2012/03/01

3月の事務所便り

最近の労働関係の裁判例から

 ◆「期間満了を理由とする雇止め」をめぐる裁判例
 京都市にある大学が、期間満了を理由として雇用契約を更新しなかったのは不当であるとして、元助手の女性が雇用の継続などを求めていた訴訟は、大学がこの女性を今年4月から新たに1年間雇用する(契約更新なし)との内容で、京都地裁で和解が行われました。(2011年12月22日)
 この女性は、2007年4月から「契約期間3年」で勤務していましたが、2010年3月末に雇止めされました。採用時に「よほどの不祥事がなければ1回は契約更新される」との説明を受けていたことから、提訴していたものです。
 女性は「教員の使い捨てに異議を申し立てたかった。非正規教員の問題は全国で広がっているが多くの教員は泣き寝入りしている」と話しており、大学側は「裁判の長期化は望ましくないと判断した」と話しているそうです。

 ◆「過労死」をめぐる裁判例
 新聞社の記者だった男性が糖尿病の悪化により死亡したのは過労が原因だったとして、この男性の父親が労災と認定しなかった国の処分の取消しを求めていた訴訟(控訴審)で、東京高裁は、一審の東京地裁判決(請求棄却)を支持し、控訴を棄却しました。(2012年1月25日)
 裁判長は、業務内容を「精神的・身体的に著しく負担が大きかった」と認定しましたが、ストレスと糖尿病悪化の関係は「医学的知見が定まっていない」とし、業務と死亡との因果関係を否定しました。
 この男性は1984年に入社し、1997年6月に糖尿病の合併症が原因で死亡しました。直前の同年5月までの半年間の時間外労働は、月平均約134時間だったそうです。

 ◆「育休に伴う解雇」をめぐる裁判例
 育児休業の取得を理由に解雇されたのは違法であるとして、埼玉土地家屋調査士会の元社員の女性が解雇無効の確認などを求めていた訴訟で、さいたま地裁は、同会が請求を認める「認諾」を表明して審理が終結しました。職場復帰と同会および同会会長が慰謝料165万円を女性に支払うことが決まったそうです。(2012年2月2日)
 原告側の代理人弁護士は「泣き寝入りせずに闘った結果。より働きやすい職場になってもらいたい」と話しているそうです。
 この女性は2005年8月に事務職として入社し、2009年9月に妊娠後、切迫流産の危険があったため数日間休みましたが、同年11月以降、同会役員らに退職を勧められました。2010年4月から産休と育休を取得し、2011年5月18日に復帰すると、そのまま解雇されていました。


「企業の採用基準」と「学生のアピールポイント」

 ◆求人企業と学生を対象に調査
 求人情報サイトを運営しているエン・ジャパン株式会社では、求人企業(635社が回答)と2013年3月に卒業予定の学生(2,221人が回答)を対象に実施したアンケート調査の結果を発表しました。
 企業側が考えている採用基準と学生側のアピールポイントには、わずかにギャップが見られるようです。

 ◆企業はどのように考えているか?
 企業による「自社の採用基準」ベスト5は次の通りでした。
(1)主体的・積極的に行動できる(71.0%)
(2)他者と協調することができる(36.7%)
(3)チャレンジ精神がある(30.1%)
(4)明るく感じの良い振る舞いができる(26.3%)
(5)ストレス耐性が高い(17.6%)

 ◆学生はどのように考えているか?
 学生が想像する「企業の採用基準」ベスト5は次の通りでした。
(1)主体的・積極的に行動できる(37.7%)
(2)チャレンジ精神がある(10.9%)
(3)他者と協調することができる(10.4%)
(4)明るく感じの良い振る舞いができる(7.3%)
(5)礼儀やマナーがしっかりしている(6.6%)

 ◆学生のアピールポイント
 そして、学生が考えている「選考で最もアピールしたいポイント」ベスト5は次の通りでした。
(1)他者と協調することができる(20.5%)
(2)継続性がある(14.6%)
(3)主体的・積極的に行動できる(11.4%)
(4)明るく感じの良い振る舞いができる(10.1%)
(5)目標達成への意識が高い(9.0%)


中小企業の「後継者不在」の状況は?

