務管理をしながら、同時に家族状況等も把握し、必要に応じた休暇の取得等を促進しているほか、営業本部長から従業員宛文書による休暇の周知も随時実施。

・配偶者出産時の特別休暇制度(2週間)や始業時刻の繰上げ・繰下げ制度等、制度の充実。

・会社全体で休業者をフォローしあう意識が醸成されたことから作業効率が向上し、時間外労働が大幅に減少(平成19 年度:年平均300 時間→平成25年度:年平均換算110 時間)するとともに、年休取得率は大幅に伸長(平成19年度:20%→平成25年度:85%)

 

◆特別奨励賞に輝いた企業の取組み

特別奨励賞に輝いた6社の中で、特徴的な取組みとしては次のようなものがありました。

・男性の育児休業取得キャンペーンによる、全社の育児休業取得対象者へのアピール(上司を経由した対象者への周知)等により、男性の育児休業取得者が大幅に増加(5年間で34人)。

・業務効率化の取組みと併せて「時間」に関する意識改革を実行。全職員に対し、毎日遅くとも20時までの退館を推進するとともに、休暇等の取得も推進し、取得率が大幅に上昇(4年で30人以上、最長取得日数77日)。

・デスク上に退勤予定時間を表示する札を設置することにより、早く帰りやすい雰囲気を醸成するとともに、勤務時間の短縮を支店の業績評価へ反映。



「マイナンバー制度」に関する企業の対応状況は?

 

◆約7割の企業がまだ準備を始めていない!

株式会社アイ・キューが運営する人事ポータルサイト「日本の人事部」では、全国のビジネスパーソンに対して「マイナンバー制度」に関するアンケート調査を実施しました。

「マイナンバー制度への対応状況」について聞いたところ、「まだ準備を始めていない」という回答(69.6%)が圧倒的に多く、「自社内での対応を検討している」(14.4%)、「すでに準備を始めている」(5.6%)、「アウトソーシングでの対応を検討している」(2.4%)など、何らかの動きを見せている企業が非常に少ないことがわかりました。

中には「特に準備をする予定はない」(8.0%)と回答する企業もあったようです。

 

◆マイナンバー制度とは?

「マイナンバー制度」は、日本国民と日本に居住する外国人1人ひとりに番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する制度で、20161月から利用がスタートします。

これまで国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にすることで、国民の利便性を高めると同時に行政の透明化・効率化を図ることが同制度の目的です。

民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用することになりますが、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須となります。

 

◆「番号収集」と「情報漏えい」を懸念

アンケートで「マイナンバー制度に対応するうえでの課題」について聞いたところ、「従業員からのマイナンバーの収集」(28.0%)が最も多く、「個人情報の管理体制の強化」(26.8)が続きました。

情報管理の煩雑さと情報漏えいのリスクを懸念する企業が多いようで、「漏えいした場合の影響は従来の人事・給与データ以上のものになる」、「基幹系システムに与える影響は大きくコストもかかりそう」などの声が聞かれました。

また、「マイナンバー制度による影響・効果」について聞いても、「情報の一元管理による利便性の向上」(8.0%)、「各種事務処理の効率化、省力化」(5.3%)など、その効果を期待する声もあったようですが、「情報漏えいのリスクの発生」(38.7%)との回答が最も多く、不安の方が大きいことがわかりました。

制度の内容についてはもちろんのこと、導入による効果やメリットを企業側でもしっかりと認識し、20161月のスタートに向けて準備を進めていく必要がありそうです。

2014/10/01

10月の事務所便り


経済産業省が推奨する「おもてなし経営」とは?

 

◆ビジネスモデルの1

経済産業省は、91日から「平成26 年度おもてなし経営企業選」の募集を開始すると発表しました。

同省では、下記(1)~(3)の取組みや活動を実践している企業経営のことを「おもてなし経営」と定義し、地域のサービス事業者が目指すビジネスモデルの1つとして推奨しています。

(1)社員の意欲と能力を最大限引き出す取組み

(2)顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供するための取組み

(3)地域・社会との関わりを大切にする活動

 

◆五輪招致で話題に

東京オリンピック招致の際のプレゼンテーションの影響により大きな話題となった日本の「おもてなし」ですが、経済産業省では2年前から「おもてなし経営企業選」の事業をスタートさせ、平成24年度は50社、平成25年度は28社の企業が選ばれています。

