2013/03/01

3月の事務所便り

就活生・内定学生・若手社員 それぞれの思い

 
◆就活生は企業に何を聞きたいのか?
 人材採用コンサルティング会社(株式会社ジョブウェブ)が、就職活動を行っている大学生(263名)を対象に昨年12月に実施した「2014年度卒学生・就職活動動向調査」によると、「会社説明会で聞きたいこと」の上位3つは次の通りでした。

(1)他社との違い(77.6%
(2)会社の雰囲気・社風(71.9%
(3)仕事内容(68.8%

また、「会社説明会のプログラムにあったら良いと思うもの」という質問に対する回答の上位3つは次の通りでした。

(1)社員との交流会(76.8%)
(2)社内見学(54.8%)
(3)内定者との交流会(49.0%)

 ◆「愛社精神」はあるか?
 株式会社マイナビの総合情報サイト(マイナビニュース)が、内定を獲得した2013年4月入社の学生(329人)と、入社2~5年目の若手社会人(484人)を対象に昨年下半期に実施した「仕事に関する意識調査」によると、「愛社精神がある」と回答した内定学生は78.4%(前年比10.6ポイント減)、若手社会人は43.0%(同2.1ポイント増)との結果が出ました。

内定を受けて、入社後に「愛社精神」が薄らいでいく方が多いようです。

 ◆企業側の考えは?
 上記の結果に対して、新卒学生(新入社員)を受け入れる会社側の考えはどのようなものでしょうか。
 経済同友会が、会員企業を対象に昨年9~10月に実施した「企業の採用と教育に関するアンケート調査」では、新卒者を採用する際の選考方法として重視するのは「面接」、ビジネスの基本能力として最も重視するのは「熱意・意欲」との回答が最多でした。
 また、アルー株式会社が、新入社員(2012年4月入社)の業務を指導する「OJTトレーナー」(300名)を対象に昨年12月に実施した意識調査によると、「新入社員が配属された際に最低限できていて欲しいことで、現状なかなか身についていないこと」との問いについて、回答数の第1位は「自分で考えて行動できる」、第2位は「挨拶ができる」との結果でした。

 
添乗員の派遣を受けている旅行会社は
労働組合法上の「使用者」に該当するか?

 ◆旅行会社が派遣添乗員の団交申入れを拒否
 旅行会社A社の派遣添乗員Bが、A社に対して労働時間管理(管理を行っていなかった)に関して団体交渉を申し入れたところ、A社側がこれを拒否したため、B側が「不当労働行為である」と主張して救済を求めていた事件について、昨年、中央労働委員会により、会社側の主張を棄却する判断が下されました(20121129日)。

 ◆事件の概要
 A社は旅行事業に関し、労働者派遣法に基づいて、派遣会社から添乗員Bの派遣を受けていましたが、Bが所属する労働組合本部および支部組合がA社側の労働時間管理等について団体交渉を申し入れたところ、A社側がこれを拒否したことについて、「不当労働行為である」として、救済を申し立てました。
 初審(東京都労働委員会)では、団体交渉事項のうち、A社側が労働時間管理に関する議題に応じなかったことは不当労働行為に該当すると判断し、A社側に対して「誠実団交応諾」および「文書交付」を命じたところ、A社側は、これを不服として再審査を申し立てました。
 そしてこの度、会社側の再審査の申立ては棄却されたのです。

 ◆「形式」ではなく「実態」をみて判断
 再審査の申立てに対し、中央労働委員会は、「労働者派遣法第44条のみなし規定によって派遣事業主が責任を課せられている事項の措置を行っておらず、かつ労働時間を含む就業諸条件について雇用主と同視できる程度の支配力を有している」として、会社側を労働組合法第7条の「使用者」に当たるとの判断を下しました。
 形式的には「派遣先」と「派遣労働者」の関係であっても、実態として「使用者」と「労働者」の関係にある場合にはそのように判断される場合もあるため、注意が必要です。