 ◆約3分の2が「後継者不在」
 株式会社帝国データバンクでは、後継者の実態について分析可能な信用調査報告書(2008年以降)のある約41万社を対象に国内の後継者不在企業の実態を分析し、その結果が発表されました。
 国内企業の約3分の2に相当する企業(65.9%)が「後継者不在」となっているそうです。

 ◆地域別に見るとどうか?
 この調査によれば、調査対象企業(40万8,954社)のうち、後継者不在企業は26万9,488社です。
 地域別に見てみると、「後継者不在率」の高い地域は、上位から「北海道」(71.8%)、「中国」(71.3%)、「近畿」(68.6%)、「関東」(67.9%)、「中部」(65.6%)となっています。
 なお、沖縄県では実に81.4%となっており、都道府県別で唯一、8割を超える結果となっています。

 ◆業種別に見るとどうか?
 また、別に見てみると、「後継者不在率」の高い業種の上位5つは、「サービス業」(72.1%)、「建設業」(69.6%)、「林業・狩猟業」(69.1%)、「不動産業」(68.0%)、「卸売・小売業、飲食店」(64.8%)となっています。

 ◆後継者不在の原因は?
 中小企業における「後継者不在」の原因としては、主に次のことが挙げられます。
(1)「後を継ぐ子がいない」
   …少子化により、多くの企業には後継する子自体がいないことが原因にあります。
(2)「子が後を継がない」
   …子が「厳しい経営環境にあえて飛び込む必要はない」と考えていることが原因にあります。
(3)「子が後を継げない」
   …子が会社を継ごうとしても「経営能力」が備わっていないことが原因にあります。


「『競業他社への転職禁止』の契約は無効」との判決

 ◆非常に大きなインパクト
 今年1月上旬、外資系の大手生命保険会社が同社の執行役員と交わした契約条項(退職後2年以内に競合他社に就業するのを禁止し、違反した場合は退職金を支給しない)の有効性が争われた訴訟の判決がありました。
 この判決内容は非常にインパクトのあるものであり、新聞紙上等でも大きく報道されました。

 ◆退職金3,000万円の支払いを命じる
 東京地裁は、次のように判断し、元執行役員男性の請求通りに、会社に対して退職金(約3,000万)の支払いを命じました。
(1)「情報の流出を防ぐ目的で競合他社へ転職を禁じるのは過大」
(2)「職業選択の自由を不当に害している」
(3)「契約条項は公序良俗に反して無効」
 原告側弁護士によれば、外資系企業では上記のような条項を交わすケースが多く、「名ばかり管理職とされる執行役員の転職を安易に禁じることに警鐘を鳴らす判断」としています。

 ◆判断のポイントは?
 一般的に、上記のような「競業他社への転職禁止」の契約は、優秀な人材とノウハウの流出防止を目的に締結されます。
 過去にも、競合他社への転職について争われた裁判例があります。それらの判断のポイントは、次の通りとされています。
 (1)競業他社への転職を希望する者の会社内での地位が高ければ高いほど、転職が認められない(競業避止義務を負う)傾向にある。
 (2)転職先の競業会社の内容・場所も考慮されており、それらが近ければ近いほど転職が認められない(競業避止義務を負う)傾向にある。
 競業他社への転職禁止に関する契約を従業員と締結する場合、上記のことを考慮すべきだと言えるでしょう。


新入社員の意識を探る調査の結果

 ◆入社後半年の意識は?
 日本生産性本部は、2011年度の新入社員に対し、入社半年後の意識をたずねた調査の結果を発表しました(今年1月11日)。

 ◆7割以上の男性が「育休を取得したい」
 今回の調査から新設された「子どもが生まれたときには、育児休業を取得したい」とする質問に「そう思う」と回答した割合は、男性で72.8%、女性で95.8%、全体で79.9%でした。