今年度における募集期間は9 1 日から10 24 日までであり、応募のあった企業について、「書類選考」(11 月)、「経営者ヒアリング」(121 月)、「企業訪問」(2 月)を実施し、選考委員会等を経て、他の企業の参考となるような経営事例を30 社程度選出するとのことです。

選考のポイントは、上記(1)~(3)の取組みや活動がどのようにサービスの差別化・高付加価値化の実現に繋がっているのか、という点だそうです。

 

◆選出による効果は大

過去の選出企業のコメントを見ると、「選出をきっかけに異業種からの見学依頼が増え、社員のモチベーションが非常に高まっている」(自動車教習所)、「患者さんや地域の方、そして他の医療機関にも選出を知ってもらい、当院にかかりたいという方が増えてきた」(病院)など、プラスの面が大きいようです。




改正安衛法で義務付けられた「ストレスチェック」に関するQ&A

 

84の「QA

先の通常国会で成立した改正法の1つに「改正労働安全衛生法」(6/25公布)がありますが、これに関連して、厚生労働省から「改正労働安全衛生法Q&A集」が公開されました。

改正項目のうち最も影響の大きいものは「ストレスチェック制度の創設」だと言われており、上記「Q&A集」でも84のうちの36(約43%)を占めています。

 

◆ストレスチェックに関するQ&A

以下では、Q&A(抜粋)をいくつか見てみましょう。

【全ての事業場が対象となるのでしょうか?】

→ストレスチェックの実施が義務とされるのは、従業員数 50 人以上の事業場とされており、50 人未満の事業場については、当分の間、実施が努力義務とされています。

【全ての労働者が対象となるのでしょうか?】

→ストレスチェックの対象労働者は、一般健康診断の対象労働者と同じく、常時使用する労働者とする予定です。なお、派遣労働者については、派遣元事業主において実施していただくことになります。

【どれくらいの頻度で実施すれば良いのでしょうか?】

→今後、労使や専門家のご意見を聴きつつ省令で定めていくことにしていますが、健康診断と同様に、1年以内ごとに1回以上実施していただくことを想定しています。

【健康診断のように、実施を外部機関に委託しても問題ありませんか?】

→問題ありません。委託により実施する際には、ストレチェックの結果を実施者から直接労働者に通知する必要があり、労働者の同意なく事業者に通知してはならないことなどの点に注意してください。

【ストレスチェックは面談形式で行うものですか?】

→労働者の心理的な負担の程度を把握するため、労働者自身が該当する項目を選択するチェックシート方式で行う検査です。面談形式に限ることは想定していません。

【健康診断のように、ストレチェックを実施した旨の報告を監督署に行う必要があるのでしょか?】

→ストレチェックの 実施状況を把握するため、事業者には、労働基準監督署にその実施状況について報告していただく仕組みを設けること考えています。

 

◆施行予定は来年12月?

今後は、平成272月~3月頃に省令・指針等が策定され、平成2712月までに改正法(ストレスチェックの部分)が施行される予定です。




従業員の「デング熱感染」に備えて知っておきたいこと

 

◆「デング熱」ってどんな病気?

現在感染者が拡大しているデング熱は、ヒトスジシマカという蚊によってウイルスが媒介される感染症で、ヒトからヒトへと感染することはありません。

ヒトスジシマカは、秋田県および岩手県以南に生息しているため、日本のほとんどの地域で感染するおそれがあると言えますが、感染しても発症しないこともあります。

 

◆デング熱にかかるとどんな症状が出る?

感染すると、37日後に突然38度以上の高熱が出て、頭痛のほか、目の奥の痛み・筋肉痛・関節痛を伴うことが多くあります。

また、発熱後34日で胸やお腹に赤い痛みを伴う発疹が出て、次第に手足や顔面に広がります。

通常は1週間ほどで熱が下がり回復へと向かいますが、まれに出血症状が起こり、重症化することがあります。この場合、適切な治療を受けないと死亡に至る可能性もあります。

現在、デングウイルス特有の治療薬はなく、対症療法が基本となりますが、解熱剤としてはアセトアミノフェンを用いるのが一般的であり、出血傾向を増強するおそれがあるアスピリンの使用は避けます。

 

◆従業員が感染したら?

デング熱は、インフルエンザのようなヒトからヒトへの感染はなく、デングウイルスに感染したヒトスジシマカを介して感染します。

そのため、社内で感染者が出たからと言って職場封鎖のような対策をとる必要はありませんが、感染者が蚊に刺されると他の人へと感染が拡大するおそれがありますので、蚊に刺されないようにする必要があります。

予防に取り組む場合は、肌の露出を避けた服装をしたり虫よけスプレーなどを用いたりして刺されないようにするとともに、不要な水たまりをなくしてボウフラの発生そのものを抑え込むことが有効です。




正社員とパート社員の諸手当の格差はどのぐらい?