 
印紙税がかからない「でんさい」がスタート

 ◆「でんさい」とは?
 200812月に施行された「電子記録債権法」により、事業者の資金調達等の円滑化を図るため、手形に替わる新たな決済手段として電子記録債権を電子債権記録機関の記録原簿に電子記録することで発生・譲渡できるようにした、新しい決済手段です。
 全国銀行協会が設立し、全銀行が参加する電子債権記録機関「でんさいネット」が2月18日よりサービスを開始することから、注目を集めています。

 ◆「でんさい」制度を創設した目的
 以前から、事業者が売掛債権などを指名債権や手形の形で譲渡することによる資金調達のための取引は行われていましたが、「債権の存在や帰属を確認するためのコストがかかる」、「二重譲渡のリスクがある」、「人的抗弁の対抗を受けるリスクがある」、「流動性に乏しい」などの問題点がありました。
 他方、手形については、「盗難・紛失のリスクや発行・管理・運搬のそれぞれにコストがかかる」、「印紙税の負担がある」などの問題がありました。
 そこで、こうした問題を解決するものとして、また、事業者の資金調達の多様化・円滑化につなげるものとして電子記録債権「でんさい」の制度が創設されたのです。

 ◆利用するメリットは?
 従来の手形の場合、発行・管理・運搬にコストがかかるだけでなく、紛失リスク等の問題もありましたが、電子記録債権はペーパーレスのためこうしたリスクがなく、印紙税が課税されないことも、手形発行企業・受取り企業双方にとっての大きなメリットとして挙げられます。
 また、電子記録債権を発生・譲渡させるには、必ず電子債権記録期間の記録原簿に記録を発生させることが必要となることから、債権の存在の確認や帰属の確認が容易にでき、二重譲渡のリスクもありません。
 さらに、手形割引のように金融機関に譲渡して現金化したり、あるいは回し手形のように二次納入企業に譲渡してその支払いに充てたりすることができるほか、いくらでも分割できるというメリットもあるため、これまで資金調達に充てにくかった債権を活用できるようになるといった効果も期待されています。


2013年度の各種保険料額・保険料率が決まりました

 ◆国民年金の保険料額
 2月5日に発出された告示(平成25年厚労告第18号)により、平成25年度の保険料額は、前年度より60円引き上げられ、15,040円になります。
 これは、15,820円(国年法87条の3に定められた、平成25年度の法定の保険料額)に0.951(平成25年度の保険料改定率)を掛けて算出された額です。
 なお、保険料を前納した場合には、毎月納付するよりも割り引かれた額での納付となります。それぞれ次の額となりますが、納付方法により割引率が異なりますので注意が必要です。

(1)1年間の保険料を前納
   ・176,700円(3,780円の割引き)…口座振替
    ・177.280円(3,200円の割引き)…現金納付またはクレジットカード納付
(2)6カ月間の保険料を前納
    ・89,210円(1,030円の割引き)…口座振替
   ・89,510円(730円の割引き)…現金納付またはクレジットカード納付
(3)1カ月間の保険料を早期納付(その月の保険料をその月末に納付)
     
14,990円(50円の割引き)…口座振替
 なお、1カ月間の保険料を現金で早期納付した場合、またクレジットカードで毎月納付する場合には割引の適用はありません。

 ◆協会けんぽの都道府県単位保険料率
 2月6日に告示(平成25年厚労告第19号・第20号)が発出され、平成25年度の協会けんぽの都道府県単位保険料率については、据置きとされることとなりました。

 
◆雇用保険料率
 昨年1219日に告示(平成24年厚労告第588号)が発出され、平成24年度の料率を据え置き、一般の事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%となりました。

 ◆厚生年金保険の保険料率
 今年8月分(9月納付分)までの保険料率は、一般16.766%、船員・坑内員17.192%となっていますが、9月分(10月納付分)からは、一般17.12%、船員・坑内員17.44%となります。