 ◆「若いうちはフリーターでも良い」が増加
 「若いうちならフリーアルバイターの生活を送るのも悪くない」とする設問に「そう思う」との回答は、2004 年以来ほぼ減少傾向にありましたが、前年比11.3 ポイント増加して35.9%になりました。

 ◆転職に関する意識は?
 「条件の良い会社があれば、さっさと移るほうが得だ」に対し、「そう思う」とする回答が前年の秋の調査より12.4 ポイント増加して40.7%となりました。
 また、転職に関して自身の考えを選択する4者択一の設問では、「転職しないにこしたことはない」と回答する割合は28.5%で、同調査より2.7 ポイント増加しました。

 ◆震災の影響は?
 自身の気持ちについて近いものを選択する設問で、「3 月11 日の東日本大震災が起きたことによって、あなたのキャリアプランに影響はありましたか」に対し、「そう思う」とする回答が12.6%で、「そう思わない」とする回答が87.4%でした。


「職場におけるパワハラ行為」の定義を明確化

 ◆初めて「パワハラ」の定義を明確化
 厚生労働省のワーキンググループは、職場におけるパワー・ハラスメント(パワハラ)に該当する可能性のある行為を6つに類型化した報告書をまとめました。
 この報告書では、パワハラの定義が初めて明確化されるとともに、企業が取り組むべき対策についても紹介しています。

 ◆パワハラとはどのような行為か?
 パワハラは、一般的に「職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に業務の適切な範囲を超えて、精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を悪化させたりする行為」とされています。
 上司から部下への「いじめ」や「嫌がらせ」を指して使われる場合が多いのですが、人間関係や専門知識などで優位な立場にある同僚や部下から受ける嫌がらせなども含まれるとされています。

 ◆パワハラに該当しうる行為(6分類)
 今回の報告書では、職場のパワハラに該当しうる行為について、次の6つに分類しています。
(1)暴行・傷害などの「身体的な攻撃」
(2)侮辱や暴言などの「精神的な攻撃」
(3)無視などの「人間関係からの切り離し」
(4)遂行不可能なことへの強制や仕事の妨害などの「過大な要求」
(5)能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることなどの「過小な要求」
(6)私的なことに過度に立ち入る「個の侵害」
 ただ、職場におけるパワハラは「業務上の指導との線引きが難しい」との意見もあり、報告書では(4)~(6)については「業務の適正な範囲内」であれば本人が不満に感じたとしてもパワハラには該当しないとしています。

 ◆予防と解決のために積極的な取組みを
 企業におけるパワハラの予防と解決には、組織トップによるメッセージや、就業規則での規定化、予防・解決のためのガイドラインの作成、教育研修の実施、企業内外における相談窓口の設置等が効果的です。
 パワハラ被害を受けた従業員が、人格を傷つけられたこと等により心の健康を悪化させ、休職・退職に至るケースや、周囲の人たちの意欲が低下し、職場全体の生産性に悪影響を及ぼすケースもあり、パワハラが企業にもたらす損失は非常に大きいと言えます。
 そのため、パワハラ問題への取組みを企業が積極的に進めることが求められます。


病気なのに無理して出勤するとどんな影響があるか?