 

◆企業はどんな手当を設けている?

厚生労働省の「平成22年就労条件総合踏査」の結果によると、支給企業数が多い順に通勤手当、役付手当、家族手当、技能・技術(資格)手当、住宅手当となっています。

規模に応じて設ける手当の傾向が分かれており、小規模企業では精皆勤手当・出勤手当が多く、大規模企業では住宅手当、調整手当、特殊勤務手当、単身赴任手当、別居手当、地域(勤務地)手当、特殊作業手当を設けるところが多くなっています。

 

◆正社員とパート社員では付く手当が異なる

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査」の結果によると、正社員とパート社員では付ける手当に違いが見られます。

どちらも通勤手当と役付手当が上位2つですが、正社員では次いで家族手当、技能手当・技術(資格)手当、住宅手当が多いのに対し、パート社員では業績手当(個人、部門、グループ等)、技能手当・技術(資格)手当、精皆勤手当・出勤手当が多くなっています。

 

◆通勤手当の額はどのぐらいか?

上記の調査結果によれば、通勤手当の1人当たり支給額(月単位)は、正社員12,477円、パート社員7,710円となっています。

支給額について、39.3%の企業が上限額を設けており、その平均額は34,260円ですが、上限額に関する規定は大規模企業ほど設けているところが多いという特徴が見られます。

なお、正社員に通勤手当を支給する企業の割合が89.8%なのに対し、パート社員では76.4%と差が見られますが、この理由については、(1)交通費がかからない者を採用している(30.2%)、(2)交通費は基本給に含めて支給している(25.8%)、(3)自転車通勤のため算定困難(14.3%)となっています。

来春施行の改正パート労働法では、短時間労働者であることを理由とする不合理な差別的取扱いが禁止されることとなり、通勤手当についても違いを設ける場合には合理的な理由が必要となります。

自社の規定がどうなっているか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。




『業務マニュアル』作成・活用のススメ

 

◆今だからこそ必要な『業務マニュアル』

“ゆとり教育の弊害”による新入社員の能力低下、社員の退職・人事異動の場面でのノウハウの断絶、効率的な手順が確立されていないことによる社員間の業務成績のバラツキなど、近年、「技術承継」が大きな問題となっています。

このような問題の解決に役立つのが、業務上のノウハウを集約し、マニュアル化した、『業務マニュアル』です。

しかし実際には、そもそも作成されていなかったり、あっても活用されていなかったり、内容の見直しがされていないため現在の職場の方針と合わなくなってしまったりしている――そんな企業も多いようです。

活用できるマニュアルの作成(見直し)が求められています。

 

◆『業務マニュアル』の目的を明確に

『業務マニュアル』が活用されていないのは、その目的が不明確であり、仕事の成果を高める役割を果たすことができていないからではないでしょうか。

『業務マニュアル』の作成の目的は、一般に次のように言われています。

(1)会社や職場の目的・目標を達成する

(2)情報や知恵を活用する

(3)仕事の効率化、質の向上を図る

(4)顧客サービスの向上を図る

「こうした目的を達成するために求められる内容とは何か」を明確にすることができれば、新しく作成する場合も、既存のマニュアルを活用できる形に見直す場合も、以降の作業が楽に進みます。

 

◆“使われる”マニュアルにするために

『業務マニュアル』の作成・見直しにあたっては、使用される状況を把握することも大切です。

「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」使用するのかを明確にイメージして作成すれば、現場で役立つマニュアルとなります。

そのような観点で、作成・見直しを行ってみましょう。




雇用保険の教育訓練給付金が拡充!

「専門実践教育訓練給付金」について

 

◆「専門実践教育訓練給付金」創設

雇用保険の教育訓練給付金が拡充され、10月から新たに、専門性の高い資格取得について、「専門実践教育訓練給付金」が創設されます(2018年度末までの期間限定)。

対象は、厚生労働大臣が指定する、業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする資格取得講座、中長期的なキャリア形成を支援する講座(企業などとの連携により最新の実務知識等を身につけられるよう教育課程が編成されている専門学校の職業実践専門課程、キャリアアップを目的とした専門職大学院)で、対象講座は今後も増える見通しとなっており、支給対象となる社員等も出てくるのではないかと思われます。

要件を満たせば、給付率が従来の「一般教育訓練給付金」(費用の20%、上限10万円)よりも大幅にアップしますので、制度の紹介をすれば喜ばれるのではないでしょうか。

 

◆支給対象者は?