労災保険給付の振込先として「ゆうちょ銀行」の口座が利用可能に

 ◆2月12日からゆうちょ銀行もOK
 これまで、労災保険給付の振込先としてゆうちょ銀行の口座を利用できるのは、労災年金のみでした。
 この取扱いが変わり、平成25年2月12日以降、次の給付についても、ゆうちょ銀行の口座を指定できるようになりました。

(1)療養(補償)給付たる療養の費用(「検査に要した費用」は除く)
(2)休業(補償)給付
(3)介護(補償)給付
(4)アフターケア通院費
(5)障害(補償)一時金
(6)遺族(補償)一時金
(7)障害(補償)年金前払一時金
(8)障害(補償)年金差額一時金
(9)遺族(補償)年金前払一時金
10)特別遺族一時金
11)葬祭料(葬祭給付)
12)定額の特別支給金
13)未支給金

 ◆厚労省ホームページから書式をダウンロード
 上記の給付等の請求に使用する書式については、厚生労働省ホームページからダウンロードすることができます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/

 ◆若年層での労災事故の増加
 近年の傾向では、熟練技術者の減少から、若年層や経験の浅い労働者の深刻な労災事故が増加していると言われています。
 新規採用者への安全衛生指導とあわせて労災保険や社会保険の説明もしてあげると、社員も安心して力を発揮できることでしょう。


「現物給与」の価額の取扱いが変更に

 ◆適用価額は、原則「勤務地」が基準
 報酬、賞与または賃金が、金銭・通貨以外のもので支払われる場合(現物給与)に、その現物給与がいくらに相当するかは、その地方の時価により、厚生労働大臣が定めることとされています。
 従来、現物給与の価額の算出にあたっては、原則として「適用事業所の所在地」が属する都道府県の価額が適用されていました。本社および支店等を合わせて1つの適用事業所とされている適用事業所は、支店等に勤務する被保険者についても、本社の所在地が属する都道府県の現物給与の価額が適用されてきました。

 ◆取扱いの変更は4月1日から
 この取扱いが、平成25年4月1日から変更されます。
 現物給与の価額が生活実態に即した価額となるように変更されることとなり、「被保険者の勤務地」が所在する都道府県の現物給与の価額を適用することが原則となります。

 ◆具体的には?
 具体的には次の通りです。

(1)原則
 現物給与の価額の適用にあたっては、被保険者の勤務地(被保険者が常時勤務する場所)が所在する都道府県の現物給与の価額を適用することを原則とする。
(2)派遣労働者
 派遣元事業所において社会保険の適用を受けるが、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合は、派遣元事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用する。
(3)在籍出向、在宅勤務等
 在籍出向、在宅勤務等により適用事業所以外の場所で常時勤務する者については、適用事業所と常時勤務する場所が所在する都道府県が異なる場合は、その者の勤務地ではなく、その者が使用される事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用する。
(4)トラックの運転手や船員等
 トラックの運転手や船員等の常時勤務する場所の特定が困難な者については、その者が使用される事業所が所在する都道府県(船員については当該船員が乗り組む船舶の船舶所有者の住所が属する都道府県)の現物給与の価額を適用する。

自社の社員で該当する可能性がある場合には、注意が必要です。


今どきの「飲みニケーション」の実態は?

◆職場の飲み会は「仕事の延長線上」?
 株式会社エルネットが、同社が運営するオンラインストレージサービス(宅ふぁいる便)のユーザーを対象に実施した「職場の飲み会に対するアンケート」によると、職場の飲み会がどのような場であるのかを聞いた質問では、「やや仕事の延長線上の場」との回答が39.0%、「やや仕事を離れた息抜きの場」が35.2%、「仕事の延長線上の場」が17.1%、「仕事を離れた息抜きの場」が8.8%となったそうです。

「仕事の延長線上」であると考えている人が若干多い結果です。

 ◆飲み会頻度は月1、平均費用3,0004,000
 「職場の仲間と飲みに行く頻度は?」の質問に対しては、「不定期」との回答が多数を占め(62.2%)、次いで「月に1回」(15.4%)、「月に2-3回」(13.1%)、「月に4回以上」(7.6%)と続いています。
 また、職場の仲間との飲み会の1回当たり平均費用は?」との質問に対する回答では、多い順に「3,0004,000円」(39.7%)、「2,0003,000円」(27.1%)、「4,0005,000円」(21.4%)、「5,000円以上」(7.6%)、「2,000円未満」(4.3%)となりました。