 ◆風邪をひいても休まない?休めない?
 ある気象情報会社の調査によれば、平均的な日本人は1年に2回以上風邪をひくものの、熱が38度以上まで上がらないと会社や学校を休まないとのことです。
 風邪で休まない人の割合は年齢が上がるとともに高くなり、40歳代では35.9%にも達するそうです。

 ◆出勤は「美徳」なのか?
 上記のことについて、人事管理に詳しい専門家は「結果重視の成果主義が主流になってきたとはいえ、日本人が持つ“多少のことがあっても出勤することが美徳だ”という考えの影響が大きく残っている」と言います。
 多くの企業において、「プロセスにおける貢献度」や「チーム全体での成果」を重視する人事評価制度が導入されているため、突発的な休みが言い出しにくい環境になっていることも影響しているようです。

 ◆マイナス面に注目する動き
 最近では、新型インフルエンザの流行などをきっかけに、無理をして病気の社員を働かせるマイナス面にも注目される動きが出てきました。
 社員だけではなく、扶養家族にも無料でインフルエンザの予防接種を実施したり、短時間だけ会社を抜けて病院に行くことのできる制度を導入したりする企業もあるようです。

 ◆「プレゼンティズム」の導入
 出社したとしても体調が悪くて普段と同様の成果が上げられず、企業に損害を与えてしまうという考え方は、経営学で「プレゼンティズム」と呼ばれているそうです。
 例えば、花粉症であれば4.1%、風邪であれば4.7%も仕事の効率が落ちるそうです。企業では、組織全体の損害をいかに抑えるかが課題となります。

 ◆生産性を維持しつつリスクヘッジも
 約8割の家庭が常備しているといわれる総合感冒薬(風邪薬)の売上は年々縮小していますが、これは、頭痛や発熱など風邪の初期症状が表れると、すぐに病院に駆け込む人が増えたことが影響しているそうです。
 日本のビジネスパーソンには、「初期症状で病院に行く」という考え方が浸透しており、今後は、生産性を維持しながらリスクヘッジにも役立つ「プレゼンティズム」を検討する企業も増えていきそうです。


「フリーアドレス制」導入目的の変化

 ◆オフィスの省スペース化の手段として
 オフィスに個人用の席を設けず、仕事に応じて座る席を決める「フリーアドレス制」は、オフィスの省スペース化の手段として広がってきました。
 しかし、最近では、社員間のコミュニケーションを活発化させる仕組みとしても注目され始めているようです。
 
 ◆コミュニケーション活発化を目指して
 これまで、「フリーアドレス制」導入の主目的は、オフィス賃料の削減にあり、外出が多い営業部門などで席数を減らしていました。しかし、昨今は事情が異なってきており、社員間のコミュニケーションを促すために導入する企業が増えているようです。
 ある大学が、20~50歳代の社会人に対して職場の雰囲気について聞いたところ、「社員同士で情報を共有し合う雰囲気がある」(約12%)、「人を育てようとする雰囲気がある」(約9%)などの回答がいずれも低水準にとどまっていました。
 そこで、このような状況を改善する手段の1つとして、改めて「フリーアドレス制」が注目されているのです。

 ◆社員の管理に難しさも
 この「フリーアドレス制」導入成功の鍵は、「中間管理職」にあると言われています。
 ある企業の部長職の男性は「数多くいる部下と毎日顔を合わせないので、正直把握しきれない」と言います。また、別の企業では20~30歳代の社員が固まって座ってしまうため、若手社員の指導ができないことが問題になっているそうです。
 こういった企業では、日常的なコミュニケーションに支障が出ないよう、部署ごとに範囲を決め、その中で席を自由にする「半」フリーアドレス制を導入したり、最低1日1回は朝礼の時に顔を揃えて仕事を確認し合ったりするなど、対面コミュニケーションを取れる工夫を行っています。

 ◆残業削減にも大きな効果
 フリーアドレス制には、コスト削減やコミュニケーション活発化の他にも、自分で管理する書類などの削減につながる、仕事環境を変えることにより生産性が向上するといったメリットもあります。
 また、席を選ぶ際にその日の仕事の内容が明確になるため、仕事の効率が上がって残業が減ったなどのケースもあるようです。


7月1日から「改正育児・介護休業法」が全面施行

 ◆100人以下の事業主にも適用
 男女ともに仕事と家庭が両立できる働き方の実現を目指し、2009年に「育児・介護休業法」が改正されました。
 これまで、従業員100人以下の事業主には、下記の制度の適用が猶予されていましたが、7月1日よりすべての事業主に適用されますので、注意が必要です。