雇用保険に原則10年以上加入している方が利用できます。

 

◆給付の内容は?

最長3年間にわたって支給され、給付率は費用の40%(上限:1年で32万円)です。

講座修了後に資格や学位を取得して就職すると、費用の原則20%が追加支給され、合計で費用の60%分が支給されることとなります(上限:1年で48万円)。

 

◆申請手続は?

専門家のキャリア・コンサルティングを受け、受講前にハローワークで手続きを行います。

給付金の申請は半年ごとに行い、その都度、講座実施期間が発行する受講証明書等を提出する必要があります。




経営者と社員のギャップ解消には社史を使った社員研修が効果的!?

 

◆経営者の思いが伝わらない

“経営者の想いがなかなか社員に伝わらない”“経営者と社員の意識にギャップがある”

このような悩みを抱えた会社は多いのではないでしょうか。そんな悩みを解消するには、社史を使った研修が解決に役立つようです。

 

◆社史から学べること

社史を知ることで、経営理念がどのような背景のもとで誕生したのか、経営者が企業を発展させるために行ってきた決断や苦労話など、社員は今まで知らなかった事実や経営者の想いなど、会社の足跡を知ることができます。

また、自社をとりまく業界の歴史も一緒に学ぶことができます。

 

◆社員研修の例

社史を使った研修として、新人研修があります。社史は、会社の歴史、理解を深めてもらう格好の材料となります。

また、幹部研修で社史を改めて学ぶことで、組織をどの方向に導いていけばよいのか等、様々な決断を下さなければならない状況において判断の目安となります。

このように、社史を通じて、経営者と社員とのギャップが解消され、会社が目指すべき方針に社員も共有しやすくなり、経営理念に沿った行動ができるようです。

 

◆社史の今昔

かつての社史は、自社に都合の良いことだけを載せるものも少なくなかったようですが、20年くらい前から、社史編纂に社外の人間が加わるようになったことで、より客観的な内容へと変化してきているそうです。

また、社史というと“分厚い本”というイメージがありますが、今は文庫本サイズのものや、DVDやホームページなど書籍以外の体裁をとるものも出てきています。

より身近に、より手軽になってきている社史を、社員研修に利用してみてはいかがでしょうか。




会社に求められる「LGBT」の従業員への配慮

 

◆「LGBT」とは?

LGBTは、性的マイノリティー(同性愛者など)の人たちのことで、日本でも全体の役5%いるといわれています。

自分がLGBTであることをカミングアウトしていない人も多いようです。

 

◆セクハラは異性間だけでない

今年の7月に男女雇用機会均等法のセクシュアル・ハラスメントに関する指針が見直され、「セクハラには同性に対するものも含まれる」と明示されました。

今後はLGBTの人たちに対する差別的な言葉や行動もセクハラとなります。

 

◆会社に求められることは?

会社は当然、LGBTの人への配慮が必要となります。例えば、LGBTをからかう言葉(ホモ、おかま等)を使う、存在を否定する、「彼氏(彼女)いないの?」などとしつこく聞く、性的指向と仕事の能力を結びつけるなどは、しないようにしなければなりません。

自社の社員にはいないと思っていても、本人が隠しているだけかもしれません。社員が皆働きやすい職場を作っていくことが必要です。

 

◆社内制度の見直しも

LGBTの人たちへの対応に積極的に乗り出す会社も増えてきていうようです。

例えば、福利厚生制度の見直しです。社内規定を改定し、事実婚やパートナーとの同居を届け出る「パートナー届け制度」を設けるなどがその一例です。

法律婚の夫婦と同じく、結婚、育児、介護などの特別休暇や家族手当、慶弔見舞金の対象とするというものです。  

会社の理解があれば、本人のモチベーションアップにもつながりますね。




労災のない職場づくりを目指す「あんぜんプロジェクト」

 

◆「あんぜんプロジェクト」とは?