◆飲み会で感じる不快なことは?
 「飲みニケーション」が叫ばれて久しいですが、転職サイト「マイナビ」を運営する株式会社「マイナビ」が行ったアンケートによると、「だから職場の飲み会は行きたくない!」と思ってしまう瞬間について、次のような回答が挙がっています。

【男性】
(1)上司の説教が始まる(20.4%
(2)飲み会の時間が長い(18.7%
(3)会費が高い(16.2%

【女性】
(1)会費が高い(23.6%
(2)お酌をさせられる(22.3%
(3)飲み会の時間が長い(19.2%

飲み会の場で不快に感じる方もいるようですが、飲み会が職場での人間関係に与える好影響も小さくないかもしれません。


2013年における中小企業の経営環境・施策について

 ◆経営環境に最も影響のありそうな要因は「国の政策変化」
 学校法人産業能率大学が中小企業の経営者を対象に実施した「2013年の経営環境認識や経営方針・施策」に関する調査(従業員数6~300人の企業経営者645人が対象)によると、「今年の経営活動に影響のありそうな要因」についての回答(上位3つ)は、次の通りとなりました

(1)国の政策の変化(55.0%)
(2)需要の不足(37.5%)
(3)国際情勢の悪化(35.3%)

政権交代による政策変化を気に留めている経営者が相当程度いるようです。

 ◆人材不足への懸念が強まる
 また、同調査では、経営環境に影響のありそうな要因として、「人材の不足」(28.4%)が5位に挙がっています。
 採用活動に関する質問においても、来春(2014年4月)入社の新卒採用活動を「予定あり」とする回答が24.8%、今年の中途採用活動について「予定あり」とする回答が58.3%となるなど、採用意欲が増加傾向にあることなどから、企業の人手不足への懸念が現れてきているといえます。

2013年の経営施策1位は「利益率向上」
 2013年に取り組みたいことを尋ねたところ、「利益率の向上」が39.1%と最も高く、次に「営業力の強化」(37.1%)、「市場のシェアの拡大」(35.0%)、「顧客満足度の向上」(31.8%)が続いています。
 その他、「従業員の教育・育成」(22.8%)についても、ここ数年では増加傾向にあるようです。

 

◆事業承継計画を策定している企業はやや増加
 事業承継については、半数超が「考えている」、約35%が「考えていない」と回答し、「自分の代で廃業にしたい」がおよそ9%となりました。
 承継方法としては「親族に承継したい」が42.8%、「親族以外の従業員・役人に承継したい」が32.2%となり、親族に譲渡したいと回答した人の割合は2年前の調査より若干低下したようです。


「退職強要」の有無に関する調査結果について

 ◆調査はなぜ、どのように行われたか?
 大手企業に「追い出し部屋」と呼ばれる部署が次々とできている問題については、先月の事務所便りでも取り上げましたが、厚生労働省は「退職強要の有無等に関する調査」を実施し、その内容を129日に公表しました。
 この調査は、製造業大手企業などで上記のような部署が存在し、転職を勧めたり、退職を迫ったりするケースがあるとの報道を受け、同省の職員が実態を把握するために、報道された企業に対して直接聴き取る方法で行われました。

 ◆「追い出し部屋」の業務内容と状況
 聞き取り調査によると、業務量の減少に伴い、一定の従業員を集め、それまでの業務とは異なる業務をさせている部署の存在が確認されました。
 具体的には、他社に外注していた業務を内製化し、取引先から請け負った社外の業務と一緒に従事させている部署や、技術の進歩やデジタル化で縮小される業務に従事していた社員を集め、新たな業務に就かせるための研修を行う専門の部署などがあったようです。
 実際の業務の状況についてみると、業務量が比較的少ないため労働者が部屋で待機することがある日があるものの、稼働率を上げるよう努めており待機者はわずかであるとする企業や、それまで配属されていた部署よりも軽易な場合があるとする企業がありました。