 ◆短時間勤務制度(所定労働時間の短縮措置)
 (1)事業主は、3歳に満たない子を養育する社員について、本人が希望すれば利用することのできる「短時間勤務制度」を設けなければなりません。
 (2)「短時間勤務制度」は、就業規則に規定しているなど制度化されている必要があり、運用されているだけでは不十分です。
 (3)「短時間勤務制度」は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含めなければなりません。なお、1日の所定労働時間を6時間とする短時間勤務を選択することができる制度を設けたうえで、その他、例えば1日の所定労働時間を7時間や5時間とする措置や、隔日勤務で所定労働日数を短縮する措置などを併せて設けることも可能です。

 ◆所定外労働の制限
 (1)3歳に満たない子を養育する社員が申し出た場合、事業主は、所定労働時間を超えて労働させてはなりません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合、事業主は従業員の請求を拒むことができます。
 (2)所定外労働の制限の申出は、1回につき、1カ月以上1年以内の期間について、開始予定日と終了予定日等を明らかにして、開始予定日までの1カ月前までに事業主に申し出る必要があります。また、この申出は何回でもすることができます。

 ◆介護休暇について
 要介護状態(負傷・疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする状態)にある家族の介護や世話を行う社員は、事業主に申し出ることによって、介護する家族が1人ならば年に5日、2人以上ならば年に10日まで、1日単位で休暇を取得することができます。

 ◆近づく全面施行を前に
 いずれの制度についても、新たに対象となる事業主はあらかじめ制度を導入したうえで、就業規則などに記載し、従業員に周知する必要があります。
 また、適用除外とできる社員の要件などにも注意が必要です。全面施行が近づいていますので、早急に導入に向けた準備が必要です。


派遣社員による育児休業取得の実態

 ◆大手派遣会社などによる支援
 派遣社員が育児休業(育休)を取得する動きが少しずつ広がっているようです。大手派遣会社などが、優秀な人材を確保するために様々な支援を始めたことが背景にあります。
 しかしながら、育休明けに派遣先が決まらないことが多いなど、課題も多くあります。派遣社員の出産・育児を後押しする環境づくりが、少子化対策の観点からも求められています。

 ◆支援の具体的内容
 派遣社員などの有期雇用者は、2005年の育児・介護休業法の改正により、一定の条件を満たせば、育休を取得できるようになりました。
 当初は、派遣会社の対応が遅れて利用は進んでいませんでしたが、ここ数年で徐々に増加し、利用者が大幅に増えた大手派遣会社もあるようです。
 中小の派遣会社では対応にばらつきがありますが、大手では、専門担当者を配置し、育休期間中も含めて相談に応じる体制を整えたり、復帰前に支援セミナーを開いたりするなど、積極的な支援を行うようになってきています。

 ◆派遣先での理解も必要
 しかし、派遣会社が支援に力を入れたとしても、復帰後の派遣先が決まらなければ意味がありません。厚生労働省の調査によると、2010年度において育児休業給付金を受給した人(約20万6,000人)のうち、有期雇用者は7,375人に過ぎませんでした。
 また、同省が2009年にまとめた調査で、派遣先約500社の管理職のうち、派遣社員でも育休を取得できることを知っていた人は約半数しかいないことからも、「派遣社員の育休取得」への理解は低いことがわかります。

 ◆課題の解決に向けて
 また、保育園の入園選考で、派遣先未定の派遣社員を「仕事をしている」とみなすか、「仕事がなくて求職中」とみなすかの明確な基準がなく、後者とみなして優先順位を下げる自治体もあるようです。
 派遣社員は、雇用主である派遣会社の他に、派遣先や行政の支援や理解が欠かせず、大きな課題となっており、今後の施策が期待されます。