「あんぜんプロジェクト」は、労働災害のない日本を目指して労働者の安全に一生懸命に取り組み、「働く人」、「企業」、「家族」が元気になる職場を創るため、厚生労働省が行っているプロジェクトです。

同省では、今年で4回目を迎える同プロジェクトの一環として、今月16日から労働災害防止に向けた企業の取組事例を募集・公開し、投票により優良事例を選ぶ、平成26年度「『見える』安全活動コンクール」を実施します。

応募期間は、916日から1114日までで、応募事例は「あんぜんプロジェクト」のホームページ(http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/)に掲載され、3月上旬に優良事例を発表する予定です。

 

◆プロジェクトの趣旨と目的

平成26年に入り労災発生状況は増加傾向を示すなど厳しい状況にあったため、厚生労働省は先月、「労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請」を行い、産業界全体に企業の安全衛生活動の総点検を呼びかけました。

職場に潜む危険性を可視化することは、職場の安全活動を活性化させるうえで効果的な手段であるため、同省では平成23年度から安全活動に熱心に取り組んでいる企業が国民や取引先に注目される運動「あんぜんプロジェクト」の積極的な展開を図っています。

この取組みの一環として実施している「『見える』安全活動コンクール」では、職場の安全活動の中で、危険の認識や作業上の注意喚起をわかりやすく周知でき、また、一般の労働者も参加しやすい活動である安全活動の「見える」化について、取組事例を募集、公開し、広く国民から投票を募り、優良事例を決定します。

 

◆安全活動の創意工夫事例を参考に

このコンクールに応募された取組事例は、現場の安全活動の取組みに活用できるよう、「あんぜんプロジェクト」ホームページ上で継続的に公開されています。

今年度は、陸上貨物運送事業、第三次産業等の業種における災害が増加傾向にあることや、昨年度の応募状況を踏まえ、「女性、高齢者、未熟練労働者の労働災害を防止するための見える化」や「転倒災害を防止するための見える化」、「IT技術を利用した見える化」など類型別に募集を行うようです。

同ページでは、「見える」安全活動の例として過去の優良事例が公開されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。


中小企業における賃上げ等の取組み状況

 

◆6割強の企業が何らかの賃上げを実施

経済産業省が中小企業の雇用状況に関する調査、地域の中核を担う中堅・中小企業等における賃上げ等の取組みに関する調査の結果を発表しました。

平成26年度にベースアップや賞与・一時金の増額等、何らかの賃上げ(正社員1人当たり平均賃金の引上げ)を行った企業の割合は64.5%(前年度比7.7ポイント増)でした。

ベースアップに相当する賃上げを行った企業の割合は36.2%で、賞与・一時金の増額を行った企業の割合は48.0%でした。

 

◆賃上げを行った理由は?

賃上げを行った理由としては、「従業員の定着・確保」と回答した企業が最も多く75.7%、「業績回復の還元」が28.9%、「消費税率の引上げ」が21.3%で続いています。

ちなみに、賃上げを行わなかった企業にその理由を聞いてみると、「業績の低迷」が71.7%で最も多く、次いで「賃金より従業員の雇用維持を優先」が33.1%、「原油・原材料価格の高騰」が33.0%となりました。

上記の結果から、人手不足により賃上げせざるを得ない状況や、業績の低迷が賃上げを妨げていること、雇用維持への努力やコストアップの影響が見てとれます。

また、地域別で見ると、賃上げを行った企業は、昨年度に比べ全国的に増加し、地域間の格差も少なくなっており、地方へ「経済の好循環」が着実に波及しつつある状況も見られたようです。

 

◆非正規社員の処遇改善の取組み例

同調査では、企業収益の改善を、ベースアップや初任給の引上げ等の賃金改善によって従業員に還元している事例はもとより、非正規社員の正規社員への転換や、子育て支援等の福利厚生の充実等、全国各地で各社が工夫して従業員の処遇改善に取り組んでいる事例も紹介されています。

非正規社員の処遇改善への取組例として、賃金改善(パート社員を今以上に戦力化するため時給を約10%引上げ、優秀な人材の確保を目的にパート社員について310%程度賃上げ、他社の賃金動向を勘案し正社員を上回る1,500円のベースアップを実施)や、正規雇用への転換(会社側から積極的に働きかけて非正規社員を正規雇用へ転換)が挙げられています。

賃金以外の処遇改善の取組み例としては、働きやすい職場づくり(介護が必要な家族がいる社員のために介護休業や介護休暇を法定の期間より大幅に拡充、女性を積極的に登用するため短時間勤務制度を導入、出産祝い金を2万円から10万円に増額)や、社員への慰労(売上好調等による労をねぎらうため、46日のハワイ旅行を実施)が挙げられています。