 ◆厚生労働省の対応
 今回の調査において、厚生労働省は「明らかに違法な退職強要を行っている企業は確認されなかった」としています。
 ただし、調査対象となった企業に対し、「経営状況が悪化したためにやむなく労働条件の変更や雇用調整を行わなくてはならない場合であっても、法令や労使間で定めたルールを遵守することはもちろん、事前に十分な話し合いを行うことは、労使間の紛争を防止するために必要である」と指摘しています。
 また、「厳しい経営環境の下での労務管理のポイント」と題したパンフレットを用い、退職強要や解雇などに関する裁判例の内容等を改めて示し、啓発指導を行ったようです。

 ◆今後、追い出し部屋はなくなるか?
 今回の調査を踏まえ、同省は、今後も大規模な雇用調整事案等を把握した場合には、各都道府県労働局等において機動的に啓発活動に取り組んでいくとしています。
 また、産業雇用安定センターが行う出向・移籍のあっせんサービスの活用や、企業自身による再就職援助の要請、ハローワークによる関係機関と連携した再就職支援を行うことなどを掲げ、「追い出し部屋」については、今後も調査を進めていくようです。


「改正高年法」施行目前! 定昇など賃金制度の動向

 ◆活発化する賃金をめぐる動き
 平成25年の春闘がスタートし、ローソンが2013年度から20代後半~40代の社員の年収を平均3%(平均約15万円)引き上げることを発表したり、先頃行われた政府と経済3団体トップとの会談で、安倍首相から、デフレ脱却に向けて業績が改善した企業から賃金を引き上げるよう要請が出たり、賃金をめぐる動きが活発化しています。

 ◆約4割の企業では定期昇給を導入していない
 公益財団法人日本生産性本部が201210月~11月にかけて実施した「第13回日本的雇用・人事の変容に関する調査」によると、年齢や勤続年数に応じた定昇がある賃金カーブの設計となっている企業は過半数(55.2%)を占めているものの、「定期昇給はない」という企業も約4割(39.6%)となったことがわかりました。
 定昇制度の導入率を過去の調査と比較すると、2000年が87.3%、2004年が62.2%となっており、徐々に導入率は低下しています。

 ◆定昇を導入している企業の約半数が見直しを検討
 定昇制度がある企業での今後の定昇制度の取扱いについては、「現状のまま」が42.4%となった一方で、「定期昇給によって上がる水準を抑制したい」が25.9%、「一定年齢までは定昇はやむを得ないが、もう少し早めの年齢で止めたい」が21.2%となり、合計で47.1%は見直しを考えていることがわかりました。
 企業規模が5,000人以上になると「現状のまま」という企業は12.5%まで減少し、「定期昇給によって上がる水準を抑制したい」が37.5%、「一定年齢までは定昇はやむを得ないがもう少し早めの年齢で止めたい」が25.0%で、合計62.5%となり、さらにその傾向が強まっていることがわかります。

 ◆年齢・勤続給を導入する企業は減少  
 基本給に採り入れられている賃金体系を見ると、管理職層では、役割や職責あるいは職務の価値を反映させる「役割・職務給」の導入率が79.2%と高く、職務遂行能力の高さを反映させる「職能給」の導入率はついては、やや下がって65.6%となっています。また、年齢や勤続年数を反映させる「年齢・勤続給」については、22.7%となっています。
 非管理職層についても同様の傾向がみられますが、どちらに関しても言えることは、「年齢・勤続給」は、調査開始から下がり続けているということです。
 4月からの「改正高年齢者雇用安定法」の施行による65歳までの雇用義務化に伴い、再雇用者の賃金の賃金水準を引き下げることを検討する企業が増えることも予想され、賃金をめぐる動きはますます目まぐるしくなりそうです。